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2009年3月12日 予算特別委員会・経済環境関係 藤井とし子議員の質問(大要)

資源循環のまちづくり
新規就農者支援事業について


資源循環のまちづくり

(藤井とし子議員)
 ごみ減量は市の大きな課題となっております。今年1月に市議団として家庭ごみの有料化についての市内8区に4万世帯に緊急市民アンケートに取り組みました。わずか2週間で2500人から回答が寄せられ、有料化については73%の人が反対であり、その理由で一番多かったのが不法投棄が増えること。これ以上の負担はやめてほしいという切実な声が高齢者だけでなく子育て世帯からもたくさん意見が寄せられました。
 2月議会本会議で、市長はごみ減量対策は家庭ごみ有料化ではなく、まずは、市民、事業者、行政が一体となった全市的な運動としてごみ減量を進めていくことが重要であると判断し、また市長は全国のモデル都市となる環境先進都市をめざす答弁されました。その決断と姿勢に大いに期待するものです。
 ごみ減量化を成功するかどうかは、市民の理解と協力が得られる施策であるかどうかにかかっています。来年度の予算では資源循環型社会を目指して、様々な事業が上げられています。基本はゴミの発生を抑制しリサイクル率を上げることだと思います。
 私たち会派はこれまでも、たびたび、ゴミ処理経費の削減と環境のためにも現在焼却されているごみ量そのものを削減することが必要だと訴えてきました。
1つは新聞雑誌以外の雑紙、はがき大の紙も資源ごみに出す習慣をつける。アンケートでも3割の人が知らなかったと応えています。事業所含めて徹底させることが必要です。
2つ目は可燃ごみの4割を占める生ごみです。「生ゴミは資源だから焼却しない」を常識にする必要がある。家庭からでる生ごみを堆肥にし、農業に利用できようにする資源循環システムを検討する。そのためには資源循環型のまちづくりの推進を市民と環境と農業、教育関係者が一体となって連携してすすめることが求められていると思います。そういった立場で質問します。
 市が進められている事業で環境にやさしい農業の推進事業がありますが、土づくりと化学肥料、農薬の低減を一体的に行う生産方式の技術研究、普及啓発を行うことを目的とするとある。どういった技術研究がすすめられているのかその到達点教えていただきたい。

(農政課長)
 環境にやさしい農業の推進の取り組みでございます。この事業につきましては、環境に負荷を与える化学肥料・あるいは農薬、これらを軽減する栽培方法の検討に取り組んで参りました。具体的には、これまであまり活用されていませんでした街路・公園等の樹木の剪定 、食堂などの食べ物の残渣、これらの未利用の有機資源を堆肥として活用する取り組みです。また、肥料を適正に使用するための土壌検査の推進、また農薬に変わるものとしまして、あるいは、軽減する資材として、害虫の交尾を攪乱するためのフェロモン剤の使用、また、ハウス内に害虫の侵入を防ぐための寒冷紗、言い換えますと、きめの細かいネットのようなもの。こういうものを活用しまして色んな取り組みをやって参りました。これらと併行しまして、化学肥料や農薬を一定量軽減する栽培マニュアルの検討も進めて参りました。これまで、化学肥料・農薬を2割以上カットする栽培マニュアル、これは、エコファ−マーの基準をクリアーするものですが、この栽培マニュアル、広島そだち栽培指針、34品目について作成したところです。この栽培に沿った生産農家の育成、あるいは、エコファーマーの育成に努めているところで、これを平成27年度、2015年度までに500戸育成するというふうにしております。


(藤井とし子議員)
農業は土作りといわれますが、化学肥料依存の農業は環境に対してどういった負荷を与えると考えられるのか。

(農政課長)
 化学肥料依存型の農業では、土壌中の有機物が減少するため、それをエサとする土壌生物が衰弱、その結果、土が硬くなり、作物が根を張りにくい状態となります。そのため十分な成育が出来ず、収穫量が減ってしまいます。また、化学肥料が過剰投入されますと、肥料成分が河川や地下水などに流れ込み、環境を汚染することなどが考えられます。

(藤井とし子議員)
 環境にも負荷を与えると言うことですが、1992年ブラジルで地球サミットが行なわれて、持続可能な農業ということで、色んな話もされているが、その中で専門家も言われていますが、日本の土は死んでいる、土が硬くなる、ミミズがいない、農地の養分のバランスが壊れている。病気が多発するとか、それを生き返らせるために何が必要かというと、専門家など皆さんが言われているのも、有機物を農地に投入すること、日本の農地を持続可能なものにするためにも、生ものの堆肥は大変有効であると指摘されている。有機肥料として、生ゴミ堆肥の有効性をどの様に考えているのか教えてください。

(農政課長)
 先ほども申上げました環境にやさしい農業の取り組みのなかで、現在、市役所本庁16階の食堂残渣の生ゴミを生ゴミ堆肥として、農家の圃場で試験利用しております。平成19年度、2007年度、3211s製造しまして栽培上問題のないことを確認しております。こうしたことから、良質の生ゴミ堆肥であれば農業利用は問題ないと考えております。


(藤井とし子議員)
 農業利用には問題ないということですね。課題もあると思いますが、あるとすれば。

(環境政策課長)
 家庭から出る生ゴミ対策について、ご説明いたします。生ゴミの活用につきましては、平成17年度、2006年度から19年度、2008年度まで広島市家庭系生ゴミリサイクル研究社(?)こちらで、リサイクルモデル実験を実施いたしました。課題として挙がってきましたのは、電動生ゴミ処理機、これで出来た生成物の成分分析を行ないました。堆肥としての需要は可能でしたが、ビニール片や貝殻、鶏の骨など処理機では処理できない物が入って、異物が入っていました。取り除きが必要であること、また、実際、土に入れたときに、臭いがするため、鳥獣が寄ってくること。この対策が必要である事などが報告されています。

(藤井とし子議員)
 実際、家庭から生ゴミを堆肥化して農業利用というのは、まだまだ、課題はあるということですね。全国自治体様々な取り組みで、この課題を色々挑戦をして何とか利用しようという取り組みは拡がっていると思います。今回、市の予算で生ごみの減量を進めるために生ごみ処理機等の補助制度を新設されている。生ゴミの堆肥化には様々な方法があるが、処理機以外にもミミズやコンポスト方式とEM菌使用等、様々なやり方がある。こういった普及はどうやっていくのか。堆肥化に取り組む人をいかに増やすかだと思うがどのようにえているか。

(環境政策課長)
 ご指摘の通り、生ゴミ処理機等を使って、生ゴミを減量して、出来た堆肥を、例えば野菜作り等に活用すれば、食の循環として、市民にとっても、  野菜堆肥の購入費の節約になる。本市では、平成21年度、2009年度は出来た堆肥の有効活用を図るため、経済局と協力しまして、市民農園や市民菜園の利用者に対しまして、生ゴミ処理機をPRすると共に、生ゴミリサイクル講習会や環境講座なども開催して、生ゴミから出来た堆肥の利用方法を知って貰う機会を提供していく予定です。また、ミミズコンポストとかEM菌使用タイプについては、昨年10月にハンドブックを作成し公民館と共催で専門家を招いた講習会を開催するなど普及活動を行なってきました。今後も、こうした普及活動をより充実させ、堆肥化に取り組む人を更に増やしていきたいと考えています。

(藤井とし子議員)
 生ゴミを出来るだけ燃やさないという習慣をつけることで進める必要があると思う。この間も、全世帯に、ゴミゼロ社会を目指してというチラシも配られました。はがき大のものはしっかり分別できるということと、今のゴミの中から約3割がリサイクルに回せる、可能だということで、これも全部私が計算しましたら、生ゴミと紙ゴミでもっと資源に回せるものを徹底的にやれば、焼却ゴミを1日に200dくらい削減できると分かりました。是非これを、しっかりと、循環型社会目指してやっていただきたいと思っています。
 出来た堆肥どう農業利用させる課題だと思うが、市民菜園や農園をやっている人への市民菜園も庭もない人は出来た堆肥をどうするかが課題となっているがどうしたらいいか何か検討は。

(環境政策課長)
 生ゴミから出来た堆肥は、主として市民農園・市民菜園や家庭の庭での使用になると思います。庭など無い方に対して、ベランダなどでプランターなどを使って、野菜作りなどに活用することが出来ますので、様々な活用事例を紹介していきたいと思います。農産物の直販売所等でこの家庭から出ました堆肥の受け入れにつきまして、農政課と連携して、農業者に呼びかけ実施したいと考えております。


(藤井とし子議員)
 農業と環境と一緒になった中で検討されたと言う点では、大きな前進だなと感じ取っています。いくらしたくても色んな制約もあって出来ない方もおられるので、市民の理解と協力を得ながらこれを進めていっていただきたいと、色んな事をやってみるという取り組みも必要です。
神奈川県藤沢市では学校の堆肥化施設を地域に開放し、家庭生ごみと学校の給食からでる厨芥ごみの堆肥化を一緒に行う。堆肥を使った有機農産物を学校給食でつかう。資源循環を学ぶ環境教育としても効果を上げている自治体もある。名古屋市では市が回収した堆肥用の生ごみを民間の堆肥化センターに運び循環のシステムが作られようとしています。
 生ごみを良質な堆肥を農業に循環させるために、大学や行政、企業やNPOなどの協働で土づくりセンターをやりたい人を募集、支援をしていくことも考えてはどうか。有機農産物の自給率を挙げることはおいしくて安全な農産物を市民に提供する点で需要は大きい。今後、民間の堆肥化センターと協力するなど他の自治体の進んだ取り組みも参考にしながら資源循環のまちづくりの推進を推進していただくよう要望しておきます。全国の取り組みも参考にして、広島市では何が出来るかということを進めていただきたい。

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新規就農者支援事業について 

(藤井とし子議員)
 広島市の農業振興、耕作放棄地対策、農業担い手育成等、新規就農者支援事業の実績はどうなっていますか。

(農政課長)
 新規就農の支援事業としまして、広島活力農業経営者育成事業とスローライフで夢作り、定年就農者育成事業を実施しております。平成19年度、2007年度の実績は、広島活力農業経営者育成事業では、就農した16名が13ヘクタールの農地で小松菜やほうれん草等の軟弱野菜を中心に年間185万束、370本を市場に出荷しており、小松菜に於いては、中央市場の入荷量の37%のシェアに相当致します。また、1人当たりの販売額は、年間約900万円で、400万円程度の所得を得ております。スローライフで夢作り定年就農者育成事業は就農した15名が、5.3ヘクタールの農地で、少量多品目生産を行ない、広島朝市等の直売所に出荷しております。

(藤井とし子議員)
 広島活力農業、若い人に対して、来年度も2名も募集をされています。ふるさと帰農も20名、これは定年者対象、スローライフも20名ほど、定年者対象と言うことですが、この間、新聞報道であったが、今中国5県で相談者が急増している。
 中国5県の就農希望の相談件数が急増していると新聞報道でもあったが、広島県には2月末までに、昨年度の約4倍の174件が寄せられたとある。新規就農への関心が高まっている。この13日「就農面接会」を開くということだが、人材募集中の約、20の農業法人のほか、就農研修制度がある広島市や三次市などの担当者が対応するとある。
 市内農業の担い手増やしに取り組む市として今後どう対応するつもりか。景気悪化で今後も増えるであろう失業されている人の中から市内に就農希望者に新規就農のための研修機会や耕作放棄地の提供できないか。
 新規就農者が増えていかないのは農業で生計が立てられないのが現状の大きな課題だと思うが、国の農業政策の問題もあります。国への要望も是非政令市としても上げていただきたい。広島市はどの様に受け止めて、対応されるのか聞きたい。

(農政課長)
 本市では、農業法人等の大規模な経営がほとんどございません。また小規模な家族経営が主体であることから、雇用を受け入れるのは困難な状況にございます。また、就農するためには、農地をいかに確保するか、設備投資等の資金をいかに産むか、また、経営や栽培技術の習得をいかに行なうか。ということが必要となって参ります。以上の事から、個人で解決するのはなかなか困難であることから、本市では、広島活力農業経営者育成事業を実施しまして、新規就農者の育成を進めております。この事業は、原則として、40才未満であれば、どなたでも応募いただくことが出来るようになっております。


(藤井とし子)
 受け入れる体制はまずある。色々お話を伺うと新規就農者が増えないというのは、やはり、農業だけで生活出来ないという状況が大きいと感じました。国の農業政策の問題もありますので、是非、国のほうにも、農業者がやっていけるように、政令市として国に要望を挙げていただきたい。

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