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2009年10月14日 文教委員会 藤井とし子議員 |
教育改革について 少人数学級と習熟度別教育について 学校適正配置計画について レンタルボックスについて |
教育改革について (藤井とし子議員) 国も広島市も、あわせてさまざまな教育改革を進めているわけですけれども 私はどうしても納得できないというか、何か違うという思いをしております。 どういうことかといいますと、今、本当に不登校問題、不登校児童が増えています。 また減っていかない問題や暴力件数が増えているという報告もあります。スクールカウンセラーやスクールソーシャルワーカーを配置するなど、あらゆる努力をされているようですが、こういった問題は解決が難しい状況ではないかと思います。 私なりに何が必要か考えるわけですが、やはり、国の教育改革に問題があると思います。 私も学校の序列化と競争で教育を歪ませる一斉学力テストへの参加は止めるよう委員会でもたびたび言ってきました。 学校間の競争を煽り、子ども達の学ぶ意欲を失わせるという意味で言ってきたわけですが、競争を煽るような教育改革ですね。そういった点では、今回、全国一斉学力テストについては、新しい政権になって川端達夫文科相も見直すと表明されています。 川端文科相は個々の学校が、テストの成績を上げるために競争するようになることなど、全員調査の問題点について懸念しているといわれています。さまざまな問題点が全国でも報告されています。 テストの前に想定問題を繰り返しやらせるとか、授業時間がそのために削られて本末転倒な実態も各地で起きたと。 テストの点数だけを競う風潮を煽り、教員にはプレッシャーをかけ、教育をゆがめる弊害を生んできたと。 こういったことが全国で声が上がって、新たな政権で、これはやっぱり、もう一斉テストは止めて、抽出でいいのではないかという見直しにつながったのだと思います。私は、これだけではないと思います。 学力テストだけではなく他にも、例えば教育再生会議が打ち出してきた教育改革ではさまざまな問題があります。そういった点から、学区選択制と習熟度別学習と学校適正配置計画について質問していきたいと思います。 そこで、国連の人権委員会が日本の教育に対し、たびたび、過度な競争教育の是正の勧告をしているにもかかわらず、競争を煽るような改革を進めてきたことで、競争教育が子どもにとってどうなのかについて真剣に見直すこと、競争教育を推進することについてはしっかり見直すべきことは見直すべきだと思うのです。改めて聞きますが、教育の目的、真の学力とは何か、人間らしさを育てる教育とはなにか、教育委員会の見解を聞かせてください。 (指導第一課長) 学校ではぐくむべき学力とは、どういうものなのかというご質問だと存じますが、このたび学校教育法が改正されまして、そこについて整理が行われました。 私どもはこれに基づきまして、学力というものは単に基礎的な知識技能にとどまるものではなくて知識技能を活用して課題を解決するために必要な思考力、判断力、表現力などの能力や、主体的に学習に取り組む態度こういったものの要素を含んでいるものというふうに考えております。 (藤井とし子議員) 学力というものは、態度等いろいろと総体的にあるものであって、基礎学力だけではなく、普通一般学力というと、なかなか狭い範囲で、だから産業界とか経済界が求めるような知識や技能的なところだけを取り立ててエリート教育をしたいと、財界がずっと言ってきているわけです。 そういうところに行ってしまうと歪むのが態度全体、教育そのものは人格を形成するという、もっと豊かな文化的な総体含めた子ども達を育てることが抜けやすい。 一番立ち戻らなければならないのは憲法と教育基本法、改正教育基本法、理念と教育の目的、教育の機会均等、どの子にもしっかりと発達を保障する、教育の不平等があってはならない。このことに徹しなければならないと思います。 そこでもう一つお聞きするのは、国が進めてきた教育再生会議ですが、この間いくつか報告も出しております。その中で、市としてこの教育改革について、問題点があるかどうか問題点をどう思っておられるのかお聞きします。 (企画課長) 平成18年10月教育再生会議が設置されまして、第3次報告が出されております。最終の平成19年の第3次報告では、子どもたち一人ひとりがかけがえのない存在であり、教育に求められることは「子ども達一人ひとりの能力を伸ばし、将来に夢や希望を持って社会を自立して生きる力を育てると共に他者に対する思いやりや優しさをもつ人、社会、自然と共に心をはぐくむことである」とうたわれております。 その上で、社会総がかりで自立して共に生きる力をはぐくむ基本的な考え方として示しまして、学力の向上に徹底的に取り組み、徳育と体育で健全な子どもを育てる、をはじめ学校の責任体制の明確化、あるいは、こどもの自主性を生かすシステムの構築など7つの項目につきまして提言がなされております。 あわせて教育再生には学校のみならず、家庭、企業団体、行政、メデイアなどあらゆる立場の人々が、教育の当事者であることを自覚して、社会総がかりで愛情もって取り組むこととうたわれておりまして、これは本市が第3次報告2000より取り組んでおります広島らしい新しい教育の推進と趣旨を同じくするものと認識しております。 (藤井とし子議員) 今のお話だと、教育再生会議は市もやっていることと同じだと、非常によいことを言っていると評価をされているのだと思いますが、2007年12月26日の中身を見ましても、こういったことも書いてあります。 学校選択制と児童生徒数を勘案した予算配分をモデル事業として実施する。これは子どもが集まらない学校には予算を少ししか与えないもので、教育の機会均等に反するものであり、教育の根幹を揺るがすことにつながるとあるところでも批判をされています。 更に学校の適正配置として、統廃合を推進する市町村を国が支援することを提起したということです。学校同士を競争させて、子どもが集まらない学校には予算を沢山つけない、集まる学校には沢山あたえる、予算で学校を競争させる。学校適正配置という名目で、広島市も今やっている、統廃合を推進していく手段として学区選択制などをもちいるという点では、学校間の競争をあおることになり、このことが子ども達にどういった影響を与えるか。子どもが競争させられる、学校が競争させられることに答えなければならないという中で、本当に子ども達が人格豊かに育つかどうか。私はそこを一番問いたいと思っております。 そこで、学区選択制についても以前の委員会でも言いましたが、すでに中学校区は区内でということなどで、東京などとは違う学区選択制だということは分かります。 しかし見る限り、減るところは大体固定化している。位置的に不便なところとかで、どんどん子ども達が出て行ってしまう。そして風評が良くないところ、荒れているとか学力テストの結果などもいわれるだろうと思うのですけれど、そういうものに親も子どもも振り回される。本当にそういうことでいいのかということを問わなければいけないのではないかと思っています。 学校の統廃合についてはあと聞きますけれども、選択制についてはいつまで続けるのか。その点のお考えを伺います。 (学事課長) 学区選択制、隣接校行政区内選択制といいますけれども、もともと通学距離に対する不満の解消や児童や保護者が教育内容や部活動によって学校を選択できるという制度でございます。 導入した平成17年度から3ヵ年実施しました市立中学校1年生と保護者に対するアンケート調査においては、学校が選べるようになったこと、このことについておよそ8割の生徒と保護者が肯定的に捕らえていただいた回答を得ています。 その後平成20年度10月に実施しました希望申請時点でのアンケート結果も通学しやすさ、部活動教育活動を申請した主な理由として非常に好評を得ています。申請者数も今年の申請者数は1123人で、導入1年目の737人より386人増加をしております。 このように、本制度につきましては生徒や保護者から一定の評価を受けており、申請者数も増加し制度が定着をしていますことから当面は現行制度を継続して行きたいと考えております。 (藤井とし子議員) 保護者もアンケートでは評価しているということで続けたいというご答弁でしたけれども東京などでも、この制度を見直す、地域の子どもは地域で育つ、出来るだけ近いところに通うのが親も子どもも教育の主権者として、自分がいいところに飛びついていくのではなく、そこの自分の地域の学校を支える子ども達や保護者を育てるという意識がなければこの選択制は全く統廃合を進めるためだけの方法でしかないと思います。 この問題はいずれ詳しくまたやります。 上にもどる 少人数学級と習熟度別教育について (藤井とし子議員) 少人数教育と習熟度別教育と二つあるわけですけども、少人数教育については、来年は5年生と引き上げられてきてよく頑張っておられると思いますが、しかし中学校2年3年で習熟度別授業が行われていますね。 少人数教育についてはあらゆる所でいろんな評価がされていると思いますが、少人数教育の効果についてと習熟度別授業の現状についてまずお聞きします。 (企画課長) 少人数教育の効果について、委員ご指摘の通り、本市の少人数教育は児童生徒の発達段階や特性を踏まえまして、義務教育の9年間を見通した個に応じたきめ細かな指導をすすることによりまして、基本的な生活習慣の確立と基礎基本の学力の確実な定着を図り、個性や能力を伸長する教育の充実を図ることを目的としています。 学級集団を少人数化することにより、子ども一人ひとりに担任の目が行き届き、個に応じたきめ細かな指導が徹底できる子どもの多様性にこたえる教育活動を展開することによりまして、基本的な生活習慣の確立と基礎基本の学力の向上に効果が発揮できると考えております。 指導方法におきまして、学習内容や指導方法によってペアグル―プやこの字型の多様な学習形態を柔軟に取り入れたり、座席配置や活動スペースを工夫したり、具体物などの教材教具を用意して、活動させる時間や子供同士が話し合う時間十分確保するなど少人数教育のその改善する効果が上がってきております。 (指導第一課長) 中学校2年3年の習熟度別授業の現状についてお答えをします。 習熟度別授業は学校の実態や、児童生徒の一人ひとりの学習状況に応じた指導を行うものでございます。 個別指導やグループ別指導などすることで、学習内容の習熟の程度に応じて指導を効果的に行い、児童生徒に基礎基本を確実に身につけさせ、意欲や思考力、判断力、表現力など確かな学力をはぐくむことを目的として行っております。 今年度におきましては中学校2年3年生で一学級平均30人を超える42校の中に非常勤講師を措置しておりまして、国語、数学、英語の3教科のうち、学校の希望に応じて、教科を選びまして、習熟度別指導を実施している状況でございます。 (藤井とし子議員) 少人数教育が大変効果があるということで少人数学級を広げてきているわけですけども、中学校になっても、大変効果があるわけですから当然2年生3年生でも、十分少人数でやれば、きちんとした学力もつけられるということですよね、少人数学級を中学校2年3年生にも広げるということは考えていないと依然言われておりますが、その理由、なぜ少人数学級が中学校2年3年でできないのか、ということをもう一度お聞きします。 (教育企画課長) 昨年度から少人数学級の第一期段階的プランということで、少人数学級を導入させていただいております。 そのときにつくりました考え方といたしましては、基本的な生活習慣の確立と基礎基本の学力の確実な定着を図るためには基盤づくりの時期であります。小学校から優先的に少人数学級を進めていくことが効果的であると考えました。 ただ中学校におきましては、教科担任制や指導方法の違い、友人関係の変化に対応できないため、不登校やいじめが急増するということに対応する必要がある。このような考え方に基づきまして、第一期段階的プラン小学校1年生から中学校1年生までを35人以下学級として、少人数学級として推進してきております。 中学校2年、3年生につきましては、市川課長が説明しましたように、個に応じた習熟度別指導として対応している状況でございます。中学校2、3年生の少人数学級実施につきましては、教職員の定数改善計画あるいは、学区市区町村の学級編成にかかる権限の委譲、あるいは国の動向、本市の財政状況や児童生徒数の推移等、こういったことを踏まえますとともに、この第一期プランの成果と課題を踏まえたうえで、次期計画の検討課題と考えております。 (藤井とし子議員) 検討課題として、財政的なこともあることはわかるのですけれども、中学校2年生3年生だからこそ、人間関係をうまくやっていくためにも、一学級が少なくというのが私は一番いいとは思っておるんですけれども、検討課題ということなので、それは条件含めて是非検討していただきたいと思います。 一つだけお話したいのは、習熟度別というのは結局、よくできる、よくわかる子と、よくわからないことそれぞれ分けることですね。結局同じように生活していても、よくできるグループとできないグループに分けられることは、私は子どもたちが非常に傷つくことになると思うんですね。 同じ学級でありながら、そうやって分けられるという、実際、自分から選んで行くといわれるんですが、そういったできる、できないとされることが私は子どもの心を傷つけるという点で問題だと思います。 それで、私も習熟度別指導がどういうことかということを勉強いたしました。習熟度別指導は世界的には時代遅れだということがいわれています。フィンランドの教育が、よく検討されているわけですが、実はいま、学力テストが話題になっていますOECDの学力テストにおいて、2000年にされたものを、ちょっと紹介をしますと、大変興味深い検査結果があります。 PISAの調査は21世紀に必要とされるこういった読解力のリテラシー、数学リテラシーとか、科学リテラシーというのを設定して、各国の学力がどういうレベルにあるのか調査をした結果が出ました。その結果フインランドがダントツトップになったことはよく知られていますが、それ以外の、今まで高いと思われていたスイスやドイツが平均以下の惨憺たる成績だったということが世界でも話題になりました。 私もびっくりしましたが、これはどういうことかというと、この調査を分析してみると、こうした能力や進度によってコースに振り分けるトラッキングというのだそうですが、振り分ける教育をやっていた国が非常に低い成績だったというのです。 3分岐システムというのだそうですが、小学校の学業成績で、大学進学のためのエリート校、職業高校、それ以外の高校と3つにわけてしまって、ドイツやスイス、オーストリアはそういうふうにやってきたのだそうです。 そういうのがいいと学力上げるためにやってきたが、結局、フインランドより非常に低い下位の成績しか取れなかった。 これがPISAショックというのですけど、こういった報告がありました。 フインランドの教育はよく研究されていて、非常に関心も高いのですけれど、フインランドが成功したということは教育の平等を本当にしっかりやられてきた。だから、能力別というより、一人も落ちこぼさないという教育を徹底的にされて学びあい、競争の教育ではなくて、学びあい共同の学習を徹底した。 そうしたところで非常に参考になる教育だなと思ったわけです。 フインランドはヨーロッパの諸国のなかでも平等を尊重してきた国で、1970年以降こういう中等教育を総合化し、分ける教育を廃止して、最も積極的に取り組んだ国だそうです。私が言いたいのは、こういったフインランドの改革はその国のそれぞれの特徴がありますから、いちがいに比べるということはできないと思うのですが、一番参考になったのは、教師や教育に対して上からあれやれこれやれ統制をやらなくて、そういうのは大幅に緩和をして、教師の自由を拡大し、創造性を高める改革を推進したということです。 だから日本とは全く逆の改革をしてこういうことになったんです。今ひろしま型カリキュラムや2学期制など、どんどん広島市も改革をされているわけですが、それは、学校の先生が自由にやれるというよりもかえって、むしろ自由をなくしていくように思います。 広島だけのせいではないですが、国の方向もありますから、私は何が言いたいかといいますと、そういった能力で振り分けるような教育ではなくて、競争に頼らなくても、本当に学びあいの教育にして言っていただきたい。 不登校を生まない学校作り、学校拒否のどの子も学ぶ喜びを身につけるために、少人数学級こそ必要だと思うですが、検討課題だといわれましたが、是非、学校が楽しいといえる学校作りに努力していただきたいと思います。 上にもどる 学校適正配置計画について (藤井とし子議員) 今どこまで計画が進んでいるのか伺います。 (計画担当課長) 市立の小中学校の適正配置計画につきましては、本年3月に、広島市立適正配置あり方等あり方に関する検討協力者会議から報告を受けまして、それらを踏まえまして現在、児童生徒の今後の推移、受け入れ候補校との距離、受け入れ候補校における受け入れ余力の有無、少人数学級が進展した場合の必要教室数について調査検討しております。 今後、こうした結果に基づきまして、本年度中に適正配置計画を策定したいと考えております。 (藤井とし子議員) まだ、今検討されているところなのですが、市民としては自分の学校がどうなってしまうのかと、非常に関心が高いことなのですが、そういう点では市民に不安を与えている計画ですが、中でも、統廃合の対象となる学校は小学校で12学級、中学校で9学級と「学校適正配置のあり方を検討協力者会議」の報告の中でもありますが、この基準について、尊重するのか、基準についてはどのように考えておられるのか伺います。 (計画担当課長) 検討協力者会議の報告書では、児童生徒の学級という集団の中で様々な役割を体験させることや学習面や生活面で互いに切磋琢磨させることは教育指導上きわめて重要であり、児童生徒のコミュニケーション能力の向上のためにも、多くの友人や教員とのふれあいを持たせることが重要であるとしております。 またクラス替えは友人や教員との新たな出会いを通じて、新しい人間関係を構築する力を育てる新たな機会であるとしています。 こうしたことから、小学校につきましては一学年あたり2学級以上、一校あたり12学級以上、また中学校では、生徒の発達段階を踏まえますと、小学校時代よりさらに多くの友人とのかかわりを通じて、多様な価値観に触れさせ、切磋琢磨させることが必要であるために、1学年すくなくとも3学級以上、一校当たり、9学級以上が望ましいとしております。 さらに、一校あたり7学級以上あれば小学校は学級担任に加え、学級担任外の教員が配置されること。 また中学校では全教科の教員が配置可能になることから、教員配置の観点から適正配置を考えた場合でも、この学校規模が望ましい。 このような学校規模を確保することによりまして、選択教科または部活動においても、生徒の要望にこたえることが可能になると考えております。 (藤井とし子議員) 市もそのように考えているということでしょうか。 (計画担当課長) こちらの方の報告書を受けまして、その報告書の内容に対して、今検討をしておりますけれども基本的には尊重するという形になろうか思います。 (藤井とし子議員) ただ学級数だけで言っても、子どもの人数がいま35人ですけど、いずれまた変われば、学級数との関係で、なかなかはっきり流動的でよく見えないですけれども、これ以上少なくなると切磋琢磨できない、さまざまな体験が出来ない、コミュニュケーションが取れないというのは私は納得できない。小規模校は教育的にどこが問題なのかお答えください。 (計画担当課長) 学校が小規模化することによりまして、児童生徒が相互に刺激し合い切磋琢磨する機会が少なくなること、 また集団の中での児童生徒の役割や人間関係が一旦崩れると修復が難しい。 また教員の減少により選択教科や部活動等において生徒の要望に十分応えられなくなるなど、 多様な教育活動を行うことが難しくなり、児童生徒の集団生活と教員の指導体制の面などで問題が懸念されます。学校機能の弱まり、またひいては学校の活力の低下といった可能性があると考えています。 (藤井とし子議員) そういう見方もあるけれども、それがすべてではないと思います。小規模校でも子ども達が生き生きと地域でやっているところが沢山あるわけで、それは適正配置を進めるための言い訳にしか取れません。 小規模校で言えば、先ほどのフインランドでは小規模校でやっていますよ。 フインランドの教育は教育内容の水準を高め、生涯学び続ける基礎となる教養教育に力を注いでいる。フインランドでは5キロ通学区以内に学校を設立することが法律で規定されていて、小学校では全校の小学校の規模は60人程度の複式学級、それでも学力はしっかり上げることができるし、人間関係だって本当に豊かな人たちが育つわけですから、小規模だから教育的によくないとか教育的に問題だとかには絶対にならないと思うわけです。いろいろなやり方があると思います。 中高でも100名から200名程度ですし、学び方もプロジェクト型、グループ形式などコミュニュケーションを充実させた共同学習をやっているわけです。だから小規模だから教育力が悪いというのは統廃合を進めたいだけの発想だと思いますので、出来るだけ学校は地域の学校、地域の拠点だから、これは出来るだけ残すという立場で私はやっていただきたいと思っています。 もし統廃合されたら子ども達にどういった負担を与えるのかお伺いします。 (教育企画担当課長) 統廃合が子ども達に与える負担といたしましては、学区の拡大に伴いまして、通学距離が延長してまいります。 その通学途上の安全面などがあると思います。これらのことから学校の適正配置取り組みにあたりましては統廃合による児童生徒の負担軽減や通学路の安全確保等十分配慮してまいりたいと考えております。 (藤井とし子議員) 通学距離は、大変変化をするわけです。それと地域に活気がなくなる。このことはいろいろなところで聞きます。 教育委員会として、学校の役割、若い人が地域づくりを住めるまちづくりこそ必要だと思いますが教育委員会としてどのように考えておられるのか伺います。 (教育企画担当課長) 学校は地域活動の拠点となっていること、災害時の避難場所、また防災活動の拠点となっている地域と深く結びついていることは深く認識をしています。 一方におきまして、先ほど申し上げました学校が小規模化した場合の課題もございます。地域における学校の役割と教育面における課題の解消の両面から慎重に進めて行きたいと考えております。 学校適正配置につきましては保護者、地域住民、地域団体との十分な協議を重ねまして、その理解協力を得ながら進めてまいりたいと考えています。 (藤井とし子議員) やはり、適正化も国の改革です。統廃合をどんどん進めて、効率化ということで教育予算を削減が背景にありますので、一人ひとりの地域を大事にするという点で、強引にやらない、地元を尊重する、競争教育の見直し、学校統廃合についても検討し直していただきたい。これも要望しておきます。 上にもどる レンタルボックスについて 私どもの会派に、お母さんたちから、最近増えているレンタルボックスについて不安の声が届いています。駐車場の上に置かれた貸し倉庫なのですが、この写真は(写真を示しながら)佐伯区の木船交差点にあるレンタルボックスですが、通学路ぎりぎりのところまでボックスがおいてあり、子ども達はどう危険なのかわからないわけですけど、保護者から見たら、これがきちんと設定されているのかどうか、土台がどうなっているのか、もし地震などがあったら崩れることがあるのではないかという不安があるんですね。 聞くところによりますと、これらは建築基準法にも当たらない、なんら規制がないということです。これを運営している人の良心、良識に任せているわけですが、夜間も暗く、ここを通る子ども達が犯罪に引き込まれやすい視角になっている、ということでお母さんたちが心配されるのは当然だと思います。教育委員会として、危険なものが新たに出てきた場合、いろいろあると思うのですが、子ども達にどういったことを安全指導されているのかお聞きします。 (健康教育課学校安全対策担当課長) 通学路の安全確保については毎年、全小学校におきまして通学路の安全点検を実施し、区役所や関係機関と協議しながら通学路の安全対策をするとともに、必要に応じて通学路の見直しを行っています。 児童の安全教育といたしまして、児童が実際に学区内を歩きながら犯罪が発生しやすいといわれる入りやすく見えにくい場所など危険な箇所を点検しながら作成する安全意識啓発マップ作りを毎年、小学校の全クラスで実施しております。毎年繰り返し実施することで、危険を回避する能力や危機意識を高めることが出来ると考えております。 (藤井とし子議員) 子どもたちが年1回安全マップ作りをされているということで、それは大変よいことと思いますが、それで教育委員会としては、このような相談があったことに対してどのように考えているのかお聞きします。 (健康教育課学校安全対策担当課長) 民有地の危険箇所に関することでございますけれども、教育委員会といたしましてはまず子ども達に、民有地に入らないように、また危険な箇所には近づかないようにといった指導を徹底することが非常に大切だと考えております。 通学路に併設する民有地に危険箇所がある場合などにおきましては保護者や地域の方の協力を得ながらまた関係部署と協議しながら必要に応じて所有者等に協力をお願いしているところでございます。 (藤井とし子議員) 子どもの安全という心配から保護者の方からこういう相談があったわけですから、もう建築課の方では相談を受けて調査を始めるなどされていますので、教育委員会の方からも、建築課とも相談の上まず見ていただいて調査をしていただきたいということで私の質問を終わります。 上にもどる |
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