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2009年2月26日 本会議 皆川けいし議員の2008年度関連議案に対する討論 |
第132号 2008年度一般会計補正予算(第4号)について 第139号 2008年度介護保険事業特別会計補正予算(第2号)について 第144号 介護従事者処遇改善臨時特例交付金基金条例の制定について 第156号 2008年度一般会計補正予算(第5号)について |
日本共産党市議団を代表して討論を行います。 132号、139号、144号、156号の4議案には、意見を付して賛成、その他の議案には賛成です。以下、意見を述べます。 第132号 2008年度一般会計補正予算(第4号)について 今回の補正予算の柱は、国から臨時に交付される5億7千万円の国民の貴重な税金を、地域の緊急経済対策として、いかに有効に活用するかということでした。 私どもは、底が抜けたといわれるほど経済が危機的状況のなかで、今こそ、家計を直接暖め、地元の中小企業を直接支援するためにこそ使ってほしいと願っておりました。結果は、総額5億7,350万円の交付金のうち、4億4千万円は「公共施設の耐震化」「アスベスト対策」「消防庁舎の整備」「学校等の地上デジタル放送対策」などの「安全・安心対策」に回され、残り1億3千万円は、「マツダ車の購入」に充てられ、家計や中小企業を直接支援するメニューが何もないことを非常に残念に思います。 もともとこの臨時交付金は、その名前にもあるように「地域活性化」と「生活対策」という二つの分野で、あとは地方自治体の裁量で使えるようになっているものです。特に「生活対策」のメニューでは、「介護従事者の処遇改善と人材確保」「出産・子育て支援の拡充」「障害者支援の拡充」「医療対策」等、例示までされているのに、なんらこの分野に振り向けられなかったのはなぜでしょうか。委員会でこの点を尋ねましたが、はっきりした答弁はありませんでした。 もう一点は、この交付金の23%に当たる1億3千万円をマツダ車の購入に充てている点です。「自動車産業が地域経済に占める割合が大きい。クルマを発注することは、中小企業の支援にもつながり、波及効果も期待できる」、また「地元産品を購入しようというアナウンス効果もある」という説明でした。 しかし、大切な臨時交付金の2割以上を車の購入に使って、果たしてどれだけの効果があるのか、極めて疑問です。 委員会審議のなかで、2億円の波及効果は、単に机上で電卓でたたいただけで、2次、3次下請けが今どういう実態にあるのか、またマツダが、今後円高対策として、海外からの部品調達をさらに拡大していく方針を打ち出しているなかで、わずか120台の車の発注で、どれだけ下請けが潤うのか、慎重な検討をしたうえでの決定とは思えません。初めにマツダ車購入ありきだったのではないかという印象は拭えません。「税金を一私企業のために使っていいのか」という市民の疑問に答えるためにも、今後しっかりとした検証が必要です。 因みに、広島と同様、自動車産業が大きなウエートを占めている愛知県下では、税金を使ってトヨタ車購入を決めた自治体は一つもありません。 ここまでしてマツダを応援するのなら、この際、従業員の雇用の確保と下請業者の支援に全力をあげるようマツダ本社に市長として申し入れるべきだということを重ねて要請するものです。 上にもどる 第139号 2008年度介護保険事業特別会計補正予算(第2号)について 次に、第139号議案、介護保険事業特別会計補正予算ですが、当局の報告によると、現在の保険料に値上げされて以降、平成17年度で38億円、18年度で42億円、19年度で42億円、今回の20年度で32億円と、合わせて154億円も給付費を余らせています。 私たちが実施した介護事業者へのアンケートにも、いくつも声が上がっていましたが、利用者のために必要だと考えてサービスを行ったのに、「不適正」だとして収入を取り上げられていくなかで、事業者やケアマネージャーが萎縮して、本来できるサービスもしないようになっている、その結果、利用者が必要なサービスを受けられず困っているといった苦情がたくさんありました。 また広島市では、要介護認定が他都市に比べても非常に厳しいといった声もあります。その結果、巨額の不要額が出ているのではないか。剰余金が出て、保険料の引き下げにつながると喜んでいるわけにはいかない問題が、政府の介護給付費抑制政策の流れに乗ったような現在の事業運営にあるのではないかと考えます。 介護保険は介護の社会化だと、ばら色のイメージが振りまかれましたが、実態は家族介護が前提になっていて、介護に追われて働くこともできず、収入の道を失うなど、貧困化の要因にもなっています。 国では、介護度をより軽くする認定制度の見直しが行われようとしていますが、介護保険が本当に頼りになる制度になるために、使いやすい制度になっているかどうか、現場や利用者の声をよく聞いて、少しでも利用者本位の制度になるように、広島市行政には努力していただきたい。 上にもどる 第144号 介護従事者処遇改善臨時特例交付金基金条例の制定について この基金は、国が介護従事者の給料が1人当たり2万円上がると打ち上げて、3%の介護報酬引き上げが行われることになり、それが保険料引き上げに繋がらないようにと設置されるものです。 しかし、本当に介護従事者の給料が2万円引き上げられるかといえば、そうはならないという声のほうが圧倒的です。全産業の平均からは10万円も低いと言われる低賃金と、非正規の従事者が多いことで、やっと成り立っているのが今の介護保険制度ではないでしょうか。こんなことでは、利用者にとっても事業者にとっても明るい展望はありません。今回の介護報酬改定でよしとせず、政府に要望することも含め、市として介護従事者の待遇改善を政策化する必要がありますし、その為に独自に調査する必要があります。 上にもどる 第156号 2008年度一般会計補正予算(第5号)について これは悪名高い定額給付金関連議案です。国の補正予算が成立した後の世論調査でも、例えば2月10日の読売新聞紙上でも、国民の75%は、この制度を「評価しない」と答えています。現金収入があるのにこれだけの批判があるのは、この制度が究極のばらまき、選挙対策だと見抜いているからです。 3年後には消費税増税だという方針と一つになって「ばらまき一瞬、増税一生」はごめんだと見抜いているわけです。2兆円のお金があれば、社会保障やガソリン暫定税率の廃止や消費税の食料品非課税など、もっと知恵を出して有効な使い道があるだろうと思っています。 この自民党・公明党の政治と国民との矛盾は、海外でも有名になっており、一昨日、麻生総理の訪米を報じた地元ワシントンポスト紙も「歴代総理大臣の中で一番失言の多い、また一番人気の無い総理大臣、特に定額給付金は国民から軽蔑されている」と報じています。私どもは国会がこの国民の声に応えて、徹底審議し、撤回すべきだと考えていますが、それでも与党が3分の2で押し切ったときに、それでも広島市では受け取れませんということにはできませんし、制度には反対だが決まった以上は受け取るというのが、多くの国民の割り切れない気持ちである以上、その権利まで奪うことはできません。 よって忸怩(じくじ)たる思いでこの議案は認めはしますが、数の力で多くの国民にこのような思いを押し付け、自治体の職員にも、短期間で莫大な作業を押し付けている国民不在の政治を一刻も早く変えるために、全力をあげる決意を表明しまして、討論を終わります。 上にもどる |
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