トップ議会情報・議員の発言2009年第1回2月定例会・予算特別委員会 議員発言 > 経環関係


2009年3月12日 予算特別委員会・経済環境関係 中森辰一議員の質問(大要)

中小企業融資について
企業立地促進補助事業について


中小企業融資について

(中森辰一議員)
 ご承知の通り、市内には沢山の事業所があって、昨年までの経営状況は色々あっても、今急速に厳しい状況が拡がっている。私どもは、市内の事業所が困難な中でも何とか存続をして、経営を続けていくことが出来るということが、大変大事であると考えている。
事業所が倒れると、従業員とその家族が路頭に迷う。それは生活保護制度を含めて様々な生活支援制度を行政として動員をしていくことになる。市内の事業所が経営をつないでいくために必要なことは、仕事があるということと、事業継続のための資金の融通ということがあるんではないかと思う。
 仕事の確保は、物品の発注にしても、公共事業にしても急いでいただくということと、地元の事業者に最大限、仕事が回るような工夫が必要であると考える。市民から集めた税金が市内に有効に還元されるようなことが必要だ。もちろん公平性と透明性は、これは前提の話である。なおかつ適正価格ということも含めて、よく目配りをお願いしたい。
もうひとつ資金の融通の問題が今日の質問だが、いわゆるセーフティネット保証というのがある。中小企業信用保険法第2条第4項の5号にあるが、要約すると、需要の著しい減少などにより、相当部分の事業活動に著しい支障を生じていると認められる業種として、経済産業大臣が指定するものであり、かつ、当該事業にかかる取引の数量の減少などのため、その経営の安定に支障を生じていると認められる事業所が対象、ということだ。
 昨日の答弁で、昨年10月末からで約3200件を市が認定をしたということが分かったが、この制度の利用には、売り上げの3%減少など業況が悪化しているという以外に、何か特別な条件があったか。

(地域産業支援課長)
 原材料価格高騰対応等緊急保証制度については、昨年10月31日から、制度が開始されている。この制度は、原油に加え原材料価格の高騰や仕入れ価格の高騰を(価格に)転嫁出来ない中小業者の資金繰りを支援するため、現行の制度、セーフティネット保証の抜本的な拡充・見直しを行なったものであって、これまでに3度の業種の追加指定を経て現在対象業者全体で760業種となっている。
 主な認定要件としては、まず国の認定業種760業種に該当していることと、最近3ヶ月間の平均売上高が前年同期のそれと比べて3%以上減少している、あるいは売り上げ原価に占める割合が20%以上を占める原油等の仕入れ価格が20%以上上昇しているにも関わらず、価格転嫁が出来ていない、もう一つは最近3か月間の平均売り上げ総利益率、又は、平均営業利益率が、前年同期のそれと比べて3%以上減少している、のいずれかに該当する方が、認定の要件となっている。

(中森辰一議員)
 要するに状況が悪化しているということが条件だと私は言ったんだから、それをあえてくり返して頂くことは無かった。市の担当窓口に対象の事業所だということを認定してもらって、信用保証協会に融資を申し込むことになっている。折角、市に認定してもらって、書類を信用保証協会に提出したのに、なかなか融資にならない、こういった声がある。市の認定書を持って融資を申し込んだけれども、融資はされない、というのがどの程度あるか。

(地域産業支援課長)
 認定を受けたそれぞれの中小企業の方が、実際に融資を受けられたかどうかは把握できないが、昨日ご紹介しましたように、広島市の認定件数が3177件であるが、同じ期間中に広島県の信用保証協会が当該保証制度に基づき保証承諾した件数は、広島市のみの件数・金額は集計されていないので、県全体の数値を紹介すると、5596件、保証金額は897億6700万円となっている。


(中森辰一議員)
 把握はしていないということだ。市の担当として、この融資で何とか経営をつないで欲しい、と思わないのかなと私は思う。制度を利用できなかったのはどうしてだろうか、どれだけあるんだろうか、こういう事を、広島市の中小企業の担当としては、把握する必要があるのではないかと思うがいかがか。

(地域産業支援課長)
 信用保証協会の保証承諾に当たっての具体的な審査基準等は内部資料の為、把握することは出来ないが、この制度の開始にあたり、中小企業庁長官から社団法人全国信用保証協会連合会会長に依頼がしてあって、その中でも、保証申請に際して形式的な事象のみで判断するのではなく、中小・小規模企業の経営実態や特性を十分にふまえた上で、債務の償還可能性を判断し、保証判断を行なうことなどを依頼している。本市としても同様な依頼をしていきたいと思っている。


(中森辰一議員)
 市として、困難に陥っている事業者の経営を支援したい、というふうにお考えであれば、個々に、うちが認定したのはどうだったかと、是非聞いていただきたいと思うし、やはり心配をするということが当然ではないかと思う。マツダ関連で仕事をして来られた事業所の方の声があるので紹介する。
「経営が悪化しているのは、我々の責任ではない。個人の力ではどうしょうもない。辛い、眠れない、やめたい。昨年8月頃まで、厳しいながらも、仕事は順調であった。9月以降仕事がパタッと止まって、60%の受注減。従業員14人の生活を考えると、やめてもらうわけにもいかず、労働時間を減らして仕事を回している。同業者の中には、すでに廃業に踏み切った人もいるけれども、セーフティネット補償を使って、なんとかしのぎたい。本音を言えばもう廃業したい。しかし、借入金の返済や従業員の事を考えると、やめることも出来ない。先の見えないのが一番辛い。」
ということだ。倒産防止を目的にこの制度がつくられたと思う。保証協会の方は、あまり従来と変わらないような感覚なのかわからないが、前向きな経営の先行きを示せないと融資を断ってしまう。先行きがはっきりしない困難な状態だからこそこの制度があるんではないかと思う。
例えば、今、マツダ関連の事業者の方の声を紹介したが、つい最近まで、景気がいいと言っていたのに、突然減産だと発注が激減した。これは、マツダへの依存が高い企業ほど困難な状況になっていると思うが、マツダ本社が先行きをまだ示せてない、こういう状況の中で、関連の企業がどう先行きを示せるんだろうかと思う。経営のあり方の転換ということもあると思うが、融資してもらったら一息つける。その間に、市が、どの様にして立ち直って行くのか、色々な形での支援をしていくということが出来ると思う。
 そのためにも、制度が利用できる対象である、認定したら頑張りたいというところは、基本的には100%融資を受けられるように、保証協会にやってもらう、取り組んでもらうということが必要だ。この点で、是非、これは強く保証協会の方に働きかけをする必要があるのではないかと思うが、改めてその姿勢を問う。

(地域産業支援課長)
 セーフティネット保証の業種拡大が始った一昨年12月から同制度が開始する前の昨年10月までの11ヶ月、広島県全体のセーフティネット保証の保証承諾は月平均の件数で約91件、保証金額で12億2千万円となっている。これと比べて、緊急保証制度開始後の月平均は、1399件、約224億4200万円で、件数で約15倍、金額で18倍と大幅な伸びとなっている。
 本市としても、市内中小企業が出来るだけ、保証協会の保証が受けられるように、あるいは、返済の、延長をはじめとする上限緩和について、柔軟に対応するように中小企業の金融の円滑化について、機会ある毎に保証協会に対して要請してきていて、この度の年度末の資金需要期に合わせて、経済局長自ら保証協会に出向き、要請を行なった。今後とも、セーフティネット保証の有効活用が十分図られ、中小企業にとって使い安い易いものとなるよう金融機関及び保証協会と連携し対応していく。


(中森辰一議員)
 認定書をもらいに来られた企業に、連絡先を出来れば聞いて、どうだったかということを聞くことは出来ると思う。そういったふうな形で中小企業に対して、市として心配してますよと、そういう姿勢を示していくということも必要だと思う。是非この点は強い姿勢を市として持っていただきたい。

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企業立地促進補助事業について

(中森辰一議員)
 もう一点、企業立地促進補助事業というのが来年度予算にあるが、平成17年に始って、実際に補助金が支出されたのは、2年後の19年から。目的は雇用創出と産業集積だということだ。来年度分からは雇用奨励金の単価を1人当たり年額30万円から60万円に引き上げるというふうにしているが、実際この制度が適用されるようになって、どれだけ新規雇用があったのか。

(産業立地推進課長)
 本市では、平成17年度より、産業の集積と雇用の創出を図るため、同立地促進補助制度を制定し、市域内の企業誘致を積極的に推進している。この補助制度による支援内容の1つとして、企業立地に伴い新規で労働者を雇用した企業に対し、雇用奨励金を支給しているが、これまでに新規に雇用されたのは、5企業で59人となっている。


(中森辰一議員)
 59人ということだ。17・18・19年、実績が何年かある。その中で59人ということだ。
経済的に有利な条件を示しての企業誘致は、慎重であるべきだと考えている。例えば、今の制度でも、西風新都への立地を非常に優遇するような施策にもなっているというふうに思うが、企業に来て貰うために、ここは巨額の投資をしてきた。これからも沢山の借金返済をやっていかなければならないし、引き続き大きな投資をして基盤整備もやっていく必要があるところだ。これだけの巨額の投資をしてきたのに、補助金を出さないと企業が来てくれないというのでは困るなと思っている。
 それにしても、こういう制度は、今日の雇用状況を考えると、広島市全体の雇用拡大に出来るだけ資する、そういうものにして頂きたいと思っている。今、紹介もあったが、この補助事業は、建設や設備投資に対する補助と3年間ないし5年間の税金の免除と雇用奨励金を1年間だけ出すという3つの施策になっている。雇用奨励金は、今の数字を聞いても、年間予算の中で、たぶん1%、2%ではないかと思う。
 雇用創出ということが、1つの柱になっている割には少ないんではないか。全体で来年度は19の会社に対して5億9千万円を支払うことになっているが、今後この規模は大きくなっていくのかどうかわからないが、せっかく税金を使うわけで、この制度を雇用拡大をもっと重視したものに組み替えられないかと思うがいかがか。

(産業立地推進課長)
 先ほどご指摘がありましたように、この制度は建物・機械設備等に対する補助金と固定資産税など税相当額の補助金また新規雇用の労働者に対する雇用奨励金の三種類ある。三種類のメニューの補助金の制度は、他の自治体では、例えば、建物・機械設備などの補助・税相当額の補助のみ、あるいは、雇用奨励金をプラスしたものが一般的な中、本市の補助制度は十分競争力があるものと考えている。
 これに加えて、この度、昨年来の急激な世界的な景気後退と雇用情勢の悪化を受けて経済危機対策の一環として、この度企業立地促進補助制度の雇用奨励金について、1人当たりの支給単価を30万円から60万円に引き上げるとともに、これまで支給対象外であった土地・建物の賃借の経費についても新たに支給対象としている。この結果、政令指定都市の中では、1人当たりの支給単価は最も高額となり、企業にとっても、これまで以上に雇用を増やしやすい制度となっている。今後とも、厳しい経済情勢の中、産業の集積と雇用の促進を図るため現行の3種類の補助制度と補助内容を持つ企業立地促進補助制度を有効に活用しながら企業誘致活動に取り組みたいと考えている。


(中森辰一議員)
 今回、30万円から60万円に引き上げるのはいいことだと思う。しかし、それ位でいいのかなと疑問に思ったので今回の質問をしている。
 西風新都に来てくれる企業もそれ以外の所に進出する企業も、自分の事業にとって、何よりも立地条件が良くて、そこで事業をやることに将来性がある、というふうにそれぞれの会社が考えたから進出して来られたと思う。もちろんPRの効果もある。たかだか3年間程度税金を負けて貰うから、立地条件が良い、こういうことではないと思う。もっと人を増やして、思いきった事業をしようかと考えて貰えるような、そういう制度を工夫してみたらどうかと思ったので、今回の質問をした。この点は重ねて検討を求めておきたい。

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