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2014年2月25日 本会議 近松さと子議員の2013年度関係議案に対する討論 

  ≪反対の議案≫
    第275号議案
    第276号〜第280号議案と第284号議案
  ≪意見を付して賛成の議案≫
    第268号議案 
    

 市議団を代表して、平成26年第1回広島市議会定例会に提案された平成25年度関連議案について討論を行います。
 第275議案・第276から280号議案までと284号議案に反対します。
268号議案は意見を付し、その他は賛成です。


≪反対の議案≫
第275号議案

 最初に、第275号議案平成25年度広島市病院事業会計です。
私たち市議団は、安佐市民病院の建て替えは、住民合意がない中では、移転ではなく現地に建て替えるべきだという立場から、原案に反対します。
私達市議団は、安佐市民病院の耐震性が不十分であることや市北部の拠点病院として機能を充実させることが必要であることは、認識しています。安佐北区の住民のみなさんにアンケートをお願いし、他の政令市の状況も調べました。また、安佐医師会とも懇談し、現地で安佐市民病院の院長さんをはじめ関係者の話も聞きました。
住民アンケートでは、現地建て替えをもとめる声が上回っていますが、意見はおおむね拮抗していました。安佐医師会は、当初2012年7月、反対の声明をあげておられました。現在は、病院事業局から、交通アクセスと水害対策の説明を受けて、個々の会員の賛否は分かれるが、よい病院ができればどちらでもよいとの態度であるとのことでした。また、安佐市民病院の院長をはじめ病院関係者もどちらの案でもよりよい病院をつくってほしいという意見でした。
さらに、他の政令市では、移転での建て替えは、めずらしくありませんが、移転地での建て替えの主な理由は、救急救命センターをつくるなど病院の機能強化・拡充のため、現在地では、物理的に難しいという判断がほとんどのようです。
安佐市民病院の場合はどうでしょうか。両案ともに、医療機能や財政面でも差がないという答弁でした。移転地の課題とされていた5メートルの浸水被害や交通アクセスは、かさ上げや国の協力や道路整備で改善されるといいます。広い土地があり、JRの駅と直結するという利便性もあります。しかし、現地から遠くなる高陽地区などの患者さんは、可部大毛寺線が開通するまで、減少することが予想され、基町の市民病院の負担を軽くするという安佐市民病院の役割が後退するのではないかという指摘もあります。
現在地の課題は、駐車場が少ない、工期が長いということでしたが、南側土地の提供の申し入れがあり、おおむね解消される見通しとなりました。
残る問題はといえば、現在地の工事中の混雑や踏切問題です。この点では、移転地であれば、こうした問題はおこりません。そこで、現地で踏切に一週間午前中立って調査をしました。毎日、救急車が1・2台通りましたが、開かずの踏切で立ち往生という状況にはありませんでした。これについても、安佐医師会や安佐市民病院の方に聞いても、改善策が進む中でそれぞれ大きな問題にはならないという認識でした。結論として、病院にかかわるさまざまな問題に対して、現在地での建て替えに支障がある、移転しなくてはいけないという決定的な理由はないといえます。
結局、最大の相違点は、移転することで、まちづくりが進み安佐北区が活性化するという議論です。その点で、市長の「病院は集客施設だ」という答弁には、いささか違和感を感じました。病院の建て替え問題と安佐北区の活性化を絡めたのが、今日の対立を深刻にしたのではないでしょうか。
広島市の4割を占める広範囲な安佐北区は、自然環境に恵まれ、歴史的遺跡も残り、農村部や住宅団地、商業地などさまざまな地域の特性があるところです。一方、人口も減少し、高齢化の進行で、小学校の統廃合も取りざたされている地域もあります。こうした状況に危機感を持って、地域をなんとか元気にしたいと、様々な団体や住民が、町おこしを取り組んでおられます。こうした中で、これまで、住民の声が行政に届かないもどかしさもあったではないでしょうか。
移転地には、JRのローカル線切り捨て後も、可部線延伸の運動に取り組んできた住民や団体がおられます。先日、廃止されたJR可部線復活と重ねて、「ふたたびの宮」と名付けた神社での交流行事のもようが、テレビで報道されました。この地域で、JRの利用客が増える、道路などのアクセスが整備されるとなれば、病院の移転を地域の起爆剤にしたいと計画に期待をされるのは当然です。
しかし、一方で病院が移転すれば、周辺住民や商店には、さまざまな損失も予想されます。移転後の跡地利用策もとりくむとされていますが、これは何も決まっていませんから、一体どうなるのか不安を待たれるのも無理はありません。高陽・白木地域は、団地の衰退や過疎地の課題が深刻です。まちづくりについては、この病院移転問題がなくても、市が責任をもち、住民参加で行わなくてはなりません。
このまま移転ありきですすめられれば、どうしても、上から強引にまちづくりをすすめるという印象をぬぐえず、今後に遺恨を残すことになると危惧するものです。安佐北区のまちづくりをすすめると言うなら、地域や住民を二つに引き裂くようなやり方は、最もふさわしくありません。
あらためて、まちづくりは、別の場を設けて、議論してはどうでしょうか。「安佐北区のことは安佐北区民が決める」これを、基本に据えるべきです。私たち市議団は、こうした住民参加のまちづくりについて、あらためて、区住民自治協議会の設置を提案するものです。


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≪反対の議案≫
第276から280号議案までと284号議案

次に第276から280号議案までと284号議案です。
消費税8%への増税に伴う料金値上げについての条例の一部改正です。
アベノミクスで景気がよくなったといわれますが、今朝の新聞では、中国地方の非正規雇用は102万人と前年より4万人も増えて過去最高になったと報じました。サラリーマン世帯の給与は19か月連続して減り続け、円安や株高の恩恵は、一部の大企業、資産家にとどまり、中小企業にも及んでいません。それどころか、原材料費の値上げなど物価が上がり、暮らしが良くなったという実感がないというのが多数の声です。その上、消費税増税とセットの年金切り下げ、医療・介護の負担増で、市民のくらしは一層困難となるばかりです。このような状況のもとで消費税増税を強行すれば、消費をさらに冷え込ませ、景気が悪化し、貧困と格差を広げるだけです。
今回、消費税8%への増税に伴う料金値上げについての条例の一部改正が提案されました。上下水道料金、文化・スポーツ施設使用料など77事業総額12億円もの値上げです。上下水道料金だけを見ても、11億円にのぼり、クリーニング屋など中小企業の経営と事業への影響は甚大なものがあります。
そもそも消費税法60条第1項では、自治体の一般会計に係るものは、消費税課税を免除しています。したがって、消費税を転嫁するかどうかは自治体の裁量で決定できると言えます。新年度約15億円程度の増収となる地方消費税交付金をあてれば、少なくとも市で決められる公共料金である手数料や利用料への消費税の転嫁は中止できます。景気や暮らしの実態を考えれば、弱いものいじめの国の庶民増税路線への追随をやめるようを強くもとめます。

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≪意見を付して賛成の議案≫
第268号議案
 
最後に第268号議案広島市一般会計補正予算に意見を付します。
 国は、4月から消費税を8%に引き上げ、国の増収見込みは6兆円ですが、増税で景気が悪くなるからとして、法人税減税や投資減税に加え、これまで以上に国債を発行し公共事業をやるとし、5.5兆円の経済対策を補正しました。これだけでも、消費税増税の口実は破綻しているのではないでしょうか。
 こうした補正予算ですが、本市では、市民の要望も受けて、学校の耐震化・空調設備に一定予算をさき、新年度とあわせて9割の耐震化がすすむことは、評価をしたいと思います。しかし、同時に広島駅自由通路工事費が盛り込まれました。これについて、私たちは、やるのなら駅ビル建て替えに合わせて行うべきだとして反対してきました。不要不急な大型開発事業による市債の増発は、将来の市民負担につながるものですから、抑制すべきです。ましてやそのツケを市民に負わせ、事務事業見直しの名で本市が築いてきた全国に誇れる福祉施策を廃止していくことは、自治体としての役割を投げ捨てることです。
その他の議案は、賛成です。以上で、討論をおわります。


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