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2009年3月13日 予算特別委員会・消防上下水道関係 中原ひろみ議員の質問(大要) |
個人浄化槽について 西部水資源再生センターの維持管理包括委託業務 合流式下水道の改善 水道局現業所付属住宅について |
個人浄化槽について (中原ひろみ議員) 下水道局が発行されている事業概要のなかには、市民が健康で安全かつ快適な生活を送る上で必要不可決な都市基盤整備として4つの役割が書かれてある。まず第1に、周辺環境の改善、2つめがトイレの水洗化、3つ、浸水の防御、4つ、公共用水域水質保全。どれも重要な仕事だが、今日はトイレの水洗化ということでお尋ねします。広島市における水洗化の状況はどの程度進んでいますか。 (管理課普及促進担当課長) 平成19年度、2007年度末現在の市街化区域内の状況では、処理区域内の世帯数が48万2569世帯です。その内、水洗化をされている世帯は45万8520世帯です。水洗化率は95%ということでございます。従いまして、未水洗化の世帯は2万4049世帯です。 (中原ひろみ議員) 2万4千世帯がまだ、未水洗になっているということだが、監査の指摘でも、広島市は95%の普及率だが、全国平均の93%は上回っているけれども、政令市平均が97.5%ですから政令市平均には届いていないということで、積極的に水洗化を進める必要があるとの指摘がされている。水洗化が進まない要因として、監査は、下水道の未整備があるというわけですが、市域内での下水道の未整備はどのくらいあるのか。 (普及促進担当課長) 公共下水道に接続せずに、くみ取り便所や個人の浄化槽が、そのままの状態である数ですが、公共下水道に接続せずに、くみ取り便所の世帯が8060世帯、浄化槽のままの世帯が1万5989世帯、浄化槽の基数で言いますと、9641基となっております。 (中原ひろみ議員) 95%の整備率ということですから、逆算すると、大体、2千ヘクタールくらいが未整備ということになる。水洗化はされているものの、公共下水道につないでない水洗トイレは9641基、1万5千世帯ということです。この接続していない水洗トイレで未接続期間の一番長い期間はどれくらいの事例があるのか。 (普及促進担当課長) 下水道の供用開始後10年以上経過し、なお公共下水道へ接続していない浄化槽、これが、38.7%を占めています。 (中原ひろみ議員) 10年以上の未接続の世帯が38.7%あるという事ですが、どんな理由で接続がされていないのでしょうか。接続するためには、沢山の費用がかかるということも未接続の理由だと聞いていますが、どの様に分析されていますか。 (普及促進担当課長) 主な理由は、公共下水道に接続するための、浄化槽の撤去や排水設備の工事に必要な資金がない、2番目に、家屋が老朽化して、改造してもしかたが無い、3番目として、家賃や下水道使用料の新たな負担が生じる為に借家人が工事を承諾しない。 (中原ひろみ議員) 下水道法の10条には、公共下水道が普及して3年以内には水洗化して本管に接続しなさいという義務づけもあるわけです。いろんな事情があるにしても、積極的に進めて行かなくてはいけないと思いますが、その辺のご認識はどうでしょうか (普及促進担当課長) 法律ではそういうふうになっています。その法律の精神に基づいて、一生懸命頑張っております。 (中原ひろみ議員) 頑張っていらっしゃるということですが、どの様に具体的に頑張っていらっしゃるのか、事例を挙げてください。 (普及促進担当課長) やはり、整備された下水道を、1日も早く利用してもらうことが大切なので、公衆衛生の向上とか公共水域の汚濁防止が是非とも必要である。下水には普及相談員いうのがおります。その相談員が各個別の訪問をしまして、パンフレットを持って、接続してもらうように、そういうふうなPRを行なっております。留守の家庭が多い、そういう時には、日曜日に出て、PRに行っております。今後とも続けていこうと思っています。 (中原ひろみ議員) 日曜日も出かけて、普及に努めておられということ、大変なご苦労があるという風に伺いましたけれども、そういう日曜日も出かけて頑張っていらっしゃるわけですが、成果は上がっていますか (普及促進担当課長) 実際に普及に回られた方に、話を聞きますと、ポストにPRを入れておくよりも、面と向かってお話ししながらすれば、心が通じるということがある、親しくなると、それじゃと言うのがあるらしいです。やはりハートの問題だと思う。 (中原ひろみ議員) すばらしい御答弁だったと思います。心のふれあいということでしょう。17年度が9941、18年度が6410、19年度が12000世帯ということで、年々水洗化も解消され、普及相談員の皆さんの多大なご努力が実っているという風に伺っていますが、9600基ほど、未接続が残っており、これは早急に接続をしていただかなくてはなりません。この未接続が一度に解消された場合、使用料はどれ位増えるということになるでしょうか。 (管理課長) 平成19年度、2007年度末の、公共下水道への未接続の浄化槽世帯1万5989世帯がすべて接続された場合、一般家庭の1世帯1基、2ヶ月分ですが、平均排出量実績が31?、試算しますと1年間で約2億6千万円の収入増となります。 (中原ひろみ議員) 平均的な使用料で計算すると、水洗化未接続を解消しただけで、2億6千万円くらい使用料金が増えるということです。これは、大きな使用料収入だと思います。例えば、21年度の下水道局の予算説明書では、一般会計からの補助金として5億ほど、繰り入れがされております。未接続の水洗トイレを解消すれば、一般会計の繰入額の半分くらいが、使用料として入ってくることになります。一般会計からの繰り入れが少なくなれば、予算を福祉や教育に回せます。ということで、引き続き普及相談員のみなさんのご努力をお願いしたいと思います。 上にもどる 西部水資源再生センターの維持管理包括委託業務 (中原ひろみ議員) つぎに、西部水資源再生センターの包括民間委託業務についてお尋ねします。西部水資源再生サンターはパンフレットに寄りますと、市内で最大の下水処理場です。1日の処理能力は、27万8千?で、北部・西部の地域の処理を担当している。処理水量は市内の半分をまかなっているということで、たいへん大きな処理施設です。 ここの包括民間外部委託が18年度から始まりました。平成18年度から3カ年、平成20年までの包括的民間委託で、市の予定価格は34億6100万円でしたが、入札額は29億円ということで、5億円も低い価格で、ビオリアウオ−タージャパンという、フランスの企業を代表構成員とする共同企業体が落札しています。 最初の契約期間が満了し、次の21年度から23年度までの2回目の契約となる入札が先般行なわれましたが、今度は、予定価格33億7200万円に対して入札額は33億3000万円ということで、最初1回目の入札より今年度の方が、予定価格と近いところで落札をしています。 今回は、株式会社九州設備公社とビオリアウオータージャパンを構成員に含む共同企業体ということで落札されています。同じ西部水資源再生センターの包括的民間外部委託業務で、1回目と2回目の入札価格が4億も5億もの金額で変わるのか、これはなぜなのか、市の分析をおたずねしたい。 (西部水資源再生センター管理担当課長) 前回の落札価格の結果については、包括外部監査の報告書にもありますように、落札業者の受注意欲が高かったことが一因だと考えられます。今回は、今後3年間を見据えた予定価格の範囲内で落札したものと思われるとしか、今言いようがありません。 (中原ひろみ議員) 監査もそのように述べておりますが、監査は予定価格にまだ改善の余地があるのではないかということを指摘しています。最初は29億円で入札できたのだから、常にこれ位の価格を予定価格にすべきではないかということだと私は思いますが、下水道局としては、この監査の指摘は当然で、下水道局の最初の見積もりが甘かったと思われているのかお答え願います。見積もりの改善の余地があるのですか。 (管理担当課長) その時々の適正な価格で予定価格を作成してまいったと思っております。前回の状況を考え、今回21年度から23年度の今回の委託業務の積算に於いては、前回の履行実績の内容を検討・分析し、清掃業務、樹木管理業務など、数年契約化や保守管理業務の人員配置の見直しを、3年間の実績を見まして、行ないまして、業務の効率を図り経費を削減いたしました。 (中原ひろみ議員) 少しは、改善の余地もあったと言うことでしょうが、2回目の入札の33億円程度が、本当は妥当な委託価格だと思うわけです。第1回目の29億円があまりにも低い価格だと、言わざるを得ないわけです。 なぜかというと、このビオリアは、監査も指摘しておりますけれども、日本国内では、埼玉県と広島市の2カ所しか、下水道事業の仕事をしていません。この会社は、フランスに本社がありますが、全世界を股にかけて企業を買収しては、関連企業と業務提携をして、どんどん利益を上げるという会社です。 だから、非常に低い価格で入札しても、人を減らし、低賃金で働かせて、なんとかなるわけです。こういう企業が、広島市の西部水資源再生センターで、いつまでも業務を請け負う事は、いかがなものかなと言わざるを得ないわけです。それで聞きますが、今回の落札した九州設備公社の従業員数と前回の入札の時の従業員数では変化がありますか。 (管理担当課長) いま現在、53名で業務委託を行なっていますが、次回からは54名で行なう予定であるというふうに聞いております。 (中原ひろみ議員) ビオリア時は53名だったけれども、今回は1名プラスして、その上に、1人サポートをつけるということで、55人だと理解しています。ですから、ビオリアの時と今回の九州設備さんでは2名の増員になります。いかにビオリアが、広島市の下水道局の所管する西部水資源再生センターを落札したいが為に、予定価格よりも5億円も低い価格で、意識的に入札し、無理を承知で少ない人数で業務行っていたのだろうと思わざるを得ません。 先ほど、価格改善の余地があるとおっしゃったが、この33億円当たりが限界だろうと思うわけです。市内には6つの水資源再生センターがありますが、西部水資源再生センターは規模が大きいですから、ここで事故が起こると、大変な事になり市の責任も問われるわけです。ですから、単に価格の競争だけでなく、危機管理体制は十分か、そのための人材はきちんといるのか、など働く人の生活も加味した適正価格で、入札価格を見積もって頂きたいと思うわけですが、どの様にお考えですか。 (管理担当課長) 危機管理体制についてですか。委託業務を適正に管理する為には、維持管理業者の 水準以上の技術力を本市職員が有して居ることが不可欠でございます。これまで蓄積した、われわれの知識・技術をもとに、日常の維持管理業務における職場レベルにおける実地検証や職員相互の情報交換会などを通じて技術の検証に努めて参っております。また、危機管理に関しましては、汚水送水管事故や油流入事故に対するマニュアルを作成し受託者を含めた研修や訓練を実施しております。 (中原ひろみ議員) 訓練もされているようですが、委託前と後では、市の職員数に変化はありましたか。 (管理担当課長) 前回、18年導入前の時には、14人おりました。現在では11名の市の職員で対応しております。 (中原ひろみ議員) 市の職員も3人も減っているわけです。以前の14人が過大で無駄な人数だったというわけではなく、3名の人達が少なくなった分は、民間委託の方がやっていらっしゃるのかもしれませんが、市の施設としての技術の継承や、何かあったときの危機管理体制がきちっと出来るような人員配置が必要だと思いますが、局長いかがですか。 (下水道局長) 技術継承とか危機管理とかは、これは、ライフラインと言いましても、下水の場合は、目立たないわけですけれど、職員一同頑張って行きます (中原ひろみ議員) 適正な価格での入札をお願いしたいと思います。 上にもどる 合流式下水道の改善 (中原ひろみ議員) 次に、合流式下水道の改善についてお聞きします。下水道局が作成している下水道ビジョンの中には、5つの課題があると書かれています。その1つが、合流式下水道の改善です。雨天時に下水道処理場の処理能力を超える雨が降った場合は、汚水が混じった雨水が未処理で直接に公共用水池に放流される。衛生上の問題があると指摘されています。これは放置すればどんなことになるのか、改めてお聞きします (計画調整課計画担当課長) 公共水域の公衆衛生上の、あるいは水質保全の問題が考えられます。 (中原ひろみ議員) 水質悪化、衛生上の問題があると言うことですから、改善が必要な、大きな仕事だと思いますが、この合流式下水道というのは、どれ位あるのか。どれ位の雨量で、未処理で公共用水域に放流されてしまうのか、年間の放流回数も教えて下さい。 (計画担当課長) 区域について、昭和26年度、1951年度〜昭和36年度 1961年度までの、早期に整備着手しました、中心市街地約2600fを放流式下水道で整備し、対象とする処理場といたしましては、千田処理区、江波処理区、旭町処理区、大州処理区でございまして、処理場は千田水資源再生センター、江波水資源再生センター、旭町水資源再生センター、大州水資源再生センターの4つの水資源再生センターでございます。降雨量については、概ね1日当たり10ミリ程度の降雨でポンプ場から放流しています。年間での回数ですが、放流回数は年平均で40回程度です。 (中原ひろみ議員) 1日に10ミリ程度がどれ位なのか、ザーザー降りなのか、よく分かりませんが、とにかく、年間40回程度はあるということですから、その地域にお住まいの方は大変であり改善が必要だと思うわけですが、今後の計画はどのようになっているのですか。 (計画担当課長) 千田処理区、約510fあります。その内の約半分程度が受け持つ1万2600トンの雨水採水地を、平成元年、1989年から供用しています。お尋ねの今後の計画について、江波雨水採水地と千田雨水採水地の増設分を平成24年度、2012年度、宇品雨水採水地を平成25年度、2013年度、大州雨水採水地を平成26年度、2014年度の供用を目指し進めています。これらを整備することにより、約1600fの改善が図られることになります。なお、対象区域すべての改善を、平成35年度、2023年度末までには、終える事としています。 (中原ひろみ議員) 35年度までには、すべての地区の改善を終えるということですけれども、これにはかなりの費用がかりますが、これを下水道の値上げにつなげないで欲しい、というのが私の言いたいことなのです。合流式下水道を改善するというのは、必要な事業ですが、安直にすぐ料金ということにしないでほしいということを要望しておきます。 上にもどる 水道局現業所付属住宅について (中原ひろみ議員) 最後に、水道局の現業付属住宅についてお聞きします。現業付属住宅がなぜ必要なのか、お聞きします。 (水道局計画課長) 水道局では、落雷等によるポンプ設備の故障や大雨のよる取水口の閉鎖や油流出による河川の汚染など時間外における災害や事故に対し迅速に対応するため現業所付属住宅を設置しています。 (中原ひろみ議員) 雷とか災害などが原因で故障が発生した時に、すぐ駆けつけて臨戦態勢を整える、緊急事態における、初動体制を確保するといううえで、たいへん必要な施設だと思うわけですが、21戸の附属住宅の半分くらいしか入居していないという実態があることを、20年10月8日の資料で頂いていますが、附属住宅に入居者がいない理由は何ですか。 (計画課長) 現業所付属住宅につきまして、当初設置したときに、ポンプ所等の維持管理を行なうということで、ただちに利用出来るような住宅を配置していましたが、通信機器の改善や生活環境の改善などに寄りまして、付属住宅の入居が減少したものと考えています。 (中原ひろみ議員) それだけですか。施設が老朽化が影響しているのではないですか。どうですか。 (設備担当部長) 老朽化して入りにくい、直接的には、当然、決算の時にはご答弁申上げたんですが、日頃、局がやっていくこと、入居者がやっていく事で区分しています。中で、やはり入居者が少ない。入居しないということで、住民が生活していない住宅にありがちな実態になって 従いまして、先ほど計画課長が申しましたように、近年アパートが比較的入居し易い、一般の状況にもなっておりますし、職員のライフスタイルが変化したと言う部分が一番大きな原因と思っております。 (中原ひろみ議員) 21年度は住宅の改修予算は全く付いていないんですか。 (計画課長) 平成21年度、2009年度につきましては、緑井浄水場・高陽浄水場及び、高陽取水場に配置してあります現業所付属住宅、計8戸につきまして、引き続き、現業所付属住宅として使用するために必要な修繕を行なうことにしており、事業費は1530万円を計上しております。 (中原ひろみ議員) 8戸を1530万円の予算で修繕するということですけれども、ここの8世帯は今、すでに入っていらっしゃる住居なんでしょうか。 (計画課長) この8世帯につきましては、内、2世帯は入居済みでして、残り6世帯については、現在空いている住宅でございます。 (中原ひろみ議員) ということは、6世帯については、今空いているけれども、何らか必要な修繕をして、入って貰えるような、必要な整備をしようということで理解していいですか。それで、今年度は、いくらか付いていましたか。 (計画課長) 今年度につきましては、牛田浄水場の現業所付属住宅を改修するということで 250万円を予算計上しておりました。 (中原ひろみ議員) 今年度は、250万円、新年度は1530万円ということですから、6倍くらいの予算ということになるわけですが、これは、必要な施設改修であり、結構だと思うんですが、入居者がいない6つの住宅については、技師さんに入居していただかないと、予算をかけて修理した意味がなくなってしまいます。入居していただくための、職員への働きかけはどの様になさるのか、確認をさせてください。 (計画課長) 現業所付属住宅は、緊急の初動体制を確保するということで、その役割は重要であるということで、今後も必要である。入居率を高める為には、現在入居資格がある職員に対して、入居希望調査を実施すると共に、住宅の改修を行なっていくということで考えております。今後は現業所付属住宅の設置目的というものを十分発揮出来るよう、検討を引き続きしていきたいと考えています。 (中原ひろみ議員) 現業附属住宅に入居すれば水道局の職員さんは、家賃は要らないけれども、事故に対応するために、常に待機しておくという制約を受けるので、それも大変な仕事です。水道をひねったら自然に水が出るような感覚ですが、その裏には、職員さんのご苦労があるということも市民のみなさんにアピールして、縁の下で支える職員さんの社会的地位の向上を図ることもお考え頂きたいと思います。 上にもどる |
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