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2011年12月16日 本会議 近松さと子議員の議案討論 |
≪反対の議案≫ 第89号議案 広島駅自由通路(仮称)等の整備促進について 第108号議案 契約の締結について(広島駅自由通路(仮称)等新設その他工事) ≪意見を付して賛成の議案≫ 第93号議案 広島市移動体通信用鉄塔等整備事業分担金条例の一部改正について 第98号議案 公の施設の指定管理者の指定について(広島市総合屋内プール、 東区スポーツセンター、戸坂庭球場及び戸坂運動公園) 第99号議案 公の施設の指定管理者の指定について(広島市男女共同参画センター) 第100号議案 公の施設の指定管理者の指定について(広島市森林公園(昆虫館を除く)) 第101号議案 公の施設の指定管理者の指定について(広島市伴福祉センター) 第102号議案 公の施設の指定管理者の指定について(広島市皆賀園) 第103号議案 公の施設の指定管理者の指定について(広島市広域公園) 第104号議案 公の施設の指定管理者の指定について(公民館) 第105号議案 公の施設の指定管理者の指定について(広島市総合防災センター) 第92号議案 一般職の職員の給与に関する条例等の一部改正について |
日本共産党の近松さと子です。市議団を代表して12月定例会に提出された議案について討論をおこないます。 まず、反対の議案は、89号議案108号議案です。 意見を付して賛成する議案は、92号、93号、98号から105号議案です。 残りの議案には、賛成です。 ≪反対の議案≫ 第89号議案 広島駅自由通路(仮称)等の整備促進について 第108号議案 契約の締結について(広島駅自由通路(仮称)等新設その他工事) まず、89号議案平成23年度広島市一般会計補正予算のうち、広島駅自由通路等の整備促進について反対の意見を述べます。108号議案も関連議案ですので合わせて意見を述べます。 これまでの広島駅自由通路に係る債務負担行為を廃止し、新たに、整備に関する委託契約と償還金に関する委託契約を一括して締結する債務負担行為のやり直しが提案されました。事業の見直しを求める立場から、この債務負担行為についても反対します。 そもそも、自由通路の整備は、駅ビルアッセを建て替える計画の中で検討されるべきです。急いで自由通路を整備しても、駅ビルの建て替え時には、せっかく建設した通路の一部を壊す事となります。そのための手戻り分7億円をJRが負担すると聞いていますが、「もったいない」話です。 自由通路の総事業費127億円のうち、1割しかJRが負担しないというのも、駅そのものである橋上駅整備で、利益を得るのは誰なのかを考えた時にあまりに少なすぎます。税金を使ってJRのための駅舎をつくるようなものです。 そのため、これまで、事業開始時期とJRとの負担割合の見直しを求めてきました。あらためて、二葉の里の区画整理事業と切り離して、再検討すべきです。 今、今後4年間で582億円の歳入不足が生じるからと、事務事業の見直しがおこなわれています。その中では、社会参加のきっかけづくりとして、お年寄りが楽しみにしている交通費助成制度の削減が検討されています。 また、市の幹部が、100歳を迎えた高齢者のお宅に直接伺い、長寿を祝う敬老祝い金などの制度も見直すとしています。 広島市が、高齢者を敬い、長寿を祝う福祉の心までけずるように思えてなりません。 国が2年連続して年金額を引き下げ、介護保険料も大幅増額改定が言われる中、高齢者に冷たい見直しは、やめるべきです。 総事業費181億円のうち76億円が、市債で賄われるこの巨大事業こそ見直しが必要と考えます。 上にもどる ≪意見を付して賛成の議案≫ 第93号議案 広島市移動体通信用鉄塔等整備事業分担金条例の 一部改正について 次に、第93号議案 広島市移動体通信用鉄塔等整備事業分担金条例の一部改正について意見を述べます。 この事業は、辺地など世帯が少ない地域に、国と市などで土地を購入して鉄塔をたてて、携帯電話の基地局施設を整備するという国の事業です。 今回の湯来町多田と可部町綾ヶ谷地域での整備で、市内で携帯電話が利用出来ない世帯はなくなりましたが、すべての通信事業者の利用が可能になったわけではありません。 通信事業者の企業理念の中には「いつでもどこでも誰とでも、自由にコミュニケーションが楽しめる」 ということをめざすと謳い、「つながる」と盛んに強調しています。 ところが、今回の基地局整備について、広島市は、市債など7,200万円を支出するにもかかわらず、通信事業者の負担分は、1,500万円で、総事業費1割以下にすぎません。たとえば、NTTグループは、世界的な経済危機が進行するもとでも景気に左右されず、1兆円を超える営業利益を上げ、2年連続「日本一の利益」を確保している文字通り、日本の有数のトップ企業です。 採算が取れない地域の基地局施設の整備は、国や自治体に頼むというのは、あまりに身勝手ではありませんか。もっと自助努力を求め、社会的責任を果たすべきです。 さらに、伝送路の保守業務委託料、電柱等の共架料、保険料等の維持管理費、月にして平均8万円程度を広島市が負担するとしています。せめて、維持管理費は、全額事業者負担とすべきです。 上にもどる 第98〜105号議案 公の施設の指定管理者の指定について 98号から105号議案までの、公の施設の指定管理者の指定について意見を述べます。 指定替えの度に、コストを削減することは、働く人の人件費やサービス低下だけでなく、安全性を脅かす事故が、引き起こされ、全国的に問題になってきました。 総務大臣も今年の年頭に「指定管理者制度を、コストカットのツールとして使ってきたきらいがあります。 指定管理者制度というのは、一番のねらいは、行政サービスの質の向上にあるはずなのです。」と答え、あらためて指定管理者制度の運用に関する通知を出しています。 本市でも、指定管理者制度は2006年から導入されていますが、昨年度からの指定替えで、一律のカットではなく、管理経費のこれまでの実態、業務量の見込みなどを踏まえるなどの改善をしてきました。 今回の指定で新たに三つの施設、東区スポーツセンター・森林公園・広域公園が、管理料支払いから利用料金制に変更されます。 利用料金制で指定管理者の経営努力や創意工夫を促すといいますが、本来、市民の財産である公共的施設が収益目的優先に使用されてはなりません。 収益を上げるために利用者のサービスを低下させる、また経費削減のために働く人の労働条件を切り下げることのないように、広島市としての監督責任を果たすべきです。 上にもどる 第92号議案 一般職の職員の給与に関する条例等の一部改正について 最後に、第92号議案、一般職の職員の給与に関する条例等の一部改正について意見を述べます。 人事委員会勧告どおりの内容で決着し、給料表は0.06%引き下げ、一時金は据え置くとなりました。職員の平均年間給与の削減額は4,000円となります。 広島市では、これまで大幅な人員削減がおこなわれるなか、労働密度が強化され、さらに時間外勤務が増え、そのことを要因にメンタルヘルス不調が増加しています。今こそ、適切な人員配置と増員が必要です。 また、4年連続の市人事委員会の賃金引き下げ勧告は、職員の士気を下げる要因になります。このことは、民間労働者の賃下げにもつながり、賃金も物価も下がるデフレスパイラルによって、深刻な経済の停滞から抜け出せないことを指摘してきました。 市長は、ワークアンドライフバランスをかかげておられます。ワークとは、どんな中身でしょうか。ILO(国際労働機関)は、グローバリゼーションのもと世界中で進んでいる格差と貧困、権利侵害に対抗して、「すべての労働者にディーセントワーク(働きがいのある人間らしい仕事)を」を掲げ、各国で取り組みが進められています。 この際、申し上げたいのは、年収200万円以下の官製ワーキングプアといわれる嘱託・臨時職員などの非正規職員の待遇の問題です。しかも、その圧倒的多くが女性職員ですから、女性差別撤廃条約で禁止している間接差別であるといえます。 待遇の違いがあっても市民の前で、サービスに違いがあってはいけません。生き生きと仕事に誇りを持って、市民のためにはたらきたいと願っています。 消費者センターの相談員は、高い専門性も要求される中、オレオレ詐欺や多重債務、出会い系サイトなどの市民からの相談に必死で対応しています。 留守家庭子ども会の指導員は、「世帯主となっている人が10.6%、20代30代が1割となっておりダブルワークをしている人もある。」といわれます。保育園や学校の調理員でも同じです。 「10年前と10万円あまりの手取りが変わらない、異動で交通費が上がると、協会けんぽなどの保険料が上がり、手取りが下がる」状況に置かれています。 こうした子ども施策や市民サービスの最前線でがんばる臨時・嘱託職員にディーセントワーク(働き甲斐のある人間らしい仕事)を保障するため、均等待遇をもとめて討論を終わります。 上にもどる |
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