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2011年10月7日 全体会議 中原ひろみ議員の総括質疑(大要)

   ●市民の信頼を回復するために
        ・不適正経理の再発防止について
        ・監査と法人のあり方の見直しについて
   ●市民に頼りにされる自治体を目指して
        ・市民の暮らしを支える事業について
        ・滞納対策について


●市民の信頼を回復するために

不適正経理の再発防止策

(中原ひろみ議員)
 平成21年度に明らかにされた不適正経理は、平成22年度においても、随時監査した1か月間で29所属、58件、約80万円が指摘されています。消耗品購入において適正な価格が追求されず、結果的に市民に不利益を与えました。
 また、社会福祉法人ひまわり福祉会による長年の不正が見抜けず、市の補助金が私的に流用され個人の富となっていたなど、昨年に続き、今年も公務労働への信頼を失わせる事態になっています。そうした状況のもと、市民の信頼を取り戻すためにどうするのかという立場から質疑します。
 不適正経理の再発防止策として、法令遵守の徹底、新たな検査体制などの対策がとられた昨年11月以降は、不適正な経理は発生していないとのことですが、再発防止策を一過性のものにせず、二度と不適正経理が起きないようにするには、職員が能力や自治体職員としての職責を発揮できる環境をつくることが必要です。最初に、適正経理ができる環境づくりとして、予算と人員という切り口から検証したいと思います。

 監査委員会が行った職員アンケートでは、「予算が足らない」「必要なものが買えない」という声が出されています。毎年、経常経費の一律20%削減で予算がないため、不適正と知りながら目の前の必要な物を購入せざるを得ないという背景があるのではないかと思います。
 そこで、不適正経理の多かった教育分野の予算について、5年前と比較して小学校、中学校、高校の子ども1人当たりの消耗品費はどのようになっていますか。

(教育委員会学事課長)
 平成23年度、現時点での配分予算から算出した児童生徒1人当たりの消耗品の額でございます。まず、
  ・小学校は、児童1人当たりの消耗品費は約9,100円で、5年前の平成18年度についても
   同様に算出した1人当たりの消耗品費は約7,500円です。

 同様に算出いたしますと、
  ・中学校については、平成23年度が約10,100円
                平成18年度が約11,200円、
 
  ・高等学校については、平成23年度が約10,400円
                平成18年度が約11,600円
                              以上です。


(中原ひろみ議員)
 5年間かけて、じわじわと削減されていますが、一律の予算カットも限界だと思います。これ以上、削れないところまで削っているのではないか。教育委員会の認識をお聞きします。

(教育委員会学事課長)
 本市の財政状況が厳しい状況にあることから、予算編成時は例年、シーリングを設定しています。一般行政経費のシーリングは平成21年度以降で見ると、20%、22%といったような確保となっています。

 しかしながら、学校での配分予算につきましては、平成21年度以降、削減はせず、前年度と同額を維持しております。
 
 今後とも、学校における教育活動に必要な予算確保につきまして、必要に応じて随時追加の予算配分を行うなど、日々の教育活動に支障が生じないよう、適切に対応していきたいと考えております。


(中原ひろみ議員)
 平成21年から一律のシーリングをしていないということは、教育委員会も、限界まで削減してきたという認識をもっておられるということです。教育予算を削れば、保護者負担として跳ね返ることになります。
 家庭の経済力に左右されず、どの子も安心して教育が受けられるようにするためにも、しっかり予算を確保することを求めておきます。



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人員削減がもたらす影響について

(中原ひろみ議員)
 平成16年度から平成22年までの7年間に、約7%、約850人の職員数削減を目標に掲げ、この期間内に約8.1%、996人を削減しています。
 職員アンケートでは、「人手が足りずに事務量に忙殺された」「行革の人員削減で事務量が増大し、苦肉の策としての不適正経理になった」「事務手続きの効率化を図るためだった」などの声が出ています。このような人員削減が、不適正経理や市民サービスの低下につながっていくと考えませんか。

(人事課長)
 今、委員おっしゃられましたように、広島市としては、これまで職員の削減に取り組んできたところでございます。一方で、不適正経理に関しましては、昨年11月にとりまとめました経理処理に関する履修総点検報告書によりますと、不適正経理処理金額になりますけれども、平成16年度から18年度、平成21年度と、順次減少している状況でございます。
 また、事務量で考えましても、物品購入事務に関する時間というのは業務全体のごく一部でございまして、人員削減が不適正経理の直接の原因であるとは考えておりません。


(中原ひろみ議員)
 人員削減が不適正経理の要因でないなら、何が理由なのか。単なる倫理の欠如なのでしょうか。 帳簿突き合わせ調査により判明した不適正な経理処理事案を基に、別に実施した経理担当職員事務実態調査により申告を求めた不適正な経理処理事案と照合したところ、不適正な経理処理58件中、42件が未申告でした。

 申告しない職員がいたことについて、監査は「市民の信頼を回復しようとしている事案に置いて、監査に望む態度としてもあってはならないことであり、誠に遺憾である。十分に自戒すべきである」と意見を述べています。

 職員アンケートでは、79件が不適正との認識がなかったと答えており、監査に応じなかったのは、そもそも不正と思っていないという要素もあるとは思いますが、市の職員は、どんな理由があろうとも監査に応じるのは当たり前であり、改めて公務員として求められる資質について再確認するために、全ての公務員が初めて公務の執行に携わる時に読み上げる宣言文の内容を教えてもらえますか。

(人事課長)
 地方公務員法第31条では、「職員は条例の定めるところにより、服務の宣誓をしなければならない」と規定しております。このため、本市では、職員の服務の宣誓に関する条例に基づきまして、新規採用職員の辞令交付式において、代表者が宣誓書を読み上げ、その後、全ての新規採用職員が服務に関する宣誓書に署名しております。

 その宣誓書の内容をそのまま読み上げますと、
 「私は、国際平和文化都市を目指す広島市の職員として、その職務が広島市民全体から申達された公務であることを深く自覚し、市民のために、市民の立場に立ってその職務に積極的に取り組み、広島市職員としての誇りを持って、市民福祉のために全力を尽くすことを誓います。」というものでございます。


(中原ひろみ議員)
 宣言文にあるように、「憲法を遵守し、公のために奉仕する」、この自治体職員の初心に立ち戻って職務にあたっていただきたい。
 平成22年3月に策定した「広島市行政改革計画」では、平成25年までに200人を削減する目標を掲げています。これまで削減してきた約1千人は、どうやって削減してきたのか。これからの200人の削減はどのように行うのか。

(人事課長)
 まず、全計画の996人につきまして、要員別でお答えさせていただきます。
 取組期間でございますが、平成16年度から平成22年度における主な取り組みといたしましては、事務事業の縮小・廃止により1,430人、民間委託化等により223人、正規職員から非常勤職員及び臨時職員への切り替えにより296人などとなっております。
 
 その一方で、保健・医療・福祉の充実のために474人、都市基盤整備のために189人、教育行政の充実のために65人などの増員を行っておりまして、こうした全庁的な執行体制の見直しの結果として、7年間で差し引き996人の削減を行ったものでございます。

 もう一つ、現行計画の200人の削減目標でございますけれども、これにつきましては、平成25年度までに見込まれる段原再開発事業等の事業の縮小・廃止などによる減員数と、例えば、広島県地域医療再生計画への対応等の新規事業への取り組みなどによる増員数を考慮するとともに、執行体制の見直しなどによる職員数の削減を見込んだ上で決定したものでございます。


(中原ひろみ議員)
 「公務員は公僕であり、法令を遵守せよ」と言っても、過剰な人減らしをしてはそれもできない。1千人が削減されましたが、業務量がそれに比例して減ったわけでなく、時間外勤務は1人当たり2.6時間も増えている。職員の精神的な疾患、早期退職の状況はどうですか。

(人事課長)
 まず退職者数でございますが、平成22年度の退職者の総数が553人でございますが、うち定年退職と死亡退職を除いた数字が167人と言うことでございます。
 それから、精神系の疾患でございますが、年休等の休暇取得日数が30日を超えた精神系疾患で休んだ職員の数は、全部の局で256人となっております。


(中原ひろみ議員)
 「健康な精神は健康な体に宿る」という言葉のとおり、職員の健康を維持し、市民サービスを向上させるためにも、これ以上の人員削減も限界だということを申し上げておきます。



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監査と法人のあり方の見直しについて

(中原ひろみ議員)
 ひまわり福祉会の不正内容はどのようなものだったのですか。

(保育課長)
 ひまわり福祉会の不正の内容についてでございますが、この事案は、本市と大竹市で複数の保育園を運営しております「社会福祉法人ひまわり福祉会」が、長年にわたり不正な経理を行っていたものでございますが、具体的に申しますと4点に分けられます。
 
 1つ目は、勤務実態のない2名の職員への給与の支給や、管理職への不正な残業手当の支給といった給与の不正支給。

 2つ目が、顧問税理士が関与する会社や団体を通じて、架空の契約締結や、実態のない契約による不正。
 
 3つ目が、理事長らが所有する不動産を理事会の議決を得ず、不必要なものを含め、近傍価格より高額な契約を締結して提供した利益造反取引による不正な契約に基づく支出。
 
 最後の4つ目が、同法人がクレジットカードの私的利用などの私的費用の付け替え支出などが行われていたものでございます。


(中原ひろみ議員)
 ひまわり福祉法人の悪質な不正については、その全貌を明らかにするため、現在、警察も調査に入っています。この法人の不正は広島市始まって以来の規模であり、不正を見抜けない広島市にも汚点を残すものとなりました。

 本来なら、この法人の不正は解散に値しますが、保育士の雇用と子どもの保育を守らなければならないと、適正化に向けた取り組みがされていると聞いています。不正の手口を明らかにし、全ての膿を出すことで、他の法人に広島市の監査が甘くみられることのないよう、威厳のある監査にする取り組みが検討されなければなりません。
 まず、広島市はこの不正を、どのように受け止めておられるかお聞きします。

(保育課長)
 長年にわたりまして、不正経理処理の結果、旧法人の役員が全て辞任をするという事態になったものでありまして、児童やその家族の方々のため、日々、一生懸命頑張っておられる他の社会福祉法人への信頼を失いかねない事態ということでございまして、誠に遺憾に思っているところでございます。


(中原ひろみ議員)
 通報された後の調査で、なぜ見抜けないのか。その原因究明こそ重要であり、今後につながると考えます。市が不正を見抜けなかった理由を改めて聞きます。通報後の調査は、いつ、誰が行って、法人は誰が対応したのですか。

(保育課長)
 具体的に申し上げます。本年1月28日に、市民からの匿名の手紙を受けまして、勤務実態のない職員に関する通報を受けました。この通報を受けまして、2月7日に、私、保育課長と課長補佐の2名が保育園に出向きました。
 そのときに当該保育園職員の出勤簿を確認するとともに、園長及び事務長と面談をいたしまして、勤務状況について聞き取り調査を行いました。その際、園長等からの説明では、当該職員の職務内容が、ひまわり福祉会が運営する4つの保育園の給食食材の仕入れが、主たる業務でありまして、常に園内にいるわけではないということでございました。
 この説明を事実と判断をいたしたことで、本人への事情聴取や継続的な調査を行わなかったことなど、市民からの通報に対する対応のまずさが発覚の遅れにつながったものというふうに考えております。


(中原ひろみ議員)
 今回だけでなく、市は平成20年10月20日にも私立保育園保育士からの告発を受理している。平成21年には、県が監査で「利益相反取引による不正な契約による支出」を指摘していました。
 そして、今年1月に通報があっても、実態のない調理員の存在を確認するために、顔を合わせる継続的な取り組みもしない。特別監査で抜き打ちもできるのに抜き打ちもしていない。こんなずさんな監査をして、長年不正を許してきたことについて、まず、市民に謝罪すべきではないですか。

(こども未来局長)
 今回の件につきましては、多くの社会福祉法人への信頼を失わせかねない事態であり、誠に遺憾に思います。この事態の発見が遅れた原因は、市民からの通報に対するまずさ、定期監査の甘さがあると認めて、深く反省しております。
 
 さらに、本市が負担している保育園経費が不正に使われており、仮に経費が有効に使われていたとすれば、今以上に良い保育、あるいは良い職員処遇ができたのではないかというふうに考えます。非常に残念に思います。
 今後、こうした事が二度と起こらないように、組織を挙げて再発防止に取り組んでまいります。

(健康福祉局長)
 こども未来局長と重複する部分がございますが、健康福祉局といたしましても、今回の不正が長年にわたって見つけることができなかったというのは、先ほど申し上げたとおり、やはり定期監査の甘さ、それから、通報があった場合の対応のまずさ、こういうことがあったということ、この点について深く反省をいたしております。
 今後は、今回のことを教訓に、監査方法の改善を図るというようなことなどを行いまして、再発防止に全力を挙げてまいります。


(中原ひろみ議員)
 県の監査担当職員は、簿記の資格がある人が監査すべきだとしながらも、特別な資格がなくても、お金の使い方について、ピンポイントでみれば怪しいかどうかわかると言っています。すぐにわかる不正が、なぜ見過ごされてきたのか。勤務実態のない職員への給与の支給で、理事長の夫と次男(調理課長)が、1億4000万を流用していた。平成14年からの不正流用、これがなぜ、本人確認をする追跡調査もせず続いてきたのか全く理解できない。見て見ぬふりとしか言いようがない。慣れ合いです。

 保育の質の悪さも驚くものです。その一部を紹介します。県の監査担当者が園長と面談すると、園長を一目見ただけで経営する能力ないことが分かったと話されています。病気をされ、意思疎通できない園長だったようです。年間の給食費や教材費の予算もつくれない。経理、実務がわからない。給食の献立会議の議事録もない。就業規則・給与規定が理解できない。法人として、建て替えや耐震化などの資金計画もない。時間外が常態化していたのに時間外は払ったことがない。この法人を、今年4月に広島市が表彰して評価しているのです。全く信じられません。

 大竹市のさかえ保育所は、大竹市の民営化第一号として、不正流用のひまわり福祉法人となってしまった。広島市も、ひまわり福祉会を民営化の有力候補にしていたのではないか。改めて聞きますが、公立保育園の場合、病気などをされて運営能力に問題がある園長は、そのまま園長にはしないのではありませんか。

(保育課長)
 当然のことですが、園長の職務を遂行できないような病気の状態に陥っているということになるのであれば、病気休暇、あるいは休職というような形になろうかと思います。


(中原ひろみ議員)
 公立保育園では、園長職にはつけない人物が、民間では認められるというのは大問題です。広島市の民間移管第一号に計画されている原保育園の保護者に対し、ひまわり福祉会の不正に対する説明を保育課が文書で出されています。

 その文書には、「ひまわり福祉会への指導の有無が、保育サービスの内容の評価に直ちに結びつくものではない」「児童の保育に関する事項(児童福祉施設最低基準)には問題がない。ひまわり福祉会が経営している三園の保護者からは保育への苦情がない。現在、実施している特別監査で児童の処遇低下を生じさせる事例はない」と。よって、不正な経理処理が保育に影響を及ぼしていないというものです。
 民間移管したいから、法人に不正があっても関係はないと受け取れますが、なぜ、このような評価になるですか。

(保育課長)
 保育の内容についての評価の問題というふうに考えますけれども、ひまわり福祉会におきまして不正な経理が行われておりましたが、毎年、本市が実施をいたしております定期監査におきまして、園児の健康管理でありますとか、食事あるいは保育環境、保育内容などに関しまして、園児の保育に関して、特に私どもの保育所の職員が行って監査をするわけでございますが、特にその内容的なことで指摘する事はございませんでした。
 
 また、保護者から保育に関する内容の要望等が寄せられていない、こういうことから、これを踏まえますと、認可保育園といたしまして求められている一定の水準の保育の維持はされていたものと考えているということでございます。


(中原ひろみ議員)
 保育の質は維持されているとのことですが、それは実態と違う。関係者に聞けば、園長は部屋に閉じこもって園長の仕事をしない。子どもを預けて大丈夫かと保護者からの不満が保育士に訴えられる。勤務実態のない理事長の次男が酒に酔って大声をあげる。子どもは怖がっている。
 ひまわり福祉会の保育園では、保母や保護者が苦情があっても、それを直接、市に言えない状況があるとも聞いている。やはり、今回の不正事件をうけて、より良い保育のために保育の質の向上に専念できる公立保育園の重要性が浮き彫りになりました。

 「スブスブ」の監査と表現する人もいる。なぜ、こんなに甘い監査になるのか。その要因の一つとして、待機児童解消のために、市は私立保育園など民間に保育園の新設をお願いする立場であり、「民営化の有力候補」である法人に、園の運営をお願いした保育課が、厳しく監査すること自体に難しさがあるのではありませんか。自ずと手抜きにならざるを得ないのではないですか。

(保育課長)
 保育課におきまして、先ほど申しました定期監査におきまして、児童福祉施設の最低基準、人の基準でありますとか、面積の基準、あるいは保育所養育指針に基づいて保育が行われているかという保育内容の基準、これらが遵守され、適切な保育が実施されているかどうかチェックをし、必要な助言・指導を行うとともに、もし改善の必要な事項が発見されれば、その事項につきまして文書・指摘などにより適切に対応いたしていくところでございます。
 今後とも、厳格に監査を行っていくつもりでございます。


(中原ひろみ議員)
 今後、適正な監査を実施するために3つの提案をします。まず、適正監査するためには、監査指導室をこども未来局や健康福祉局から独立した組織にすべきではないですか。

(監査指導室長)
 会計経理の関係の監査につきましては、私ども監査指導室の職員が担当させていただいておりまして、処遇の関係について保育課の職員が監査を実施して、合同で監査に行くということなんですが、先生のご指摘もごもっともだと思うんですが、定期監査に当たっては、この場合は、保育課と私どもの者を監査指導室で連絡を密にして情報を共有することが不可欠というようなことがありまして、同一局内にあることが望ましいということで、こういう体制になっていると考えます。


(中原ひろみ議員)
 やはり、お願いした人と監査する人が同じでは、公平さは保てないと思います。
 次に、1人の監査職員の事務量を見てみたい。健康福祉局 監査指導室が監査している対象の施設はどのくらいあるのか。この5年間で、どれくらい増えたのか。監査のチェックリストの項目はいくつあるのか。一方、監査する職員数はどうなりましたか。

(監査指導室長)
 現在、平成23年4月1日現在の施設数は、保育園も含めまして285施設です。5年前は3施設少ない282施設でございました。
 
 定期監査に用いるチェックリストは4種類あります。

 ・ 1つは、法人運営という種類のチェックリスト
     定款の変更が所定の手続きを経て行われているかなど、組織運営等についてのもの     で、これについては92項目あります。

 ・ 次は、会計経理というチェックリスト
    予算が適正に執行されているかなどの会計管理について115項目あります。

 ・ 3つ目は、管理運営と労務管理を一緒に見るチェックリスト
     防災対策について、その充実・強化に努めているかなどの管理運営について48 項目    あります。

 ・ 4つ目は、処遇ということ
    これは各施設によって違いますけども、保育園の場合は、適切な保育が行われているか   などの30項目のチェックリスト項目がございます。
 
 併せて合計で285項目ございます。

 それから、監査指導室の職員数でございますが、監査指導室は、平成9年にできたのですが、平成9年、10年は6名体制でした。平成11年度から7名になりまして、18年度までその体制が続き、平成9年度から6名になって今に至っている状況でございます。


(中原ひろみ議員)
 監査対象の法人は増え、一方で監査する職員は少なくなる。これでは、物理的にもしっかり監査できる体制とは言えません。
 他の法人の関係者から、市の監査時間も、以前の1日が半日に、最近は3時間程度との実情も聞きました。ひまわり福祉会の不正を受けて、これまで以上に厳正な監査を実施しなければならないもとで、監査指導室の人員の増員を求めておきます。
 ひまわり福祉会の不正は、税理士を入れた組織的な犯行であり、監査する側も簿記や経理、公認会計士など、専門性のある外部の監査人を雇用することが必要ではないか。広島市において監査する職員、監査事務局、監査指導室は、全員が簿記などの有資格者なのか。職員の何人がどのような資格をもっているのか。
 監査委員監査では、代表監査が実地に監査に出向いて、局長以下の管理職も実地監査に出向いているということですが、監査指導室の長、責任者は現場に出向きましたか。

(監査指導室長)
 これまでの監査指導室長は、定期監査の現場に出向くことはほとんどなかったと聞いております。
 この度、私は4月に着任しまして、監査事務局の監査第二課長の経験もございまして、現場の監査に出るほうが望ましいと思い、出向く計画をしていたところですが、今回の事件が発覚しまして、その後、忙しい中を縫ってできるだけ現場に出るように努力はしております。
 それから、有資格者の件でございますが、監査指導室、うちの職員6名のうち、簿記の有資格者は1名です。その他の職員については、監査の経験を積むことで、簿記の3級程度の知識は身に付けていると私は思っております。その他の資格者としては、2級建築士が1名いるというふうな状況です。


(中原ひろみ議員)
 どこの自治体も監査には専門家の力を借りています。鳥取では公認会計士、福山では、税理士もしくは簿記一級の有資格者を採用しています。有資格者の雇用を考えるべきではありませんか。

(監査指導室長)
 監査の実施方法は、チェックリストの見直しを行った上で、マニュアルを作成して頑張っていこうと考えておりますし、このようなマニュアルをつくって職員のノウハウを共有するということで、職員が研鑽を積んで監査機能の強化を図っていきたいと考えております。
 専門家の雇用については、こうした状況を踏まえた上で、その情勢を判断していきたいと考えております。


(中原ひろみ議員)
 園長の給料が100万円など理事会が承認した給与規定や、相場の7倍もの借地料など、支出の金額そのものが非常識です。
 理事会が了解していると言えば「規定どおりで問題なし」と聞きましたが、規定そのものが常識的なものなのか調査する必要はありませんか。

(監査指導室長)
 規定の改正についても必要だと思っております。今のところの監査では、定期監査に行ったときに、給与の支給状況を確認して、著しく高額なものについては、その妥当性を今後は検討していきたいというふうに考えておりますし、不動産の賃貸借契約についても、今後、定期監査において、近傍地の金額等を確認した上で著しく高額なものについては、その妥当性を検討していきたいというふうに考えております。


(中原ひろみ議員)
 研修、警備、物品購入など、実態のない架空契約に伴う資金流出に関与していた顧問税理士が関わっている法人が、市内に9法人あります。他の園は大丈夫なのかと疑問がわきます。すぐにでも調査すべきではないですか。

(監査指導室長)
 現在のところ、この顧問税理士が資金流出に関与していたかどうかについては、まだ調査中でございまして、今、税務署に対して懲戒請求を県がされておりますけれども、この結果のことは、警察への告発を検討中というようなこともありまして、まだ事実関係が明確になっておりません。
 この税理士が今回の不正に主導的に関与しているということが明らかになれば、当然、この税理士が関与する、関係してきた他の保育園についても影響があると考えられるので調査をしたいと考えております。


(中原ひろみ議員)
 親族で運営されている法人は不正が起こりやすい。厳しく監査するためには、理事会の中に広島市との利害関係が有る人は入れないなど、新たな仕組みが必要。土地が身内の所有なら、無償貸与にしてもらうなどにしたらどうか。適正な監査を行うには、監査人の圧力にならない、利害関係のない人を理事会の構成員にすることが必要だと思う。



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●市民に頼りにされる自治体を目指して

市民の暮らしを支える事業について

(中原ひろみ議員)
 自殺、孤独死、無縁社会が社会的な問題となるなか、その解決のためには、自治体が暮らしを支える制度を確立することが、求められてきましたが、とりわけ、東日本大震災で、自治体の役割の重要性がクローズアップされました。市民の顔が見える大きさ、コミュニティが機能する大きさでのまちづくりという視点が必要です。民営化や指定管理による人員削減で、何もできない・何もわからない自治体でなく、災害という一番大変な事態に対しても、市民の命をしっかり守れる、地域住民にとって存在感のある行政・自治体職員が求められています。
 保育・子育て・教育・療育・介護は、マンパワーの確保が不可欠な分野であり多くの雇用をつくります。自治体が力量を発揮する分野でもあります。今日は、とりわけ災害時に命と向き合う医療と、災害時に避難することさえ大変な介護の分野で、どのような取り組みを市がされてきたのかお聞きします。

介護
(中原ひろみ議員)
 まず、介護従事者は、増えているのですか。不足してないのでしょうか。離職率をお聞きします。

(介護保険課長)
 本市における介護従事者は、平成21年10月1日現在で20,723人となっておりまして、平成20年10月1日の20,018人と比較して、1年間で705人3.5%の増となっております。 調査につきましては、介護従事者が複数の事業所に所属しておられる場合、重複した掲示をされています。
 介護従事者が不足していないかというご質問でございます。本年3月に本市が行いました介護保険サービス事業所調査によりますと、運営上の課題として、職員の確保を選択した事業者は、居宅サービス事業所で35.1%、施設サービス事業所で54.5%となっております。介護従事者の人材確保は、依然として介護事業の課題となってございます。

 それから離職率についてですが。平成22年11月に財団法人介護労働安定センターが行いました介護労働実態調によりますと、広島県内の介護従事者の1年間の離職率は17.1%となっており、全国平均の離職率17.8%を0.7ポイント下回ってございます。

(中原ひろみ議員)
 介護保険制度がスタートして以来、介護サービスを全て民間事業所にまかせることになり、自治体は高齢者の顔が見えなくなっている。これでは、災害時に自治体が市民の命を守る」という役割が果たせない。そこで提案だが、高齢者の健康状態(入院した・退院した) 1人暮らしになった、介護が必要になったなど、1人暮らし高齢者巡回見守り事業のような過去に削減した事業の復活も必要だがどうか。

(介護保険課長)
 1人暮らし巡回相談事業が以前ございまして、その中心的な役割は、民生委員さんにお願いしていた。諸々の事情で事業としては廃止いたしておりますが、やはり、民生委員さんの1人暮らしの方の見守りというものは、重要だと考えています。
 今後、高齢化が進みますので、高齢者の方の1人暮らしが増えることについてどう対応するかということにつきましては、3年ごとに介護保険事業計画、広島市の高齢者プランを作成しこの中で、充実をどうしていくかということを計画してまいりたいと考えております。



医療
(中原ひろみ議員)
 次に医療についてです。医師不足は全国的な課題だが、広島市の医師数1,000人当たり政令市のなかでどれくらいの位置なのですか。広島市では、この10月に、看護師を年度途中でたくさん採用されました。これも退職される看護師が多いからだと思うのですが、看護師も少ないと聞くが、受給見通しはどうなのですか。看護師は不足していないのですか。
 医師や看護師の確保を含めて、医療全体の充実にどのように取り組んできたのか。

(保健医療課長)
 本市の医療施設に従事する医師につきましては、厚生労働省の平成20年度医師、歯科医師、薬剤師調査におきまして、平成20年12月末現在で2,946人、人口10万人当たりでは252.4人となっており、当時の17政令市中多いほうから9番目となっております。

 次に、業務従事届けに基づく広島県の就業看護職員数、これは看護師、准看護詩、助産師、保健師を合わせた数になりますが、これにつきましては、平成22年12月末現在で39,157人となっており、うち広島市が15,393人となっております。また、広島県が平成23年2月に作成いたしました第7次広島県看護職員自給見通しでは、県内で平成23年において、看護職員が約1,400人不足しているとしており、5年後の平成27年においても、約600人が不足すると見込んでおります。


(中原ひろみ議員)
 医師、看護師、介護従事者の確保が課題となっています。市民の命と財産を守るための施策にこそ「選択と集中を」はかり、医療・教育・介護・消防・保育などの分野で雇用を生み出すことに力を発揮していただくように要望します。


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滞納対策について


ワンストップサービス
(中原ひろみ議員)
 次にワンストップサービスについてお聞きします。
 区役所に働く職員は住民と接する第一線の職場であり、住民に支持され、喜ばれる区役所にしたいと奮闘されていますが、平成22年度からワンストップサービスなど市民サービス向上の検討が始められたようですが、どのような課題がありますか、いつまでに実施される計画ですか。

(広報課長)
 現在、情報システムの再構築に併せまして、本市の区役所、窓口事務の見直しの検討を行っております。その中で、引越しや結婚、出産などに伴う複数の申請、届け出等の手続きを1箇所の窓口で行うことができるワンストップサービスの導入を検討しております。具体的には、対象とする手続きの範囲、職員や窓口の体制、窓口に必要な受け付けシステムの形態、導入に伴う費用などについて検討を行っております。
 
 こうしたワンストップサービスにつきましては、現在、再構築を進めております住民記録システムや、保健福祉等の他のシステムが連携することにより提供するものでございますので、これらのシステムの再構築が終了し、運用開始となる時期を一つのめどといたしまして導入を検討していきたいと考えております。

(総務課長)
 ただいま、住民記録システムとか、システムの検討を行っておりますので、これらのシステムがうまく連携いたしませんと、このワンストップサービスというのは機能いたしませんので、やはりそれらが構築し終えた時期が一つの導入の目処となると思っております。


(中原ひろみ議員)
 市区役所職員の労働密度は高く、残業が恒常化しており、人員を増やしてワンストップサービスを実現していただくように求めておきます。

滞納整理
(中原ひろみ議員)
 不況、雇用不安が続く中、市税の滞納世帯が増えているが、市税の滞納整理を担当する職員は何人で1人当たり何人の滞納者を担当しているか。

(納税推進課長)
 市税の滞納整理を担当する職員は、平成18年度は90名で、平成19年度以降、平成22年度までは89名です。職員一人当たり担当する滞納者数は、平成18年度は1,342人、平成19年度は1,383人、平成20年度は1,397人、平成21年度は1,422人、平成22年度は1,418人です。

(中原ひろみ議員)
 1人の職員が1,400人もの多くの市民と滞納問題で対応されているというなかで、窓口では、滞納額を少しでも減らし、仕事をこなすために、「あるだけ払って下さい」と、その場しのぎの対応になり、結局、100万円を超える滞納額になるケースが出ています。

 商売をされているある方は、それまで、きちんと税金を納めてきたのだが、二年前に取引先が三件も倒産し、市税を滞納せざるを得ない事態になっているのですが、このたび滞納整理のために、売掛金を差し押さえる、マンションも売れなどと職員から言われ途方にくれておられる。売掛金を差し押さえられたら、アルバイトに給料が払えない。商売ができなくなれば、生活自体が困難になります。生活権を奪う滞納整理は問題です。

 悪質な納税者と誠実な納税者を分ける、財産があるのに支払わないのか、不況のなかで支払えないのか。画一的な対応をせず、納税者の実情に個別・具体的に耳を傾け、ともに、考える立場が必要です。その為には、対話をして、事情をしっかり聞くところから始めなければならなりません。対話には時間は非常に重要な要素です。時間的なゆとりが必要です。そのためには人員の加配が不可欠だということを指摘しておきます。

 最高滞納額は4,200万円にもなっているケースがあると聞いています。ここまで滞納が膨らむと、解決は難しくなります。滞納の初期段階で、市民が区役所の窓口に相談に見えた時に、どうしたら滞納が解決できるのか、その方の暮らしに寄り添いともに解決する立場にたち、単なる取り立て屋にやらないでほしいと言う事を申し上げて終わります。



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