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2011年9月27日 建設委員会 村上あつ子議員の質問(大要) |
●市営住宅入居基準の緩和について ●広島高速5号線トンネル安全検討委員会について |
●市営住宅入居基準の緩和について (村上あつ子議員) 東日本大震災後、広島市内に避難され、市営住宅に入居されている方がいらっしゃいますが、世帯数をお聞きしますが、3月末から月ごとに世帯数と人数を教えてください。 (住宅管理担当課長) それぞれ月末時点の入居世帯数、および人数ですが、3月末―22世帯、76人。4月末―23世帯、77人。5月末―21世帯、71人。6月末―25世帯、80人。7月末―27世帯、79人。8月末―26世帯、79人。9月は26日時点で27世帯、84人でございます。 (村上あつ子議員) 出入りはありますが、現在では27世帯84人の方が入居されているということですが、こういった災害時の入居基準はそうなっているのでしょうか。 (住宅管理担当課長) 入居の要件でございますが、本会議で答弁しましたとおり、広島市では、東北地方等に住居中または3月まで居住していた方で、3月11日以降の地震により被災し、罹災証明書の交付を受けられた方、または、原子力発電所事故に伴う避難者で、国から避難指示のあった区域に居住中又は居住されていた方について、市営住宅の一時的な入居の対象としております。 この取り扱いは国の依頼に沿ったものでありまして、中国5県および広島県内の市町のほとんどが同様の取り扱いをしております。 (村上あつ子議員) 国の基準に沿ってどこも同様の基準で受け入れをしているということですが、罹災証明のあった方、福島原発の避難指示のあった方ということになっているわけですけれども、今回の災害はこれまでにない今まで経験したことのない放射能汚染による心配があり、それで避難を余儀なくされているという事態が起こっています。その上で広島に避難されてきたというのは、やはりそれなりの理由があってのことだと思うのです。 私も何人かの避難されてこられた方のお話を伺いましたけれども、皆さんが共通して言われるのが、子どもへの放射能汚染の心配で、これがあるから家族揃ってという方もありましたが、家族がバラバラになってでもお母さんがお子さんを連れてこられた方もいらっしゃいました。 それは「広島なら私たちのことが理解してもらえるだろう」と、こういう思いで広島に来られたわけです。 先ほど言われたように、避難指示のあった区域の方に限って市営住宅に入居できる、しかし、国が指示を出していない区域の方でも自主的に避難されている方もいらっしゃるわけです。 その方への行政として住宅を提供するということは今の答弁からも「ない」ということになるわけですが、やはり被爆地ヒロシマということで、国の言うものさしに沿ってやっています」と言って、つれなく言っていいものかということが言いたいのです。 何とか市独自で対応出来ないのかというのが私の思いなのです。これについてはどのようにお考えでしょうか。 (住宅管理担当課長) 市営住宅はご承知の通り、広島市に在住又は勤務している低所得者で、住居に困窮する方々に提供するものでございます。 また、公募用住宅の一部を割きまして、今回の大震災の被災者や避難指示等の区域からの避難者に対しまして、行政財産の目的外使用許可を行い無償で一時的な入居を認めているものでございます。 入居対象を自主避難者まで拡大することにつきましては、公募用の住宅の減少につながりまして、市民の入居をいっそう困難にすると考えられますので、現時点では国の依頼に沿った現行の要件の緩和は考えていないところでございます。 (村上あつ子議員) 私たちはこれまでも住宅戸数の絶対数が足らないと、住宅戸数を増やすよう要望してきているところですが、言われるように、通常でも倍率が非常に高いわけで、「何回も応募しているが当たらない」こういう状況の中で、こういった非常時に備えての政策空家をもっているわけですが、何回も何回も応募しているひとにしてみれば「空けとかなくてもいいじゃないか」といわれるくらいなかなか入れない、当たらない状況です。 そうであれば、市営住宅は提供できないけれども、民間住宅を市営住宅の家賃並みに補助するというやり方で、市営住宅に代わる住宅を提供することも考えられるのではないかと思うのですが、こういったことを国に要望するお考えはありませんか。 (住宅管理担当課長) 今委員からご意見のありました点につきましては、多分公営の住宅について場所が不便なところにあるとかいった面で入居が進んでいないこと。それでそういった場合に県を主体として民間賃貸住宅を無償で提供できる制度ということであろうかと思いますが、現在の広島市において確保しています住宅については、いずれも交通の利便性もよく市街地に近いところにしておりまして、利便性にかけるとかいうことではないと考えております。 (村上あつ子議員) 答弁が飛躍しており、私はそこまで考えていたのではなく、いいたかったのは、民間住宅を市営住宅並みの家賃補助をすることで、入居を緩和してほしいということなのです。 避難された方とお話すると、「3点セットでないと」と言われます。つまり、住まいと学校と仕事。この3点がそろって生活ができるということなのです。 先ほどの答弁にあったように、市営住宅の入居倍率は非常に高く、なかなか入れない状況です。これは絶対数が足らないということです。避難用に住宅を提供するということも求められているわけですから、この場合、民間住宅に入居してもらい、その家賃補助をするということを求めたいのです。その家賃は同じように国に請求し、国が負担すればいいわけです。 (住宅管理担当課長) 民間の賃貸住宅を活用したらどうかというご意見でございますが、まずは公営住宅、あるいは雇用促進住宅そういったすぐにあります公的な住宅について、そこに空き家が有ればそこを活用するのがベターな方法だろうかと考えております。 そこで、現在雇用促進住宅協会の管理している雇用促進住宅がありますが、これは市内に7か所ありまして、福島県からの避難者で避難指示等の区域外の方々についても受け入れを行っている状況であります。 当然ながら家賃、敷金は無償です。そういった施設を活用するのがまずは考えられる方策かと考えております。ちなみに広島市の窓口に来られた場合には、雇用促進住宅のほうで受け入れをしていることを伝えるとともに、雇用促進住宅の広島支所のほうに事前に連絡を取りまして空き状況を確認して入居をお手伝いをさせていただいています。 (村上あつ子議員) 雇用促進住宅の紹介もしているということですが、今回の避難されている方に対して市営住宅の提供については先ほど数をお聞きしましたが、そういった方々に今回は経済局と連携して、布団とか鍋、やかんとかいったものをそろえて住宅に用意されており、これはとても喜ばれておりました。これからも続けていくということを経済局のほうからお聞きしております。 福島の状況が収束しているわけではありませんから、これからの状況をみながら、福島に限らずその周辺から避難してこられる方が今後もあろうかと思います。先ほど私が要望したことも含めて今後避難者の方々の要望に応えていただきたいと思います。 上にもどる ●広島高速5号線トンネル安全検討委員会について (村上あつ子議員) 次に前回も取り上げさせていただきましたが、高速5号線トンネル安全検討委員会についてお伺いします。 昨年11月末に第5回の検討委員会がおこなわれ、その時に次回は1月か2月にかけて開きたいとの委員長の言葉で終わっていますが、もう今日は9月27日です。第6回トンネル安全検討委員会の開催はいつ頃になるのでしょうか。 (高速道路整備担当課長) 広島高速5号線トンネル安全検討委員会は、先ほど委員が言われました11月に第5回が開催されまして、それまでに地質等の追加調査の実施とその具体的な内容が決まっております。 その追加調査等のデータを元に沈下解析等の審議をしていくという流れになっておりまして、第6回を今年の1月か2月の間に開きたいということを第5回の時に決めておりました。 しかしながら、調査の実施について地元の理解を得ることに時間を要しておりまして、その審議に必要なデータがまだ取得できていないという状況でありまして、第6回の検討委員会に至っていない状況です。 現在、高速5号線事業について地域住民の皆さんの不安な点が少しでも解消できるよう、県・市が中心となって対話を行っております。 こうした対話の中で、安全検討委員会が地表面沈下や土砂災害等の周辺地域への影響を明らかにすることを目的とした委員会であることを改めて説明し、追加調査の実施にも理解を得て、早期の委員会に開催をめざしていきたいと考えております。 (村上あつ子議員) 5回目の委員会が終わって地元に説明を行い、6か所のボーリング調査をおこなうその見通しがついた頃の、1月か2月に第6回の委員会を開くという予定だったということなのでしょうか。 (高速道路整備担当課長) 昨年11月末に委員会が終わり、それからボーリング調査に着手できておれば1か月から2か月の間にデータの取得ができますので、それを元に委員会を開くということで、1月か2月にかけての委員会に開催を予定していたということでございます。 (村上あつ子議員) ところが、そのボーリング調査が着手できていないので委員会が開けていないと言うことだと思いますが、9か月間空白になっているということで、この間、委員の先生方はどのように言われているのでしょうか。 (高速道路整備担当課長) 検討委員会の委員は、「これまでトンネルが安全に建設できるかどうか、できるだけ精度よく予測するためには調査を早急に進めていただきたい」といったご意見や、「5号線トンネル掘削に伴う地盤沈下予測と1号線福木トンネルの検証を議題として、早急に第6回検討委員会を開催すべき」といったご意見をいただいております。 (村上あつ子議員) 第5回の委員会の議事録の最後はどうなっているかと言いますと、6か所のボーリング調査のこと、植生の調査のことなど様々議論をされ、熱い議論をされた最後に、ある委員の先生が「この委員会の信頼性の問題なのであくまでも二葉山の安全性に関する限りでは、やはり、福木トンネルの問題にもかかわざるを得ないと思うんですよね。その範囲で当然のごとく検討するということだと思います」と言われ、これに対して委員長が「ただいまのご意見でよろしゅうございますか。そういう方法で検討すると。では、そういうことにいたします。」と。それで次回を1月か2月にということで前回が終わっています。 したがって、私を含め、傍聴していたものは、第6回の検討委員会は福木トンネルの検証についてが議題だと思っていたのですが、今の答弁では、追加調査をはじめてからということだったわけですが、5回目の委員会が終わってから委員長のまとめがどこで、どのように変わってきたのでしょうか。 (高速道路整備担当課長) 確かに5回目の最後の部分ですが、そこに至る過程の中で5号線トンネルの安全性を検証するにあたって福木トンネルの検証にも関わらないわけにはいかないということで、やはり基本は5号線の安全性を検証する、それに伴って福木トンネルのところについても検証するところが出てくるのではないか、ということでございます。 ですから、やはり今は、5号線の影響として住民の皆さんが一番関心を持っておられる沈下についても検討していくにあたって、追加調査のデータが必要だということでございましたので、今、追加調査について検討しています。 (村上あつ子議員) 今言われたことは、「1月か2月には開かないで、まずは追加調査をしていくということになった」ということでしょうか。先ほど読み上げた委員の先生は、福木トンネルの検証も必要だと言われ、「ではそのようでよろしいですか」と確認で5回目が終わっているのですから、「ボーリング調査ができるまでは第6回は開かない」ということを委員会を開かずに決めるのではなく、委員会を開いて確認すべきことではないのでしょうか。 この判断は、委員長と県・市の事務局の判断なのでしょうか。この経過については他の委員の方全員が承知されているのでしょうか。 (高速道路整備担当課長) 2月に委員会が開催できない状況にあったときに委員長と事務局である県・市が委員会の開催をどうするかと協議した時に、まずは追加調査の取得に全力を尽くしてこうという確認の元でいままでやってきたところです。 (村上あつ子議員) 委員長の判断で開かれていないということを言われたと思うのですが、それで9か月間の空白ができていることにどうなのか、疑問を持たざるを得ません。 話を先日の新聞記事について進めていきますが、22日付の新聞報道で「ボーリング着手」という記事が載っています。記事によりますと、ボーリング調査する6か所のうち4か所は周辺住民の了解が得られたとありますが、私のところへは「了解していない」と言う声がたくさんあるわけですが、これはどういうことなのでしょうか。 (高速道路整備担当課長) ボーリング調査について、その町内に説明させてほしいとお願いしたのですが、町内会のほうから拒否をされました。説明もできない状況だったのですが、そのボーリングの周辺の方が「わたしどもには追加調査についての説明をしてほしい」とご依頼がございまして説明したことがございます。 その際、調査について「早くやってほしい。早くやって早く結論を出してほしい」というふうなご要望をされた所がございます。そういったところは了承が得られたと判断しております。 それから中山地区ですが、中山地区に2か所ございますが、中山地区のトンネル建設のかかわる住民の皆様に説明会の案内をしまして、その説明会に来られた方は追加調査について理解をいただき、「いつから調査をはじめるのか」といったようなこともご意見いただきまして、ここについても理解を得られたと判断いたしまして、4か所は理解が得られたと判断したわけであります。 (村上あつ子議員) 理解を得られたというのが、ボーリング調査をするその真ん前の人、またはすぐそばの人が了解したという事であって、町内会が了解したということではないわけです。それをもって理解が得られたから進めていくという、こういうやりかたをするということなのでしょうか。 記事では「着手する」と受け止められる記事ですが。全体的には合意は得られていないが、目の前の人が良いといったから強引に着手するということなのでしょうか。 (高速道路整備担当課長) ボーリング着手にあたりましては、関係住民の皆様に事前に調査の目的やその方法についてご説明し、できるだけ理解を得て着手したいというふうに考えております。 (村上あつ子議員) 松井市長は「早期推進」を言われているわけですから、ボーリング調査がトンネル掘削「着工に向けた既成づくり」と住民が不信感を持つのは当然だと思うわけです。これまで住民と一緒に話し合いをしながら事を進めてきたと思いますが、これまでのその前提がひっくり返るのではないかという心配もしています。 私自身は、このままいつまでも委員会が開かれないのはよくないと考えています。その立場で質問をしているわけですが、前にすすめるために強引にボーリング調査をはじめていいとはけっして考えていません。あくまでも住民の合意の上ですすめていくべきだと考えます。 あらためて議事録をもう一度読み直してみました。じっくり読み直したのですが、委員の先生方、本当に一生懸命たずさわっていただいていますが、トンネルを「掘る」ための工法を探ろうというふうな発言もありますが、おおかたの委員は、データをきちんともって住民の不安に応えようと、科学的に検証していこうと議論を交わしておられます。 問題はどこにあるかというと、問題は行政側にあると思ったのです。たとえば、「トンネル建設に伴う安全性の科学的な検証を行うことを目的として設置したものであり、できるだけはやく結論を出したい」と、このように言われています。 この安全検討委員会は、「トンネルを安全に掘るため」に検証するのか、「住民生活の安全を確保する」ために検証するのか、これは大きく違います。行政の発言の端々に「えっ」と思うところがあります。検討委員会の設置の目的をあらためて確認させてください。 (高速道路整備担当課長) 広島高速5号線トンネル安全検討委員会の設置規約に定めている目的を読み上げさせていただきます。「委員会は広島高速5号線トンネルにかかる地域住民の生活等の安全性を確保するため、高速5号線トンネル建設に伴う地表面沈下や土砂災害等の周辺地域への影響について公正・中立な立場で客観的データに基づき科学的に審議検討を行うことを目的とする」というふうになっております。 (村上あつ子議員) 今言われた通りなんですね。安全を確保するため、つまり、一番心配されているのが沈下が起こるか起こらないのか、そういうことなんですね。 そうであるならば、実際に沈下が起こった福木トンネルでの検証、これは今まずは追加調査を行い、そのデータを見るのが先だと言われましたが、どっちが先と言うことではなくて、6回目の検討委員会を早く開くためにも、同時進行でも構わないわけです。 福木トンネルの沈下の検証をしていきながら、ボーリング調査が着手できるよう、先ほど読みあげられた設置目的をきちんと踏まえて住民との対話を進めていくこと。目的を双方がしっかりと確認したうえで話し合いを進めていかなければ、住民との溝は深まるばかりでなかなか前に進めないのではないでしょうか。 6月にも市長に現地視察を要望しておりますが、事業の推進を言う前に安全検討委員会の設置目的の上に立って、市長自らが住民のみなさんと直接話しをし、科学的な検証が行えるよう進めていくべきです。 今のままだと、強行突破で調査を着手するのか、このままずっと委員会が開かれないままでいくのか。どちらも好ましくありません。どのようにされるのでしょうか。 (道路部長) 委員ご指摘のありましたボーリング調査につきましては、安全検討委員会の設置目的もあらためてお答えしましたが、精度の高い地表面沈下解析に伴う安全性、これは住民の安全は確保できるかどうかということをまずこの委員会の目的を達成するための作業でございます。 今のところ住民のみなさんのご理解を得られていない状況でございますけれども、まずこの委員会の第一の目的、住民の安全が確保できるかどうか、ここを確認するために是非とも必要なデータですので、それは事務局である県・市に課せられた任務だと我々思っておりまして、いずれにしてもできるだけのご理解をいただいて実施に至りたい。 それから、委員からもご指摘のありました福木トンネルの検証につきましても、委員会の中で5号線の沈下の検証をする中で審議することになっておりますので、これは次回委員会が開かれましたらデータも出しまして必要な審議をしてまいりたいと思います。 最後に市長の現地視察についてですが、住民団体の皆さまからご要望は伺っております。いずれにしても市長からも住民の皆さんのご不満をしっかり伺って来いと言われておりまして、我々も現地に伺いながらそういった状況を見ながら今後も取り組んでまいります。 (村上あつ子議員) ぜひ、福木トンネルの検証から、早急に第6回の委員会を開くことを要望しておきます。それから、市長が理解を得るようにと言われたとのことですが、決して個別に対応しないようにしていただきたいと思います。戸別訪問して、そのことでまた住民の不信感が大きくなっている状況ですので慎重に対応していただきたいと思います。終わります。 上にもどる |
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