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2012年9月26日 本会議 反対討論 村上あつ子議員

 ●決議案第5号 第32回オリンピック競技大会及び第16回パラリンピック競技大会の
   東京招致を支援する決議案

 ●決議案第6号 高速5号線の安全性の確保と建設促進を求める決議案


 日本共産党市会議員団を代表して、決議案第5号 第32回オリンピック競技大会及び16回パラリンピック競技大会の東京招致を支援する決議案に反対の討論をおこないます。

決議案第5号 第32回オリンピック競技大会及び第16回パラリンピック競技大会の
   東京招致を支援する決議案


 今年の5月24日に、2020年夏季オリンピック開催候補地の第一次選考が行われ、正式立候補都市のひとつとして、東京都が選出されましたが、同日、日本共産党東京都議会議員団は、オリンピックそのものに反対ではないが、2020年東京招致には賛同できないとする談話を発表してします。
 日本共産党東京都議会議員団が反対する理由の第一は、東日本大震災の被災地の復興は、いまだ入り口の段階であり、原発事故や放射能除去も収束には程遠く、被災者・自治体が納得できる復興対策に国が総力をあげてとりくむことが求められていること、
 第二は、東京でも近い将来に、大地震が襲う可能性が高いことが指摘されており、4000億円のオリンピック開催準備基金などを活用して、都民の安全・安心を確保するための防災・福祉の東京づくりに全力をつくすときだということ、
 第三に、オリンピック招致はこうした安全・安心の国土、都市づくりが進んだ中で、都民、国民の声が広がれば、検討すればよいということです。
 事実、都民・国民の間で東京オリンピック招致を求める声は広がっていません。
IOCの世論調査によると、東京での賛成は47%と半数にも達せず、5つの立候補申請都市のなかで最低です。一方、反対は23%と最高で、イスタンブールの3%の8倍近くにのぼっています。
 こういう状況下では、広島市議会が東京招致支持を決議し、「東京都の招致活動を全国的に支援、協力する」ことは正しくないと考えます。
 以上の理由で、決議案第5号には賛成できません。

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●決議案第6号 高速5号線の安全性の確保と建設促進を求める決議案

 引き続き、決議案第6号 広島高速5号線の安全性と建設促進を求める決議案に対する反対討論をおこないます。

 広島高速5号線は、広島駅周辺と広島空港間の高速性・定時性の確保を目的に計画された自動車専用道路です。延長4キロメートル、片側1車線の対面通行であるうえに、トンネル内は大きく急カーブしている非常に危険な設計となっています。
 5号線は1228億円の事業費に対し、わずか3分の1程度の料金収入しか見込めない不採算道路で、そのツケは高速4号線の通行料金で補てんするしくみになっています。
 日本共産党市会議員団は、「広島空港までわずか7分短縮するために巨額の税金を使わなくてはならない緊急性も必要性もない5号線計画は中止せよ」と、この10数年主張し続けてきました。

 2002年、高速1号線福木トンネル掘削によって地盤沈下が発生。1.5センチの沈下予測に対し、10倍以上の18.2センチの大規模な地盤沈下により、トンネル上部の住民・住宅に多大な損害を与えました。
 2009年、5号線二葉山トンネルにおいて地盤沈下や土砂災害等を危惧する住民の声を受け「広島高速5号線トンネル安全検討委員会」が設置され、「住民生活の安全確認する」ことを目的に9回の委員会が開催されました。
 充分な調査もせず、審議未了のまま、強硬に打ち切った委員会から提出された報告書は、牛田地区で1.4センチ、中山地区では、5.1センチもの沈下を予測しながら「住宅への影響はない」というものです。
 住民の不安を払しょくするためにつくられた委員会ですが、当初の目的を果たさず、不安と不信感を一層強めた住民の怒りは、9月11日に開催された報告会の報道でもお解りのことと思います。

 提出された決議案は、「万が一被害が発生した場合には、しかるべき補償を誠実かつ確実に実施すべきである」としていますが、補償をしてお金で解決できるものではないことは、福木トンネルでの事例が証明しています。
 馬木地域では、契約の済んだところでは土地の補償はなく、家屋の改修も補償額では納まっていないところがたくさんあります。この間の精神的苦痛の代償はありません。さらに、家屋の被害を訴えても公社は、調査もせずに「トンネルとの因果関係はない」とつっぱね、未だ補償が解決していないところもあるのが実態です。
 
 「牛田地区は大規模盛土造成など、潜在的な危険性がある」との指摘がありながら、本会議の答弁では、大規模擁壁についてのみ、現状把握のために事前調査し、問題があれば適切な対応をするというものでした。
 必要な追加ボーリング調査をせず、過去のデータでもって団地の造成状況が把握できたとする報告も科学的に検証できたとは到底考えられません。

 今、私たち議会がやるべきことは、住民の不安を払しょくさせるていねいな調査こそ求めるべきです。そして、「行政は住民との対話を重ね、合意を得なければ事業を進めるべきではない」という姿勢を明確にすることです。
 住民推薦の委員が「責任が持てない」と退席したような「報告書」をうのみにして、建設を進めようとすることは、安全神話にとらわれて原発事故を引き起こしたことと同じではありませんか。
 市民の生命・財産、安全・安心をまもることが自治体と議会のやるべきことです。5.1センチの沈下を認めるようなことはもってのほかです。議員各位の良識ある判断を求めて、決議案6号の反対討論とします。

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