トップ議会情報・議員の発言2013年第1回 2月定例会・予算特別委員会 議員発言 > 議案討論


2013年3月26日 本会議 中原ひろみ議員の2013年度関係議案に対する討論 

 ≪反対の議案≫ ※発言順
    第1号議案 平成24年度広島市一般会計予算(原案に反対、若林新三議員他4名が提出された高齢            者公共施設利用減免制度の維持を求める修正案に賛成)
    第9号議案 平成24年度広島市後期高齢者医療事業特別会計予算
    第10号議案 平成24年度広島市介護保険事業特別会計予算
    第11号議案、平成25年度広島市国民健康保険事業特別会計予算

    第12号議案 競輪事業特別会計第
    
第16号議案 開発事業特別会計
    第22号議案 広島市病院事業会計
    第26号議案 病院事業地方独立行政法人評価委員会条例制定について
    第42号議案 地方独立行政法人広島市立病院機構定款を定めることについて

    第29号議案 広島市市税条例の一部改正について
    第30号議案 広島ユース・ホステル条例の廃止について
    第33号議案 広島市障害者の日常生活及び社会生活を総合的に支援するための法律施行条例等の            一部改正について
    第43号議案 高速道路公社の定款の変更について
    最後に


 日本共産党市議団を代表して討論を行います。
平成25年度広島市一般会計予算、第1号議案は原案に反対、若林新三議員他4名が提出された高齢者公共施設利用減免制度の維持を求める修正案に賛成します。1号議案を除き反対する議案は、第9号、第10号、第11号、第12号、第16号、第22号、第26号、第29号、第30号、第33号、第42号、第43号です。
その他の議案には賛成です。反対の理由を述べます。 


≪原案に反対≫
第1号議案 平成24年度広島市一般会計予算

 第1号議案については、昨日の予算特別委員会に高齢者公共施設利用減免制度の維持、海外視察費と高速五号線の関連工事費を削除する修正案を提案しました。
市が進める事務・事業見直しは、582億円の収支不足を解消するためですが、聖域なき見直しと言いながら、広島高速五号線などの不要・不急の巨大開発は聖域扱いする一方、自助・共助、公平性を理由に、公共施設使用料に係る高齢者減免制度を見直し、年金暮らしの高齢者から1億円を超える負担をしいる。障害者や一人親家庭・乳幼児の療養援護金は、県民間の公平性が損なわれるとの理由で廃止、職員の確保と定着が課題になっている民間児童福祉施設の職員給与改善費を2%カットする、生活保護基準の1.1倍未満の低所得者が利用されている国民健康保険一部負担金減免制度の所得基準を厳格化し、減免期間も制限する。これらの見直しは、まさに社会的に弱い市民の命を削るものです。本来なら、何があっても守るべき事業です。
また、放射線技師の退職と検査機器の老朽化に合わせて、南区、西区保健センターでの一般健康診断を廃止する事は、市民サービスの大幅な後退です。
命と財産を守るべき自治体が、その使命を投げ捨て、福祉に大ナタを振るう予算を認めるわけにはいきません。

さらに、市民が整備を待ち望んでいた階段室型の市営住宅へのエレベーター整備を一方的に中止されたことに強く抗議するものです。市はエレベーター整備を中止する代わりに、一階の空き室を高齢者用の住宅に改修する戸数を増やし、住み替えを促進するというが、平成23年度における住み替えは、エレベーターのある団地への住み替えが一件、民間賃貸住宅を活用した住み替えも一件というお粗末な状況です。とてもエレベーターの代替えにはなりません。住み替えは、引っ越し費用を捻出することもできない高齢者の実態を無視した施策だという事を指摘しておきます。市営住宅は市の財産です。バリアフリー化することは市の当然の仕事であり、中止は責任放棄です。

市長は、おもてなしのためには都市整備が必要だと、広島高速五号線を初め、路面電車の軌道移設を含めた広島駅南口広場の再整備など、地元が合意していない巨大開発を「選択と集中」の名のもとに実施されようとしています。が、自治体が最優先で実施すべき公共事業は、市民に安心・安全な暮らしを保障する事業です。老朽橋の補強、保育園・児童館の耐震化と増設・公民館や市営住宅へのエレベーター整備など市民のための公共事業です。これら生活に密着した事業は、中小企業の仕事と雇用を作り出し地域経済を潤わせる力を持っています。国が地方に財政措置した緊急経済対策の効果を最大限に発揮するためにも、巨大開発から生活密着型の公共事業へと転換すべきです。

財政運営方針でも、市債残高を10年間で一人当たり15万円減らし、政令市平均の63万円にするとしており、その目標達成には400億円の市債残高を削減しなければなりません。市債が増える巨大開発は慎重であるべきです。
加えて国は、広島市が復興財源の人件費削減をしなければ25億円もの交付税削減措置を強行する構えを示しており、市の財源確保は困難を極める状況にあります。そうしたなか、市民の暮らしを守りながら、財政健全化をすすめるには、採算性・緊急性・必要性・地元合意もない・地盤沈下や対面交通の危険性が大きい。まさに命と財産を危うくする高速五号線こそ中止すべきです。沈下を抑制する工法の採用により、工事費は110億円増加しましたが、広島高速五号線トンネル安全検討委員会の委員長でさえ、「掘って見なければわからない」と発言されています。トンネルの直上の民家は全部買い上げるなどのうわさ話もあり、事業費も補償費も、どこまで膨らむのか予測できません。広島高速道路建設に要した費用は、通行料金で返済しますが、市は、五号線整備後の予測交通量を約3000台下方修正しています。つまり、五号線を建設してもしなくても交通量も、料金収入も増えないのです。五号線建設に使った事業費分・補償費分だけ、黒字化を遅らせるだけです。中止することこそ最前の策です。

新年度予算には、学校の耐震化対策や教室の空調整備、留守家庭子ども会のマンモス化解消やスクールカウンセラー、スクールソーシャルワーカーの増員、児童相談所及びこども療育センターの建て替えにむけた予算化など、子どもの健全育成に予算が増額されている点は、大いに評価するものですが、不要・不急の巨大開発を優先し、市民の福祉を切り捨てる予算には賛成できません。
よって、若林新三議員ほか4名から提出された修正案に賛成し、残りの原案に反対します。

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≪反対≫
第9号議案 平成25年度広島市後期高齢者医療事業特別会計予算
第10号議案 平成25年度広島市介護保険事業特別会計予算
第11号議案 平成25年度広島市国民健康保険事業特別会計予算

 日本は働く人の所得・雇用者報酬が、14年間に88%まで落ち込み、経済の停滞・後退が続く「成長しない国」になっています。安倍内閣は自分たちの失政・悪政が生み出した貧困と生活苦の責任を、国民の「自己責任」「家族責任」に転嫁し、国民の権利としての社会保障とそれを増進する国の責務を放棄しています。
雇用破壊や社会保障改悪で貧困を拡大した政治の責任には口をつぐみ「社会保障改革」と称して、社会保障費の自然増、約1兆円を抑える一体改悪法を強行し、生活保護の切り下げ・改悪を突破口にしながら、介護、医療、年金などの制度改悪にのりだしており、消費税増税とあわせて市民のくらしを深刻化させるものです。75歳以上を対象にした後期高齢者医療制度は人口の増加と医療費増が、保険料に直接はね返る仕掛けです。介護保険も利用者が増えれば保険料が上がる仕組みになっており、低年金・無年金の高齢者には重い負担です。
 広島市の国民健康保険の平均保険料は、医療分、介護分、後期高齢者支援分を合わせると新年度は平均で5339円も引き上がります。毎年のように値上げされる国保料に、もう払いきれないと悲鳴が出ています。国保料の滞納世帯は22%、加入世帯の5世帯に一世帯が滞納している状況は異常です。命を危うくしています。命の平等は医療の大原則であり、国の支援がかかせません。
国保会計への国庫負担の増額、後期高齢者医療制度の速やかな廃止、介護サービス抑制でなく必要な時に安心して使える介護保険制度、介護従事者の社会的地位の向上を図るよう国に求めるべきです。

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≪反対≫
第12号議案 競輪事業特別会計
早期に廃止すべきです。

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≪反対≫
第16号議案 開発事業特別会計
一般財源に繰り入れて市民の暮らしを応援する財源にすべきです。

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≪反対≫
第22号議案 広島市病院事業会計、第26号議案 病院事業地方独立行政法人評価委員会条例制定について、第42号議案 地方独立行政法人広島市立病院機構定款を定めることについて

 一括して反対の理由を述べます。
 自治体病院は医療サービスの維持・向上のためには、人材確保が不可欠です。公共性の高い医療に対し、必要な財政支援がなければ、医療の継続やその水準は維持できません。しかし、地方独立行政法人に移行すれば、現状の財政支援の基準が引き継がれる確実な保障はありません。
法人の経営努力だけでは維持することが困難な公共性の高い医療を提供するために、経営効率化が最優先され、不採算部門の縮小や経費節減などのしわ寄せが、患者や職員におよぶのでないかと危惧されます。
 すでに、法人化した病院では、もうけ本位になり、「差額ベッド代」など医療保険外の患者負担が増えた、診断書料金や分べん費が値上がりしたなどの実態があります。不採算部門の切り捨て、効率化が最優先される法人化に賛成できません。

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≪反対≫
第29号議案 広島市市税条例の一部改正について

 東日本大震災の復興財源を生み出すため、今年1月から25年間、所得税額の2.1%の復興特別税が課税されています。この条例は新たに平成26年度から10年間、個人市民税の均等割として500円を課税するものです。
国が復興のため、みんなの支え合いが必要だとして施行した「復興財源確保法」により、庶民は増税となりますが、法人税は4・5%引き下げる恒久減税が実施されます。大企業には減税したうえで、税率を2・5%付加するだけですから結局、減税です。誰が見ても不公平です。よって反対です。
復興財源は大企業の内部留保や不要・不急の巨大開発・軍事費を見直して捻出すべきす。「思いやり」予算など米軍関連経費の3000億円、政党助成金の320億円をやめれば生み出せる規模です。証券優遇税制の延長を中止するだけで5000億円の財源をつくれます。庶民増税の必要は、まったくありません。
合わせて申し上げておきます。
今年7月から市税の徴収事務が本庁の税務部に移動します。この組織変更に伴い、収納事務が区役所から本庁に移動するため、分納相談は全て本庁まで出向かなければなりません。市民から行政が遠のきます。平成23年度の市税滞納世帯数は65000世帯で、そのうち約8500世帯が分割納付されています。悪質でない滞納世帯に対しては、しっかり実情を聞き、市民の立場にたった納付相談に応じ、差押えなど強行な滞納整理をされないよう求めておきます。

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≪反対≫
第30号議案 広島ユース・ホステル条例の廃止について

 市は、ユースを廃止しても、19ある民間の同種宿泊所でネットワークをつくり連携すれば、ユースが果してきた役割以上の機能の充実がはかれるとしていますが、料金もユースほど廉価ではなく、食事の提供もない、団体利用できない。何よりも平和学習と国際交流の拠点としての機能の低下は明らかです。観光の柱としても、世界の若者を広島に迎える特別な役割を果たしてきたユースを被爆地ヒロシマが廃止する事は、世界からは理解され難いことです。市長の「迎える平和」の方針とも相反するということを指摘しておきます。

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≪反対≫
第33号議案 広島市障害者の日常生活及び社会生活を総合的に支援するための法律施行条例等の一部改正について

 国は、自立支援法が障害者の尊厳を傷つけるものであるとその過ちを認め「反省の意」を表してきました。障害者団体と「基本合意」を交わし、障害者が生きるために必要な支援を「益」とみなして利用料を課し、障害が重いほど負担も重くなる「応益負担」や、高齢障害者の介護保険優先原則を見直すと約束しました。しかしながら、障害者福祉法には基本合意が何も反映されていません。障害を自己責任とし、家族収入を含めて応益負担を課す悪しき中身をそのまま引き継ぐ条例改正には賛成できません。国に対し、応益負担をなくすよう求めるべきです。

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≪反対≫
第43号議案 高速道路公社の定款の変更について
 地元の強い反対をおして強行する高速5号線建設を進める公社への出資には賛成できません。

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最後に

 最後に一言、申し上げます。
原爆資料館の展示のリニューアルにあたり、「怖い展示は見直す」とした市の方針に異議を唱える声はネットの世界でも広がっています。北朝鮮やアメリカが核実験を繰り返すなか、核兵器をもたない国々による核非合法化にむけた運動も広がっています。まさに核兵器廃絶と核抑止力の二つの世論が対立するなかで、ヒロシマの果たすべき役割はこれまで以上に重要性を増しており、展示は核兵器の悲惨さを伝える力のある内容にされるよう求めます。

また、広島朝鮮学園に対する補助金の打ち切りは、政治を教育に持ち込むものです。北朝鮮の核実験は許されないことですが、子どもたちに罪はありません。補助金の支給を求めます。ヒロシマ市長の発言・ヒロシマ市の行動は世界が注目しています。他都市には代行できない被爆地ヒロシマの責務を自覚され、国や外務省に核兵器廃絶のイニシアチブをとるよう毅然とした姿勢を貫かれるよう求めておきます。

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