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2009年3月26日 本会議 皆川けいし議員の2009年度関連議案に対する討論 |
(以下、発言順) 【反対】 第1号 一般会計予算修正案(球場跡地利用計画の具体化検討経費削除)について 【意見を付して賛成】 第1号 一般会計予算(修正除く原案)について 【修正案に反対、原案に賛成】 第55号 地球温暖化対策等推進条例の制定について 【反対】 第38号 市役所駐車場条例の制定について 【賛成】 第39号 職員の勤務時間、休暇等に関する条例の一部改正について 【反対】 第13号 競輪事業特別会計予算について 第18号 開発事業特別会計について 第76号 広島高速道路公社定款の変更にかかる同意について 【意見を付して賛成】 第10号 後期高齢者医療事業特別会計予算について 第12号 国民健康保険事業特別会計予算について 第29号ほか20議案(指定管理者制度の利用料金制度の拡大)について 最後に3号被爆者訴訟判決について |
日本共産党市会議員団を代表して議案に対する討論を行います。 ただいま委員長報告にありました、第1号修正案には反対、原案に意見を付して賛成、第55号修正案には反対、原案に賛成、第38号に反対、第39号に賛成します。 その他の議案は、第13号、第18号、第76号には反対です。第10号、第12号、第29号から第34号、第36号、第37号、第45号、第47号、第49号、第53号、第56号、第60号、第61号、第63号から第68号には意見を付して賛成します。残りの議案には賛成します。 以下、その理由を述べます。 【反対】 第1号 一般会計予算修正案(球場跡地利用計画の具体化検討経費削除)について この修正案は、「現在の利用計画は周辺関係者等の理解が得られていない」として、「利用計画を再考」し、「周辺関係者等の理解と合意を得たうえで検討を進めるべき」との理由で利用計画の検討にかかる経費を削減するものです。これは、これまでの跡地利用についての時間をかけた討論を踏まえない極めて唐突な修正案です。 跡地利用については、これまで行政も議会も時間と労力をかけ何回となく討論を重ね、また、市民意見も何回も公募してコンペも行い、商工会議所の意見も尊重してやっと利用計画が固まったばかりです。 その利用計画を、さらに周辺関係者等の意見も聞きながら今から具体化していこうという矢先に、待ったをかけて「もう一度、白紙からやり直せ」というのは、これまで積み重ねてきた議論を一切否定する、あまりにもひどい提案だと思います。 利用計画が気にくわないというのであれば、これまでも「待った」をかける機会はいくらでもありましたし、具体的な提案を示す時間もあったはずです。そういうこともせず、土壇場で白紙に戻せというのは誰が考えても多数による横暴です。 「周辺関係者等の理解が得られていない」ということを白紙撤回の最大の理由とするのであれば、保護者の圧倒的多数の理解が得られていない「保育園の民間移管」こそ白紙撤回を求めるべきです。 現球場跡地については色々意見があるかもしれませんが、わが党は、現球場跡地問題についてのこれまでの議論の積み重ねの結果を尊重し、周辺関係者の皆さんの意向も反映され、さらにより良いものとなるよう望むものであります。 よって第1号修正案には反対です。 上にもどる 【意見を付して賛成】 第1号 一般会計予算(修正除く原案)について 急激な景気の悪化と雇用の破壊が行われ、市民生活と地域経済をめぐって深刻な状況が続いている中で、新年度予算では市民生活を守り、地域経済を守る努力がどれくらいされているのか。 まず、歳入の確保という点では、税収減を補うために、これまで努力して積み立ててきた基金を活用してほぼ前年度並みの歳入を確保した努力を評価したいと思います。とりわけ土地開発基金の活用は、かねてからわが党市議団も主張してきたことです。 歳出では、市民福祉に直結する民生費が前年度当初より33億円増の1353億円で24.5%を占め、決して十分とは言えませんが、厳しい経済情勢の下で、とにかく福祉の後退だけは食い止めた点も評価できます。 土木費は前年度より44億円減の1044億円で18.9%となっています。このなかには不要不急の高速道路や広島駅前再開発、国直轄事業負担金などが相変わらず大きな部分を占めており、これら不要不急の事業への予算配分は「なお問題あり」と言わざるを得ません。 中小企業支援という点では、国の政策と一体となった金融対策に重点が置かれていますが、中小業者の実態を踏まえた「きめ細かな対策」が少ないと思います。従来からわが党が求めている「小規模事業者の公共事業の受注機会」を思い切って増やす取り組みや、他都市で効果を上げている「住宅リフォーム助成制度」の創設、商店街の活性化への思い切った援助など、実態を踏まえたきめ細かな支援策にさらに取り組まれることを求めます。 さらに市民生活に関わる問題では、「家庭ごみの有料化」を見送ったこと、また市営住宅について階段式中層住宅へのエレベーター設置や浴槽の設置、民間住宅耐震診断への補助増額、小中学校へのクーラー設置、発達障害児への乳幼児医療費補助の拡大、基金を取り崩しての介護保険料の減額、循環バスの検討等々、障害児、子ども、高齢者、住宅、環境、教育など各分野で市民要求に応えた新しい予算が組まれていることを評価したいと思います。 ただし、何回も言いますが、保護者の反対を押し切って公立保育園の民間移管への準備予算を組んだことは、これまで述べてきた前向きの予算に汚点を残すものです。まだ、民間移管は決まったわけではありません。今後とも民間移管を進める国の圧力に屈せず、保護者、子ども第一という立場に立って、保護者の声に十分耳を傾け、昨日も述べましたように全国に誇る広島の保育水準を守り、先人たちの努力を踏みにじるようなことだけはやらないでいただきたいと強く求めておきます。 上にもどる 【修正案に反対、原案に賛成】 第55号 地球温暖化対策等推進条例の制定について 昨日の予算特別委員会での討論でも述べましたように、この修正案は条例の最も核心部分を骨抜きにするものです。 いま、食の安全から建物の安全まで、市民生活を守る上で安全、安心が重要なキーワードとなっています。「地球温暖化対策」はその最大のキーワードであり、いずれ近い将来、温暖化対策に真剣に取り組んでいるかどうかということが、全ての分野で価値判断の重要な基準になることはまちがいありません。 温暖化対策に真剣に取り組まない企業は遅かれ早かれ世論によって淘汰される、そういう時代にすでに入っているということを私たちは認識する必要があります。 この点に関して、昨日の私の討論に対して一部誤解があるようですので、一言申し添えておきます。私は、「保育」など公務、公共部門に「利潤追求」原理を持ち込むべきではないと言いましたが、それはここに利潤追求が持ち込まれたら、それこそ公平、公正という行政の最も基本的な原則と相いれないからです。 他方、消費者の動向を中心に成り立っている市場経済では、消費者の動向に合わないものは淘汰されてゆくのが市場経済の法則です。この違いを混同されないように申し添えておきます。 市内の二酸化炭素を減らすうえで1つのネックとなっているのはオフィスと家庭です。この部門の二酸化炭素を減らすうえで、マンション業者を含む建築業界の社会的責任は極めて大きいのです。ここが努力しないと実質的な効果は上がりません。 マンション業者が住宅を販売する時に、自分たちの取り組みが知られたらまずいから「公表したくない」というような後ろ向きの姿勢で、どうして温暖化対策が進むでしょうか。しかも、建築物は寿命が長いのです。いったん建てたら50年間は建て替えできません。ですから建てる時に対策をとっておかなくては間に合いません。 繰り返しますが、今は温暖化対策に取り組むこと自体が大きなビジネスになり、そうした流れが新しい雇用の拡大につながり景気の活性化につながる、そういう時代にわれわれは立っているということです。 温暖化防止条例は、そうした新しい時代に挑戦する第一歩となる条例です。この最初の一歩を踏み外してはなりません。 私は昨日の予算特別委員会の採決を見て、この場であえて言いたい。こうした地球温暖化対策の先頭に立つべき、国の環境大臣を輩出している公明党の皆さん方が、この骨抜きの修正案に賛成されたことは驚きであります。そういうことでは、「環境が泣く」「大臣が泣く」のではありませんか。 今からでも間に合います。昨日、修正案に賛成された方々も、もう一度心を入れ替えて、満場一致で原案を可決されるよう心からよびかけます。 上にもどる 【反対】 第38号 市役所駐車場条例の制定について 市役所に用務で来る人に、あえて負担を求めるのは納得できませんので反対です。 上にもどる 【賛成】 第39号 職員の勤務時間、休暇等に関する条例の一部改正について 市職員の時短については賛成です。わが党は人事院勧告を絶対視する立場には立ちませんが、元々、この勧告は公務員から憲法で保障された労働基本権を奪った代償措置として設けられたもので、本来、公務員といえども労働者であり、憲法に保障された労働基本権は認められなければなりません。 ILOから日本政府に対し、公務員に労働基本権を認めるよう何回も勧告が出されていることからみても日本は遅れています。 わが党は、公務員は「全体の奉仕者」であるという立場を尊重しながら、同時に労働者としての基本的な権利が守られるべきであるという立場をとっています。代償措置として設けられた人事院の勧告は、その時代の社会的、政治的状況によって常に二面性を持っています。歴史的に見ても、公務員の賃金や労働条件を抑えることで、民間労働者全体の賃金や労働条件を抑えるテコの役割を果たしてきました。しかし、もう一面では民間労働者の進んだ水準に公務員の労働条件を引き上げるという役割も、不十分ながら果たしてきました。 今回の時短は、まさにそういう数少ない人事院勧告の民主的機能が活かされたものです。公務員だから条例主義をとっていますが、労働時間というのは労働者の権利の最も重要な部分であり、本来なら労使の交渉で決めるものです。議会の意思でなんでもできるというものではありません。 「景気が悪い時に公務員だけ時短をすべきじゃない」との声も聞かれます。確かに民間の労働者が置かれている状況は深刻です。長時間労働や賃金カット、果ては倒産による失業も増えています。しかし、最も基本的な「労働時間」という点では1年前も今も変わっていないはずです。もっと言えば、景気が悪いときだからこそ労働者の生活は守られるべきです。 「市民の理解は得られていない」と言いますが、市民の多くは公務員も含めて「働く者の権利」が守られることを強く望んでいるはずです。あえて公務員と民間労働者を対決させ、公務員バッシングに手を貸すことは、結局、労働者全体の労働条件を改善することでなく低めることにしかなりません。 よって、広島市でも全国の多くの公務員と同様の労働時間が保障されるよう、同議案の可決を強く求めます。 上にもどる 【反対】 第13号 競輪事業特別会計予算について 公営ギャンブルは、戦後の財政難の時期に財源捻出のため必要悪として設けられたものです。自治体がギャンブルを奨励することは法的にも許されないことであり、これ以上続けるべきではありません。雇用対策をとった上で一日も早く廃止すべきです。 上にもどる 【反対】 第18号 開発事業特別会計について これは西部開発事業など、市民の税金を投入して得られた収入ですから、使途を開発事業に限定すべきではありません。財政が厳しい一般会計に繰り入れ、一般財源化すべきです。 上にもどる 【反対】 第76号 広島高速道路公社定款の変更にかかる同意について これは高速道路公社に、県、市の出資金をさらにつぎ込むというものです。昨日の討論でも述べたように、公社がこれまでやってきた工事がいかにずさんなものか、そしてその結果、市の財政に莫大な負担を与えてきたことは大問題です。公社はいまだにその責任を明らかにしていません。 しかも、包括外部監査結果報告でも「このまま事業計画を見直さなかったら、将来の採算割れは必至」であると指摘されています。 わが党はこうした観点に立って、今一度、将来を見据えて高速道路事業を根本から見直すべきだと考えます。よって、安易な公社への出資には反対です。 上にもどる 【意見を付して賛成】 第10号 後期高齢者医療事業特別会計予算について 全国の高齢者が怒りの声を挙げた後期高齢者医療制度は、保険料について何度かの手直しが行われましたが、なお深刻な矛盾が進行しつつあります。 広島市では、普通徴収の方のうち5%から7%の方が長期の滞納になっていて、およそ千五百人程度の方が資格証明書の対象になると思われます。最も医療の必要度が高い75歳以上の高齢者が資格証明書になれば、深刻な事態は避けられず、手遅れで死亡するなどの事態を引き起こす可能性が極めて大きくなります。 政府も広域連合も機械的な発行はしないと述べていますが、高齢者たちに実際に接する市として、滞納者の生活の実情を十分把握し、国保への対応と同様、実情がつかめないうちは資格証明書が発行されることがないように要請しておきます。 上にもどる 【意見を付して賛成】 第12号 国民健康保険事業特別会計予算について 来年度も給付費が増える見込みであることを理由に、保険料を引き上げることになっています。しかし、不況の深刻化の中で、今年度より来年度のほうが収入が減少する世帯が増えるのではないかと思われます。そうした中で、給付費が増えるとは言え、機械的に保険料を引き上げてしまうのは柔軟性にかける姿勢だと言わねばなりません。 とりわけ、低所得世帯の場合、可処分所得が生活費ギリギリであるだけに、その影響は大きいと考えられます。低所得世帯が利用できる申請減免制度がない中で、高い保険料を負担するしかない状況です。 国民健康保険制度は社会保障制度の柱の一つです。新たな滞納者を生まないためにも、機械的な保険料引き上げをしないことと、低所得世帯の所得にふさわしい保険料となるような独自の保険料減免制度をつくることを求めておきます。 上にもどる 【意見を付して賛成】 第29号ほか20議案(指定管理者制度の利用料金制度の拡大)について これらはいずれも指定管理者制度に「利用料金制度」を大幅に適用するものです。利用料金制度の適用はこれまで14施設であったものを、今回一気に112施設に拡大するというものです。 この利用料金制度は、管理者の努力で利用料金収入が増えれば、市の設定した目標を超える部分が管理者の収入になるという仕組みです。 問題は、市が設定する目標の妥当性、公平性が問われるということです。管理者の立場でなく、あくまで利用する市民の立場に立つこと、利潤追求のために市民サービスが影響を受けることのないよう、慎重に対応されることを求めます。 上にもどる 最後に3号被爆者訴訟判決について 最後に、市長に一言お願いしておきたい。 昨日、3号被爆者の手帳交付をめぐる訴訟で「市の処分は間違い」だという画期的な判決が出されました。 3号被爆の手帳申請については、「1日10人以上」の救護、看護が条件となっており、その条件を満たさないということでこれまで多くの方が涙をのんできました。今回の判決は、この「1日10人以上」という広島市の基準は「十分な精査をしないまま導入した基準」であるとして、処分の取り消しを命じました。また、「内部被ばくなど最新の科学的知見を考慮すれば、相応の時間、留まったという事実があれば身体に放射線の影響を受けたことを否定できない」とも述べています。 国は、3号被爆の基準は「それぞれの自治体で決めること」と言っています。そうであるなら、広島市がこの判決を真摯に受け止めて控訴をせず、長崎市にもない「1日10人以上」という基準を改めるべきです。 今回訴えた7人の方だけでなく、これまで申請を却下された方々の気持ちをくんで控訴しないよう強く求めておきます。 上にもどる |
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