トップ議会情報・議員の発言2012年第1回 2月定例会 議員発言 >文教委員会・中原ひろみ議員


2012年2月22日 文教委員会 中原ひろみ議員の質問(大要)

   ● 院内学級の新設と廃級について

 ― 請願 ―
     保護者負担について
     児童館耐震化について
     食育の問題について
 

●院内学級の新設と廃級について

(中原ひろみ議員)
 院内学級というのは学校教育法の第75条3の規定で示されております。疾病により療養中の児童及び生徒に対して特別支援学級を設け、または教員を派遣して教育を行うことができる。こういうことで病院に設置しておる訳でありますけれども、改めて院内学級の意義についてご答弁を頂きたいのと、それから現在の広島市内の設置状況と在籍状況、それから全ての院内学級が今、開設されているのかどうかをお答え頂きたいと思います。

(特別支援教育課長)
 委員の質問にありました通り、学校教育法の81条、旧75条でしたが今81条でございます、その要綱にもありますように意義でございますが、入院中の児童生徒のために近隣の小中学校を本校として病院内の特別支援学級を設けて担任等が指導にあたっているところでございます。本市の院内学級の設置状況と在籍状況でございますが、広島大学病院、広島市立広島市民病院、広島市立広島安佐市民病院、県立広島病院、広島赤十字原爆病院、この五つに院内学級を設置しているところでございます。
 平成24年2月1日現在、広島大学病院には児童が9名、生徒2名、広島市民病院には児童3名、県立広島病院には児童2名、生徒3名が在籍しております。なお広島市民病院の幟町中学校、広島安佐市民病院の可部南小学校、広島赤十字原爆病院の千田小学校、国泰寺中学校には在籍者が現在のところいない状況でございます。

(中原ひろみ議員)
 私が今日ここで問いたいと思うのは、今言われたように現在院内学級が開級されている所はあまり問題がない。問題なのは閉級している例えば市民病院の幟町中学校を開校しようと思うと、開設する手続きが要るんですけれども、これがなかなかスムーズにいかなくて結局、院内学級で勉強したいという子どもさんたちの願いに応えられていないという実情があるようであります。市の認識を改めて聞くんですが、市は随時入院してくる子どもさんたちが院内学級で学びたいよって言ったときに、その願いを受け止められるようなことになっているのか、手続きはどうなのか、その辺の状況を認識と併せて教えてください。

(教職員課長)
 院内学級についての認識ということでございますけれども、入院しました児童生徒の「院内学級で学習したい」というその気持ちをしっかり受け止めまして学習環境を整えるということは、非常に重要であるというふうに考えております。
 そういった認識のもとで現在行われております院内学級新設のための事務手続きについてでございますけれども、まず児童生徒が入院した場合には、その主治医が検査をしまして、その検査結果を基に入院期間を決定いたしまして、学校に連絡をいたします。その主治医からの連絡を受けまして校長と保護者が入級相談を行います。即ち児童生徒の学習への思いだとか、保護者の思いだとかいったものを聞きながら入級相談を行うということでございます。その入級相談の結果を受けまして、学校のほうから教育委員会へ院内学級新設のための書類が提出されてまいります。教育委員会のほうはこの書類を県教育委員会のほうへ提出しまして、協議そして県教育委員会の同意を得て院内学級を設置する、という手続きでございます。 


(中原ひろみ議員)
 いろいろ手続きの流れがあるようですけれども、最終的にどうも近距離の所でなかなか新設がされていないというふうに思わざるを得ない実情があるんです。随時できているという、市はご認識のようですが、実例があるようですから少しご紹介もしたいと思います。
 とりわけこの事例は、今の話ではありません。平成22年の11月25日から平成23年の5月までの話でありますけれども、この時には基町小学校に在籍する広島市民病院の小学校の院内学級、これは閉級でございました。じゃあその時に子どもが誰も入院して来なかったのかというと、そうではなくて、10人くらいの子どもさん達がいろんな治療のために市民病院に入院されてたんだけれども、この半年間は閉級で一人も院内学級で学べなかったという事例があるんだそうです。その人数は10人くらいだと聞いております。
 市民病院は、聞きますと形成外科がすごく有名でドクターのスキルが高いということで、市域県境を越えて入院される児童生徒さんがいらっしゃるらしいんですが、形成外科で皮膚移植とか骨移植とか口蓋裂の手術は何回も、1回入院したら終わりじゃなくって、成長するまでに1年に2回とか3回とか繰り返して治療を行わなきゃいけないらしいんですね。そうなりますと最初の時には院内学級があって、そこで学べた。2回目の時にも学べると思って行ったんだけれども、その時には無かったということがあって、「なぜ」ということに当然疑問がくるわけですが、そういう事実があるようです。
 手術をしますと、子どもっていうのはすごい元気でエネルギーを持て余すくらい元気なんだそうです。元気なので「勉強したい」という思い、ベッドサイドでずっと寝ておかなきゃいけないということも無いようなので、院内学級が無いとどうしてもゲームばかりに時間を費やしてしまうと。やはりそこには院内学級の役割が大きいわけですが、あったり無かったりする院内学級というのはやはり問題だと私は思うわけです。どうも聞きますと、今はもう市民病院のドクターから「院内学級がありますよ」というようなことを、これまでは案内をしていたんだけど、そういう案内をもうしないようになってるんだそうです。現場の声を聞くと、2週間から3週間のドクターの診断書では、そこが閉級されている場合には開級にならないんだと。開級というのは、院内学級を新設するということにならないんだ。せめて1か月の診断書が最初に出てこないと、閉じられていた院内学級を開けることができないというので、この子どもさんたちは2〜3週間の診断書だったために院内学級で学べないということになってるんだそうです。
 そうなりますと、これは教育基本法のいう、子どもの学びを保障する、そういう教育基本法からも少し逸脱をしているかなと思うわけですが。どこでこんなふうにしてこんなことになったのか、そのへんの事情を少し聞きたいんですけれども、院内学級を新設するときにはなんかこう、現場では1か月みたいな診断書があるって言われてるんですが、そういうものがあるのかどうか、ちょっと教えて頂けますか。 

(教職員課長)
 院内学級新設にあたっての基準についてでございますけども、小中学校の学級編成につきましては、この院内学級も含めてでございますけれども、県の教育委員会が定めております学級編成基準に基づきまして、先ほど申しました県教育委員会と協議し、同意を得て、行っている所でございます。この院内学級につきましてはこの県教委の学級編成基準に「1学級の児童生徒数は8名以内」ということが定められておりますけれども、それ以外の基準については設けられておりません。


(中原ひろみ議員)
 基準はあるんだけれども、それは1学級8人以下ということしかなくって、医者から1か月以上の診断書がないといけないっていうようなことはないということなんですね。無いのにも関わらず実際はそうなってるという現実がそこにあるわけですよ。それで私が今日ここで質問しなきゃいけなくなったわけですけども。なぜそんなふうになるのか少し、やはり現場を実態調査もしていただかなきゃいけないし、県教委のほうが院内学級の権限があるようですから、まあ県教委のほうが少しそういう制限を設けてるのかなあというふうに思ってしまうわけですが、そのへんを少し実態調査もして頂けるということで、よろしいでしょうか。
 随時やるって言われるんだけれども随時になってないところが問題なんでね、たてりと実態が違う訳ですから、なんでそうなっちゃったのかっていうのを、ちょっと聞いて頂いて、ドクターに新設権限も何も無いわけですから、ドクターがなぜ言わなくなってしまったのか。入院してきた児童生徒に、「院内学級できるよ」っていうふうになぜ言えないのか、その辺の経緯を少し調査を頂くということはできるでしょうか。

(教職員課長)
 ご指摘の点につきましては実態を把握いたしまして、やはり先ほど申しましたように、期間についての基準はございませんので、入院の長短に関わらず児童生徒が学習したいという思いを重く受け止めまして迅速な事務手続きを行っていくというのが大原則だと思いますので、そういった事務が行えるように改善すべき点があれば改善を図っていきたいと考えております。

(中原ひろみ議員)
 ぜひ随時、希望がある生徒さんには学びの場を提供してあげて頂きたいというふうに思います。
 広島市民病院のホームページにはですね、このように書いてあるんですよ。「広島市民病院には、小学校(基町小学校)と中学校(幟町中学校)の院内学級がありますので、入院中も学校生活を送れます」というふうに、これは今朝、わたくしのパソコンから出したものですから古いものではありません。入院してみればね、1か月でないといけないとか、2〜3週間ではだめだっていうふうなことで、実際10人もの子どもさん達が、6歳から11歳までの子どもさん達の事例のようですけれども、学びたかったようです。ほんとにそういう過去には戻れませんけど、今後ね開級している所に次から次へと患者さんが来て、そこで院内学級で勉強するっていうのは、これはまあできることだと思うんですが、問題は今閉じられている院内学級の病院に児童生徒さんが入院した場合に、これが諦めざるを得ないということが無いように、先ほど課長がおっしゃったように、随時要求に応えて学びを保障するという立場からぜひこれは早期改善をして、いつ入院してくるか分かりません子ども達は。だから出来るときにっていうんではなくて、早急に緊急課題として閉級している院内学級の、入院してきた子どもさん達の学びを保障すると、もう一度約束を頂けますでしょうか。

(教職員課長)
 先ほど申し上げました事務手続きに則りまして、学校から新設のための書類が出たものについては、これまでも適切に且つ迅速に県教委のほうに協議を申し入れまして、県教委のほうもできるだけ早期に同意をしてくれるという事務手続きを行ってまいりました。院内学級の設置につきましては、先ほど手順のところで申し上げましたように、あくまで医師の診断結果に基づいてですね、保護者と校長が相談をして手続きを進めてまいっておりますけれども、中にはですね児童生徒の症状が重すぎて学習に耐えることができないと医師が判断した場合とか、それから検査のための入院で1週間から2週間を要しましてもなかなか医師の診断結果が出ないというケースも中にはありまして、そういった場合には院内学級の設置に至らないということもあるようでございます。そうしたことも含めまして、ご指摘の実態について把握をして改善を図るべきところは改善を図りながら子ども達の学習環境を今後とも整えていきたいと考えております。


 
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― 請願 ―


(中原ひろみ議員)
 請願8項目、どれも教育にとっては重要な課題というふうに思います。皆さんの請願、陳情などを受けて、教育委員会は誠実に対応頂いてるなということはまず私も感じております。その辺は認識したうえで少し重ねてお願いもする面もあると思いますけれども、質疑をさせて頂きたいと思います。


保護者負担について

(中原ひろみ議員)
 まず保護者負担の問題ですが、公私の別を明確にする。まあこれは必要でしょうけれども、ちょっとお聞きしたいのは今保護者はどれくらい義務教育の中で負担をしているのか、学年でも違うでしょうけども、例えば6年生の場合はどれくらい要るのか、高校生、中学生どれくらいいるのかいうのは少し分かれば教えて頂きたい。それからその金額は年々増えているのかどうかというのも併せてお答え頂ければと思います。
 これは新年度予算にも関わりますから質疑はどうかなとも思いましたけれども、ここへ「学校管理運営費」は今年は前年と比べて同額というふうにありますが、新年度はどうなのかというのを併せてお答え頂ければ。

(学事課長)
 保護者の教育費の負担額ということでご質問頂きました。こちらにつきましては、それぞれの学校の授業内容等によってその負担内容は異なりますので、平均値ということでちょっと手元に持ちあわせておりません。ただあの文部科学省の方で全国ベースで調査して需要額がどうなっているかといった調査結果は出ておりますので、こちらにつきましてはちょっと今手元にございませんが、資料としては提供させて頂きたいと思います。
 新年度につきまして、この考え方ということで基本的には今年度の考え方で進めることに致しております。




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児童館耐震化について

(中原ひろみ議員)
 それから児童館ですけども、これはこれまでにも質疑もさせて頂きましたが、やはり児童館は災害に強いまちづくりプランの中では後位にあるということで中々耐震すら行われていないという状況ですが、地震はそれこそいつ来るか分からないということがあるわけで、児童館に子ども達がたくさんいる3時から夕方6時までの間に「地震は絶対こないんだ」ということは誰も言い切れない訳ですので、この辺やはり考えて頂きたいなと思う訳ですけども、もし児童館を全て耐震(化)しようと思うとどれぐらいかかるものなのか、1館についてね、それちょっと聞かせて頂きたいというふうに思います。
 
(放課後対策課長)
 児童館の耐震化についてお答え致します。児童館は今106館ございますが、新耐震基準制定以前、昭和56年以前に建築したものが31館ございます。この31館につきまして児童の安全確保の観点から耐震化を行うことは、学校施設と同様に大変重要なことと認識をしております。しかしながら児童館につきまして、今財政状況が非常に厳しい中、全庁的には学校の校舎耐震化対策が最優先に取り組まれている状況でございます。
 この度、校舎耐震化につきまして、東日本大震災の発表を踏まえて、27年度末に整備が完了するよう整備計画を前倒しをしたところでございます。児童館、留守家庭子ども会のまずは耐震診断自身についても引き続き努力をしてまいりたいと思います。まああの耐震診断にどれだけの需要・・・というのは、まずは耐震診断をしてみて一か所あたりどういった対応ができるのか、とやらないとまずは試算ができませんので申し訳ございません。
 なお、あの応急措置としまして今年度、震災時の揺れ等による天井の蛍光灯の落下破損防止ということで、必要な対応を児童館の遊戯室等に今行っているところでございます。

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食育の問題について

(中原ひろみ議員)
 学校担当制で栄養教員さんが掛け持ちでおやりになってて、「随時その効果や課題を整理し」というふうにありますけれども、現時点で明確になった効果や課題はどんなものがあるのか教えて頂きたいのと、それからこれも新年度になるのかもしれませんが、先般、新聞報道でしか私も確認しておりませんが広島県が栄養教諭というのは非常に効果が高いというご認識があって、50人くらい、50人に増やすというのだったか、50人を増やすというのだったかちょっとその辺が不明確で申し訳ないんですが、とにかく増員されるということになっておりますが、広島市にも新年度はその効果が来るのかどうかその辺もちょっとわかる範囲でお答え頂ければと思います。

(教職員課長)
 ご質問の順番と前後致しますけれども、先般中国新聞の方に出ました栄養教諭の配置ということについてのお尋ねに関しまして答弁させて頂きます。
 広島県内、これ広島市も含めましてですけれども、現在26人の栄養教諭が配置されております。これを50人へということでほぼ倍増させるという記事の中身でございましたけれども、現在広島市には26人のうち3人の栄養教諭が配置されておりますので、広島市にも今後、県の方から栄養教諭の配置があるものと考えております。


(健康教育課長)
 学校担当制の現時点での効果と課題でございますが、この学校担当制は、未配置校における課題と致しまして食物アレルギー対応、衛生管理、食に関する指導の充実といった課題がございまして平成21年度から一人の学校栄養職員等がもう1校担当するということで試行を重ねてまいりました。これは学校栄養職員が月に1回程度、未配置校を訪問するということをやっておりまして、そういった支援を重ねた結果、校内での体制が整ったということで一定の効果があったものと思っております。
 また課題と致しましては、やはり複数の学校を担当するということで、一人への負担があるということが課題として残っています。


(中原ひろみ議員)
 こちらでまた引き続いてお願いすべきことはお願いしていきたいと思います。



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