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2011年5月18日 臨時会 討論 中原ひろみ議員 |
第44号議案 広島市国民健康保険条例の一部改正についての反対討論 |
日本共産党市会議員団を代表して、 第44号議案 広島市国民健康保険条例の一部改正について 反対の討論をします。 今回の国民健康保険条例の一部改正は二点です。1つは、今年の三月までの期限付き実施となっていた出産一時金の支給額38万円を42万円に引き上げる時限措置を恒久制度にするというものです。これは妊産婦の経済的負担を軽減する上で、大変に評価できるものです。 しかし一方で、国民健康保険・後期高齢者支援金・介護納付金の保険料の年間最高限度額を73万から77万円に引き上げることについては、賛成できません。増大する医療費や介護サービス量を維持し、国民の命とくらしを守ることは国が責任をもつべきものです。国が財政負担の責任を縮小し、「保険料を引き上げて、加入者同士で助け合いなさい」という流れは、認められません。 そもそも、国保も介護も後期医療も国民の命を守るための社会保障の制度です。社会保障は個人の努力では如何ともしがたい生活の問題を、社会的に解決する仕組みとしてつくられ発展してきました。国民健康保険法では、「国民健康保険事業の健全な運営を確保し、もって社会保障及び国民保健の向上に寄与することを目的とする」としています。 国保は、自営業者や低賃金の非正規労働者や、失業者、年金生活者など「無職者」が国保加入者の7割以上です。加入世帯の平均所得が165万円に過ぎない国保は、国の手厚い援助があってはじめて成り立つ医療保険です。 しかし国は、国庫支出の割合を、1984年度の50%から24・1%に半減させ、国の責任を次々と後退させてきました。とりわけ2002年以降、小泉内閣の「構造改革」政治によって毎年、2200億円の社会保障費、自然増加分が削減されたことをきっかけに、社会保障の切り捨てがはじまりました。国保は自民党・公明党政権のもとで値上げが繰り返され、民主党政権は、これを是正するどころか、国保料のいっそう値上げを地方自治体に指示しています。その結果、広島市の国民健康保険料は、総所得300万円・4人世帯の場合、平成20年度と平成22年度とを比較しただけでも、43000円も高くなっています。 2011年度予算で実施しようとしている大企業・大資産家への2兆円もの“減税バラマキ”をやめれば、国保料の引き下げはただちに実施できます。中小企業の労働者が加入している協会けんぽと比べても、国保料は1.5倍と高くなっています。協会けんぽは事業主が半分を負担しているわけですから、国保は国が国保料の半分を保障すべきです。国保会計への国の補助金を増やして、国民の命を守る政治をすすめることこそ必要です。 国の責任を後退させ、そのツケを保険料値上げで加入者に押しつける路線ではなく、 国保料を引き下げ、国保財政を再建するため、国庫負担を1984年当時の水準に計画的に戻すこと、県から広島市の国保会計への積極的な財政支援をおこなうことを国・県に強く要望されるよう求めておきます。 上にもどる |
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