トップ議会情報・議員の発言2015年第6回 12月定例会 議員発言 >議案質疑・中森辰一議員


2015年12月10日 本会議 議案質疑 中森辰一議員

  ●第97号議案 広島市一般会計補正予算(第3号)について
    @世界遺産登録20周年観光キャンペーン事業について

    A広島駅新幹線口ペデストリアンデッキ整備について 
  ●第102号議案 広島市個人番号の利用に関する条例に関する条例の制定について
   第105号議案 広島市市税条例等の一部改正について 市税条例改正案中18条以降

  ●第99号議案 広島市下水道事業会計補正予算(第1号)について


●第97号議案 広島市一般会計補正予算(第3号)について
    @世界遺産登録20周年観光キャンペーン事業について

(中森辰一議員)
 第97号議案、一般会計補正予算案(第3号)について2点伺います。
 まず、世界遺産登録20周年観光キャンペーン事業について、500万円の予算が計上されています。広島の2つの世界遺産、「原爆ドーム」と「宮島」が世界遺産に登録されて20周年だということで廿日市市と県との3者で共同して観光キャンペーンをしようということです。
 世界遺産「原爆ドーム」を大いにアピールして、広島に来てもらうことは大変大事なことです。それは、より多くの人に広島に観光に来てもらって、広島の経済をより発展させるということと、同時に、被爆地ヒロシマという広島のアイデンティティーに触れてもらって、核兵器廃絶と戦争のない世界の実現への、広島の願いを共有する人が増えてほしいからということだと理解しています。
 その際、よく考えなければならないのは、廃墟となっている「原爆ドーム」が、なぜ世界遺産に登録されたのかということです。
 日本に世界遺産はどんどん増えていますが、その中でも「原爆ドーム」は、宮島などの他の世界遺産とは違って、いわゆる「負の世界遺産」だということが、最も重要なことで、この点をしっかり踏まえた取り組みが必要だと考えます。人類が二度と犯してはならない「罪」を世界中の人々が忘れないために、そして、「原爆ドーム」に象徴される核兵器による惨禍を二度と繰り返してはならないこと、一日も早い「核兵器廃絶」の願いをより多くの世界の人々に広げてもらえるように、広島市民を中心に大勢の人々が願って「負の世界遺産」として登録されたものだということです。
 今回の観光キャンぺーンを進めるに当たっては、広島の世界遺産「原爆ドーム」は単なる観光資源ではないということ、そして、そのバッファゾーンは「原爆ドーム」の世界遺産としての価値を守るために世界遺産委員会と合意したものであるということ、それを守ることは世界の人々に対する広島市の責任であるということをしっかり踏まえることが必要だと考えます。
 この点を、市長はどのようにお考えか伺います。

(経済観光局長)
 原爆ドームは、「平和都市」広島を象徴する存在であり、その姿に触れるために国内外から多くの観光客が訪れ、広島の「平和への思い」を感じていただいています。
 原爆ドームが世界遺産に登録されたのは、核兵器による悲惨な歴史を後世に伝え、その悲劇を繰り返してはならないという、人類にとって普遍的な価値を持っているからです。
 本市としては、今後とも、世界遺産登録の際にユネスコの世界遺産委員会に認められたバッファゾーンを規制する法令等を遵守し、バッファゾーンの環境を適切に保護してまいります。
 本事業の実施に当たっては、世界遺産登録20周年の節目に、一人でも多くの方に広島を訪れていただき、原爆ドームの世界遺産としての価値を感じていただけるよう、しっかりと取り組んでいきたいと考えています。



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A広島駅新幹線口ペデストリアンデッキ整備について
(中森辰一議員)
 次に、広島駅新幹線口ペデストリアンデッキ整備について、建設費の追加予算が計上されています。
 広島駅新幹線口ペデストリアンデッキの建設中に、地中に予期しないものがあって、その処理に時間を要したことと人件費の値上がりがあったことで、およそ2億6千万円余分にかかるという点のほかに、UR都市機構への償還金として、「元金1515万円及び利息を限度」とした平成43年度までの16年間の債務負担行為が設定されることになっています。
「元金」とあるので、UR都市機構に「1515万円」借金をすることにしたということですが、建設業者との契約変更だけで済むのに、なぜ、わざわざ別にUR都市機構に、こんな借金をする必要があるのでしょうか。

(道路交通局長)
 ペデストリアンデッキの整備における本市の財政負担の平準化を図るため、その一般財源に相当する額を建て替え、後年に分割して償還するという建て替え施行制度が活用できるUR都市機構と委託契約を締結しているものです。
 したがって、今回の補正予算案は、変更増額分の一般財源に相当する額の1,515万円とこれに対する利息の償還に係る債務負担行為を設定するものです。


(中森辰一議員)
 またその利息はどれほどが見積もられているのか、1年当たりいくらかということと、16年間の総額をお答えください。
 無駄な税金を使う必要はありません。どうしても借金として残す必要があるものなのかどうか、お答えください。

(道路交通局長)
 UR都市機構の建て替え施行制度における償還金は、元金2年据え置きの元利均等払いとなっており、元金1,515万円に対する1年当たりの利息は、初年度は約9万円、最終年度は約5千万円で、総額約80万円を見込んでいます。



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●第102号議案 広島市個人番号の利用に関する条例に関する条例の制定について
  第105号議案 広島市市税条例等の一部改正について
     市税条例改正案中18条以降

(中森辰一議員)
 次に、第102号議案、広島市個人番号の利用に関する条例の制定について、及び第105号議案、広島市市税条例等の一部改正について、いわゆるマイナンバー制度に関する2つの条例案について、6つの点から質問します。
 国が、マイナンバー法を施行するためのシステムをつくるのに、およそ3400億円もの巨額の費用がかかったとされていますが、広島市がマイナンバー法施行に対応するためのシステムをつくるために、国から7億円余りの補助金があるものの、市民の税金から4億円を超える支出を行いました。
さらに、システムの維持のためにH34年までの7年間の、4億円を超える債務負担行為が設けられています。これは、なぜ7年間なのでしょうか。8年目以降、経費は掛からないのでしょうか。

(企画総務局長)
 本市では、マイナンバー制度の導入に伴い、基幹系システムのデータ連携等を行うためのシステム改修を行っております。その改修部分に係る運用・保守業務の委託のために、来年度以降の債務負担行為を設定しております。
 その債務負担行為の期間を7年間としておりますのは、改修前の元のシステムの運用・保守業務委託期間が平成34年度までとなっているために、これに終了時期を合わせたものでございます。
 8年目以降は、今回の改修で追加した機能も含めて、そのまま契約更新をするのか、あるいは新たなシステムを構築し、運用するのか、そのいずれかになろうかと思いますが、これには経費を要すると思います。


(中森辰一議員)
 また、この広島市が負担しなければならない経費が生じたことについて、市はどのように受け止めておられるのでしょうか。

(企画総務局長)
 マイナンバー制度は、国家的な情報基盤の整備でございます。その経費については全額国庫負担とするよう、これまでも他の指定都市と共同しまして、国に要望してまいりました。しかしながら、国の補助金額には、補助率が2/3のものがあること、あるいは補助率が10/10であっても一定の上限額が設定されていること等から、所要額の全額は賄えておりません。
 番号利用法において、地方公共団体の責務として、個人番号等の取扱いの適性を確保するために必要な措置を講ずることが定められていること、さらに、一部地方交付税措置もされていることから、経費の一部は本市が負担せざるを得ないというふうに考えております。

 
(中森辰一議員)
 国は、民間事業者にもマイナンバー導入で多額の負担を押し付けていますが、市内の民間事業者の準備はできているのかどうか、市の認識を伺います。

(企画総務局長)
 民間の調査会社が10月に実施した調査結果を公表しております。これによりますと、マイナンバー制度への対応が完了したまたは対応中と回答した企業は約7割でございます。平成28年1月のマイナンバーの利用開始に向け、民間事業者において必要な準備が進められているものと考えております。


(中森辰一議員)
 広島市は行政機関として市民から集めた税金で、システム構築費用を賄いますが、民間事業者は自分たちが得た収益で賄うしかありません。日本の企業の7割が赤字だとされていますが、広島市内の事業者もその例外ではないでしょう。厳しい経営をしているところに、降ってわいたように自分たちの営業活動には何ら関係ない経費を負担させられるわけです。
 広島市行政としては、市税の徴収事務にもマイナンバーが関わっており、こうした民間事業者の新たな負担が市行政には関係ないというわけにはいきません。民間事業者の経営にとっては、事実上のマイナンバー増税とも言えます。市内の事業者が負担する費用総額は膨大なものだと思われます。それが市内の民間事業者の経営に影響を及ぼさないのか、地域経済にも責任を負う広島市行政としてどのようにお考えでしょうか。

(企画総務局長)
 マイナンバー制度の導入に伴いまして、民間事業者に人事管理システムの改修、会計ソフトの更新、セキュリティ対策の強化など、新たな経費負担が生じることがあります。
 区には、これらのシステム改修やセキュリティ対策について、例年の税制改正や社会保障関係の制度改正と同様に経済的支援を行う考えはないとの見解を示しており、本市としても同様に考えております。


(中森辰一議員)
 マイナンバーがなくても、住民には何ら支障はありません。いまマイナンバーがないから市民が困っているということはないわけです。マイナンバーは、市民にとって何か特段のメリットがあるのでしょうか。

(企画総務局長)
 マイナンバーの導入によりまして、@社会保険料や税に関し、公平な給付と負担の実現が図られること、A真に社会保障を必要とする方に積極的に給付を行うこと、B社会保障や税に係る行政事務の効率化が図られること、CITを活用することにより行政手続きを行う際の添付書類が不要になるという国民の利便性が向上することなどの効果がございます。


(中森辰一議員)
 私は、マイナンバーは市民にはほとんどメリットがないと考えていますが、それにもかかわらず、マイナンバーの紛失や漏えいが起きないように、市民個人個人による厳重な管理が必要になり、その心理的な負担を含めて市民にはたいへん迷惑な話だと思いますが、行政としてどのように受け止めておられるでしょうか。

(企画総務局長)
 番号利用法では、個人に対しても、法で定められた場合を除きまして、マイナンバーを含む個人情報を第3者に提供してはならないと定められており、市民には、マイナンバーを適切に管理していただきたいというふうに考えております。


(中森辰一議員)
 マイナンバーによる個人情報の漏えいは、行政機関と民間事業者から起きる、と指摘されています。行政によるマイナンバーの漏えいは、市民に対する責任として、あってはならないことですが、現実には、年金機構で個人情報漏えいが起きたように、実例があるのであり、100%大丈夫ということはありません。
この点をマイナンバーによって行政事務を行う側として、どのように受け止めておられますか。

(企画総務局長)
 個人情報保護の対策としまして、職員への周知の面につきましては、まず、広島市情報セキュリティポリシーを策定し、毎年、情報セキュリティ研修及び公務員倫理研修を実施しております。さらに、マイナンバーに関する職員研修でも、特定個人情報を扱う区役所や本庁等の職員延べ952人に対して22回開催し、個人情報の漏えい対策あるいは法令遵守について徹底を図っております。
 次に、システム面におきましては、他の機関との情報連携を行う場合は、外部の通信回線とは遮断された専用の通信回線を使用して情報の紹介・提供を行うとともに、データについて暗号化処理を行うことになります。
 それから、こういった取組みによりまして、セキュリティ対策については、万全を期して取り組んでまいりたいと考えております。


(中森辰一議員)
 広島市行政として、マイナンバーはどのように必要なのでしょうか。
 その必要性は、重大な個人情報漏えいの危険と市民一人ひとりのマイナンバー管理の負担を押してでも大きいとお考えでしょうか。

(企画総務局長)
 マイナンバー制度は、社会保障・税制度の効率性、透明性を高め、国民にとって利便性の高い公平、公正な社会を実現するための社会基盤として導入されるものでございます。
 また、地方公共団体ン御責務としまして、番号利用法においては、自治体は個人番号や特定個人情報の取り扱いの適性を確保するために必要な措置を講じるとともに、個人番号の利用に関し、国との連携を図りながら、自主的かつ主体的に、その地域の特性に応じた施策を実施することというふうに法で規定されております。


(中森辰一議員)
 写真付きの個人番号カードをつくる時点で、なりすましが起きる可能性があると指摘されています。
住民基本台帳カードの普及率はわずか5%程度といわれていますが、それでも、全国で、住基カードの不正取得が最近の4年間で200件以上起きているそうです。個人番号カードをつくる際の不正防止の手立てはどのようにとられるのでしょうか。

(企画総務局長)
 個人番号カードを交付する際の不正防止のため、まず、個人番号カードの交付にあたりましては、原則申請者本人の来庁を求めます、その際、本人確認としまして、一つに個人番号通知カード、二つに住所地に郵送しました個人番号カード交付通知書、この持参を求めたうえで、さらに、運転免許証や住民基本台帳カード等の顔写真付きの身分証明書を持って、厳格に本人確認を行う、このことが総務省令で定められております。
 また、交付した個人番号カードの不正利用の防止策としましては、
 一つに、個人番号カードに張り付けられた顔写真の貼替えができない対策が講じられていること
 二つ目に、個人番号カードのICチップに設定されたパスワードを一定回数以上間違えると、カードが使用できなくなること
 三つ目に、不正な手段でICチップに設定されたパスワードを読みだそうとした場合は、自動的に情報が消去され使用できなくなる、
そういった対策が講じられております。


≪再質問≫
(中森辰一議員)
 漏えいの問題が一番大きい。通信回線自体は外部のものから遮断しているということだが、マイナポータルという個人が自分のインターネット回線を通じて、これにアクセスできるようになるんと聞いている。そこからの情報漏えいの可能性がないのか。

(企画総務局長)
 ポータルサイト等で情報漏えいの可能性があるのではないかということにつきましては、一義的に国の法でしっかり対策を講じていただけるものというふうに考えております。


(中森辰一議員)
 それから、今週いっぱいぐらいで全体に届くという見込みのようだが、高齢者の方などから何が送ってきたのかわからない、どういう意味なのか、どうしたらいいのかといった問い合わせや、あるいはマイナンバーをご存じの方からは、苦情や抗議があるのではないか。そういった問い合わせは現時点でどの程度きているのか。

(企画総務局長)
 マイナンバーについての問い合わせが何件きているかという状況は今手元にございませんが、制度についてはホームページへの掲載、区役所や出張所でのパンフレットの配布、出前講座などで広報をしております。
 今後も市民に制度をしっかり認識していただけるよう広報し、問い合わせに対しては窓口で丁寧に対応させていただきます。


(中森辰一議員)
 もうひとつが、番号通知と同時に、返信封筒付きで個人番号カードの申請ができるようになっているようだが、取り扱いがわからず誰に相談して、そういったところから不正取得が起こりうるのではないか。そのことについて何かご見解があれば教えてください。

(企画総務局長)
 私自身、通知を受け取って、その中の手続きの説明はかなりわかりやすく書いてあったというふうに思っております。
 個人番号カードの個人情報の保護というのは大変重要なものだということを市民の方に改めて周知徹底するということで対応させていただきたいと思います。

(中森辰一議員)
 通知が届いていないところも結構あるのではないか。

(企画総務局長)
 まだ市内への配布が完全に終わっていないという状況です。
 一昨日現在で、各区役所に郵便局から保管期間を過ぎて返されたものは、4万件程度、7%程度だったかと思います。



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●第99号議案 広島市下水道事業会計補正予算(第1号)について
(中森辰一議員)
 次に、下水道事業会計補正予算案について伺います。
下水汚泥に係る放置肥料等の処理、ということで今年度分1226万9千円の補正予算が計上され、来年度に1億5127万8千円の債務負担行為を設定するとしています。
 これは、広島市が下水汚泥の肥料化処理について委託契約を行い、相手の業者が広島市の下水汚泥を引き取って肥料化処理をしたあと、肥料として販売するとしながら世羅町の土地に放置していることについて、許可権者である県が早期処理を求めたが、業者側が応じないため、県の要請により、広島市の責任分について、広島市が業者に代わって処理しようとするものだと説明を受けました。
その経費が来年度分と合わせて、1億6354万7千円かかるというものです。
8点、質問します。
 なぜ、広島市が処理するのか。

(下水道局長)
 繰り返しになりますが、今回問題となっている下水汚泥の肥料化処理については、本市が平成20年度、21年度に委託したリバース(株)が、本市および他の排出者から処理委託された廃棄物を、処理後に世羅町および三原市の屋内外に大量に保管していた状態であったことが、平成21年度に発覚したことによるものです。
 本市は、リバース(株)から産業廃棄物管理表の受領や立ち入り検査を行うことで、処理の終了を確認しており、保管物は、肥料であったと認識しております。
 しかし、広島県が、保管物が未処理の廃棄物であったとして、保管物を撤去するよう、本市に対して行政指導を行うとともに、措置命令の発出を前提とした弁明通知書を送付してきたため、措置命令の発出を停止させる必要があると判断したものでございます。
 また、本件保管物が大量に放置されている世羅町からは本市に対し撤去の要望が出されております。
 加えて、平成26年12月からは民間事業者等により保管物の処理が行われ約600tの処理が完了しており、また、平成27年10月中旬からは、残る民間事業者によって約6,900tの保管物の処理が現在進められております。
 大量の保管物を引き続き放置することは、世羅町等の周辺の環境悪化を招き地域住民に迷惑をかけ続けることになります。当該事案の解決に早急に取り組むことが、地域住民の信頼構築につながり、下水汚泥の肥料化の継続に視するとの認識の下、本件保管物の処理に当たることとしたものでございます。


(中森辰一議員)
 保管物の総量はどれだけで、そのうち広島市分はどれだけか。
 また、その保管物は未処理の廃棄物なのか、処理済みの肥料か。

(下水道局長)
 当初、8箇所に16,003tございましたが、民間事業所等により、一部が処理されており、現在7箇所、15,388tとなっております。
 広島市が処理する量は、4,892tでございます。
 本市は、リバース(株)から産業廃棄物管理表の受領や立ち入り検査をするなどで、肥料化処理の終了を確認しており、保管物は肥料であったと認識しております。


(中森辰一議員)
 広島市以外の責任分とされている分は、どうなるのか。

(下水道局長)
 尾道市、福山市など、他の5市及び民間事業者は、広島県の指導に従って、処理すると聞いています。
 福山市、尾道市等の5市は、現在のところ、まだ処理は開始しておりません。
 また、本年10月中旬から保管場の1箇所において、民間事業者による撤去作業が進められております。


(中森辰一議員)
 平成20年度と21年度に委託した廃棄物の量と、その委託額はいくらか。
 また、それ以降はどこに委託しているのか、それらは問題なく処理が行われているのか。

(下水道局長)
 平成20年度の旭町水資源再生センター委託分が、約2,450tで金額が約2,518万円、21年度委託分のうち、江波水資源再生センター分が、約3,340tで費用が約2,771万円、西部水資源再生センター分が、約4,160tで金額が約3,390万円、合計で9,950t、8,679万円です。
 22年度以降は、22年度が4社、23年度が4社、24年度が2社、25年度が2社、26年度が2社、27年度が3社に委託しておりますが、このような問題は発生しておりません。


(中森辰一議員)
 入札方法はどうなっているのか。また、今後の見通しはどうか。

(下水道局長)
 本市の肥料化処理の委託については、その金額から政府調達に関する協定に基づく契約、いわゆるWTO案件となっております。
 WTO案件は、できるだけ入札者の門戸を広げるため、最低限の入札条件しか付けることができません。
 今後の見通しについてでございますが、WTO案件であるため、入札方法を変更することは難しいことから、完了検査等を強化する必要があると、このように考えております。
 なお、22年度以降は、送付された産業廃棄物管理表をもとに、現地への立ち入り調査を年2回から月1回にするなど業務の完了確認方法を強化しております。その後は、同様な問題は発生しておりません。


(中森辰一議員)
 業者の所有物を無断で処理すると、裁判になるのではないか。

(下水道局長)
 現在、保管物の処理について、リバース(株)と協議をしており、議案の議決をいただいた後、具体的な内容を協議し、、同意を得た上で、処理することとしております。


(中森辰一議員)
広島県にも責任があるが、何もしないのか。

(下水道局長)
 広島県は、産業廃棄物業の許可権限者として、リバース(株)に対して、改善勧告、改善命令及び措置命令等を行い、最終的に産業廃棄物処理業の許可を取り消したと承知しております。
 廃棄物処理法第19条の8第1項によれば、代執行にかかる規定として
・措置命令を受けた処分者がその措置を講じないとき、講じても十分でないとき、又は講ずる見込みがないとき
・措置命令による処分者が確知できないとき
・措置命令を受けた排出業者等がその措置を講じないとき、講じても十分でないとき、又は講ずる見込みがないとき
・緊急に措置する必要があり、措置を命ずるいとまがないとき
とされています。
 県は、これらに該当しないと判断していると聞いております。以上でございます。


《再質問》
(中森辰一議員)
 市に責任がないのに処理するのは不法支出になるのではないか。

(下水道局長)
 本市の認識でございますが、保管物は完全に肥料化処理が行われており、廃棄物処理法上、本市が保管物を処理する義務は生じていない、肥料だという認識でございます。
 二重の負担にならないよう、現在、リバースと県の間の、裁判の判決結果を待って、その状況に応じて費用を請求するということを考えておりますので、これは妥当であろうというふうに考えております。


(市長)
 リバースの件に関しまして私の基本認識をまず、ご紹介して、今担当局長が答えている一連の答えの補強にしていただきたいと思います。
 まず、時系列を整理したいと思います。ことの発端は、平成20年、21年であります。ここで、下水汚泥の委託処理が完了したということで、代金支払いを議会の議決を受けて支払っておりますので、これは間違いなく完了ということを議会で認めていただいております。
 ですから、広島市は、まずここが出発点であります。間違いなく完了していたということでありました。私がこの話を聞いたのは平成23年12月でした。こういう問題が起こっていて、県から市に何とかしてくれと言われているという説明がありましたので、完了しているものについて市の権限は及びません、他者の所有物ですから県としっかり争ってくださいと申しまして現在に至っているわけです。
 その間県がどういう対応をしたかといいますと、23年12月にそのように指示し、わがほうの対応が正しいので、県の主張は合理性がないということを継続しておりました。
 そして、26年の6月、10月、先ほどありました。いよいよ県も、市に何とかしてほしいと勧告してきました。やりませんと申し上げても勧告してきて、26年の12月に民間業者に処理させました。
 処理するということは、県の主張、すなわちまだゴミ、汚泥である、製品じゃないということを受け入れたことになってしまう。我々からすれば、我々の主張を覆す事態が起こったわけであります。
 さらに今年の10月になって他の民間業者まで処理を始めました。県のほうはリバースと訴訟を起こしており、リバースの許可の取り消しというのはしっかりした製品を作っていなかったからということが原因であるが、リバースのほうはちゃんと作ったといって争っておりました。そうするとやはり製品ではなかったということを証明しなくてはならないのでしょう。実際に持ち込んだ業者がどんどん撤去をはじめまして、他の市も県の言うことを聞いて処理しようということになりました。
 でも、広島市はちゃんと製品になったことを調べておりますが、他の市は広島市ほど調べていないそうです。では県はいつ調べたのかと聞くと、24年の3月だそうです。20年、21年に作ってから野ざらしにしているものを見て、これは製品じゃないといって県は動いているんです。時点が全然ずれているんです。製品だといっても、何年も野ざらしにしていたらいたむじゃないですか。その辺の話が全然皆さんのとこ通じてないんです。そして行政が他のところは我が方みたいに厳密に検査していなかった。現地に行って見ていないということですから。じゃ、まあ県の言うことを聞こうということでしょう。措置命令も出されない、言うこと聞きますからと受けたんですね。私は措置命令も聞くことはないんだと言ったら、いよいよ訴えるぞと、こう来たものですからこれは大変だということで、今に至ったわけです。
 どういうことが起こるかというと、今リバースと県は製品か汚泥かということを争っていますが、その裁判の既判力は我々に直接及びません。が、上級官庁などから出して争った結論に従わなければたぶんいかなくなると思うんですね。仮に県がこの訴訟に勝ったらどうなるかというと、製品じゃない、汚泥だという判断が出たら委託契約が間違っていたということになるんです。20年、21年の支出が不正になるんです。以前に議決した委託契約完了というのは間違っていたたからこれを取り返すという訴訟を起こさなければならなくなる。と同時に、県の措置命令が正しいということになり、従わなければ罰金がかかって、ダブルで大変なことになる。その訴訟に負けたら。さらに措置命令が出るということを待って、措置命令そのものが、あなたが正しい、うちが正しいとやると、これが延びるとともに、その措置命令そのもので争うということの費用負担どうなりますでしょう。それともう一つ大きな問題は、この間、市が正しいということで4年間ぐらいほったらかしてきたんです。公明党にも聞かれましたよ。何とかやってくれと、しかし、立場が譲れないからと言ってたんですが、いよいよこのぐらいで片付けとかないとおかしくなると。そして、県のほうの主張はこれなんですよ。措置命令を出して、処理法の19条の8の1項で措置命令を出して言うことを聞かなかったらいよいよ代執行と。つまり、相手が言うことを聞かないときだけ初めて県は代執行できるんですよ。自分たちの責任を果たすんですよ。市が争うとどっちが正しいか裁判所に行って争わないといかんですね、うちは製品なんだから譲れません。それまた時間がかかるじゃないですか。だから、そういうことしないで、もし、県とリバースの訴訟で、商品だということが出れば、これは市の言い分通りですから、措置命令が違法なんだから、先に出した支出は問題ないし、損害起こったら担保力ある県のほうに損害賠償請求すれば、うちはオーケーなんですよ。負けた時には大変だからっていうことで、こういうことがありますよっていうことを今皆さんにお知らせして了承いただきたいと、こうやってるつもりなんですよね。そこをわかっていただきたい。
 そして県は、さらに1万6,000何百トンの処理がある中で、わが市はたかだか3割ですよ。民間がまた5割ぐらいあるんですけども、つかめない民間がありますから、最終的には県は絶対どこか代執行しなきゃいけないんですよ。措置命令出しても、しかも最後の条項で、いわゆる措置命令を講じても、あるいはその緊急にやることができない人がおった時には、許可業者として最後やらなきゃいかんところがあるんですよね。そういう関係でありますので、今回の問題提起は、今言った中で、市がきちっとやってるということを貫き続けてこの4年間かけたけど、いよいよやっていかないと県と市が訴訟争うともっと大変なことになるから、とりあえず費用を出させてくださいと、責任があるんじゃないんです。今言った問題をきれいにスムーズに片付けるためのきっかけを皆さんにご了解いただきたいということで提示しているということを、ぜひご理解いただきたいです。以上です。


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