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2012年3月22日 本会議
「年金制度抜本改革の全体像を早期に明らかにすることを求める意見書案」に対する
反対討論 中原ひろみ議員


 意見書案第5号、「年金制度の抜本的改革の全体像を明らかにすることを求める」意見書案に反対の討論をします。

 この意見書は、国が推し進めている「社会保障と税の一体改革」において、消費税増税と年金制度を一体的に論議すべきだと国に求めています。つまり、消費税を「年金の財源」として確保することで、「消費税増税はやむなしということを国民にアピールしなさい」と消費税大増税を求める意見書です。
 年金財源を口実に、消費税増税を国民に押し付ける意見書に、日本共産党市会議員団はきっぱりと反対します。

 第一、所得の少ない人ほど負担の重い、逆進性がある消費税を年金の財源にしたのでは、低所得者の生活の困難は解消されません。現在の無年金・低年金の人たちにとっては、何の恩恵もないだけでなく、消費税増税だけが押し付けられることになります。社会保障で支えるべき人に重い負担を課すことになるではありませんか。

 さらに、消費税を年金の財源にあてることは、今後、消費税が限りなく引き上がるということに他なりません。消費税を10%に増税しても、民主党の主張する「最低保障年金」制度の財源にはなりません。増税分はそのほとんどが過去の借金返済です。
 これまで国は、「基礎年金の国庫負担を2分の1に引き上げる」として、増税を押し付けながら年金には使ってきませんでした。
 それだけでなく、老齢年金、障害年金の給付削減を皮切りに、年金の支給開始を68〜70歳に先延ばしするなど、社会保障を削りながら消費税増税を強行しようとしています。こんな増税には大義がありません。
 憲法25条の「生存権」を保障する見地にたって、全額国の負担でまかなう「最低保障年金」を実現させることこそ必要です。

 これまで年金制度は改悪が繰り返され、低年金、無年金の人が膨大な数にのぼります。国民年金しか受給していない人は約1千万人いますが、その平均受給額は4万8千円にすぎません。年金だけでは、とても生活できません。
 国民年金の保険料を払っていない人が1千万人をこえ、免除などを除いた実質的な納付率が5割を切るなど、年金制度全体の深刻な空洞化も放置できません。
 保険料を納めていても、総加入期間が25年に満たなければ1円も年金を受け取れない、この長すぎる受給条件を見直すなど、年金制度の改革は「待ったなし」です。

 だからこそ、安心できる年金制度にするためには、まず、年金保険料の流用をやめることです。年金財源は消費税増税でなく、大型公共事業や軍事費などの浪費を削減するとともに、「所得や資産に応じて負担する」という原則を貫き、大企業や高額所得者に応分の負担を求めて確保することが必要です。
 世界に例のない巨額の年金積立金は、高齢化がピークを迎える2050年頃までに計画的に取り崩して年金給付に充てるとともに、リストラや不安定雇用に歯止めをかけ、年金の支え手を増やすなどの抜本改革こそ必要です。

 無駄遣いを続け、社会保障を削り、一方では大企業・富裕層に減税をばらまきながらの消費税増税には道理がないことを重ねて訴えて反対の討論とします。 

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