トップ > 議会情報・議員の発言 > 2010年第1回2月定例会・予算特別委員会 議員発言 > 議案質疑 |
2010年2月23日 本会議 中森辰一議員の2009年度関連議案質疑 |
第330号議案 補正予算案 経済危機対策に伴う補正 港湾整備事業負担金 ―再質問― 出島産廃処分場の「埋め立て護岸」建設費負担について 減額補正について ・子宮がん検診事業 ・建築物耐震診断補助 |
経済危機対策に伴う補正 (中森辰一議員) まず、緊急経済対策として、国の交付金を使って、規模の小さい公共事業を行うことになっています。工事そのものの施工は、実際は来年度になってからになるのがほとんどですが、交付金を活用するために予算を前倒しで計上しようというもので、総額で約24億円です。 この中で、学校などの公共施設について、建築関係と思われる一般補修、あるいはその他補修などといった表記の項目があります。具体的には、公民館(101万7千円)、小学校(2,359万9千円)、中学校(1,422万円)、高等学校(219万1千円)、特別支援学校(18万6千円)、幼稚園(120万2千円)、保育園(1,420万円)の一般補修、市営住宅維持補修での流し台修繕その他補修(9,674万円)で、総額で1億5千335万5千円です。 広島市には、零細な事業者に仕事を供給して地域経済を支える目的の「小規模修繕契約希望者登録制度」があって、学校関係や区役所などが担当する小規模修繕については、できるだけ登録業者に発注して、この制度の拡大を図ることが要請されています。来年度予算の中でも、この制度を利用する零細な工事が含まれており、来年度予算で計上するものを前倒しで計上するということであれば、当然、この制度が活用できるようにするべきだと考えます。 経費が50万円未満の小規模修繕工事などがどれ位含まれているのか、ということがありますが、そうした小規模修繕工事は、この制度の登録業者に積極的に発注する必要があると思いますが、どうお考えですか。 (財政局長) 本市では、小規模修繕を効率的に発注するため、施設の修繕契約のうち、予定価格が50万未満で、壁のひび割れ補修、雨漏りの応急措置、土間やタイルの修繕など内容が簡易でかつ履行確保が容易で、機能回復を目的とするものを対象に、小規模修繕契約希望者登録制度を設けています。 この制度に活用については、これまでも各局、区役所及び教育委員会等に対して、3年に一度の登録替えや年2回の追加申請時に通知しているほか、年度当初の予算執行依命通達などにより周知しています。 引き続き、この制度に該当するものは、登録業者を活用するよう、各局、区役所及び教育委員会等に対して、機会ある毎に周知してまいります。 上にもどる 港湾整備事業負担金 (中森辰一議員) 次に、県施工港湾整備事業負担金として11億2,500万円が計上されています。出島沖埋め立て地で産業廃棄物埋め立て処分場を造っていて、その「埋め立て護岸」、市の担当によると、埋め立て処分場の建設ではなくて、「埋め立て護岸」の建設だということですが、この建設費の4分の1を広島市が負担してきました。その最後の予算措置だということです。 実際は来年度にも工事は行わますが、今年度の国の交付金を使って市の負担が減らせるようにするため、前倒しで予算措置する、しかし、工事費の負担はこれで終わりだということです。それだけ聞くと、負担が減って良いことだ、ということになります。 広島市はこれまで、県の勝手な条例によって、否応なしに事業費総額の4分の1を負担してきましたが、この廃棄物「埋め立て護岸」の建設について、これまでどれだけ負担してきたのか、今年度当初予算までの総額をお答えいただき、確認しておきます。 1月末の報道によれば、秋葉市長と湯崎知事とのトップ会談で、1年間保留してきた負担金を支払うということで合意したということでした。当局に聞くと、「廃棄物埋め立て処分場」としての安全性を高めるために、埋め立て地に使う遮水シートを最新の材質に変更するなど、遮水構造の施工を変更するために、事業費が75億円も一気に膨らんだ、そのため、市の負担もかなり大幅に膨らむ、しかし市としては納得できず保留になっていたということでした。 私どもは、公共が民間の産業廃棄物処分場を造る必要はないと考えております。しかし、造る以上は環境や周辺住民の生活に悪影響を及ぼさないように、より安全な施設にする必要があります。 しかし、遮水工事の変更がほとんどだと聞いていおりまして、それにしては、元々400億円弱の全体の事業費総額から考えても、事業費の増額の幅が大きいなというのが、私としても率直なところであります。これは妥当な額なのかどうか。 この点について、トップ会談で合意したということは、広島市としては事業費がそれだけ膨らむのはやむを得ない、必要な費用だと納得したということなのでしょうか。納得したというのであれば、どう納得したのか説明を求めるものです。 いずれにしても、来年度のうちには工事は終了して「埋め立て護岸」が完成する予定になっています。 しかし、廃棄物を搬入するためには、五日市の積み出し基地が稼働する必要があります。ところが、五日市の廃棄物積み出し基地は地元の反対で宙に浮いたままになっていると思いますが、これはどういう状況になっているか、答弁を求めます。 五日市の地元との合意ができなければ、埋め立てる産業廃棄物を搬入できず、処分場として使用できないことになります。造っても使えない施設だとしたら、巨額の市民の税金を投入するのは、全くの無駄遣いです。 これは、こうした産業廃棄物の埋め立て処分場建設の是非以前の問題であります。これまでも巨額の市民の税金を注ぎ込んできましたが、追加で、さらに11億円余りも市民の税金をつぎ込むべきなのかどうか、よく考える必要があります。11億円もの巨額の税金です。広島市ではわずか10万円の予算でも、議会にその内容と必要性を説明しています。使うあてのない施設なら、いくら負担が減るとはいえ、ムダな支出です。 出島の地元は、海上搬送しか認めない、五日市の地元は海上搬送のための積み出し基地は認めないとしています。 いずれも地域での生活環境を守るための切実な住民の声であり、それぞれ尊重する必要があります。そうすると、今造っている処分場は使えない施設になります。そのようなものに市民の税金をつぎ込んでいいのかどうか、ということであります。 広島市として、使えないのではないかということも含めて、どのようにお考えか、答弁を求めます。 (都市整備局長) (1)出島地区廃棄物埋立護岸の建設にかかる、これまでの本市負担額は、今年度当初予算額を含め、97億6,856万3,250円になります。 (2)当該埋立護岸については、より確実な遮水性と安全性を確保するため、その遮水構造はこれまでに事例のないものとなっています。 そのため、当初考えていた使用材料や施工方法等では現場の実態に対応できないことが判明し、計画の変更が必要となりました。 その結果、事業費7,5億円の増額を招いた旨、県から説明を受けています。事業費が増額となった主な要因ですが、 1. 遮水シートを海底の所定の位置で定着させるために、海底に堆積した泥の除去が必要となったこと、及び海底の凹凸を均す水中コンクリートの打設量が増加したことで、約24億円の増額になりました。 2. また、遮水シートの材質を伸縮率と強度の高いものに変更したこと、及びその遮水シートをはさむ保護材の材質についても、シートが滑り落ちないよう摩擦力の高いものに変更したことで、約16億円の増額になりました。 3. さらに、遮水シート保護材の施工にあたって、保護材を支えておく仮設方法の見直しで約11億円、保護材の破損を防止するため作業時間が増大したことで約10億円の増額になりました。 本市では、このような工事の変更内容及び変更の必要性等について、昨年度から資料の提示を求めながら、県と協議を重ねてきました。こうした経過を経て、このたび事業費の増額についてはやむを得ないものと判断したものです。 (3) 五日市地区廃棄物積出基地については、事業主体である県が地元の合意取得に取り組んでいます。 県からは、「地元説明会の開催などにより、事業計画について理解を得るよう努めているが、未だ理解を得るには至っていない。引き続き地元説明会の開催などにより、地元住民の理解を得るよう努力する。」と、聞いています。 本市としては、今後とも、県に対し、地元住民の意見・要望等を真摯に受け止め、誠意をもって対応するよう指導してまいります。 上にもどる ―再質問― 出島の産廃処分場を「埋め立て護岸」と言い換える誤魔化しで 建設費負担を11億円も増額する問題について (中森辰一議員) 使われない施設なら建設費を負担するのは全く無駄です。五日市の住民の声を尊重する限り、また出島の住民の声を尊重する限り、いつまでたっても使えない施設なわけだから。 そういう住民との合意ができないうちに造り始めたこと自体が問題だった、広島市当局も、合意ができていないことが分かったのに、何も言わずに負担をしたということが問題です。この点について、再度答弁を求めます。 同時に、そういうことを考えている中で、もうひとつ新たな論点として、強い疑問がわきます。 私が、廃棄物埋め立て処分場の建設だと言ったら、市の方から、いやそうではない、「埋め立て護岸」の建設だと言われた。つまり、処分場の建設ではない、「護岸」の建設だから建設費の4分の1を負担することになっている。だから、新たに11億円余りを追加で負担する補正予算が出ています。 市によると、埋め立て処分場の建設というのは、五日市の積み出し基地の建設や、出島の方では、船で運んできた廃棄物を船から降ろして処分場の中に投入するための施設なんだそうです。 しかし、今回の補正予算についての当局の説明でも分かるように、廃棄物をより安全に埋め立てるための遮水シートの材料を変更するなどの、廃棄物処分場として、より安全なものにするための工事費が膨らんだということです。 つまり、この工事の増額というのは、まさに廃棄物処分場そのものの建設費の増額です。 私は、なぜ担当局が、処分場の建設ではなくて護岸の建設だと、主張するのか考えてみました。県が造る廃棄物処分場の建設ではなくて、県施工の出島沖の埋め立て工事なら4分の1を市が負担しなければなりませんが、廃棄物処分場の建設費ならそういうものはないということではないのですか。 質問ですが、 ・「今回は遮水構造の変更だ」、と言うからには、これはまさに廃棄物処分場の建設だからこ そそうした変更が必要だったということではないのか ・出島の他の埋め立て工事、例えば第3工区では、そうした特別な遮水工法が必要なのかど うか。 ・さらに、県が施工する産業廃棄物処分場の建設に、今回でいえば、五日市の積み出し基地 の建設や、出島での廃棄物を船から引き揚げて埋め立て場に投入する施設の建設に、広島市の負担は義務付けられているのかどうか。 以上の3点について、再度答弁を求めます。明確にお答えいただきたい。 (都市整備局長) 負担する理由ですが、この県建設事業負担金例では県が施工いたします港湾施設の新設または改良、これに要する経費に一部について市及び町が負担するということになっていると思います。 今回の出島地区廃棄物埋め立て護岸は、港湾法に規定する港湾施設、あるいはこれにあたるということから、この建設事業には同条例が適用されるため、負担金を支払うと、こういう必要があるというふうに認識をいたしております。 (中森辰一議員) 今の説明だけでは納得できないですよ。例えばですね、内陸部でですね県がそういう埋め立て地を作る、遮水構造のキチンとしたものを作ると言ったときに、じゃあ市は負担するんですか。広島市のどこか山の中にですね、そういう施設を作りますよと言ったときに、市は負担するんでしょうか。先程、今言ったには第3工区だったら、今少しずつ砂を入れておりますけど、「そういうところだったらこういう特殊な構造をとるんですか」ということを聞いたんですよ。 産業廃棄物の処分場だからこそ、75億円の負担増になったのではないんですか。建設費が増えたんじゃないんですか。だからこそ11億円余り負担を増やすことになったのではないんですか。港湾建設ではないですよ、これは。全くのごまかしじゃないですか。 ごまかしで市民の税金を11億円余りも使うのですか。これは、借金でしょう? こんなことで「後世に負担を残さないようにしよう」と言いながらですね、こういうものに借金までして、市民に負担を掛ける必要があるんですか。 港湾施設じゃないでしょう?埋め立て処分場というのは、港湾施設なんですか? 明確にお答えください。 (都市整備局長) 先程お答え申し上げましたとおり、港湾法に規定いたします港湾施設にあたると考えています。以上でございます。 (中森辰一議員) これは、現実から考えてもおかしいですよ。市民に対しても、市民はそんなことを聞いたって納得はしないですよ。委員会でもやりますけれども、これは納得できません。以上です。 上にもどる 減額補正について ・子宮がん検診事業 (中森辰一議員) 次に、予算額を減額する補正予算案について2点伺います。 子宮がん検診事業で、9,200万円余りを使わなかったとして予算を減額する補正項目があります。「使わなかったので減額」ということで終わるわけにはいかないと思います。何のためにこうした事業を行っているのかが問題です。 当初の計画では、50%の受診率、2万人以上の受診を見込んだが、実際は20%、8,355人しか受診しない見込みです。新年度予算案では、この実績に基づいた予算が計上されていますが、しかし問題は、受診率をいかに引き上げていくかという点です。 市として、受診率が低い原因について、お考えがあればお聞かせいただきたい。また、現状を克服するための課題をどうお考えか伺います。 (健康福祉局長) (1)今回の子宮がん検診の減額補正は、5歳刻みの節目年齢の女性の方を対象とした無料クーポン券により、検診にかかる経費を減額しようとするものです。 受診率が目標を下回った原因については、事業が年度後半からの開始となり、事業の浸透が十分に図られなかったのが一因ではないかと考えています。受診率向上のためには、その原因を把握することが重要と考えており、今後、その把握方法を検討します。 なお、他の政令指定都市においても、本市と同様、概ね20%前後の受診率の見込みです。 (2)一般に、がんは生活習慣病とされているため、中高年が罹患するものというイメージがあり、若い女性は自分には関係ないことと考えているのではないかと思われます。 また、子宮がん検診は、身体の中でも非常のプライベートな部分である、子宮から細胞を採取して調べるという検査です。このため、検診の中でも精神的なハードルが高いのではないかといったことも考えられます。これに加え、小さな子どものある方は、子どもを連れては受診しにくい状況にあるのではないかと思われます。 今後、受診率が低い原因を把握し対応していきたいと考えていますが、当面、次の2点を取り組みます。 1つは、この事業ではがんに対する正しい知識について記載した検診手帳を無料クーポンと合わせて検診対象者に直接送付していますが、そのことにとどまらず、幅広く意識啓発を図るより効果的な方法を検討します。 次に、受診者の利便性を図るため、託児ができる集団検診日を各区1回ずつ確保するとともに、休日検診日の拡大を検討します。 上にもどる ・建築物耐震診断補助 (中森辰一議員) 建築物耐震診断補助も同様の問題があります。4,300万円余りが利用されず使い残したとして予算を減額することになっています。地震災害が起きた時に、建物が倒壊して緊急輸送のために道路を塞いでしまう、あるいは、住居が倒壊して市民の生命が失われることを防ぐための重要な手立てとして、民間の建物や住居の耐震化を促進しようと補助制度がつくられています。そのうちの民間建物の耐震診断を促進するための制度で、予算額は少ないが、大変重要な制度です。 しかし、当初予算では20件の申請・実施を見込んでいたものの、実際は1件しか実施されなかった。重要な制度であるだけに、大変残念な状況です。実績が少ないので来年度予算案では予算規模を半分にするそうですが、ここでも、「なぜ利用されないのか」が問題です。 多くの人が利用する建物の耐震化はどうしても必要です。大規模な地震はいつ発生するかわりません。地震災害から市民の命をいかに守るかということで、市としてはこの制度が大いに利用されるように、あらゆる努力をする必要があります。 実績がきわめて低調な原因を、明らかにする必要があると考えますが、来年度に向けてどのような工夫をして利用を高めようというお考えか伺います。 (指導担当課長) 「広島市民間建築物耐震診断補助制度」による耐震診断補助は、平成21年度(2009年度)の新規事業として、7月から募集を開始しました。 その周知については、広報紙「市民と市政」や市ホームページへの掲載、補助対象建築物所有者等に対する説明会の開催や、個別に案内通知を郵送するなど、本制度の活用に向けた広報に努めました。 1次募集においては、申し込みが2件であったため、その後追加募集を行いましたが、残念ながら途中辞退もあり結果的に1件でした。 こうした応募結果を踏まえ、何らかの対応が必要との考えから、緊急輸送道路の沿道に立地する病院、学校及び百貨店、スーパー等の物品販売の施設に用途を絞って、個別に訪問し、本制度の説明や耐震診断実施の要請を行ってきました。 この個別訪問を通じ直接意見聴取を行った結果、耐震診断の必要性については皆さん認識があるものの、応募されない主な理由としては、 1.耐震診断結果が悪い場合に必要となる耐震改修費用の負担が大きいこと 2.特に、昨今の景気の低迷による影響で資金の捻出が困難であるということ 3.賃借人など関係者との調整のため意思決定に日時を要すること などが挙げられています。 しかし、今回の個別訪問を行ったなかで、建物所有者が、耐震診断の実施について設計者と相談してみたいといった意向を示す事例もあることから、来年度は、早い時期からの募集の開始を行うとともに、個別のアプローチを行う範囲を広げ、本制度の利用を高める取組みを進めてまいります。 上にもどる |
トップ > 議会情報・議員の発言 > 2010年第1回2月定例会・予算特別委員会 議員発言 > 議案質疑 |
日本共産党広島市議会議員団 〒730-8586 広島市中区国泰寺町1−6−34 広島市役所議会棟内 電話 082-244-0844 FAX 082-244-1567 E-Mail k-shigi@jcp-hiro-shigi.jp |