トップ議会情報・議員の発言2014年第2回6月定例会 議員発言 >議員提出議案討論
                                             ・近松さとこ議員


2014年7月1日 本会議 議員提出議案討論 近松さと子議員

  ●第14号議案、第15号議案、第16号議案
   広島市議会議員定数及び各選挙区選出議員数に関する条例の一部改正について(4減、3減、1減)


 議員定数削減の3つの条例改正議案すべてに反対の立場で討論を述べます。
 今、地方分権の流れの下で、否応なく、地方へと権限や事務の移譲がおこなわれています。来年からは、子ども子育て支援新法や医療・介護総合法のもとで、これまで国が定めてきたさまざまな基準を自治体が定めて、事業を構築していかなくてはなりません。住民参加をすすめて、地方の実情に合わせた自主性や自立性の発揮した地域づくりが求められています。こうした地方の役割が増す中、二元代表制の下で、市民の多様な意見を組みつくし、監視、調査・政策形成機能を果たす議会の存在意義がとわれています。
 そもそも、議員の定数問題は、地方政治の民主主義のかかわる根本問題です。本市の議員一人あたりの市民の数は、平均21343人です。さらに削減して、一人あたりの数を増やすことは、チェック機能を弱め、市民と議会とのパイプを細くする方向に他なりません。少数者の意見が届きにくくなります。
 今、「議員の数が多すぎるのでないか」という市民の声があります。市民から本市の運営する国民保険の保険料が高すぎて払えない、暮らしていけないと悲鳴があがっているのは、ごぞんじのとおりです。「議員を減らせ」というのは、「こうした重い負担を押し付ける行政に対して、議員は、市民のために一体何をしているのか」という批判の裏返しではありませんか。この声にこたえるのは、議員を減らす方向ではなく、あらためて議員の本来の役割をきちんと果たしていくことであり、開かれた議会として改革していく方向です。
 また、他の議会も減らしているからといわれます。地方政治の民主主義にかかわる根本問題を踏まえずに、他の議会に右ならえという安易な方向に流されるべきではありません。有識者による報告書などでは、「選挙のたびに削減案が議論されるという悪循環は終止符を打ち、議会本来の役割を果たすべき」と指摘されており、こうした意見に耳を傾けるべきです。
 さらに、8年前の議会での議論を実行するべきだという意見もあります。2004年の定数削減の決議は、議員定数削減により、経費の削減を図ることにより、本市の危機的財政の再建の一助とすることを目的としています。そもそも、議員の定数問題は、多様な市民の意見を反映させることであり、財政削減や行政改革とは、別問題です。一定の財政的制約を受けるのは当然ですが、財政削減と関連させれば、定数削減は際限がなくなります。
 議会として、財政削減に貢献しようと思えば、まず、費用弁償や海外派遣の問題にメスをいれるべきです。費用弁償は、昨年度1863万円支出しています。また、海外視察は今期、これまでに26人1800万円を使っています。これらで、議員報酬4人分以上の削減になります。
 以上、申し述べたとおり議員定数の問題は、地方政治の民主主義のかかわる根本問題として検討すべきであり、このことが欠落した3つの条例案には反対であるということを表明して、討論とします。議員のみなさんのご賛同をお願いします。


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