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2011年3月9日 本会議 中原ひろみ議員の2011年度・2010年度関連議案に対する討論

【修正案部分に賛成、それを除く原案に反対】
第1号議案   平成23年度広島市一般会計予算
  (第38号議案  広島シティ空港条例の制定についての反対理由を含む)


【反対】
第11号議案  平成23年度広島市国民健康保険事業特別会計予算
第12号議案  平成23年度広島市競輪事業特別会計予算
第16号議案  平成23年度広島市開発事業特別会計予算
第40号議案  広島高速道路公社定款の変更に係る同意について

【意見を付して賛成】
第 9号議案  平成23年度広島市後期高齢者医療事業特別会計予算
第10号議案  平成23年度広島市介護保険事業特別会計予算


(中原ひろみ議員)
 日本共産党市議団を代表して、討論を行います。
 上程された議案のうち、第1号議案は、昨日の予算特別委員会で可決された修正案に賛成し、修正部分を除く原案に反対します。 
 他に反対する議案は、第11号、12号、16号、38号、40号議案の5議案です。第9号議案、10号議案は意見を付けて賛成。その他の議案には賛成です。



【修正案に賛成し、修正部分を除く原案に反対】
第1号議案 平成23年度広島市一般会計予算


 日本共産党市会議員団が実施した市民アンケートには、「暮らしが苦しい」「仕事がない」「国保料が高すぎて払えない」などの悲鳴があふれています。この市民の声に国政も市政も応えていないのが実態です。民主党政権は、暮らし最優先といいながら、「大企業には減税し、消費税増税で企業減税の穴埋め」をしようとしています。
 また、農業や地域経済にも、とりかえしのつかない打撃を与えるTPP(環太平洋連携協定)を強引にすすめ、さらに、「地域主権」と称して、福祉などの仕事から手を引き、社会保障のための最低基準の財源保障や最低基準をなくし、まともなサービスの実行は「自治体の自己責任」にしようとしています。まさしく、憲法をないがしろにする「国の責任放棄」そのものです。
 このように、国政が暴走しているときだけに、地方自治体は住民の福祉とくらしを守る本来の仕事に徹し、「国の悪政から住民の利益をまもる防波堤」の役割を積極的に果たすべきです。  この立場から、委員会に3つの事業費を削除する修正案を提出いたしました。

 日本共産党市会議員団が削除を求めたのは、2020年オリンピック招致検討事業費、広島駅南北自由通路の工事費、ペデストリアンデッキ・新幹線口広場の実施設計費、及び西飛行場の整備計画策定費です。

 オリンピック招致は、市民の納得と総意が前提ですが、未だに市民の多くが反対です。市民が反対しているのに、IOCから選ばれることはありえず、これ以上オリンピックに税金をつぎ込むべきではありません。

 広島駅の南北を結ぶ自由通路整備は、総額127億円をかける事業です。広島駅が立派になることを否定するものではありませんが、厳しい財政状況です。いまなお財政健全化を進めている広島市が、あえて、巨額の予算をつぎ込んで、今、つくらなければならないものではありません。
 さらに、自由通路とは名ばかりで、実態はJRの駅舎や改札口を税金で作るに等しいものです。こんな大企業支援の税金の使い方を認めることはできません。

 西飛行場のシティ空港化は、整備費に100億円近い財源を必要とします。しかも五年後には、県有地の買い取り費用が別に100億円かかります。財源を確保するのに苦労しているなかで、東京便の確証もなく、飛行機が来たとしても、赤字が明らかな事は市も認めています。赤字の空港に、毎年4億円もの維持管理経費を払い続けることに、市民の理解は得られないと考えます。これらの三事業にかける予算は、市民のくらし応援に最優先で使うべと考えるものです。

 広島市は、来年度、特養ホームを305人分増設したり、三年間で2000人分を超える保育所を増設したりなど、大いに評価することがあります。しかし、広島駅南北自由通路など筋の通らない使い方は容認できない重大な問題点です。他にも重要な問題点が出てきています。企業立地促進補助金も年々増加し、新年度は7億円を超える規模になっています。大企業支援に偏った「呼び込み型」の開発は、今後の市政の根本姿勢にかかわる問題です。

 よって、西飛行場の開発予算を削除する修正された第1号議案に賛成し、オリンピック招致検討事業費と、広島駅南北自由通路整備事業費が含まれる修正部分を除く原案に反対します。 当然ながら第38号議案、シティ空港条例制定には反対です。
 なお、この修正案には、旧市民球場跡地の活用計画をストップさせる「緑地・広場整備」予算の削除も提案されています。球場跡地の活用については、未だに市民から様々な意見が議員団にも寄せられており、市民との話し合いの場をもち、市民の声を生かした跡地利用になるような見直しを求めておきます。

 第一号議案の修正部分を除く原案について、意見を述べておきたいと思います。
 新年度予算には新規事業として、「市立高校生の就職を支援するため、民間企業訪問を行う就職コーディネーターを配置する」就職コーディネーター活用事業が新規事業として予算化されています。
 高校生・大学生の就職難は早期に解決すべき問題であり、この事業の効果を期待するものですが、真に高校生の就職難を解決するためには、内需拡大による日本経済の再生と雇用創出ないにはすすまないと考えます。特に高校生の場合は、家計のことを考えて「地元で就職したい」という希望を持っている生徒がおおく、地方経済の立て直しが不可欠です。
 地方での雇用創出では、公務公共部門と地元中小企業、福祉・介護の三つがカギです。地元中小企業が積極的に求人を出すようにする手立てが必要です。
 そのためにも、大企業だけに補助金を出すのでなく、中小企業への直接支援とともに、児童館整備・公共施設の耐震補強・普通教室へのエアコン整備の前倒しなど、身近な公共事業をおおいに増やし、分離分割発注の拡大で、地場の中小業者への仕事を増やし、仕事起こしに自治体が大きな力を発揮されることを求めておきます。
 この意味からも、経済波及効果が10倍以上になり他都市で大人気の住宅リフォーム補助制度の創設を早期に実施されるよう要望します。

 次に緊急雇用創出事業臨時特例交付金を使い実施される「中小企業経営実態調査」について一言申し上げます。市内2万社へのアンケート調査と、1200社を訪問するというものです。  広島の地域経済を担っている中小企業の生の声を聞き取ることは、「かゆい所に手が届く効果的な施策」を実施するうえで、必要なことです。「遅すぎる」という思いもありますが、六ヶ月しか雇用期間のない緊急雇用でやるべき事業ではありません。少なくても1200社への聞き取り調査は、アルバイトまかせにせず、市の職員が直接に聞き取りされることを求めます。

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 次に反対の議案の理由を述べます。

【反対】
第11号議案 平成23年度広島市国民健康保険事業特別会計予算

 まず、広島市国民健康保険事業特別会計です。新年度は3.2%の保険料引き上げとなっています。長引く不況のなか、払いきれない世帯が増加し、21年度決算では加入世帯の4世帯に1世帯が滞納している状況です。これ以上の保険料の引き上げは、滞納世帯を増やすだけです。
 市民アンケートでは「国保料の引き下げ」が一番大きな市民の願いでした。命を守るためにつくられた国民健康保険制度によって、くらしが押しつぶされるなどということは、本末転倒です。国と県に国保会計への補助を増やさせて、払える保険料にすべきであると考えます。


【反対】
第12号議案 平成23年度広島市競輪事業特別会計予算

 次に競輪事業特別会計ですが、自治体がギャンブルを奨励することはあってはならないことです。今後、競輪場の老朽化対策に新たな費用が必要になっており、これを契機に雇用対策をしっかりと行い、廃止すべきです。


【反対】
第16号議案 平成23年度広島市開発事業特別会計予算

 次に開発事業特別会計ですが、市民の税金で開発し、得た収入を基金に積み立てているのですから、使途を開発事業に限定せず、一般財源に繰り入れて市民の暮らしを応援する財源にすべきです。


【反対】
第40号議案 広島高速道路公社定款の変更に係る同意について

 次に広島高速道路公社定款の変更に係る同意についてです。 これは、高速道路公社に県・市の出資金を積み増しするというものですが、公社は、高速1号線の地盤沈下被害に対する科学的な検証をせず、高速5号線トンネル安全検討委員会が二葉山トンネルの安全性を検討しているにもかかわらず、高速5号線の事業を進めようとしています。
 検討委員会の調査結果によっては、中止もあり得る事業です。対面通行で危険なうえに、採算性もない二葉山トンネル工事は中止すべきです。高速5号線建設をすすめている公社への安易な出資には賛成できません。
 また、昨年4月に開通したばかりの広島高速2号線、3号線高架は、溶接部の不具合が匿名情報で指摘されたことは、記憶に新しいところです。溶接部のキズや欠陥は補修されましたが、公社が欠陥工事を見逃していたことは重大な問題です。公社の検査体制の見直しと受注業者への指導強化を求めておきます。

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 次に、意見を付して賛成の議案について意見を述べます。

【意見を付して賛成】
第9号議案 平成23年度広島市後期高齢者医療事業特別会計予算

 広島市後期高齢者医療事業特別会計ですが、後期高齢者医療保険制度は、世界に例のない差別医療です。「政権交代すればすぐにでも廃止する」と約束した民主党が約束を守らず、未だにそのままです。約束どおりきっぱり廃止してもとの老人保険制度に戻したうえで、安心してかかれる医療保険制度にするよう国に要望される事を求めます。


【意見を付して賛成】
第10号議案 平成23年度広島市介護保険事業特別会計予算

 介護保険事業特別会計ですが、市民アンケートには「介護サービス利用料が重く利用をがまんしている」「保険料は年々引き上がるのに必要な介護が受けられない」「入所できる介護施設がない」などの声が多数寄せられ、国保料の引き下げにつぐ大きな市民要求になっています。
 市独自のローカルルールを廃止し、1人1人の高齢者と家族の生活実態に合うサービス提供とともに、特養ホームを増設し、療養型病床削減をしないよう国に求めていただくことと、広島市での保険料、利用料の軽減に力を尽くしていただくよう求めます。

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