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2013年12月18日 本会議 中原ひろみ議員の議案討論 |
≪反対する議案≫ 第101号〜第103号、第113号〜第115号議案 病院独法化について 第105号議案 広島市国民健康保険条例の一部改正について 第112号議案 指定都市高速道路の整備計画の変更にかかわる同意について 第104号議案 広島市遺児福祉手当の支給廃止について ≪意見を付して賛成≫ 第97号議案 平成25年度広島市一般会計補正予算(第4号)の福祉情報システム改修に関して 第116号議案〜第264号議案 指定管理者について |
日本共産党市会議員団を代表して、平成25年度第5回定例会に上程された議案の討論をします。反対する議案は、第101号〜105号・112号〜115号の9つの議案です。第97号議案・第116号議案〜第264号議案には意見を付して賛成し、残りの12の議案は賛成です。以下にその理由を述べます。 ≪反対する議案≫ (中原ひろみ議員) まず、第101号〜第103号、第113号〜第115号議案の6つの議案についてです。これは広島市民病院、安佐市民病院、舟入市民病院、リハビリテーション病院を来年4月から地方独立行政法人に移行するための条例です。一括して反対の理由を述べます。 まず第一に、公的医療機関は、民間病院ではできない不採算部門の救急救命、感染症治療、災害医療など重要な部門を担っています。自治体病院は地域に深く密着しており、住民が健康で安心して暮らし住み続けられるまちづくりに欠かせない施設です。しかし中期目標に明記さ れているように、法人化されればその中心的な目的は「経営の効率化」「経常収支の黒字の維持」となり、法人はその達成を迫られることになります。そもそも、法人化は「独立採算制」を押し付けることがねらいです。そのことは、総務省の独立行政法人制度導入の研究会報告書が認めているところです。いずれ行政からの法定繰入金の圧縮を迫られることになるでしょう。そうなれば、不採算部門が切り捨てられ、住民サービス後退や差額ベッド料の増加など、もうけ本位に走るのではないかと危惧するものです。 第二には、議会の関与の後退です。「議会の関与があるとこの制度を導入する意義がない」と総務省の研究会報告書が述べているとおり、市議会の議決は4年に1度、中期目標や利用料金の上限の認可、解散などに限定されます。年度計画や内部組織の改編は法人の長に裁量が認められ、市長に届け出や通知がされるだけで議会の議決は必要ありません。地方議会の関与は著しく限定され、予算や決算をチェックできず、市民の声が届きにくくなることは問題です。 第三に、病院で働く自治体労働者は、非公務員型の民間労働者扱いとなります。法人化で公務員たる身分が奪い去られること自体が大きな問題です。 第四に、中期計画では、職員の雇用形態の柔軟化、法人の経営状況を踏まえ「貢献度が適正に評価される人事・給与制度を構築」するとされています。成績主義賃金の導入は医師どうしの信頼関係を損ね、様々なスタッフによる良好なチーム医療に悪影響を及ぼすことになりかねません。そもそも医療の現場では治療の効果や成果は数値では計れない面も多く、チームとして医療にあたることから、個人の勤務評定はなじまないものです。職員は法人の業績を理由にして給与が引き下げられるおそれもあります。以上の理由から地方独立行政法人に関する6つの条例に反対します。 次は、第105号議案 広島市国民健康保険条例の一部改正についてです。 これは平成26年4月から、国保料の算定方式を市民税方式から所得方式に変更し、平成29年まで4年間の激変緩和措置を講じようとするものです。所得税方式になると、扶養控除や障害者控除がなくなるため、多人数世帯や障害者世帯などをはじめとして加入世帯の56%にあたる94000世帯の保険料が跳ね上がります。市がモデル世帯として試算した年間所得300万円・夫婦2人子ども2人のモデル世帯でも、市の激減緩和措置や国の減免措置を講じても、20万円が33万円へと、1.6倍もの高い保険料となります。過去、5年間だけでも国保料は毎年上がり、市のモデル世帯でも年間保険料は17%も引きあがってきました。毎年上がる保険料に「もう払い切れない」と悲鳴がだされ、滞納者は4万世帯と、4世帯に一世帯が滞納する異常な事態です。滞納整理の再押さえ件数も2010年の965世帯から昨年度2012年は1621件と急増しています。そもそも、低所得者が多く加入し、保険料に事業主負担もない国保は、適切な国庫負担や自治体の支援なしには成り立たちません。だからこそ、広島市はこれまで、低所得者に負担の少ない市民税方式を続けてこられたのではないでしょうか。国保法は、憲法第25条に沿って 国保が社会保障制度であることを明確にしています。本来なら、国に対し国保会計への繰り入れを増やすように求めるべきなのに、逆に、低所得者に重い負担となる所得税方式に変更し、ますます払い切れない世帯を増やすことは、まさに、弱いものいじめそのものです。よって、国保料の算定を所得税方式に変更することに反対します。 この際、差押さえについて一言、申し上げます。年金や給与などの差し押さえ禁止財産を全額、差し押さえることは、人間らしい最低限の暮らしを保障した憲法25条違法です。通帳に公共料金が記載されていないだけで、他にも財産があると判断したというのは市の一方的で一面的な見方でしかありません。世帯の生活の実情をきちんと確認し生活費まで差し押さえて、市民を苦しめるこのないように求めます。 第112号議案 指定都市高速道路の整備計画の変更にかかわる同意についてです。 この議案は、広島高速五号線建設事業の工法を変更するために、事業費を140億円増額をしようとするものですが、そもそも、高速五号線の建設そのものが不要です。当初は広島空港まで7分短縮できると言いながら、最近では「二葉の里の価値を高める」とその目的が変わってきたことは、この事業の必要性のなさを物語っています。採算性にも問題ありです。市が発表した収支計画総括表でも、指定都市高速道路全線が開通する平成30年度の交通量は、平成26年度の交通量から一日当たり6000台減ると予測され、通行料金収入は330億円も下方修正されています。事業費がかさむ五号線は、建設する前から赤字路線であり、建設を中止することこそ高速道路事業の経営に貢献すると考えます。 また、安全検討委員会の専門家集団が5pの沈下を予想したにもかかわらず着工を決断し、地盤沈下や災害を懸念して建設中止を求める住民の声を無視して、何が何でも建設を進める市政運営は問題です。 さらに、事務・事業見直しでは、聖域なき見直しといいながら、削減されているのは、市民のくらし予算ばかりです。 今議会にも、第104号議案で広島市遺児福祉手当の支給廃止が提案され、両親がいない103人、母もしくは父のどちらかがいない子1840人の子どもを支援する予算3600万円の廃止が提案されています。市は遺族年金や児童扶養手当など各種給付金が充実し、遺児福祉手当はその役割を終えたとしていますが、市の言い分は遺児を抱えた世帯の実態とかけ離れています。 今年11月に病気や災害、自死で親を亡くした子どもたちを、物心両面で支える民間非営利団体 あしなが育英会が実施したアンケート調査では、就職を希望した子どものうち、経済的な理由で進学を断念した割合は53%で、遺児の多くが経済的な理由で進学をあきらめている実態が浮き彫りになっています。母子・父子世帯などの貧困は何も解決されておらず、市が、どんな理屈をつけても、このような子どもの予算を削るのは、あまりにも冷たい市政としか言いようがありません。 一方、必要性、採算性もなく災害の危険さえある高速道路事業に140億円も増額しながら、子どものための予算は削る。このような税金の使い方はとても、納得できるものではありません。今こそ、高速五号線の建設を止め、国保料を引き下げる市独自の支援策をはじめ、遺児手当ては継続すべきです。以上の理由で第104号議案、広島市遺児福祉手当支給条例の廃止にも反対します。 上にもどる ≪意見を付して賛成の議案≫ (中原ひろみ議員) 続いて、意見を付ける議案について述べます まず、第97号議案 平成25年度広島市一般会計補正予算(第4号)の福祉情報システム改修に関してです。このシステム改修は、「子ども・子育て関連法」により、平成27年度から実施される保育所、認定子ども園、家庭的保育、小規模保育、事業所内保育、居宅訪問型保育など非常に複雑な保育制度に対応し、保育の必要性の認定を行うためにシステム改修を行うものです。この認定は、保護者の労働時間で保育を利用できる保育時間の上限を設定するものです。認定システム構築にさいしては、これまでの保育の水準を後退させず、子どもの生活リズムを乱す認定時間でなく、父母・保育関係者などの保育要求を正しく反映させ、本市独自の規準を儲け、保育の公的責任を果たせるシステムにしていただくよう求めます。 最後は、第116号議案〜第264号議案 指定管理者についてです。 指定管理者制度が導入されて三度目の指定替えですが、導入開始の平成18年から平成22年の4年間だけで、82億円以上もの経費が削減されています。指定替えの度に管理経費を削ることは、働く人の賃金を引き下げ、ひいては市民サービス低下につながります。経費の削減も限界です。最近では、施設の維持管理の不具合も発生しており、施設の維持管理にもしっかり予算をつけていただくよう求めて、討論を終わります。 上にもどる |
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