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                                             ・中原ひろみ議員


2015年9月29日 本会議 補正予算修正案趣旨説明中原ひろみ議員

第83号議案 平成27年広島市一般会計補正予算(第2号)に対する修正案
第87号議案、広島市原爆ドーム保存事業基金条例及び広島市平和記念資料館条例の一部改正についての修正案

 提案者を代表して、第83号議案 平成27年広島市一般会計補正予算(第2号)に対する修正案の趣旨説明を行います。

 これは、五日市地区学校給食の調理・配送の業務を一括して民間事業者に委託する債務負担行為の設定を削除する修正案です。
 市民からは1万筆を超える反対署名が議会に提出されている通り、市民への十分な説明と合意は図られていません。給食の安全性について、保護者から疑問の声が出されています。
第一に、12000食もの大規模な食数になるほど、食中毒など事故の影響が大きくなる。
第二に、民間事業者が食材を安く調達すればするほど利益が増える仕組みは、食材の品質低下や安全面でのリスクを高めるなどです。
 市がプロポーザルで選定した民間事業者に、12000食もの大量の学校給食を委託し、食材の独自調達を認めることは、全国でも政令市でも初めての形態であり、安全性について審議することは、議会に課せられた責任です。が、著作権を理由に選定審査会の議事録も議会に提出されませんでした。これは、市民の付託を受けた議会の調査権を低めるものであり、議会軽視と言わねばなりません。
 今回のプロポーザル審査で、民間事業者は食材の独自調達で利ザヤを稼ぐ仕組みができます。企業の利潤追求が優先され、子どものための給食の質が後退しかねません。市が責任を持つべき学校給食のあるべき姿からの大きな後退です。
 また、民間移管で正規の栄養職員6名の配置がなくなり、民間事業者の食材チェックの権限低下をはじめ食育の推進への影響が懸念されます。
そもそも、学校給食が「生きた教材」といわれるのは、栄養教諭を中心に顔の見える自校調理方式でこそ実現できると考えます。
 本来、教育行政は、「子どもたちのために」を最優先にして、給食の実施に責任を負う立場でなければなりません。できたての温かい給食の提供ができる自校調理方式こそ保護者のねがいであり、子どもたちのためです。
 93億円あれば、佐伯区内22校の単独調理方式に移行できます。きわだつ優位性を持つ自校調理方式へと転換すべきですが、市教委には佐伯区の子どもたちの給食を良くしていこうという姿勢も、保護者の願いを聞く姿勢もないことは、まことに遺憾であるということを重ねて指摘しておきます。

 次に第87号議案、広島市原爆ドーム保存事業基金条例及び広島市平和記念資料館条例の一部改正について、修正案の提案理由を述べます。
 この修正案は、第87号議案から広島市平和記念資料館条例の一部改正を削除するものです。
 三点の問題点を指摘しておきます。
 第一に、別々の議案を、一括して提出することは、それぞれの議案に対する議員の採決権を奪うものです。
 第二に、被爆70年を契機に、原爆ドーム基金の使い道を、原爆ドームだけでなく被爆建物の保存など、被爆の継承の事業にも拡大していく。そのために基金を確保することは、とても重要だと考えます。が、そもそも、観覧料は平和記念資料館の維持管理費以外に徴収することはできないのであり、観覧料の引き上げと原爆ドーム保存事業とをリンクさせるやり方は基本的に間違いです。
 第三に、市は観覧料の引き上げによる増額分は、基金に積み立てると説明していますが、原爆ドーム基金条例には、「基金として積み立てる額は、その都度予算で決める」としか書かれていません。
 「観覧料の増額相当額を積み立てる」とは明記されておらず、「基金への積み立て額」は市の裁量にゆだねられることになります。これでは、観覧料増額分を基金に積み立てるという市の説明はウソであり「根拠」のないものです。
 とどのつまり、観覧料値上げに対する批判をかわすために、反対しにくい理屈をつけたということでしょうか?
 これまで市が被爆建物の保存や、被爆の実相の継承などのために一般財源で支出してきた経費の削減が本来の目的なのではありませんか。
 新たな受益者負担によるコスト削減だということを指摘しておきます。
 以上の理由により、広島市平和記念資料館条例の一部改正部分を削除しようとするものです。議員各位に賛同をお願いして趣旨説明を終わります。

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