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2011年6月27日 本会議 議案質疑 近松さと子議員

 第47号議案 広島市一般会計補正予算
   ●広島市事務事業見直し等検討委員会の運営について
   ●雇用創出による震災被災者の支援について
   ●平和宣言の作成について
 第63号議案 契約の締結について


(近松さと子議員)
 日本共産党の近松さと子です。日本共産党市会議員団を代表して上程された議案の質疑をおこないます。



第47号議案 広島市一般会計補正予算

(近松さと子議員)
 第47号議案、平成23年度広島市一般会計補正予算のうち3点お聞きします。はじめに、広島市事務事業見直し等検討委員会について伺います。

●広島市事務事業見直し等検討委員会の運営について

(近松さと子議員)
 昨年度から2年間の予定でおこなわれてきた広島市事務事業見直し等検討委員会を廃止するとしています。
 広島市の事業の多くが、子育てから老後まで市民生活を直接ささえています。市民の目線で不要な事業は見直すべきと考えますが、市民生活への影響を検討し慎重におこなわれなければなりません。
 見直し検討委員会は廃止して、自主的主体的に取り組むとしていますが、どのような視点で広島市の事務事業を見直すのですか。

(企画総務局長)
 今後、事務事業の見直しを進めるに当たっては、その事務事業がないと政策目的が達成できないのか、その事務事業の実施が政策目的の達成に直接的に効果を与えるのかなどの視点を持ち、取り組みを進めたいと考えています。

(近松さと子議員)
 市の内部で行うということですから、見直し過程の透明化が大変重要です。「対話」を掲げておられますが、有識者の意見や市民の声をどのように聞くつもりでしょうか。お答えください。

(企画総務局長)
 見直しの過程で必要があると判断される場合には、その内容を公表し、市民や外部の意見を聞くことなども検討したいと考えています。さらに、予算案の公表に合わせ、見直しの結果を公表し、その際には見直しの理由等も明らかにしたいと考えています。

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●雇用創出による震災被災者の支援について

(近松さと子議員)
 次に、雇用創出による震災被災者の支援について伺います。大震災で家も仕事も失い、また、福島の原発事故でふるさとから離れることを余儀なくされた被災者の方が、広島に生活の場をもとめてこられています。県別に何人の方がこられているのか教えてください。

(市民局長)
 東日本大震災等に伴い避難された方々の所在地等の情報を把握するため、総務省では「全国避難者情報システム」を構築しています。
 このシステムで把握されている本市への避難者は、6月20日現在、67世帯159人です。
 その主な内訳は、福島県から33世帯95人、宮城県から27世帯52人、そのほか1都4県から合わせて7世帯12人となっています。


(近松さと子議員)
 今回、市の臨時職員として、何人の方をどのくらいの期間雇用されようとしているのでしょうか。

(市民局長)
 市の臨時職員として採用する人数は20人で、期間は3か月を予定しています。


(近松さと子議員)
 原発事故の影響で帰る目途が立たない福島の方をはじめ、避難の長期化が予想されます。こうした方へ雇用の延長も考えておられますか。お答えください。

(市民局長)
 雇用期間を3か月としているのは、ハローワークに求職申込をされている被災者の多くは、定住するか地元に戻るかの見通しがつくまで、パートタイム等の仕事を求めておられるという状況を踏まえて設定したものですが、雇用期間の延長を希望される場合は、柔軟に対応していきたいと考えています。


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●平和宣言の作成について

(近松さと子議員)
 次に平和宣言の作成について伺いします。今年の平和宣言は、被爆者自身の平和の思いや体験を聞いて選定委員会を経て作成されるということです。
 原爆で人間らしく死ぬことも許されなかった死者にかわって「生かされた命のある限り、あの日のことを伝えたい」という被爆者の思いを継承するのは、ヒロシマの使命です。
 先日の市長発言は、「生き残ったが、悪いのか」と受け止めた多くの被爆者を傷つけました。被爆者の思いを自らのねがいとして、世界に発信していくべき平和宣言に水をさすものです。
 今、この被爆国日本で福島の原発が、あらたな被曝者をうみ、放射能被害が繰り返されていることへの強い憤りと無念な思いを語られる被爆者の方もおられます。そうした声は届いていますか。
 今年の平和式典は、「核兵器と人類は共存できない」ということに加えて、原発についてもヒロシマから何を発信するのかが問われています。この点についてのお考えと、このことを踏まえた選定委員会のメンバーになるのかお聞かせください。

(市民局長)
 選定委員の委員数は10人を考えており、その構成としては、被爆者、被爆者の思いを書籍や映像で伝えた経験者、報道関係者、また職務上、数多くの被爆体験談に接している平和記念資料館長や追悼平和祈念館長、市長を考えています。


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第63号議案 契約の締結について

(近松さと子議員)
 最後に第63号議案、契約の締結について伺います。これは、広島南道路観音工区の道路新設工事の案件ですが、近年、工事契約の多くが極めて低い落札率になっており、ダンピング受注といわれています。日本共産党の市議団は、工事品質や現場労働者の賃金、下請け契約にその弊害が及んでいるのではないかとこれまでも見直しを求めてきました。
 今回の工事で予定価格に対する落札率は、何%ですか。入札したのは何社で、調査基準価格を下回ったのは何社ですか。さらに調査基準価格の85%を下回ったのは何社でしょうか。
 
(財政局長)
 広島南道路観音工区新設工事の契約に係る一連のご質問にお答えします。この工事に係る落札価格と予定価格との割合、いわゆる落札率は61.7%でした。
 次に入札の状況ですが、入札参加者は9者で、このうち1者の入札価格は調査基準価格と同額で、残り8者の入札価格は調査基準価格の85%を下回りました。
 最後に、ダンピング受注の防止についてです。
 入札価格があらかじめ設定した調査基準価格を下回った場合には、低入札価格調査を実施しています。
 具体的には、入札金額の積算内訳等を添付した低入札価格調査報告書の提出を求めるとともに、事情聴取を行い、工事費や労務費等の内容が適正かどうかを確認しています。
 仮に、適切な積算が行われていなければ最低入札価格提示者であっても落札者としておらず、こうした低入札価格調査をしっかり行うことにより、ダンピング受注の排除を徹底しています。


(近松さと子議員)
 このたび、中小企業を支援するため公共事業の入札制度を見直すとして、最低制限価格の適用を拡大するなど改善を図られるとの説明を受けました。もう一歩進めて、私たちは公共工事でワーキングプアをつくらないために、末端に至るまで市が最低限の賃金を定める公契約条例が必要だとその実現を求めてきました。
 野田市の公契約条例を皮切りに、川崎市がこの4月から政令市で初めて公契約条例を実施しています。  川崎市は、受注者に対象労働者への市が決めた賃金の支払い義務を負わせました。大工で時間給2025円、作業員が1632円、運転手1733円といいます。6億円以上の工事に適用するといいますが、総発注金額の半数近くにのぼります。
 多くの労働者の賃金と待遇の改善が進み、雇用と地域経済の活性化に大きな効果が期待されています。広島市も公契約条例の制定に踏み出すべきです。お考えを伺います。

(財政局長)
 公共工事に従事する労働者の労働条件は、労働基準法、その他の労働法規に従って事業者において適切に定められなければならないものであり、下請業者における適正な労働条件の設定についても、元請業者が指導することが求められています。
 議員ご指摘の公契約条例は、建設労働者等の良好な労働条件の確保を目的としており、その趣旨は十分理解できますが、その実現については、労働基準法や最低賃金法などの国における関係法令の整備によることが望ましいと考えています。
 本年4月から施行された川崎市の公契約条例については、その運用状況の把握に努めたいと考えています。


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