トップ議会情報・議員の発言2014年第2回6月定例会 議員発言 >議案質疑・近松さとこ議員


2014年6月26日 本会議 議案質疑 近松さと子議員

  ●第63号議案 平成26年度広島市一般会計補正予算
           広島ブランドの海外プロモーション事業について

  ●第67号議案 広島市いじめ防止対策推進審議会条例の制定について
  ●第68号議案 広島市市税条例等の一部改正について
  ●第87号議案 専決処分の承認について
         (地方独立行政法人広島市立病院機構中期計画の認可)



●第63号議案平成26年度広島市一般会計補正予算
広島ブランドの海外プロモーション事業について


(近松さと子議員)
広島県の湯崎知事は、6月県議会で「世界と直結するビジネス支援」の取り組みとして次のように報告しました。「安倍首相の訪英に合わせて,ロンドンにおいて,ジェトロが開催した「対日投資セミナー」に参加し,広島県への投資を呼びかけるプレゼンテーションを行うとともに,来場者に対して広島県産品のPRを行った。国内外から広島県への投資は重要であり,今後も,こうした機会をとらえ,広島への投資を,積極的にPRしていく」というものです。
さらに、「日本酒のブランド力向上のため、フランスにおいて,有名レストラン等への販路開拓の取組を進めるほか,メディアを活用したプロモーションの実施やイベントの開催経費を,6月補正予算に計上した」」と続けました。
本市もこの県と共同で経済団体もふくめて、実行委員会を立ち上げ、フランスで広島ブランドのプロモーションに取り組むとされています。
そこで、この事業についてお聞きします。

@このプロモーション事業を実施する本市の目的は何ですか。

(経済観光局長)
 国は、衣食住やアニメ、ドラマ、音楽等の日本文化の魅力を世界に発信し、海外需要を獲得することで経済成長につなげるクールジャパンの推進に向けた取り組みを展開しております。
 このような中、広島経済のけん引役を担う本市としても県や地元経済団体当と連携し官民一体となって、広島産品の消費拡大や誘客の促進を通じて地域経済の活性化を図るため、広島の食や産品、観光・文化等に関する海外プロモーションを実施するものです。

(近松さと子議員)
Aなぜ、フランスで実施するのでしょうか。

(経済観光環境)
 フランスは、世界の食やファッション等の文化の中心地で、世界最大の観光立国として、世界的な情報発信力があり、プロモーションの実施によって、広島に対する世界の関心を高めることができます。
 また、広島県は、フランス人観光客が訪れる全国第4位の人気の観光地で、その大部分が本市やその周辺を訪れていることから、プロモーションの効果が高いと考えたものです。

(近松さと子議員)
B本市として、どのような内容のプロモーションを実施し、どのような効果を見込んでいるのでしょうか。


(経済観光局長)
 本事業では、
・民間のイベント等において、食や観光、モードという幅広い分野をテーマにした広島の産品等の展示・試食イベントや、現地企業担当者との商談会の開催
・また、在フランス日本国大使館公邸において、現地の企業・メディア関係者を招待し、広島の産品等を紹介するレセプションパーティーの開催
・さらに、広島の食や観光、文化等を素材にした映像を制作し、イベント会場や現地で人気の高い日本紹介テレビ番組を放映
するなど、独自のPR映像や現地のメディアも活用しながら、効果的なプロモーションを予定しています。
 このたびのプロモーションには、複数の市内企業の参加を見込んでおり、現地企業担当者との商談等を通じて、海外の消費者が求める商品の内容や市場の動向など、販路開拓に関する重要な情報が効果的に入手できるとともに、商談成立による新たなビジネス機会の創出が期待できます。
 また、産品等の展示・試食イベントや現地テレビ番組での放映等を通じて、広島に対する海外の関心が一層高まることによって、観光客の誘致促進や産品の消費拡大による地域経済の活性化につながるものと考えています。

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●第67号議案広島市いじめ防止対策推進審議会条例の制定について


(近松さと子議員)
 次に、第67号議案広島市いじめ防止対策推進審議会条例の制定についてお聞きします。
大津市のいじめ自殺事件を契機に、昨年6月に国のおいて「いじめ防止対策推進法」が成立し、本市も今年の3月、「広島市いじめ防止などのための基本方針」を策定しました。
これまで、いじめられる本人にも問題があるとして間接的にいじめを肯定してしまう風潮が一部にありました。しかし、基本方針の「はじめに」の中で、「いじめは人権侵害であり、子どもの成長や人格形成に重大な影響を与え、生命身体に重大な危険を生じるおそれがあるもので、絶対に許されない」とはっきりとうたっています。
そして、大津市のいじめ自殺事件が示したのは、学校や行政が「いじめ」を放置したり隠蔽したりすることは、子どもの人権と生命に関わる重大な「安全配慮義務」違反に当たるということです。教職員が子どもの気になる変化や「いじめ」に気づいたとき、絶対に後回しにせず、学校全体で機敏に対応することがもとめられているということです。
今回設置をする「広島市いじめ防止対策推進審議会」は、重大ないじめ事案をはじめ重要な事項を調査審議をするとしています。
 そこで伺います。

@「広島市いじめ防止対策推進審議会」は、具体的にはどのようなことを調査するのですか。

(教育長)
 「広島市いじめ防止対策推進審議会」は教育委員会の諮問に応じ、「広島市基本方針」に基づくいじめの防止等の対策の進捗状況について専門的知見からの審議を行います。
 また、教育委員会の求めに応じて、学校におけるいじめの事案について、その要因・背景・学校の対応などを調査いたします。
 
(近松さと子議員)
Aこれまで、さまざまないじめ事件が隠されてきたことから、「広島市いじめ防止対策推進審議会」は、公平・中立でなければならないと考えますが、委員のメンバーはどのように考えていますか。


(教育長)
 「広島市いじめ防止対策推進審議会」は、専門的知識及び経験を有する第三者により構成し、公平性、中立性を確保いたします。
 具体的には、委員は5名以内を持って組織することになっており、弁護士、臨床心理士、社会福祉士、大学教授、元警察官を予定しております。

(近松さと子議員)
Bこの審議会での調査をはじめ、被害者と家族に調査結果がきちんと知らされることが必要です。どのようにお考えですか。


(教育長)
 教育委員会としては、重大事態に至らぬよう、いじめの未然防止、早期発見・早期対応に全力を尽くしますが、万が一、重大事態が発生した場合は、その事実関係を明確にするため調査を実施し、いじめを受けた児童生徒やその保護者等に対して、調査により明らかになった事実関係やその他の必要な情報について、適時、適切な方法で説明をいたします。

(近松さと子議員)
C「国の基本的方針」では、教育委員会の付属機関ではない、行政の長の下に調停などや調査の機能を持つ第三者機関の設置を置くことも例示されていますが、どのようにお考えですか


(教育長)
 重大事態が発生した場合、学校は校内に常設しています「学校いじめ防止委員会」を母体とした調査組織を設置し、事実関係を明確にするための調査を行い、その結果を教育委員会に報告いたします。
 教育委員会は、この調査組織の再編に当たり、必要に応じて専門的知識を有するものを学校に派遣し調査に万全に期します。
 その上で、教育委員会としてさらに調査が必要であると判断した場合、公平・中立な第三者機関である「いじめ防止対策推進審議会」に調査を要請いたします。
 このように、教育委員会として責任をもって重大事態に係る事実関係を迅速かつ正確に調査を行い、その結果をいじめを受けた児童生徒やその保護者等に正しく伝えるとともに、調査結果を踏まえて再発防止のためのさらなる取り組みを行っていくことが肝要であると考えております。
 もちろん、重大事態が発生した場合には速やかに市長に報告し、その調査の経過や結果についても逐次報告を行ってまいります。
 こうしたことから、本市では、審議や調査等の機能を持つ第三者機関については、教育委員会の付属機関として設置することとし、本市の「いじめ防止等のための基本方針」に位置づけたものです。

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●第68号議案 広島市市税条例等の一部改正について

(近松さと子議員)
 第68号議案広島市市税条例等の改正についてお聞きします。
 一つは、法人市民税額の引き下げです。
国は、「地方法人税」という国税を創設しました。消費税増税で地方交付税交付団体と不交付団体の格差が拡大するから、地方間の財政格差を解消するためとして、地方交付税の財源にするというものです。
県や市の法人住民税額の4.4%をこれにあてて、それにともない、これまで12.3%であった本市の法人市民税額を9.7%に引き下げるとしています。
本市で試算した場合、この法人市民税2.6%減額は、いくらの減収になるのでしょうか。


(財政局長)
 法人市民税法人税割の税率引下げに係る減収額については、法人税割の平成24年度決算額に、引下げされる税率2.6%を乗じて計算しますと、約33億7千万円となります。

(近松さと子議員)
 また、この格差是正のための地方交付税の本市への配分額は、どのようになるのでしょうか。全額還元されるのでしょうか。
国は、今後消費税を10%に増税した時には、さらに市の法人市民税を国税化する方向です。ますます、地方財源の地方消費税の割合が高くなり、低所得者に負担が重く、中小業者を廃業に追いこむ不公平な税制に依存することになります。


(財政局長)
 法人税割の一部が国税化されて地方交付税の原資の一部となりますが、各自治体に還元される額については、地方交付税が各自治体ごとに毎年度算定されるものであるため、算出することはできません。

(近松さと子議員)
 そもそも、地方の格差是正は、地方と都市の間の水平的な分配ですすめるべきではありません。国の責任で、地方交付税の法定率引き上げなどで財源を保障するようにもとめるべきではありませんか。


(財政局長)
 地域間の税源偏在の是正は、議員ご指摘の通り、地方税の一部国税化による調整ではなく、地方税財源拡充の中で地方交付税なども含め一体的に行うべきであるというふうに考えております。その旨をかねてから、指定都市の市長会及び議長会の連名による「国の施策および予算に関する提案」、いわゆる白本等において、国に働きかけております。

(近松さと子議員)
 次に、軽自動車税の税額の引き上げについてお聞きします。
 来年度から、原動機付自転車やオートバイ、軽自動車の税率を引き上げるとしています。排気量50CC以下の原付は、今乗っているのから現行1,000円が2,000円と2倍になります。来年購入の4輪の軽自動車は、再来年から自家用7,200円が10,800円に1.5倍に上がります。
今年度の4輪の軽自動車の課税台数は、2010年と比較してどのように推移していますか。


(財政局長)
 今年度の当初服に係る4輪の軽自動車の課税台数は、自家用と営業用を合わせて20万1,551台であり、平成22年(2010年)度の当初賦課の課税台数18万4,591台に比べて、1万6,960台の増加となっております。

(近松さと子議員)
 今回の税率引き上げで、3輪及び4輪を除くもの、すなわち来年度から直ちに増税となる原付バイクなどの軽自動車税の増収は、どのくらい見込まれていますか。


(財政局長)
 軽自動車税の課税対象のうち、3輪及び4輪の軽自動車を除いた原動機付き自転車等の税率引上げによる増収額については、平成26年度の登録台数に基づいて計算しますと、約1億5千万円となります。

(近松さと子議員)
消費税増税と自動車取得税は、二重課税だと主張する自動車業界からの強力なはたらきかけがあり、今年から、県税の自動車取得税は、2%引き下げられました。来年10月から消費税10%になれば、全廃し、軽自動車への増税は、その穴埋めであるともいわれています。
道路などの補修の財源とされている自動車取得税を原資にした交付金は、昨年度10億円ありました。今年度は、自動車取得税が引き下げられて、交付金も半分の5億円となりました。今後、廃止される自動車取得税交付金の減収をどのように補てんされるのでしょうか。


(財政局長)
 消費税法の一部改正法これの第7条に置きまして、自動車取得税については、国及び地方を通じた関連税制のあり方の見直しを行い、安定的な財源を確保したうえで、地方財政にも配慮しつつ、見直しを行うその旨が規定されております。
 したがって、自動車取得税及び自動車取得税交付金の廃止に当たっては、国において、地方財政に影響を与えないよう、関連税制の見直しが行われるものと認識いたしております。

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●第87号議案 専決処分の承認について
(地方独立行政法人広島市立病院機構中期計画の認可)


(近松さと子議員)
 最後に、第87議案独立行政法人広島市立病院機構が作成した中期計画についてお聞きします。
中期計画では、独立法人への移行後も自治体病院として市民により良い医療を提供する重い責任があると前文に明記しています。そのために、必要な人材を確保し育成に努め、職員が意欲的に働くことができるように働きやすい職場環境への改善を図るとしています。
旧病院事業局は、独法化への議論の中で、移行することのメリットとして、定数の縛りがなくなり、看護職員の増員が可能となり、負担軽減できるという旨の答弁を繰り返してきました。
今年度は、夜勤の回数を減らすなどの改善をおこなうために看護職員を47名増員する募集をおこなったと聞きました。
 4月1日に採用予定の看護職員は確保できたのでしょうか。募集人員、応募人数、合格者数、採用人数をお聞かせください。


(健康福祉局長)
 今年度の広島私立病院機構の看護師採用試験の状況ですが、募集人員180人に対して応募者が158人でした。試験の合格者は150人でしたが、その後、辞退者や看護師国家試験に合格しなかったものがおり、最終的な採用者は109人になりました。
 その結果、平成26年度における必要看護師数としておりました1,383人に対し、4月1日時点では1,355人となり、結果的に28人不足ということになりました。
 看護師の必要数1,383人には、職場環境の改善のための増員47人を含んでいますので、28人の不足が当面の診療体制に影響を与えるということはありませんが、職場環境改善が不十分という状態となっています。
 このため、この5月25日に、看護師の免許を有している実務経験者を対象とした経験者採用試験を実施し、これにより18人を順次中途採用しているところです。
 
(近松さと子議員)
 昨年、看護師の労働組合である日本医労連が全国で32,000名にアンケートをおこなったところ、75%がやめたいと考えたことがあると答えています。「子どもが小さいので夜勤に出るのが、つらい」といった声が寄せられています。
 夜勤の負担が重い、心身共に疲れてやめていく、人手不足になり、夜勤の回数がさらに増えるという悪循環に陥っていきます。
 2011年、厚労省5つの局長から「看護師等の雇用の質の向上のための取り組みについて」という通知が出され、看護師不足対策には、夜勤などを抑える離職防止が何より大事だというのは、共通認識になっています。医療の高度化、入院日数の短縮など、ますます過酷さを増す医療現場に、夜勤の規制などの抜本的な対策が、国にもとめられています。
 医師・看護師の増員などで、救急患者の受け入れ体制も強化すると中期計画でもうたっています。
こうしたより良い医療を提供するために、必要な人材を確保するとした中期計画を達成するために、今後、どのように看護職員を確保されるお考えですか。

(健康福祉局長)
 市立病院機構においては、まず、今年度については、看護師の不足数は、今後、年度中との普通退職により、増加することが見込まれることから、平成27年度採用試験の合格者の前倒し採用や臨時看護師の採用により不足を補っていくことにしています。
 来年度以降の採用者の確保については、
@看護師採用試験での採用年齢の引上げ
A採用試験一次募集の結果を見た上での二次募集の実施
B市内や県内近隣市町の看護師養成施設への訪問によるPR
C募集パンフレットの充実やインターネットによる就職支援サイトの活用
などに取り組み、できるだけ多くの看護師が確保できるように努めていくことにしています。
 なお、全国的に看護師の不足が顕在し、県内も同様の状況にあります。このため、行政サイドの取組として本市では、一昨年度から広島県看護協会と共催し、離職した看護師の復職支援セミナーを実施しており、さらに、今年度からは、市民に身近な区役所等において、看護師の復職支援のための相談会を開催しています。
 今後とも、こうした取組などを通じて、看護師の確保を促進していきたいと考えております。


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トップ議会情報・議員の発言2014年第2回6月定例会 議員発言 >議案質疑・近松さと子議員
日本共産党広島市議会議員団
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