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2010年3月25日 予算特別委員会 村上あつ子議員の2010年度関連議案に対する討論 |
一般会計予算の修正案について オリンピック招致検討について おりづるミュージアムについて 市長の海外出張費の削除について その他の反対の議案について 第13号 広島市競輪事業特別会計 第18号 広島市開発事業特別会計 第27号 旧市民球場条例を廃止する条例 第43号 広島市高速道路公社定款の変更に係る同意について 意見を付して賛成の議案について 第1号 一般会計予算 第10号 広島市後期高齢者医療事業特別会計予算 第11号 広島市介護保険事業特別会計予算 第12号 広島市国民健康保険事業特別会計予算 第28号 広島市定数条例の一部を改正する条例 第44号 包括外部監査契約の締結について |
一般会計予算の修正案について 日本共産党市会議員団を代表して、第1号議案、2010年度一般会計予算について、修正案に反対の討論を行ないます。 オリンピック招致検討について まず、オリンピック招致検討についてですが、近代オリンピックのあり方に対しては、商業主義や国威発揚の場となっていること、開催都市の負担が大きく、大都市でないと開催できないなど、問題が多く、真に平和の祭典となるよう見直しの必要性が指摘されています。 広島市がもし、こうした従来型のオリンピックの枠組みのまま広島に招致しようと考えているのであれば、財政的にも困難で、私たちは反対です。財政の問題でいうなら、最終的に年間8億円の財政効率化を目的に公立保育園の民間移管を進めようとしており、多くの市民から批判されていることを考える必要があります。 広島市が、2020年核兵器廃絶の年に被爆地で平和の祭典を開催しようという崇高な理念を本当に生かすためには、古代オリンピックの精神に立ち返ったオリンピックをめざすことが必要です。 オリンピックの歴史は、1896年に近代オリンピックがはじまりましたが、その発祥となった古代オリンピックは紀元前776年からはじまり、293回、実に1,169年間も続きました。ギリシアには1,000をはるかに超えるポリス(都市)があり、ポリス同士が戦いを繰り広げていましたが、宗教的に大きな意味があったオリンピアの祭典には、戦争を中断してでもギリシア全土から参加しなければならなかったということです。これがオリンピックが平和の祭典とされる由縁です。その莫大な経費は、開催都市の負担でなく、ギリシア全土の善意と金持ちの寄付を中心にまかなわれたそうです。 市長も、こうした「オリンピック本来の平和の祭典」という趣旨に立ち返って、ヒロシマに招致したいと抱負を語っておられますが、そうであるならば、もっと世界によびかけることが必要です。 「核兵器をなくして平和の祭典を被爆地でやろう!」、「核兵器に使っている膨大な予算を、人類生存のために使おう!平和の祭典のために使おう!」、「核兵器をなくした暁に、人類はひとつ・世界はひとつ・地球はひとつを合言葉に、国境を越え、都市の枠を越えた平和の祭典をヒロシマでやろう」こういう呼びかけを全市民に向けて、政府に向けて、全世界に向けて熱く語るべきです。 チュニジア大使の「世界中が広島にお願いしてオリンピックを開催してもらえるように働きかけたい」との発言が広がればどんなにすばらしいでしょうか。これこそ、被爆地でなければできない呼びかけです。わが国政府にも、この立場に立ってもらう必要があります。しかし、どういったやりかたが可能かどうかを検討するための予算さえ削ってしまうと、そうした理念の実現の可能性を奪ってしまうことになります。 こうした、市議会の乱暴なやり方を、平和市長会議を始め、広島の動向に注目している人々が知ったらどんなに驚くでしょうか。このような乱暴な予算削減はやるべきではありません。 おりづるミュージアムについて つぎに、おりづるミュージアムについてです。原爆の子の像にささげられた折り鶴を一定期間保存すること自体は意義のあることと思います。ただし、財政状況を考えれば、新たな施設に莫大なお金をかける余裕はありません。おりづるミュージアムのありかたを検討するに当たっては、既存施設を利用した活用策を基本としていただきたいと思います。 折り鶴に込められた平和を願う気持ちが国境や地域を越えて広がり、時や世代を超えて繰り返し伝承されることは大切ですが、今、市がもっと力を入れるべきことは、次々と姿を消してゆく原爆の傷跡をいかに後世に残していくのかということではないでしょうか。たとえば広大理学部跡の被爆建物。これは、跡地利用が決まらないまま放置され崩れかけています。このまま、時の経過と共に朽ち果てていくのを待つというのでしょうか。市が、国から引き取って「原爆の生き証人」として保存すべきです。活用次第でここに折り鶴を展示することも可能ではないでしょうか。 市長の海外出張費の削除について もう一点、修正案は、ロシアとアルゼンチン、ブラジルへの市長の海外出張費を削除するものですが、世界中の都市に平和市長会議への賛同・協力を呼びかけることは必要であり、とりわけ二大核保有国への働きかけこそ重要です。また、核兵器廃絶にむけた気運が高まっている南米に出向き、直接アピールすることは大きな意義があると考えます。ただし、経費の削減には努めていただきたいことを申し添えておきます。 よって、第1号議案修正案には反対です。 上にもどる その他の反対の議案について 第1号の修正案を除くその他の議案について、反対の議案は、第13号広島市競輪事業特別会計、第18号広島市開発事業特別会計、第27号旧市民球場条例を廃止する条例、第43号広島市高速道路公社定款の変更に係る同意についてです。 第1号、第10号、第11号、第12号、第28号、第44号議案は意見を付して賛成です。残り39の議案には賛成です。 以下、反対の理由から述べます。 第13号広島市競輪事業特別会計予算ですが、公営ギャンブルは一刻も早く廃止すべきです。 第18号広島市開発事業特別会計予算は、市民の税金で得られた収入は一般財源として使うべきで、開発事業だけに特定すべきではありません。 第27号旧市民球場条例を廃止する条例ですが、旧市民球場の跡利用については、私たちは、これまで4年以上にわたって積み上げてきた議論の結果を重く受け止めてきました。ところが、いざ解体されるとなると、戦後の復興のシンボルがなくなるなどの市民の声が急速に大きくなっている状況があります。 この市民球場に寄せる多くの市民の熱い思いは決して、無視してはならないと思います。こうした市民の熱い思いを行政だけでなく、私たち市議会も十分受け止めてこなかったことは、反省しなければなりません。 マスコミ報道によりますと、これまで選考にかかわってこられた方のなかにも、「状況の変化がある。市民の思い入れで地区の重みが増すのは、地域にとってよいことだ」とおっしゃる方もあるようです。 そのうえに立って、私たちは、ここが戦後広島の復興を支えてきた場所であることを将来にわたって残すためにも、公園の名称もそれにふさわしい名称とする、せめて、正面入り口部分を、公園へのゲートとして、残すことは、時間的にも技術的にも可能だと考えます。その可能性を生かすためにも廃止条例に反対します。 条例を廃止し、取り壊す前にまずは、跡地計画のイメージパースを市民に示し、あたらめて、十分市民意見を聞いて再検討されたうえで、あらためて、廃止条例を再提出されることを望むものです。 第43号広島市高速道路公社定款の変更に係る同意については、広島高速道路公社の基本財産は、県・市の出資額の増額で376億8,750万円に変更するというものですが、高速道路事業の見直しは時代の流れでもあります。とりわけ高速5号線に関する増資が行なわれていることには賛成できません。 上にもどる 意見を付して賛成の議案について 意見を付して賛成の議案は、第1号一般会計予算、第10号広島市後期高齢者医療事業特別会計予算、第11号広島市介護保険事業特別会計予算、第12号広島市国民健康保険事業特別会計予算、第28号広島市職員定数条例の一部を改正する条例、第44号包括外部監査契約の締結についてです。 これらに対する意見は、明日の本会議の場で述べます。 上にもどる |
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