トップ議会情報・議員の発言2012年第3回9月定例会 議員発言 >議案質疑・中原ひろみ議員


2012年9月21日 本会議 議案質疑 中原ひろみ議員

 ●第81号議案  一般会計補正予算
             総合福祉センター整備について


             高精度放射線治療センターについて

 ●第99号議案  変更契約の締結


●第81号議案  一般会計補正予算
     総合福祉センター整備について


(中原ひろみ議員)
日本共産党市会議員の中原ひろみです。会派を代表して、2012年9月議会に上程された第81号議案 平成24年度広島市一般会計補正予算と、第99号議案 変更契約の締結について質疑します。

まず、第81号議案一般会計補正予算のうち総合福祉センター整備について、市が買う広島駅南口Bブロック市街地再開発ビルの床の取得費の妥当性を検討する立場からいくつかお尋ねします。
市は、福祉センター機能を拡充・強化するとして、補正予算5億9695万円と、7億2782万円の債務負担行為を設定し、総額13億2477万円で、広島駅南口Bブロック市街地再開発ビルの保留床(5階・6階の一部)を取得するとしていますが、

再開発ビルはどの程度の規模とグレードなのですか、再開発組合が事業計画書において見込んでいる再開発ビルの総原価と、平均の床単価、総延べ床面積、保留床の面積とその割合を教えてください。

(健康福祉局長)
 まず、市街地再開発事業における床原価の算出方法について説明させていただきます。
 再開発事業では、都市再開発法及び同法施行令の規定により、土地費の原価は、従前の土地評価額に建物除却費や移転補償費等の更地化に要する費用を加えた額から、これに係る補助金等を差し引いて算出されます。また、建物費の原価は、建物用途に応じて必要となる建設工事費等から、これに係る補助金等を差し引いて算出されます。
 こうして算出された再開発ビルの総床原価は280億5600万円であり、これを簡易な構造である駐車場26,314uを含む専用部分の延床面積で単純に除した1u当たりの平均床単価は、約30万4千円です。
 また、再開発ビルの総延床面積は124,812u、共用部分を除いた専用面積は92,264u、そのうち保留床の面積は75,848uであり、専用面積に占める割合は約82%となっています。


(中原ひろみ議員)
床単価に床面積を乗じたものが、床取得価格です。市が約13億円で買い取る、福祉センター部分の延べ床面積は4082.82uと聞いていますので、市が買いあげる床の1u当たりの単価を計算すると、32万円程度になります。この単価は、平成22年に事業が完了した広島駅北口の若草町地区市街地再開事業における、事務所用途の床単価と比較してどの程度になりますか。

(健康福祉局長)
 次に、本市が取得する床の単価についてですが、広島駅南口Bブロック市街地再開発事業の施行区域内には私有地が一部あり、それが市の権利床に換わります。
 今回本市は、総合福祉センターの専用部分4,082uのうち、この権利床を除いた3,759uの保留床を13億2500万円で取得しますので、1u当たりの床単価は約35万2千円(土地費相当14万8590円、建物費相当20万3777円)となります。
 お尋ねの若草町地区市街地再開発事業における事業所用途の床単価については、広島市情報公開条例において不開示情報として掲げられている「法人等に関する情報であって、公にすることにより当該法人等の競争上または事業運営上の地位を害すると認められるもの」に該当するため、お答えすることはできませんが、若草町の床単価よりBブロックの床単価のほうが安価であると聞いています。


(中原ひろみ議員)
市が取得する床面積には、共有部分の廊下やエレベーターなどは入っているのですか。5階・6階の床面積の内訳もお聞きします。

(健康福祉局長)
 総合福祉センターの床面積4,082uは、共用部分の廊下やエレベーター等の面積を含まない専用部分のみの面積で、階ごとの内訳は、5階が2,506u、6階が1,576uです。


(中原ひろみ議員)
 市は、床の取得費13億2477万円の妥当性についてどのような検討をされたのですか。

(健康福祉局長)
 市街地再開発事業において、地権者等に配分される権利床の価額は、都市再開発法及び同法施行令の規定に基づき、「必要経費、いわゆる原価以上で、かつ不動産鑑定士に依頼して求めた再開発ビル完成後の床価格の見込額、いわゆる時価を超えない額とする」とされています。
 このたび本市が取得する保留床の単価は、この権利床と同じ単価であり、その価額は、最も安価な「原価」により算出された額となっています。
 この原価については、都市再開発法の規定に基づき、再開発組合が、「土地および建物の権利関係または評価について特別の知識経験を有し、かつ、公正な判断をすることができる者」として選任した、弁護士、不動産鑑定士、および税理士で構成する審査委員により、土地の評価方法や建物工事費の積算方法等に係る審査が行われた上で、権利変換計画に記載されているものであり、妥当なものであると考えています。

(中原ひろみ議員)
 次に総合福祉センターの整備内容についてお聞きします。市は、これまでの議会答弁で、総合福祉センターの整備にあたっては、現在の福祉センターの課題の解消を図るとされてきました。保留床の取得にあたり整備内容が決まったということですが、これまでのどんな課題を解消されるのか、新たに整備される機能はどんなものがあるのかお聞きします。

(健康福祉局長)
 現在の社会福祉センターは、昭和43年の開設後、44年が経過しており、施設の老朽化が進み、耐震化やバリアフリー化にも対応できておらず、機能拡充のためのスペースを確保することも困難な状況にあります。
 また、現在地は、公共交通機関の利便性が優れているとは言い難く、十分な駐車場を確保することもできないといった課題があります。
 一方、広島駅南口Bブロック地区は、JRや路線バス、路面電車といった公共交通機関の利便性が極めて高く、十分な駐車場も備わることとなります。
 また、再開発ビルは、火災や地震などに対する防災対策に十分配慮した設計がなされているとともに、福祉環境にも配慮しながら、機能の拡充・強化を図るために必要なスペースを確保することが可能になることから、先程申し上げた様々な課題を解消することができると考えています。
 次に、新たに整備される機能についてですが、総合福祉センターには、元気で活動的な高齢者が、これまで培ってきた知識や経験を生かし、生き生きと就労できるよう、就労相談や職業紹介などに取り組
むシニア就労支援センター(仮称)を新たに設置する予定です。
 また、老人大学について、現在、施設規模の関係で希望者全員を受け入れできない状態があるため、定員350人のホールに代えて、450人規模の大会議室を設置するとともに、ボランティアに関する実践的な講座の充実等を図ることにしています。
 このほか、総合福祉センターには、現在入居している団体以外に、老人クラブ連合会、身体障害者福祉団体連合会、私立幼稚園協会が新たに入居する予定であり、これらの全市的な福祉関係団体等が、相互に連携を図りながら事業を展開していくことにより、事業の相乗効果を高め、地域福祉の一層の推進を図りたいと考えています。

(中原ひろみ議員) 
使い勝手の悪い施設では困ります。具体的な設備・内装など詳細な設計をする前には、障害者団体と協議することが必要ではないと思いますが、どのようにお考えでしょうか。

(健康福祉局長)
 総合福祉センターが、全市的な福祉活動の拠点として、効果的に機能を発揮するより良い施設となるよう、今後、福祉関係団体や関係機関等とも十分に協議をさせていただきながら、具体的な検討を進めて参ります。


(中原ひろみ議員)
 床の取得費だけでなく内装費も必要となります。それだけでなく再開発ビル竣工後は、修繕費・減価償却積立金などの管理運営費も発生します。これらの費用はどの程度を見込んでおられますか。

(健康福祉局長)
内装・備品等の経費や竣工後の管理運営費については、市街地再開発事業によって建設し、専用部分の面積がほぼ同規模で、施設を区分所有している大手町平和ビルの事例からすれば、内装・備品等の経費が2億6000万円程度、年間の管理運営費が5000万円程度になるのではないかと考えられます。

(中原ひろみ議員)
 現在の中区にある社会福祉センターの処分はいつまでに方針決定されるのですか?売却するとすれば、売却額はいくらになると見込まれますか。処分方法を決めるにあたっては、地元の住民に説明し合意を図ることも必要ですが、どのようにお考えですか。

(健康福祉局長)
 現施設の跡地利用については、現在、売却も含めて検討を進めています。
 跡地を売却する場合、それが可能となるのは、現施設の移転完了後の平成28年度となる予定ですので、それまでの間で、適切な時期に方針を決定したいと考えています。
 なお、売却するとした場合の価額については、土地の鑑定評価を行っておらず、また、既存建物の解体費をどう見込むかによって売却額が大きく変わってくるなど、不確定要素が大きく、現時点ではお答えできる数字がありません。

〔周辺の公示地価や固定資産税路線価から類推すると、社会福祉センターの土地は1u当たり約30万円程度と見込まれ、これに、解体費等を考慮せず、単純に敷地面積1,154uを乗じると3億円程度となる。〕

 最後に、地元でこの施設を利用しているみなさんへの説明についてですが、社会福祉センターは、全市的な福祉・ボランティア活動の拠点であり、老人大学や福祉関係団体が主催する各種大会・研修会等を中心に利用されています。
 こうした中で、会議室に空きがある場合には、地元の町内会や老人会等の会合での利用が、1週間に2〜3回程度あると把握しています。
 今後、跡地を売却するとの方針が決まれば、将来こうした利用はできなくなりますので、その旨を施設内に掲示して周知するとともに、合わせて、周辺のコミュニティ施設等の情報提供を行いたいと考えています。



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     高精度放射線治療センターについて

(中原ひろみ議員)
次は、高精度放射線治療センター(仮称)整備についておきします。
県が東区二葉の里に整備する高精度放射線治療センターの用地、4000uの用地取得費の半額2億9333万円を、市が全額一般会計で負担しようとするものですが、この市負担と負担率には法的な根拠があるのですか。
土地購入費の半額を市が負担することについて、県から要請があったのでしょうか?それとも、市が率先して申し出られたのですか?どんな経緯と理由で市負担を決められたのかお聞きします。
今後、放射線治療センターの開業にむけて必要となる、建設工事費や医療機器購入費などについても市が半分負担されるお考えなのですか。お尋ねしておきます。

(健康福祉局長)
 施設整備等の費用に関する県と市の負担割合については、整備する施設や事業内容ごとに個別に検視双方で協議を行い、決定しており、法的な根拠に基づくものではありません。
 本件につては、先程、藤田議員にご答弁申し上げたとおりの経緯及び理由で、用地関係費についてのみ1/2を負担することで、県と市で合意したものです。
 したがって、医療機器購入費や建設工事費などの費用についての負担はありません。


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●第99号議案  変更契約の締結

(中原ひろみ議員)
 最後に、第99号議案 変更契約の締結についてお聞きします。
この議案は、平成23年9月30日付けで、清水建設(株)と締結した広島南道路太田川工区橋りょう新設工事の請負契約金額を、4億7811万円増額し、変更後の請負契約額を58億7802万に変更しようとするものですが、今回の請負契約を変更しなければならない理由は何ですか。

(道路交通局長)
 本工事はプレストレストコンクリートの箱桁と鋼製アーチを複合させた構造という、過去に事例のない特殊かつ複雑な橋りょうの建設工事であるため、設計に当たっては、橋全体の完成形だけでなく、上部工の架設時においても、一般的な橋りょう設計に加え、高度な応力解析に基づき部材強度を決定する必要があります。 
 このため、工事発注に当たり、橋全体の完成形については、一般的な橋りょう設計に加え、高度な応力解析に基づき、設計を実施しています。
 しかし、高度な応力解析に基づき、上部工の架設時において生じる部材応力を解析し、部材強度を決定するためには、実際の架設方法を反映させる必要があります。
 このため、本工事においては、工事発注後、実際の架設方法を反映した高度な解析を実施することとし、土木工事施工条件表に「各施工段階を考慮した解析の実施」について明示していました。
 このたびの設計変更は、工事発注後、工事受注社から提出された施行計画書を基に、実際の架設方法を反映した各施工段階において生じる部材応力の解析を行い、受注者・設計者・発注者の3者で検討した結果、架設時における構造物の安全性の確保のために、上部工の補強等を行うものです。
 なお、本工事のような特殊な橋りょうの建設工事では、施工事例も少なく標準的な架設方法が確立されていないことから、各施工段階において、実際の架設方法を反映した解析・検討を行い、その結果を検証・管理しながら工事を進めることが一般的な手法であり、全国的(他の公的機関の発注工事)にも採用されています。


(中原ひろみ議員)
 この橋は、強度を調整しながら工事をすすめる必要性が発生する「特殊な構造の橋」で、全国にもあまり例がないと聞きました。なぜ、そのような税金のかかる特殊な橋の構造にする必要性があったのですか。

(道路交通局長)
 本橋は、海に近い太田川下流域の、本市デルタ内において最も川幅の広い場所に係る橋りょうであり、広大な河川眺望、宮島をはじめとする瀬戸内の島々が織りなす景観等に配慮したデザインとするとともに、本市において大規模地震等の災害が発生した場合には、緊急輸送道路の一部として重要な役割を担うこととなるため、地震にも強い構造となっています。
 具体的には、施工性も考慮して、プレストレストコンクリートの箱桁と鋼製のアーチを組み合わせた複合構造とすることで、スレンダーなデザインとするとともに、これら上部工と橋脚を一体化することにより、耐震性の向上を図っているものです。

(中原ひろみ議員)
 このような特殊な構造形式は、全国ではどのような場合に採用されているのでしょうか。市内の橋りょうでは他に事例がありますか。
 広島市高速二号線でも、猿こう川に橋りょうが建設されていますし、高速三号線でも本川に橋りょうが整備されています。太田川に整備する橋りょうだけ特殊な構造にせず、他の橋りょうと同等の構造にすれば、割高にはならなかったのではないですか。お答えください。

(道路交通局長)
 本橋と同様に、架設時において高度な解析が必要となる特殊な構造形式の橋りょうは市内にはありませんが、全国的には、事例があります。
 これらの特殊な構造形式の橋りょうは、@地形、航路などの制限がある場合、A施工方法が限定される場合、B景観への配慮が必要な場合等に採用されています。
 本橋については、先程ご答弁したように、デザインや耐震性に配慮した構造としたことから、高速2号線や3号線のような一般的な構造の橋りょうと比較すると、建設費は割高になっています。



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