トップ議会情報・議員の発言2014年第1回 2月定例会・予算特別委員会 議員発言 > 議案討論


2014年3月26日 本会議 村上あつ子議員の2014年度関係議案に対する討論 

 ≪反対の議案≫ ※発言順
     第1号議案 平成26年度広島市一般会計予算
     第9号議案 平成26年度広島市後期高齢者医療事業特別会計予算
     第10号議案 平成26年度広島市介護保険事業特別会計予算

     第11号議案 平成26年度広島市国民健康保険事業特別会計予算
     第12号議案 平成26年度広島市競輪事業特別会計予算
     第16号議案 平成26年度広島市開発事業特別会計予算
     第38号議案 広島市中小企業会館条例の一部改正について
     第41号議案 広島市鈴峰園条例の廃止について
     第48号議案 広島市立学校条例の一部改正について
     第58号議案 広島高速道路公社定款の変更に係る同意について
     第60号議案 広島市国民健康保険条例の一部改正について
     最後に

 日本共産党市議団を代表して討論を行います。
反対の議案は、第1号議案 平成26年度広島市一般会計予算、第9号議案 平成26年度広島市後期高齢者医療事業特別会計予算、第10号議案 平成26年度広島市介護保険事業特別会計予算、第11号議案 平成26年度広島市国民健康保険事業特別会計予算、第12号議案 平成26年度広島市競輪事業特別会計予算、第16号議案 平成26年度広島市開発事業特別会計予算、第38号議案 広島市中小企業会館条例の一部改正について、第41号議案 広島市鈴峰園条例の廃止について 第48号議案 広島市立学校条例の一部改正について、 第58号議案 広島高速道路公社定款の変更に係る同意について、第60号議案 広島市国民健康保険条例の一部改正について の11の議案です。
 残り、49件の議案は賛成です。


第1号議案 平成26年度広島市一般会計予算

第1号議案 平成26年度広島市一般会計予算についてから、順次反対の理由を述べます。
 4月からの消費税率8%の引き上げで、約850億円の負担増が市民生活を直撃します。あらゆるものが値上げされる中で、暮らしも営業も大変になることは火を見るより明らかです。こうした中、更なる市民への負担増を押し付けるのが、公共施設の使用料や手数料の値上げ、第38号議案の中小企業会館の使用料引き上げ、第48号議案の授業料・使用料の徴収です。自治体の裁量で値上げしないという選択肢はあったはずです。
 そもそも、国は、「消費税増税分はすべて社会保障のために使う」と言っていますが、消費税収5兆円のうち、新たに社会保障に回るとしている財源は、わずか5000億円にすぎません。しかも中身は保育水準の切り下げや質の低下を伴う「待機児解消」策や“患者追い出し”の入院ベッド削減が中心の制度改悪と一体です。「社会保障の充実」にはほど遠いものです。

 政府は、増税後の低所得者への影響に配慮し、市民税均等割りが課せられていない人や老齢基礎年金、児童扶養手当の受給者に対して、それぞれ1万円と1万5千円の「臨時福祉給付金」を支給することとしました。給付は1回きりです。増税による負担は毎日です。「年収300万円未満の世帯で約5万7千円」(みずほ総研)という大きな負担増を減らすにほど遠い“対策”と言わざるを得ません。しかも、給付金支給のためのシステム改修や問い合わせに対応するために7億円もかけたことは納得できません。
 新年度予算案には、待ち望んでいた保育園の耐震化に着手するなど評価する点もありますが、増税が実施されるなか、市民の暮らしを守らなければならない行政が国と一緒になって増税の道をすすんでおり、道理のない増税を基にした予算は賛成できません。

また、2016年1月から、運用開始が予定されている、「マイナンバー」社会保障・税番号制度についてです。国民一人ひとりに12ケタの番号を割り当てて、個人情報を一元管理する「共通番号制度」にすることによって、行政コストの削減と事務の効率化が見込まれるとされていますが、権力による国民監視やプライバシーの漏えい等が危惧されます。実際に、個人の情報を知ることによって悪用されるという犯罪が外国で起きています。また、制度を導入するシステム構築に1兆円が必要とされていますが、それによる経済効果に関しては今のところ示されていません。犯罪防止・対策等含め国民に説明する必要があります。

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第9号議案 平成26年度広島市後期高齢者医療事業特別会計予算
第10号議案 平成26年度広島市介護保険事業特別会計予算

つぎに、第9号議案、平成26年度広島市後期高齢者医療事業特別会計予算、第10号議案、平成26年度広島市介護保険事業特別会計予算についてです。
 厚労省は、2015年度施行の計画で、介護保険法を改悪し、徹底した介護給付の削減と、容赦のない負担強化を狙っており、2014年度予算は、その準備のための事業が盛り込まれています。要支援者への訪問・通所介護を保険給付からはずし、地域支援事業に移行させ、専門職であるヘルパー等が担っていた生活援助は、地域のボランティアなどに任せるなどといった、介護外しの受け皿づくりを計画しています。同時に、利用者が減少し、介護報酬が現行以下に引き下げられる介護事業所の経営に大きな打撃を与えることは避けられず、まさに、「保険料あって介護なし」が一層深刻さを増すことが懸念されます。

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≪反対≫
第11号議案、平成26年度広島市国民健康保険事業特別会計予算
第60号議案、広島市国民健康保険条例の一部改正について


 新年度からの保険料賦課方式が変更され、とりわけ多人数世帯や障害者世帯の保険料は1.6倍から2.0倍になります。4年間の激変緩和措置が採られるとはいえ毎年引き上がることに違いはありません。市は、5割軽減、2割軽減の対象者が拡大されることで「影響は少ない」としていますが、「焼け石に水」でしかありません。
今でも高すぎる保険料が払えず、短期保険証の人が増え続けており、滞納者への容赦のない取り立てに自殺者も出ているというなか、命を救う国保が命を奪う国保に変質してはなりません。さらに、70歳〜74歳の窓口負担は現在原則1割が、4月以降に70歳になる人から2割に引き上げられます。同時に、「高額療養費制度」の上限の見直しも行われ、高齢者の生活と健康に深刻な打撃を与えます。国庫負担をせめて元に戻すよう、国に要望すべきです。
 また、条例改正をおこない、国保の保険料の限度額を4万円引き上るとしていますが、年収が800万円で上限額を負担することになります。一般のサラリーマン家庭の場合、77万円から81万円になり、実に収入の1割以上を保険料が占めることになります。年収800万円でも1億円でも負担額が同じという制度の問題点を見直すべきであり、現行制度で上限を引き上げても矛盾が激化するだけであることを指摘しておきます。

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≪反対≫
第12号議案 競輪事業特別会計

 競輪事業については、「競輪事業のありかた懇談会」から提出された報告書を受け、「広島市競輪運営委員会」を開催し、今年夏ごろを目途に答申を受けたのち、最終決定をするスケジュールになっていますが、従業員の雇用対策を講じたうえ、早急に廃止を決定すべきです。

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≪反対≫
第16号議案 開発事業特別会計

 開発に特化するのでなく、一般会計に繰り入れ、生活密着の公共事業に使うべきです。

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≪反対≫
第41号議案、広島市鈴峰園条例の廃止について

 母子生活支援施設「鈴峰園」を廃止するものですが、全国で同様の施設は6割が公設公営・公設民営で運営されています。DVや母子家庭への自立支援が求められているとき、市の責任を果たすべきで、民営化に賛成できません。

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≪反対≫
第58号議案、広島高速道路公社定款の変更に係る同意について


 高速5号線二葉山トンネル建設は、地下水の低下による地盤沈下や自然破壊が危惧され、関係住民の9割が建設に反対し、工事差し止め裁判の係争中です。二葉山の岩盤をシールド工法で掘削する計画ですが、振動によるトンネル上部への影響等は全く検証されていません。これ以上出資金を増額することは認められません。

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最後に

 最後に、二点申し添えます。
 第32号議案は昨日の予算特別委員会で市長の退職金50%削減の修正案は否決されました。
 そもそも市長の任期が終わるごとに4000万円の退職金が支給されていること自体、市民感情からも納得されていません。この点から私たちは削減額の見直しに賛成しましたが、我々議会も「費用弁償の廃止」や「海外視察の中止」に踏み込むべきではないでしょうか。

 もう一点は、4月以降療育センターに通所する子どもたちへの給食費の助成を打ち切ることについてです。
 療育の一環である給食費助成の廃止は、一番弱い幼い障害児への支援を打ち切ることで、行政として最もやってはならないことです。しかも、「公平性」を持ち出して「廃止」とは言語道断です。未来の主権者である子どもを大切にする行政こそ「平和都市広島」といえるのではないでしょうか。
今からでも遅くはありません。再考を要望して、討論を終わります。

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