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2009年2月26日 予算特別委員会・文教関係 中原ひろみ議員の質問(大要) |
食育、栄養士配置について クーラーについて 特別支援学校での(痰の吸引など)医療的ケアについて 児童館トイレ整備について 留守家庭子ども会指導員 |
食育、栄養士配置について (中原ひろみ議員) ファーストフード、コンビニで24時間、いつでも手軽に好きな食事を買う社会の変化の中で、「好きなものしか食べない」「食べられない」子どもが増えている。NHKスペシャルは、「家庭の食卓は今」という番組で、「朝はラーメンとハンバーガー」「夕食はカップ焼きそばとコンビニおにぎり、炭酸飲料」という「食の異変」を報道し、「未来を担う子どもの食がこれでいいのか」と警鐘をならした。 このような味覚異常、栄養は度外視で、「単に空腹を満たすだけの食」は、子どもの体力・集中力を奪い、生活習慣病の原因にもつながらざるを得ず、国も「食」がおろそかにされている日本社会に危機感をもち、今一度、原点に立ち戻って「食」のあり方を見直す時だと、平成17年、食育基本法を制定した。広島市も食育基本法を受けて、平成20年3月に4年間の食育推進計画を策定された。市の食育推進計画のなかの「学校における食育の推進」という項目には次のような内容が書かれてあります。 ・小学校・中学校への栄養教諭の配置などの食に関する指導体制の充実 ・ 学校給食を生きた教材として、一層活用できるよう献立内容の充実 ・ 地場産物の活用などを推進するほか食物アレルギーなどに対応する取り組みを進めます。 と、きちんと明示してあります。たいへん結構な基本計画・推進計画であろうと思います。問題はこれを「絵に書いた餅」にせず、具体的に進めていくのか、ここに教育委員会が大きな力を発揮する責任があります。そこで、お聞きしますが、国の食育基本法を受けて、広島市がこれまで行なってきた学校給食・食育と比較して、見落としていたこと、改めて重要性を胸に刻まれた点は何でしょうか (給食保健課長) いま委員が言われた通り、食育推進計画の中に、細かくは記載させていただいていますが、児童・生徒が生きていく力、その基礎となる食育というものを、自分の力として、自分の体のなかに身につけていく、今日午前中に、山田先生も言われたが、出来れば自分で朝食が作れて食べられる、簡単に申しますと、そういう力を身につけさせたいと言うことです。 (中原ひろみ議員) 「食べることは生きること」「生きていくうえでの基本」としての食教育を教育の中心に位置付けることか大切だと思います。小学生は10年もすれば親になる可能性もあり、食教育の取組は日本の未来を左右する大問題でもあるからです。 知育・徳育・体育の基本、土台になるのが食育であり、ここをおろそかにする教育は成功しないと考えるものです。そのためには、食育推進計画に掲げられている施策を実践していくことが大切です。20年度と比べて来年度は、食教育をどのように具体的に進めていかれるのですか? (給食保健課長) 食育を推進していくには、地道な取り組みが必要。各学校において、食に関する指導の目標を定めて、校長先生のリーダーシップのもと、食育推進担当者を中心にしまして食に関する指導内容の整理を行なうとともに、食に関する指導の全体計画を及び年間指導計画を策定し、計画的・体系的に指導しているところです。本年度は、各小中学校におきまして、食育を推進する中心的な役割を果します食育推進担当者の養成研修会を開催しますと共に校長のリーダーシップ研修、あるいは新規採用6年目・11年目の経験者研修、また、学校栄養職員と養護教諭の合同研修会等、職員が共通認識のもと、学校における食育が推進出来るよう研修会を開催いたしました。来年度も引き続き同様の研修会を開催し、食育推進体制の充実に努めたいと考えております。また、本市には、現在3名の栄養教諭が配置されておりますが、その栄養教諭が配置されている中学校区を含む6中学校区におきまして、19年・20年度の2カ年で食育推進のモデル事業を実施されております。具体的には、小学校・中学校の食に関する指導の連続性の確保や家庭・地域への効果的な普及・啓発などについて検討を行ないましたが、この成果を研修会や食に関する指導の手引きなどで、他の中学校区にも普及させることによって全ての学校において一定の水準の食育が推進されるように来年度も努めて参りたいと考えております。 (中原ひろみ議員) 今年度に開催された「食育推進担当者会議」では、どんな意見が出されたのか。 19・20年度で実施された食育推進モデル事業における効果と課題について分析されていれば教えてください。 (給食保健課長) 2ヶ年の食育推進モデル地域で行ないました成果を、今まとめておるところです。6校のデリバリー地域中学校、調理形態がデリバリーとか自校とかセンターとかございます。それぞれに2つの中学校区を選び、その中学校区に於いて連携を図って、どのように食育が進められるか、また栄養職員が配置されていない学校もあるので、中学校区の中でどうやって連携を取ってそれを進めていくか。というのを3つの観点から検討いたしています。1つは、先ほど言いました、小中学校の食に関する指導の連続性の確保をどのようにしていくか。もう1つは、学校給食におきまして、地場産物の活用促進についてどのようなことが出来るか。3つが、家庭地域への効果的な啓発・普及をどのようにやるか、この3つがそれぞれの地域で検討されております。その検討結果については、年3回「食育だより」というものを発行しております。小中・特別支援学校全校の各児童・生徒に配布。この中で、例えば皆実小学校では、ついこの前、行ないました、農林水産振興センターと協力しまして、仁保で採れる「わかめ」を給食に取り入れて行なったということとか、伴中の中学校区、小学校も含めて、地元の「さんばいさん」という郷土料理を統一献立から外れた独自献立として実施したとか。そういうようなことを地道にやっていまして、それをこういう形で家庭に伝えていく。そういう事をやっています。課題は、一様に挙げられていたのは、学校における食育を するためには校長先生のリーダーシップと学校の体制整備が必要である。継続的な研修というのが課題としてあげられています。 (中原ひろみ議員) モデル事業や担当者会議で出された「校長のリーダーシップの発揮」「校内体制の整備」「栄養士さんが一人でしゃかりきになってもできない」などの意見を正面に受け止めて解決するには、やはり、食の専門家の配置が必要である。栄養士の配置現状と配置基準はどうなっているのか? 公立学校204校のなかで、栄養士がいない学校数、全校配置するには、何人の栄養士が必要となるのか? 経費はいくら必要となるのか? (調整担当課長) 栄養教諭の定数は、法律があります。公立義務教育諸学校の学級編成及び教職員定数の標準に関する法律、この法律に基づく県からの指示を受けて配置することになっています。現時点では75人います。その配置基準は、4つの区分があり、1つは学校に給食調理場を設置しており、自校調理の小中学校で、児童・生徒数が550人以上の学校に1人。550人未満の学校については、栄養職員等の地域的配置状況などを勘案して、概ね4校に1人。特別支援学校に1人。給食センター、これは給食を受ける児童・生徒の数に応じて1人ないし2人を配置。 小中学校の数が204校で、さきほどの配置基準で、小学校・中学校に配置している数が64。204から64を引くと140校です。140校に現在栄養職員が配置されていない。かりに、140校に学校栄養職員を配置すると、コストは、色んな試算がありますが、1つの試算ということで答弁すると、学校栄養職員の人件費、これは、年間給与と期末勤勉手当・事業主負担も含めた学校栄養職員の人件費の平均をとりますと、1人約740万円になります。740万円の140人分ということになりますと、年間10億3600万円が必要という試算になります。 (中原ひろみ議員) 140校に栄養士がいないという状況で、どうやって食育を進めるのか、疑問です。 栄養士がいない学校ではこれらの食育推進業務は担任の教諭や保健室の養護教諭がやられてきたときいている。これでは、さきほどの食育推進基本計画はまさしく「絵に書いた餅」になりつつあるのではないかと危惧をせずにはおれないわけです。 教師は教科に専念すべきです。先ほどから、教育基本法が変わり、授業時間数は増える、さらに、10年ごとに免許状を更新しないといけないということで、先生達は今以上におおきなストレスも受けるし、課題も多くなる。そのうえ、「食育も担当せよ」というのは難しい話でやはり、専門家を配置するのが、基本だと思う。 学級担任は、日々の授業、学級経営、校務で忙しい。「食育の推進」が重要だと思っても,新たな取り組みを行う時間の余裕がない。食の専門家である栄養士の増員こそ食育推進の本気さをはかるバロメーターである。と考えるが、市は栄養士の増員についてどのように認識されているか? (給食保健課長) 栄養士の加配の場合、さきほどありました、各教師が食育を進めるというところまで、関わるのは難しいではないかということですが、実は、先ほども申しましたように食育を進めるのは、学校長をリーダーとしまして学校教育活動全体で進めるというふうに申しました。それはどういう事かというと、ここに食に関する指導の手引きという、昨年度作りました、小学校バージョンですが、今年度、これに中学校バージョンを足そうとしています。ここに実は、各教科でございます、例えば家庭科とか理科・あと道徳・総合的な学習の時間、これらを使ってどのように、食と関連づけた指導を子どもにしていくか、この様な事が大切であろう。もう一つは、給食時間をいきた教材として活用する。この2つを合わせて学校教育活動全般でやっていくという考え方が1つまずあるというふうにご理解いただきたい。もう一つですが、先ほど140校栄養士がいないと言うことですが、これは、細かく申しますと、調理方式別に言わないと話が難しくなる。デリバリー給食を、今43の中学校がやっております。学校給食センターから配達しているのが38校です。この2つを140から引きますと、自校調理校というところになる。ここが59人、配置されていない学校がある。皆さまもご承知の通り、学校における栄養士の主な業務につきましては、献立の作成や学校給食施設の衛生管理などの学校給食管理及び食に関する指導、大きく言うと、この2つでございます。食に関する指導の充実及び食物アレルギー対応を適切に行なうためには、栄養士による調理員への調理指示や学校給食を教材として活用するなど、多様な指導を児童・生徒に適切に行なう必要があるというふうには考えています。 (中原ひろみ議員) 栄養士の加配が必要だと考えているのか、必要はないと考えているのか、答えていただければいいんです。栄養士が少ない、言い訳をしているかのような答弁は、聞きたくない。必要なのか、不必要なのか、答えてください。 (給食保健課長) 栄養士の配置につきましては、食育推進計画の中にも、栄養教諭配置促進による指導体制の充実というふうにしております。栄養士は県費負担の教職員で、県の基準により配置されていることから現状では栄養士の未配置校において食育やアレルギー対応を促進するため栄養士が勤務校以外も担当する複数校担当制の導入をおこなうことが必要であると考えています。現在教育委員会の関係部課長・学校長・学校栄養職員代表等で構成します学校栄養職員等担当校検討会議を設置いたしまして、実施に向けて具体的な検討を行なっております。 (中原ひろみ議員) 栄養士は必要だと言いながら、増員はせず、今の栄養士に勤務外の学校を担当させる「複数担当制」でつじつまを合わせるやり方では、「食育が教育の基本」「生きる基本」になりえない。 栄養士さんから届けられた手紙を読みます。複数校担当について書かれてあります。 「自分の勤務校だけでなく、食に関心を持って貰えるのは栄養士として嬉しいことです。声がかかれば、どんなに忙しくても、時間をかけて準備して学校にはいきたい。しかし、学校によっては、栄養士に来て貰ったら、もうそれで良い、それで食育の推進は済んだと考えていらっしゃる場合があって、食育の推進を重要視していない学校にいって指導するのは、とてもむなしい」 「食に関することは個人差が大きく実態に応じた指導が重要なのに、児童生徒の実態がわからないところへ行って、指導することは大変難しい」 「アレルギー対応として除去食を実施しているが、除去食の人数や食品の種類によっては、調理に手間がかかり栄養士が除去食の調理を行っている。大規模校では栄養士がいても対応できず、学校により対応に差がでて、保護者の不満になっている」 このような栄養士の苦労や悩みを解決することを一番にしなければならないと考えるが、市はどのように受け止められるか。 食教育の選任である栄養士を加配しなくては、時間外をさらに増やすだけで、栄養士に過重な負担をかけて、食育の成果につながらないのではないか。 (給食保健課長) 栄養士は県費職員です。食育を進めていくためには、栄養教諭がその中核をなす存在である。教育委員会議とか県内の教育長会議でありますとか、そういうところで、機会に及びまして、県のほうには再三再四要望しております。 (中原ひろみ議員) 県の来年度の予算はひどい。食育推進事業に関わっては、昨年から300万円減額、これは全く相成らんと思いますが、こういう状況ですから、ちょっと言ったくらいでは、痛くもかゆくもありません。広島県には、大胆に栄養士を加配し食育を重視せよと求めていただきたい。知育・体育・徳育の基本である食育を、生きる力の基本として身につけようと言うときに、学校を掛け持ちさせたり、担当をつけずに、校長のリーダーシップや養護の先生に責任をなすりつけるのでは、ダメなんだという立場にたって、栄養教諭の増員を求めたいと思います。 上にもどる クーラーについて (中原ひろみ議員) クーラー設置について要望をしておきます。クーラー設置後はメンテナンスも必要です。故障もします。昨日の答弁では、クーラーを子どもに洗わせるとか、担当の教諭にやらせるなどの話がありましたが、そんな事はやめていただきたい。クーラーは施設ですから、これは家電メーカーや、学校がある地域の電気屋さんと、きちんと保守・点検・修理の契約をし、そこの地域の業者さんが学校に来て、定期的に点検する、そんな形にしていただきたい。このクーラーが、町の電気屋さん、とりわけ電機業界というか、その人達の新たな仕事の場となるように、ご配慮願います。 上にもどる 特別支援学校での(痰の吸引など)医療的ケアについて (中原ひろみ議員) 医療的ケアについては、昨年の文教委員会で質問し、看護師さんの医療的ケアに従事する時間が1日4時間では足りないということを言いました。今年度は、それをどの様に拡充していただいたのか聞きします。 (教職員課長) 医療的ケアでございます。特別支援学校には、痰の吸引や管を通して食事を摂る経管栄養、あるいは、排尿を管を通して行なう導入といった医療的ケアを必要とする児童・生徒が在籍している事から、平成14年度から、看護師を委託・派遣する事業を行なってきております。こうした結果を踏まえまして、特別支援学校自立支援事業として、看護師を配置し主治医や学校との連携を図りながら、医療的ケアを含む自立活動の支援を行なってきたところです。昨年度、 議員の方から、看護師の1日の勤務時間のご指摘がございました。今年度は、医療的ケアを必要とする児童・生徒が13名在籍していまして、二人の看護師が、それぞれ1日4時間勤務し、こうして、児童・生徒の支援に当たってきていましたが、21年度につきましては、こうした医療的ケアを必要とする児童・生徒の支援がより一層充実するように、看護師の1日の勤務時間を4時間から6時間に増やせるよう予算を計上している。 上にもどる 児童館トイレ整備 (中原ひろみ議員) 児童館の整備についてです。これは早急に未整備館を整備することが求められますが、新たな問題として、男の子のトイレと女の子のトイレが同じドアの中にある、つまり、男女一緒のトイレになっている児童館があります。先ほどから、子どもの権利条例の話がありましたが、子どもだとしても、プライバシイは守られなければなりません。恥ずかしさもあって当然ですから、きちんと間仕切りがある、男女別のトイレにすべきですが、男女の区切りの無い児童館がどれ位あるのか。答弁いただきたい。 (放課後対策課長) 児童館のトイレが男女別になっておらず、プライバシイの侵害がある児童館が何館あるか、結果はどうなっているかということですが、現在103館ある児童館の内、トイレが男女別になっていない児童館は94館あります。平成14年度、2002年度、以降に整備している児童館は、男女別のトイレとしております。既設の男女別への改修については、財政上の問題があり、早急な対応は困難な場合もあると思いますが、児童館は小・中学生が利用できる施設であり、児童・生徒の成長上区別することは必要であると考えます。このため今後児童館の利用状態を調査し、利用状況を調査し、カーテンやパーテーションの設置等を検討していきたいと考えています。 上にもどる 留守家庭子ども会指導員 (中原ひろみ議員) 昨年の予算特別委員会で、児童館のない小規模の留守家庭では、指導員さんが1名しかいないため、お休みしたくても、誰か自分の代わりに臨時指導員で来てもらう人を自分で探さなきゃ休めないという大変さを訴えたと思います。これについては、今年度では改善されるのか御答弁ください。 (放課後対策課長) 小規模の留守家庭子ども会の、複数体制を求めての改善は出来たかと言うことですが、現在、平均的な出席児童数が20人未満の留守家庭子ども会においては、小規模クラスとして、正規の指導員1名と臨時の指導員1名の2名で運営しています。従来から、夏休みなどの学校休業日については、開設時間が長く、指導員が交代勤務となるため、児童館の無い単独留守家庭子ども会で、臨時指導員2名のみで運営する時間帯がありました。このため関係者とも協議を重ねた結果、平成21年度から、来年度から単独留守家庭子ども会において正規の指導員2名体制で運営できるよう、予算を計上させていただいているところです。 上にもどる |
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