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2010年9月21日 本会議 一般質問 藤井とし子議員 |
豪雨による浸水対策について 熱中症対策について ・学校のエアコン整備について 学校統廃合計画について 子どもの医療費助成制度について 若者の雇用確保について 介護保険について 広島駅周辺の開発について 事務事業見直し等検討委員会(事業仕訳)について オリンピック招致について |
豪雨による浸水対策について (藤井とし子議員) 7月梅雨明け前の記録的な豪雨が日本各地に深い傷跡を残しました。県内でも5名の方が亡くなられ、特に庄原市の被害は予想をはるかに超えるものでした。被災された皆様には心からお見舞いを申し上げるとともに、1日も早い復旧と再建を願うものです。 広島市でも7月12日から降り続いた豪雨によって、14日には安佐北区口田地域27世帯と安佐南区の長束地域では538世帯という広域にわたる床上床下浸水被害が発生しました。 両地域は5年前の台風に続く2度目の浸水被害となります。長束地域では数年前に市によって下水道を利用して山本川に排水するマンホールポンプが設置され、ほとんどの人がこれでもう心配ないと思っていました。 高齢でひとり暮らしのある男性は、「外が騒がしいので2階から降りたら、すでに玄関の靴が浮いていたので急いで畳を上げた。とてもショックだった」と突然の浸水の恐怖を語っておられます。駅前の商店街で時計店を経営する男性は、「床の電気系統がすべてだめになり、修復するのに600万円はかかる。今度こんなことがあれば、もう廃業を考えなければいけなくなる」と訴えておられます。 また、安佐北区口田地域でも深いところで2メートル近い浸水となり、20世帯が床上浸水となる大変な被害でした。急激な増水に間一髪で車で逃げて助かったという証言もあります。最近の異常気象によるゲリラ豪雨は今後も予想され、こうした浸水被害をなくすためにも原因の徹底的な究明と抜本的な対策が必要です。 先月末に国の太田川河川事務所と県と市で「平成22年7月梅雨前線豪雨内水対策検討会」が設置され、年内に被害防止の具体策をまとめるとされています。すでにこれまで被害の詳細の把握などされていると聞いていますが、そこで数点伺います。 安佐北区の矢口川と安佐南区の新安川の2か所について、浸水被害がどういう経過で起こったのですか。 (道路交通局長) この度の豪雨により、大田川の水位が支川の水位を超えて逆流が始まったため、矢口川及び新安川の樋門を閉めると同時に排水ポンプも稼働させましたが、両河川の流域において、ポンプの排水能力を上回る豪雨が続いたことから、浸水被害が発生したのではないかと考えています。 (藤井とし子議員) それぞれの樋門はいつの時点で誰が閉めることを判断し、排水ポンプは誰がいつ操作したのか。それぞれの排水ポンプの能力と稼動状況はどうだったのですか。 (道路交通局長) 樋門の閉鎖については、(先日碓氷議員の質問に御答弁いたしましたが、)管理者である国が定めている操作要領に基づいて、太田川の水位が支川の水位を超えて逆流が始まったことを確認した時点で行うことになっています。 このたびの大雨に際して、矢口川については、国がこの操作要領に従って樋門の閉鎖を行うとともに同時に管理する排水ポンプも稼働させています。 新安川については、国から樋門の操作を受託している本市が、同じく操作要領に従って樋門の閉鎖を行っています。 また、県が管理する排水パイプについても、本市が操作を受託しており、これも同時に稼働させています。 つぎに、排水パイプの能力についてですが、矢口川は毎秒4立方メートル、また新安川は毎秒5立法メートルです。 また、排水ポンプの稼働状況については、両河川ともに樋門の閉鎖中稼働させており、矢口川は13日午後3時17分から翌14日午後9時10分まで、また、新安川は14日午前8時15分から午後2時52分まで稼働させています。 (藤井とし子議員) 今回のような浸水被害を繰り返さないためにはポンプ能力の増強が第一だと思いますが、市はどのような浸水被害対策を考えていますか。 (道路交通局長) 本市としても、排水ポンプの増強は効果的な対策の一つであると考えておりますが、雨水の一時保留施設を設けるといった対応策なども考えられるため、今後、平成22年7月梅雨前線豪雨内水対策検討会において、幅広く検討していきたいと考えています。 (藤井とし子議員) 秋の台風シーズンが迫っており、今後、ポンプ能力が増強がされるまでの対策は考えていますか。 (道路交通局長) 当面の対策として、国が所有する排水ポンプ車を有効に活用することにしており、現在、これの早期整備が可能となる体制づくりを検討しています。 また、樋門を閉めた場合のより迅速な情報伝達が可能となる体制づくりや、被害軽減に向けた住民へのアドバイスを行う仕組みづくりについても、早期の確立に努めてまいります。 (藤井とし子議員) 長束地域に2年前に設置したマンホールポンプは、今回の豪雨にどのような役割を果たしましたか。その排水能力は毎秒何立方メートルですか。 (下水道局長) 長束地域の下水道を利用したマンホール排水ポンプは、平成17年(2005年)9月の台風14号により浸水した長束4丁目及び5丁目の浸水を軽減する目的で、国による下水道総合浸水対策緊急事業の採択を受けて、平成20年度(2008年度)に設置したものです。 このポンプの能力は毎秒0.3立方メートルで、これは平成17年(2005年)の降雨量を市想定しています。 今回の豪雨では、浸水の始まった午前9時20分から午後4時までの6時間40分、2台フル稼働しましたが、降雨量が多く、マンホールポンプの排水能力をはるかに超えました。 このため、浸水を完全に防ぐことはできませんでしたが、約6,700立方メートル、小学校のプール約20杯分を排水することができました。 (藤井とし子議員) 国、県、市の三者による豪雨対策検討会の結果は住民説明会を開いて説明されるべきですが、どう考えていますか。 (道路交通局長) 検討会の結果について、地元の方々に対し、適切な時期に周知を図ることは重要であると考えており、議員ご提案の説明会を開催するよう、国・県と調整してまいります。 (藤井とし子議員) 結局5年前の台風時に口田と長束地域の浸水被害があったにもかかわらず、国も県も何もしてこなかったということが明らかになりました。もし、両河川のポンプの能力アップがされていれば今回の浸水被害は防げたはずです。 特に長束地域は川があふれたと同時に下水道を通じて逆流した浸水です。市が作った下水道マンホールポンプは能力からいっても浸水を緩和させるだけのものであり、抜本的対策は両河川のポンプ能力増強が一番の対策ということはっきりしています。 事前に伺ったときには今回の被害総額はわからないということでしたが、これでは三者による検討委員会では説得力はありません。市が今回の被害実態をしっかり把握して、検討会で国と県に対して、被害を受けた市民に代わって排水ポンプの大幅な能力アップをぜひ強く主張していただくよう要望しておきます。 上にもどる 熱中症対策について (藤井とし子議員) 異常な暑さが続いたこの夏、熱中症で病院に運ばれた人は全国で5万人、広島市でも400人近くとなり、多くは65歳以上の高齢者です。亡くなった人は全国で500人に上ります。熱中症被害は気象災害といえるものであり、温暖化による異常気象は今年だけに終わらないだろうと言われているだけに、自治体としても緊急な対策が求められています。 特に貧困と格差拡大が熱中症被害をより深刻にしています。今年8月、さいたま市では生活保護が受けられず電気もガスも10年間止めていた人が、熱中症で死亡するという痛ましい事例が報道されています。広島市においては、電気やガスなどのライフライン切断時の行政機関への連絡体制はどのようになっているのでしょうか。 (健康福祉局長) 本市では、電気、ガス会社及び水道局を通じて、生活困窮により料金を滞納している人に対して、各種支援策や相談窓口を紹介したチラシを配布しています。 また、国民健康保険料や市税等の滞納者に対しては、生活困窮の申し出がある場合には、各所管の窓口において、福祉事務所に相談するよう助言しています。 (藤井とし子議員) 生活保護を受給されている方の中には高齢者、病気の方、障がいのある方が多くおられますが、こうした方への安否確認は行われているのでしょうか。 (健康福祉局) 居宅で生活保護を受給されている世帯については、少なくとも年2回以上、定期的に担当のケースワーカーが家庭訪問を実施し、安否確認などを行っています。 今年の夏は過去に例のない猛暑となったことから、一人暮らしの高齢者及び障害者については、定期的な家庭訪問とは別に、臨時的な家庭訪問等を行い、安否を確認するとともに熱中症の予防対策を説明しています。 さらに、地域においては、生活保護などの支援が必要と思われる人を民生委員・児童委員が把握した場合には、福祉事務所に連絡してもらえる体制となっています。 今後とも、こうした方法により、支援が必要な人を把握していくよう努めてまいります。 (藤井とし子議員) 今年のような異常な暑さの場合、体調管理のため、急いで冷房機器を購入したりする必要が出てくると思います。購入費用の捻出が困難な低所得者に対して、生活福祉資金貸付を活用することができると国も認めています。 しかし、生活保護を受給されている方については、この貸付金を収入として認定されることとなり、結果として貸付は利用できない状況と聞いております。生活保護を受給されている方についても生活福祉資金貨付が利用できるように取り扱いを改めることや電気代等の夏季加算の創設もあわせて国に働きかけるお考えはありませんか。 (健康福祉局長) 生活保護受給世帯が冷房機器を購入する場合、その費用は、生活保護費のやりくりで賄うことになりますが、一時的に多額な費用が必要となることから、その捻出が難しい場合があります。 こうした場合には、生活福祉資金の貸付を利用することが考えられますが、現行の生活保護の取り扱いでは、自立につながる事業の開始資金や技能習得資金などに限って、貸付を受けることを認めています。 冷房機器を購入する場合も、生活福祉資金の貸付を受けられるよう、生活保護の取り扱いの見直しを国へ要望してまいります。 なお、夏季加算については、現在、国において検討が行われており、その動向を注視してまいります。 (藤井とし子議員) さいたま市の例は、生活保護申請に行ったけれど一度断られたため、あきらめて最悪のケースとなった例です。こういう例が広島市ではないようまず要望しておきます。 生活保護制度はこの間、高齢加算がなくなった上に、この異常な猛暑です。健康を維持するためには冷房費はどうしても必要です。生活福祉資金の借り入れが出来るようにすることと、電気代がどれだけかかっているのかぜひ実態を把握して国に夏季加算の創設を求めていただきたい。低所得者への生活福祉資金が活用できることの周知徹底もあわせて求めておきます。 上にもどる 学校のエアコンについて (藤井とし子議員) 小中学校の普通教室へのエアコン整備については、わが党が度々議会で取り上げてきました。予算特別委員会の委員長報告でも取り上げられ、やっと全小中学校の普通教室にエアコン整備をするという方針が決まりました。 昨年度から既に14の小中学校に整備され、今年の猛暑に間に合った学校では子どもたちが本当に喜んでいます。しかし、全部整備されるまでに今の計画では10年間もかかります。今年は8月下旬から登校する学校も多く、普通教室は40度近くになる学校もあったと聞いています。とても授業どころではなかったと現場からも悲鳴が上がっています。子ども達は10年も待てません。 おたずねしますが、9月に入って何人の子どもが熱中症で救急搬送されましたか。また、授業中に38度を超えた学校は何校あったか把握されていますか。 (教育長) 救急搬送については、9月になって、教室内や校外学習先などで不調を訴え、熱中症又はその疑いがあるとして救急搬送された児童生徒は6名です。 その場所別の内訳は、教室内が2名、野外活動等の屋外が4名です。なお、搬送された6名の児童生徒は、一両日中に全員回復し、現在元気に登校しています。 また、幼児児童生徒の健康管理のため、各幼稚園や学校では、毎日教室の温度を確認していますが、その結果について、教育委員会として集計は行っていません。 (藤井とし子議員) 京都市は当初5年で全校整備する計画でしたが、これでは長すぎると計画を見直し、3年間で全校に整備しました。川崎市は2年間で小中131校の整備を完了させています。長期にわたってエアコンのある学校とない学校が存在することは保護者や子ども達からも不公平だと強い声があり教育的にも問題です。 耐震工事とは別にしてでも前倒しで一気に整備に踏み切るべきです。そのために、国、県にも補助を求めるべきですが、市長のお考えを伺います。 (教育長) 普通教室等への空調設備の整備については、校舎の耐震補強工事に併せて行うことを基本として、昨年度から整備を始めました。 耐震工事とは別にして進めるようにとのご意見ですが、対象校全てに空調設備を整備するには、約60億円という多額の事業費が必要です。 また、空調設備の整備を耐震補強工事に先行して行う場合には、その後の耐震補強工事の際に、空調機器などの取り外しと復旧工事が必要となります。 こうしたことから、平成30年度(2018年度)までに耐震補強工事に併せて行うことを基本としたものです。 (藤井とし子議員) 40度近くなる教室での授業は地獄といってもいいでしょう。2学期制の導入や、授業時間の確保のために、8月下旬から子どもたちを登校させる学校も多いなかで、熱中症で子どもたちが6人も病院に搬送されているのに、教室の温度がどうなっているのか教育委員会は把握しなくても良いと考えているのなら大問題です。 実際に学校に行かれたのでしょうか。適正温度の上限である30度を超えている学校がどれだけあるのか当然把握するべきです。今からでもできるはずです。ぜひ報告してください。 川崎市は小中131校について2年間で約70億円を予算化し整備しています。子どもたちの学習と生活の場である普通教室を安全で快適な教育環境に整備することは、教育委員会の大きな仕事です。 子どもたちの命にも関わることです。10年間も不公平な学校間格差が続くことをよしとされるのか。この点についても認識を伺います。 (教育長) 平成21年度(2009年度)には、耐震補強工事を必要としない学校のうち平成25年度(2013年 度)までに空調設備を整備する計画としていた7校について、国の補正予算を活用して昨年6月議会に工事費の補正予算を追加計上するなどして、これまでに14校を整備しました。 今後も、こうした国の予算の動向や本市の財政状況を踏まえながら、計画的に進めて行くことにしていますが、耐震補強工事や空調設備整備が少しでも早く進むよう、補助率の嵩上げなどについて、国等へ要望を行っていきたいと考えています。 上にもどる 学校統廃合計画について (藤井とし子議員) 学校統廃合計画については、これまでも何度も取り上げてきました。その後、基町小学校では6月5日に学校統廃合計画を考える集会が行われ、自治会長はじめ保護者や先生、地域の方約450名が参加し、「地域あっての学校、学校あっての地域」とさまざまな立場から存続を訴えられました。 特に基町小学校の卒業生の発言は参加者の胸を打つものでした。一部紹介します。 「私は基町小学校に入って、とてもよかったと思っています。生徒同士はクラス替えがないので6年間ずっと一緒でした。そのため、お互いのことも分かり合えているし、みんな仲がよかったです。中学校の先生が『基町はみんな仲がいいのう。こんな仲がいい学校は珍しい』といって下さったことは今でも忘れられません。他校の雰囲気や先生、生徒のことをわかっているわけではありません。けれど、これだけはいえます。基町小学校は最高の小学校だと。私はきっとこれから、こんな最高の学校に出会うことは、まずないでしょう。最高の小学校をこれから先、百年でも2百年でもずっとずっと残してほしいと思います」と、参加者の一人として堂々と存続を求める発言をしました。 教育委員会は今回の適正配置計画を進める理由に、1学年2学級以下の小規模校がことさら問題があるかのように、これまで地域にも説明してきました。しかし、6年間クラス替えがないことが子どもの人格形成上や学力にとって良い影響を与えるという小規模校のよさを主張される教育専門家も少なくありません。 事実、基町小学校はそのことを実証しているのではないでしょうか。 京都市が行ってきた統廃合のように、1学年2学級以上なければ競争できないとか切磋琢磨できないなどと教育的にも間違った一面的な情報で、保護者を不安がらせて統廃合に誘導するやり方は間違っているといわざるを得ません。 学校統廃合が過疎地の子どもに与えたダメージについて、新潟県旧山北町を調査した研究結果があります。それによると学校がなくなる中山間部は一層の過疎化やいじめの出現などの問題点が挙げられ、教師からは「統合後、子ども達の問題行動は断然増加した。その理由に、学校統廃合後、教師と子どもの人間関係の形成が困難になったが、バス通学であるため、家庭訪問ができず対策が打てないといった点が挙げられています。また、以前は地域の人が中心になって行ってきた伝統文化を伝えるなどの総合の授業も行われなくなり、学校と地域が疎遠になり、さらに、若年層が流出し、限界集落化し、基幹産業であった農業、稲作が衰退していくというサイクルがあると分析しています。 将来的な産業構造の展望も含めた、地域づくりまちづくりの中で、子どもの成長、発達にとっての地域の価値といったことに配慮し、望ましい学校のあり方がを位置づけられなければならないと結論を述べています。 そこで伺いますが、いつまでも統廃合の対象校とされ続けることは、子どもたちや地域にとっても不安が広がるばかりです。これまで、市教委は今後とも地元との合意を図るために努力をすると言われておりますが、住民の意思を尊重するのなら一刻も早く計画は一旦白紙に戻すべきだと考えますがどうされますか。お答えください。 (教育長) 本年1月に公表した広島市立小 ・中学校適正配置計画(素案)で学校統合検討対象校に位置づけた5小学校の地元に対する説明会については、各地域に説明会の開催を申し入れ、3月に基町小学校区と志屋小学校区で、7月から8月にかけて久地小学校区と小河内小学校区で開催しました。残る井原小学校区については、来月、説明会を開催することの了承をいただいています。 これまでの説明において、地元からは、(1)小規模校はきめ細かな指導ができるなどメリットが大きく、むしろ良い教育ができている。(2)学校は地域の拠点であり、学校がなくなると地域が廃れてしまう。(3)まちの活性化という視点からの議論が必要である。(4)学校や地域の特殊事情への配慮が必要である―など様々なご意見をいただきました。 また教育委員会では、県内他市町の学校統合事例を調査し、新しい統合校に通学することになった児童の精神的な問題や、通学の負担などについて聞き取りを行いました。 その結果、他市町においては、このような問題を解消するため、例えば、(1)統合前の学校行事や授業を合同で行い、児童の交流を深める、(2)統合元の学校の教員を統合校に配置する、(3)統合校の教員を加配する、(4)公共交通機関がない地区については、スクールバスを運行させるなど、学校統合後の児童のケアに努めているとのことでした。 適正配置は、将来の社会を担う子どもたちの教育環境を向上させるために必要であると考えており、現時点で素案に対し反対の声があることをもって素案を撤回すべき、というものではないと考えています。 今後も、教育面等での適正配置の必要性や他の市町の学校統合事例などについて、関係する学区の保護者、地域住民、地域団体の皆様に丁寧に説明し、様々なご意見やご要望をお聴きしながら、地域の活性化についても検討を重ねた上で、最善の結論を得ていきたいと考えています。 上にもどる 子どもの医療費助成制度について (藤井とし子議員) 広島市では広島県と協調してゼロ歳から、小学校入学前までの子どもの医療費の補助制度があり、子どもを持つ家庭はたいへん助かっています。昨年10月からは小学校1、2年の発達障がい児まで対象が拡大されたことは前進と言えますが、全国的にはもっと制度の拡充が進んでおり、広島市の遅れが目立っています。 一つは、通院について、初診料算定時に1回当たり500円の自己負担があり、完全な無料化制度とはなっていないことがあります。 二つ目に、もっと年齢を引き上げてほしいという要望が根強くあります。今年開かれた教職員組合の大会では、虫歯が20本もあるのに貧困で治療を受けられない子どもの事例の報告がありました。子どものいる家庭の貧困化は、広島市内でも進んでいることが就学援助受給率の上昇を見ても明らかです。 今日のように全体として所得が下がり、不安定雇用が広がっている中で、子どもが病気になったりけがをしたりした際に、経済的な理由から必要な医療を受けられない事態が広島市でも起きていると考えるべきです。広島市では子どもの生きる権利、育つ権利を保障しようと取り組んでいます。市のこうした姿勢からは、子どもが必要な医療を受ける権利が阻害されている事態は見過ごすことはできないでしょう。 こうした中、多くの自治体で小学校卒業まで、あるいは中学校卒業まで医療費補助制度の対象を広げています。広島市でも対象年齢の拡大を進めるべきだと考えます。政令市のさいたま市、浜松市、堺市の3市は入院通院とも中学校卒業まで対象にしています。入院だけで見ても、19の政令市中すでに10市が中学校卒業まで対象にしています。小学校卒業までと合わせると14市となっています。 子どもの医療費補助制度の拡充は、子どもの権利保障と子どもの貧困対策の最も重要な課題です。まずは対象年齢の拡大にぜひ前向きにとりくんでいただきたい。どうされるかお答えください。 (健康福祉局長) 子どもが医療機関を受診した場合に、保険医療における自己負担部分を補助する乳幼児医療費補助制度について、本市は、これまでも段階的に対象年齢の拡大に取り組んできており、昨年10月からは、小学校1・2年の発達障害のある児童を補助対象に加えました。 しかしながら、議員ご指摘のとおり、他の政令指定都市における子どもの医療費補助制度の状況をみると、小学生または中学生まで対象としている都市が多くあることも承知しています。 少子化が急速に進む中で、子どもが健やかに生まれ育つ環境づくりを推進していくことは、本市における重要な課題であると認識しており、国・県の動向や、本市の財政状況等を考慮しながら、今後とも、対象年齢の拡大等に取り組んでいきたいと考えています。 上にもどる 若者の雇用確保について (藤井とし子議員) 先日、政府が発表した調査によると完全失業者349万人、そのうち、失業期間が一年以上の人は21万人も増えて118万人にものぼり、失業が長期化しています。 広島市の昨年度の調査によりますと、15歳から34歳までの完全失業者数は14,300人と全体の6.7%に対して7.6%と高く、特に15歳から19歳までは11%と若者の失業状態が深刻です。今春卒業の学生の就職内定率は史上最悪となり、来年3月卒業予定の就職活動も厳しさを増しています。 就職難と厳しい就職活動は学生の責任ではありませんが、「何十社も面接に行ったけど全部ダメだった。自分は社会に必要ない人間なのか」という深刻な訴えも少なくありません。就職活動は一人一人バラバラで、就職先が決まるかどうかは、すべて「自分の責任」と思い込みがちです。学び、卒業して、社会人としての第一歩が失業者というのは、特別に深刻な事態です。こんな日本社会でいいはずがありません。“就職氷河期”が繰り返されることは、企業や産業、日本の経済と社会の全体にとっても大きな打撃です。いまこそ、国も、自治体も、教育者も、そして、何より、企業と経済界が、この危機を打開するために、真剣な取り組みを行うときです。そこで、お聞きします。 高卒者をはじめ、地元での就職を希望する若者も増えています。家計を支えるために地元から離れられないという事情もあります。地元での新卒者が就職できるような対策が必要ですが、いかがお考えですか。 (市民局長) 今年の春、広島県内の高校を卒業し就職した生徒のうち、約9割が県内の企業等に就職しており、議員ご指摘のとおり、地元での就職を希望している実態があるため、新規高卒者等が地元に就職できるよう支援することが必要であると考えています。 このため、本市では、国、県と共同で地元企業等が参加する合同就職面接会を開催するとともに、商工会議所等の経済団体に対し、求人の確保等について要請を行っています。 また、地元での雇用を拡大するため、中小企業融資制度の運用などによる中小企業の支援、環境・福祉関連産業の育成・振興事業などによる新産業の育成、企業立地促進補助制度の運用などによる新たな企業の誘致を行っています。 市立高校については、生徒の就職相談や求人開拓などを行うため、「就職コーディネーター」(仮称)の配置を検討しています。 (藤井とし子議員) 行政としても特に最近、100歳以上の高齢者の行方不明が大きな社会問題になりましたが、改めて高齢者の見守り事業など、マンパワーが必要な行政分野には大胆に正規雇用を増やすべきです。職員を削減することが最大の行財政改革というやり方は見直すべきと考えますいかがですか。 (企画総務局長) 財政が厳しい中、義務的経費である人件費の削減は不可欠であり、引き続き、行政改革計画に基づき、職員数の削減に取り組む必要があると考えています。 こうした取組を進める一方で、市民にとってより満足度の高いサービスをきめ細かく提供できる執行体制の確保は重要であり、毎年度、一定数の正規職員を採用し、必要な部署には増員を行うなど、職員の適正配置に努めています。 今後とも、最小の経費で最大の効果を挙げることを念頭に、適正な行政執行体制の確保を図ってまいります。 (藤井とし子議員) 全国的に、若者の雇用については積極的な取り組みが始まっています。広島県は今春に就職できなかった高卒者に対し、企業などでスキルアップできるように受託した企業に賃金助成をするなどの支援を実施しています。 京都府では、今春卒業の未就職の高校生100人を対象に府が4か月間雇用し、月8万円の賃金を支給しながら、介護・農林業などの人材育成プログラムを受ける事業を実施するなど積極的な取り組みが始まっています。 広島市は若者対象にしたフリースペースのほかに、国の緊急雇用創出事業で若者の就業体験事業をこの11月から3月までの5か月間、15歳から35歳の50名を対象に企業等での就業体験や研修を実施し正規雇用につなげるための短期雇用としています。 この事業を受託したのは派遣会社と聞いています。できるだけ多くの若者を正規雇用につなげるためにも派遣会社に丸投げではだめです。市はどのように関わっていかれるのか、また来年度以降はどうされるのかお答えください。 (市民局長) 若者の就業体験事業は、若者に賃金を支給しながら、ビジネスマナー等の研修と、受入れ企業での就業体験を組み合わせて実施し、正規雇用につなげることを目的とした事業です。このため、この事業を実施するためには、企業の求人動向を把握し、多くの就業体験先を確保できること、就業者の職業適性を踏まえた研修や助言等の支援ができることが求められます。 人材派遣会社は、こうした点において豊富なノウハウを有しており、広島県をはじめ、他の多くに自治体でも、同様に事業を人材派遣会社に委託して実施しています。 事業の実施にあたっては、受託者から定期的に報告を求めて、若者の就業状況を把握するとともに、必要に応じて協議することにしています。 また、広島県教育委員会では、高校生の就職を支援するための「ジョブサポートティーチャー」や「高等学校就職支援専門員」を配置して求人開拓を行うとともに、生徒に対しては、個別の就職相談等の支援を行っています。 さらに、ハローワークでは、「ジョブサポーター」が、高校生等への就職活動の相談に応じるとともに企業の求人開拓や地域の中小企業と新卒者等とのマッチングを行っています。また、今月10日に閣議決定した国の経済対策では、「ジョブサポーター」が増員され、体制が強化されることになっています。 国、県、市が連携して、こうした様々な取組を行うことにより、地元で就職できるよう新卒者等を支援していきたいと考えています。 上にもどる 介護保険について (藤井とし子議員) 介護保険がはじまって10年が経過しました。この間の3回の制度の見直しのたびに、高齢者にとっても家族にとっても、使いづらい介護保険になっているといわざるを得ません。 とりわけ、ホームヘルプサービスは、介護が必要になった人が住みなれた家で生活していくためには欠かせない制度です。ところが、このホームヘルパーのサービスは、自治体によって事細かな制限があり、いわゆる「ローカルルール」によって、必要なサービスが受けられない事態があちこちで発生しています。 たとえば、認知症のある一人暮らしの男性宅を調理と食事介助で訪問した事例ですが、ヘルパーさんが調理した後、食事介助をしようとしたところ、今は食べたくないと拒否され、あとで食べるから帰ってくれと言われました。その方は飲み込みが困難で、一人での食事摂取は不可能で、ヘルパーさんも色々声掛けをしましたが口をあけてもらえず、結局予定の時間をすぎたため帰りました。この場合の保険請求は調理に要した時間のみ可能で、食事介助はしていないので請求できないとの指導を受けました。 別な認知症のある方の買い物介助の日のことです。その日の状態が不安定で訪問して出かけるまでの支度に時間がかかり、買い物を済ませ帰宅したら計画より時間がかかってしまいました。オーバーした時間は自己負担だと言われました。 ホームヘルパーは介護のプロです。ホームヘルプサービス(訪問介護)は、利用者に必要な「日常生活上の世話」であれば提供できるというのが介護保険法の趣旨であるはずです。「日常生活上の世話」というのは、その人がその人らしく暮らし続けることではないでしょうか。そうであるならば、利用者が必要とする訪問介護に制限を加えることは法の趣旨に反しています。 利用者が在宅で人間らしく生活するのにケアマネージャーが必要と認めたサービスは提供されるべきではありませんか。 (健康福祉局長) 介護保険制度における介護給付の対象となるサービスの範囲については、介護保険法等に基づき、国において基準や具体的な取扱いが定められており、介護支援専門員は、これに従って、個々のケアプランを作成します。 国が定めた基準等では、訪問介護サービスにおいて直接本人の援助に該当しないサービスや、日常生活の援助に該当しないサービスは、介護給付の対象外となります。 例えば、大掃除、床のワックスがけなどは、「日常的に行われる家事の範囲を超える行為」として、一般的には介護保険の訪問介護サービスの範囲に含まれない事例とされています。 これらは例示として示されたものであり、介護支援専門員からの問合せなどにより、個別の事例について、国が定めた取扱いの解釈に疑義が生じた場合には、国・県に照会し、そこで示された回答と、個々の利用者の状況等を勘案して判断しています。 (藤井とし子議員) また、そのためにはケアマネージャーの知識技術の向上が求められます。お考えをお聞きします。 (健康福祉局長) 介護支援専門員は、利用者が介護サービスを受けるために必要なケアプランを作成するという役割を担っており、その知識・技術の向上を図ることが求められます。 このため、平成18年(2006年)4月から、介護支援専門員の資格の更新制度が導入され、5年に一度の更新時に研修を受けることが義務づけられました。 また、本市では、「居宅介護支援事業者研修会」や「ケアプラン作成基本演習」などを実施するとともに、事業者団体主催の研修や勉強会等で、本市職員が講師として介護支援専門員の指導を行っています。 さらに、サービス提供の基となるケアプランの質の向上を目的として、「ケアプラン点検事業」を行っています。 この点検事業は、本市職員が事業所を訪問し、介護支援専門員とともに利用者の自立支援の観点からケアプランを検証することを通して、ケアマネジメントの質の向上を図るものです。 今後とも、研修やケアプラン点検事業等を通じて、介護支援専門員の知識・技術の向上に努めてまいります (藤井とし子議員) 認知症のある方への事例でも紹介したように、例えば食事介助を行った際、利用者が食事をするのを拒んだ場合に介護報酬が請求できないということになれば、全額利用者が負担しなくてはいけません。認知症があるがゆえに負担が多くなるということは理解できません。利用者の生活を考えると本人には請求できないと言われる介護事業者もおられます。そうなると事業者の持ち出しになります。市のお考えをお聞きします。 (健康福祉局長) 訪問介護の介護報酬の算定に係る国の基準によれば、例えば、食事介助において、利用者が食事を摂らなかった場合、訪問介護計画に位置づけられた食事の摂取という目的を果たしていないため、原則として、介護給付の対象外となります。 しかしながら、認知症の利用者の状態が不安定になり、結果的に利用者が食事を摂らなかったことをもって、それまでの介護行為を一律に介護給付の対象外とした場合、事業者あるいは利用者に負担が生じることになります。 こうしたことも踏まえ、本市では本年8月に、訪問介護計画に位置づけられた介護の目的を果たせなかった場合でも、目的を達するための声かけ、準備等の一連の行為を行った時間について例外的に算定できるように取扱いを見直しました。 なお、この取扱いについては、本年8月11日付けで居宅介護支援事業所及び訪問介護事業所あてに文書を送付し、周知を図っています。 今後とも、一律機械的に介護給付の支給の可否を判断することなく、個々の利用者の状況や介護の実態等に応じて判断していきたいと考えています。 上にもどる 広島駅周辺の開発について (藤井とし子議員) 平成17年7月には「都市再生特別措置法」に基づく「都市再生緊急整備地域」の指定を受け、「まちづくり交付金」や国の補助金などを活用して、広島駅周辺地区の再生に民間の力を引き出し、この地区への重点投資による開発を進めようとしています。 新球場建設や若草町地区市街地再開発事業が進められてきましたが、若草町地区市街地再開発では、施行者である民間企業の大和システム・竹中工務店などの都市開発合同会社が緊急経済対策として既に国から16億円もの補助金を受け取っています。それでもまだ、市が40億円を貸付けしないと再開発ビル内のホテル経営が頓挫してしまう事態に陥りました。 このことは、採算性を含めた民間の資金計画がいい加減でも、「事業にさえ着手すれば、あとは自治体が税金でなんとかしてくれる」式の無責任な開発です。「都市の大改造」を国策として行いながら、結局、都市開発が民間企業の儲けの道具・商品にされているだけではないでしょうか。 そこでお聞きします。公共事業見直し委員会から6年が経過した現在、その当時の見直し対象にはなかった広島駅周辺開発に多額の税金が使われようとしています。 公共事業見直し委員会の「地区開発の根本的なコンセプトの再検討、民間資本の導入の検討」という意見はどのように生かされたのですか。再検討された具体的な内容を教えてください。6年前の計画とどこが変わったのですか。 (道路交通局長) 広島駅自由通路は、ペデストリアンデッキや新幹線口広場と一体となって、広島駅周辺地区の歩行者の回遊性向上を図り、新都心成長点における「再開発の促進などによる新たな賑わい空間の創出」、「快適で魅力的な歩行者ネットワークの形成」及び「交通結節点としての機能強化」を推進することを目的としています。 広島駅新幹線口整備については、公共事業見直し委員会の報告を受けて、平成16年(2004年)2月に公表した「大規模プロジェクトに関する方針」を踏まえて、現在、取り組んでいます。 その基本的な考え方は、地区の開発に必要な道路等の都市基盤整備は本市が行い、陸の玄関にふさわしい都市機能導入や建築物等の整備については、民間主体の開発を実施又は誘導するというものです。 具体的には、市営住宅のあった若草町地区で、本市が参加する組合方式ではなく、民間事業者による個人施行方式の再開発を進めてきたほか、二葉の里地区では、都市計画道路や公園・緑地等をUR都市機構が施行する土地区画整理事業で整備し、地区計画により、国有地及びJR用地の民間開発を誘導する計画です。 (藤井とし子議員) 広島駅周辺は巨大開発が目白押しです。新幹線口広場の整備、広島駅自由通路の整備、ペデストリアンデッキ、二葉の里地区開発、広島駅北口・南口周辺の地区開発など、一体、総事業費はどれだけになるのですか。事業別の事業費も教えてください。 (道路交通局長) 広島駅周辺地区整備の事業費については、二葉の里土地区画整理事業が51億9千万円で、うち本市の補助金は31億5千6百万円を予定しています。若草町地区市街地再開発事業は約333億円で、補助金と公共施設管理者負担金が約91億6千万円です。 また、南口Bブロック市街地再開発事業については、再開発組合による現時点の概算で約332億円、補助金等は120億円程度と試算しています。Cブロックは、再開発準備組合よる概算で約238億円、補助金等は90億円程度と試算しています。 以上の4事業の総事業費は約955億円であり、本市の補助金等は約333億円と見込まれます。このうち概ね2分の1強が国及び県の交付金等で手当てされることになります。 道路関係の事業費については、広島駅自由通路が約127億円、ペデストリアンデッキが約26億円、新幹線口広場が約21億円を見込んでおり、総事業費は約174億円となります。本市の負担分は、広島駅自由通路係るJR西日本負担約19億円を除いて約155億円であり、このうち概ね4割は国の交付金等を見込んでいます。 以上の事業費を合計すると約1,129億円となります。 (藤井とし子議員) とりわけ、広島駅自由通路の整備にかかる事業費は127億円だと聞いていますが、このうち市は何割負担するのですか。 (道路交通局長) 広島駅自由通路の事業費約127億円のうち、約7億円は駅ビルを建替えた場合に支障となる部分の工事費として、全額JRが負担し、これを除く約120億円の9割にあたる約108億円を、昨年6月に国が策定した「自由通路の整備及び管理に関する要綱」に基づき本市が負担する予定です。 (藤井とし子議員) さらに、広島駅から新球場までをつなぐペデストリアンデッキの建設計画もありますが、これは誰が要求されているのですか。Cブロックの再開発計画との整合性や、再開発組合との合意はとれているのですか。 (道路交通局長) 広島駅自由通路は、ペデストリアンデッキや新幹線口広場と一体となって、広島駅周辺地区の歩行者の回遊性向上を図り、新都心成長点における「再開発の促進などによる新たな賑わい空間の創出」、「快適で魅力的な歩行者ネットワークの形成」及び「交通結節点としての機能強化」を推進することを目的としています。 球場へのアクセスは、広島駅からの徒歩を基本としており、安全で快適な歩行者空間の確保を図る必要があります。 このため、広島駅と球場を結ぶJR南側市道では、球場のオープンにあわせて歩道を整備するとともに、多くの入・退場者が集中する時間帯は歩行者専用に道路を交通規制して歩行者を安全に誘導しています。 本市では、今後の対策として道路を交通規制することなく、いつでも安全で快適に歩くことができる新たな歩行者空間を確保することが必要と考えており、現在、ペデストリアンデッキの整備についてJR西日本等と協議を行っているところです。 また、Cブロックについては、再開発準備組合から再開発区域内に計画している2階レベルの歩行者用デッキと接続したい旨の提案がされており、現在、接続の位置、構造等について協議を行っています。 (藤井とし子議員) 市民は、駅周辺地区に、どんな「まちづくり」を願っているのでしょうか。税金を投入して、民間事業者の開発を手助けしても、一体、どんな開発がされ、どんなまちになるのか多くの市民は知らされていません。大手企業主体の都市計画ではなく、住民参加での民主的な都市計画を官民協働で取り組むべきではないのですか。お考えをお聞きします。 (都市活性化局長) 本市の陸の玄関である広島駅周辺地区については、ひろしま都市ビジョンで「新都心成長点」として重点地区に位置づけ、回遊性の向上や再開発による賑わい空間の創出など、主要な取組の方針を明らかにしたうえで、整備を進めています。 再開発事業については、地元の地権者で構成する再開発組合や準備組合が主体となって進めており、都市計画の地元説明などは、これまでも市と組合等が協力して行ってきています。 また、事業の進ちょくに応じて、市の広報紙やホームページを活用して、市民への情報提供に努めています。 (藤井とし子議員) 財政再建しつつ、いかに市民生活を応援する財源を捻出するかが、行政の腕の見せ所です。財源を確保するためには、急ぐ必要性のない巨大開発を見直すことこそ必要だと考えますが、今回の事業仕分けには、駅周辺開発は何一つ見直し対象に入っていません。なぜ、見直し対象になっていないのですか。理由をお聞きします。 (都市活性化局長) 広島駅周辺地区の整備については、第5次広島市基本計画の分野別計画である「千客万来の都市の実現」のための施策のひとつに位置付けており、南口B ・Cブロックの市街地開発事業や二葉の里土地区画整理事業、広島駅自由通路の整備等を推進することにしています。このため、本市の活性化に向けて優先的に取り組むべき事業であり、今回の事務事業見直しの対象としていません。 上にもどる 事務事業見直し等検討委員会(事業仕分け)について (藤井とし子議員) さる8月2日「広島市事務事業見直し等検討委員会」が設置され、市長が依嘱した10名の外部委員により、あらかじめ市が選定した50の事務事業について、順次見直し作業が進められています。 私どももその内容に関心を持って見守っていきたいと思っておりますが、数点お尋ねします。 今回、50の事務事業が選定されていますが、なぜ50事業にされたのか。選定作業は、市のどこが行ったのか。それらの事業選定に当たっての基準は何ですか。見直し委員の選定はどういった基準で行われたのですか。 (企画総務局長) この50という事務事業の数は、委員会の分科会において1件ずつ各所管課にヒアリング等を行うことに要する時間や委員の負担等を考慮して決めました。 50事務事業の選定に当たっては、おおむね1,000万円以上の事務事業の中から、(1)社会経済情勢の変化や市民ニーズを踏まえ、事務事業の今後のあり方を検討する必要があると考えられるもの。(2)長期的に継続して取り組んでいる事務事業で、執行方法や制度等に関し改善の余地があると考えられるもの等を選定するものとし、まず、各局が205の事務事業をリストアップしました。そして、この中から、企画総務局が行政分野間のバランス等を考慮して、50事務事業を選定しました。 委員の選定において、学識経験者については、事務事業のあり方を公正に評価し、分析するための専門的な知識や経験を有し、客観的かつ適正な判断ができる人を選任しました。また、市民委員については、性別、職業などに関係なく幅広く募集し、本市の事務事業のあり方について意欲的に審議していただける人を選任しました。 (藤井とし子議員) 事務事業見直し等検討委員会の設置の目的は何ですか。 (市長) 本市では、財政非常事態宣言を発した平成15年度(2003年度)に、全国に先駆けて「広島市公共事業見直し委員会」や「広島市補助金制度検討委員会」を設置し、専門的・客観的視点から事務所行の見直しに取り組んできました。これら委員会の審議結果を踏まえた取組等により、財政再建団体に転落する可能性のあった本市の財政は小康状態になりました。 こうした中、一昨年9月のリーマンショックに端を発した景気の後退等により、今年度当初予算の市税収入は対前年比マイナス4.9%となるなど、本市財政の悪化が懸念されています。このため予算編成や行政改革の推進に当たり、これまでの職員による取組だけではなく、客観的な第三者の視点から本市の事務事業を評価していただき、新たな発想に基づく見直しの方向性等を提案していただければありがたいと考えています。 こうしたことから、この度、事務事業の見直し等について外部の視点から幅広く意見を聴くため、広島市事務事業見直し等検討委員会を設置しました。 委員会の答申後においては、議員から頂いた意見も踏まえつつ、答申内容を十分に検討した上で、来年度予算や今後の行政改革の取組に反映させたいと考えています。こうした取組により、効果的・効率的な事務事業の推進と本市財政のさらなる健全化を図ってまいります。 (藤井とし子議員) 議会への報告はどのように行い、議会の意見はどう反映させるつもりか伺います。 (市長) この委員会は、国の事業仕分けのように単に予算の削減を目的としたものではなく、場合によっては事務事業の拡充を図ることなども視野に入れて議論して頂くことにしています。 また、この委員会における検討内容については、一定の取りまとめが行われた段階で議会に報告し、議員の皆様のご意見もお聞きしたいと考えています。 (藤井とし子議員) 今回出される答申は今後の予算など市の政策決定にどの程度、影響を与えるのですか。 (市長) 委員会の答申後においては、議員から頂いた意見も踏まえつつ、答申内容を十分に検討した上で、来年度予算や今後の行政改革の取組に反映させたいと考えています。こうした取組により、効果的・効率的な事務事業の推進と本市財政のさらなる健全化を図ってまいります。 (藤井とし子議員) 作業スケジュールを見ると、ヒアリング及び評価に要する時間は、1事業あたり、40分程度(説明5分、質疑30分、評価シートへの記入5分)となっています。分科会によっては、1日午前9時から夕方5時までに10の事業について、次々に審議を行うことになっており、相当ハードなスケジュールとなっています。 私どもが心配するのは、わずか5名の委員が1件40分という短時間の流れ作業の下で、長年積み重ねられてきた事業まで簡単に評価されていいのかという疑問です。 委員からすれば、利用者の実態や生の声も聞く機会がないまま、わずか30分の質疑応答だけで、自分の判定を下さざるを得ないわけですが、そんな乱暴なやり方はとても市民の理解は得られないと思います。委員の任期は2年以内となっています。年内でまとめる必要はないと思います。委員が直接利用者や現場の声を聞く機会を設けるべきですがどうされますか。 (企画総務局長) 利用者や現場の声については、分科会におけるヒアリングの際、各所管課が、事務事業概要調書に基づき、あるいは委員の質問を受けて、適宜説明しています。 委員会の審議内容は、マスコミによる報道や会議要旨のホームページへの掲載等により、市民の皆様にも一定の周知がなされており、本市の「市民の声」制度等を通じて意見が寄せられた場合は、委員に提供し、評価の参考にしていただいています。 こうした取組により、利用者や現場の声を委員に伝えたいと考えており、委員が直接これらの声を聞く機会を設けることは考えていません。 (藤井とし子議員) 今後も続けるというのであれば、市民の意見を十分反映できるような委員会とすべきです。岡山市では、平成21年度の事業仕分けでは、市民委員に加えて、経済界、労働組合、町内会、女性会などの団体推薦委員など41人入れています。また、今年度広島県の行う事業仕分けでは、9人の公募による委員が入っています。本市においては2人ということですが、もっと増やすお考えはないかお答えください。 (企画総務局長) 委員会の委員は10人であり、このうち2人が市民委員です。市民委員は、全体会議や分科会において、大変活発に発言されており、市民目線の意見が反映された委員会の答申が得られるものと考えています。このため、現時点で市民委員を増員することは考えていません。 上にもどる オリンピック招致について (藤井とし子議員) 昨年11月に突然、オリンピック招致構想が発表されてから10か月が経ちます。この間、市民と議会に提供された情報は、理念や大まかな構想で、市の財政負担、即ち市民の負担がどうなるのか、果たして一地方都市で開催できるのかなど、肝心なことが全く明らかにされないまま10か月が過ぎてしまったように思います。 とりわけ財政負担の問題は一番重要です。広島市の厳しい財政状態が、今後数年で劇的に好転することは考えられないことです。現に広島市は第3次財政健全化計画を進めていますし、こうした中で、市民生活に直結する事業さえも取り上げて、いわゆる事業仕分けをしています。そこまでしないと市の財政が回らないということではないでしょうか。 質問ですが、これまでの必要な情報がない中での議論で、私たちが一番重視したのは、オリンピックという広島市にとっては極めて大規模なイベントを、市民の合意抜きではできないはずだということです。市民の合意が前提ではないかということに対して、担当部長もそうだと同意されました。 改めて、市民合意が前提という点について確認します。招致に手を挙げるためには市民の賛成がどの程度、必要と考えておられますか。 また、財政問題を含めた基本計画が出ていませんので、基本計画の具体的な内容から是非について議論できません。今年中に結論を出すということですから、今回の9月議会での議論は大変重要であったと思います。しかし、9月初旬にはとりまとめるとしていたのに10月になると、市民に判断材料を提供できるような、議会での議論ができません。一体どのように示そうとされているのか伺います。 本来は市民に十分な情報提供を行った上で、相当な時間をかけて市民相互に議論しあって、市民の大多数が応援するという状況が立候補する条件だと考えます。しかし、わずか2か月余りでは、たいへん困難なことではないかと思います。どのような取り組みをされるお考えかうかがいます。 さらに、市民の圧倒的多数がやろうと言ってくれるかどうか、市民の意思を把握する必要がありますが、どのようなことをお考えかうかがいます。 (市民局長) オリンピックの招致は、市民の合意が前提であるとの認識は変わっていません。また、(先日、大野議員にもご答弁申し上げたとおり、)オリンピック招致の検討に当たっても、できるだけ多くの方々のお知恵を拝借して課題解決策を探ることが大切であり、そのためにもヒロシマ・オリンピックの意義 ・内容について、市民の皆さんの理解を得ることが重要であると考えております。 こうした考えのもと、これまで、ヒロシマ・オリンピックの理念や開催基本方針を取りまとめた時点など、節目節目で情報提供に努めるとともに、市民の皆さんから意見募集を行ってきました。 現在、オリンピック招致開催の実現可能性を見極めるための判断材料となる2020年ヒロシマ・オリンピック基本計画の素案の取りまとめ作業を行っており、この計画素案の内容を市民の皆さんに十分ご理解いただくため、これまで広報紙やインターネットなどを活用した情報提供に加え、各区で説明会などを開催し、市民の皆さんに直接説明する場を設けたいと考えております。 こうした場を通じて、市民の皆さんのご意見を把握したいと考えております。 (藤井とし子議員) 大変な財政状況を考えれば、たとえ競技場一つにしても新たに建設する余裕はないでしょう。市の負担がどの程度なら、市民生活へのしわ寄せにならないのか、市長のお考えを、根拠を示して明らかにしてください。 (市民局長) 基本計画については、競技会場として想定している施設所有者などとも協議・調整しながら素案の取りまとめ作業を終えようとしているところです。 今後、できるだけ早い時期にこの基本計画の素案の内容について、市議会にご説明する必要があると考えていましたが、近く、全員協議会が開かれますので、そこで丁寧に説明させていただきます。 上にもどる |
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