トップ議会情報・議員の発言2009年第5回12月定例会 議員発言 >議案質疑・皆川けいし議員


2009年12月15日 本会議 議案質疑 皆川けいし議員

 常盤橋若草線横断歩道橋整備の債務負担行為の設定について
 辺地共聴施設デジタル化改修補助について
 ICTを活用した地域活性化の推進について
 新型インフルエンザ予防接種費用負担軽減事業について
 指定管理者の指定に伴う補正予算と関連議案について
 契約の締結について (再質問を含む)
 学校ICT環境整備事業に係る「財産の取得」議案について (再質問を含む)
 


常盤橋若草線横断歩道橋整備の債務負担行為の設定について

(皆川けいし議員)
 これは現在建設中の広島駅北口再開発ビルのホテル棟と住宅棟をつなぐために、横断歩道橋をつけるための債務負担行為です。聞けば今回の予算1億3千万円は橋脚と橋げた部分の工事費であって、その上にのせる屋根などの建設費に1億円以上かかる。総工費で2億5千万円位かかるというのです。こんな豪華な横断歩道橋は聞いたことがありません。
 さらに将来は、この横断歩道橋ともつながったぺデストリアンデッキ(※)を、北口広場を取り囲む形で26億円かけてつくる。現在、北口広場にある3本の横断歩道を1本だけ残して、あとは全部上を通ってもらう計画だといいます。 
 そこでお尋ねしますが、民間ビル同士をつなぐのに、なぜ市費で豪華な橋をかけてやる必要があるのですか。
(※)ペデストリアンデッキ・・・道路を挟んだ建物同士をつなぎ、歩行者と車を立体r的に分離した歩行者回廊のこと。

(道路交通局長)
 本市では、平成17年(2005年)に策定した「ひろしま都心ビジョン」において、広島駅周辺地区を新都心成長点として紙屋町・八丁堀周辺地区と並ぶ重点地区に位置づけており、再開発の推進等による多様な都市機能の集積と新たな都市空間の創出や広域交通ターミナルとしての都市機能の強化に取り組むことにしています。
 新幹線口ぺデストリアンデッキは、この新都心成長点の核となる広島駅を南北に横断する自由通路と連携して新幹線口地区の各方面を連絡することにより、広島駅周辺地区の歩行者の回遊性を高め、再開発の促進に寄与するとともに、当地区を訪れる人に、分かりやすく安全で快適な魅力ある歩行経路を提供することを目的とし、新幹線口広場の西側、中央、東側の3方面のルートを計画しており、本市が公共施設として整備することを基本としています。
 ただし、東方面ルートについては、現在建設中の若草町地区再開発ビル施行者との協議の結果、再開発側で整備・管理するビル内の通路やエレベーター等を活用することにしています。


(皆川けいし議員)
 この橋の今回の工事費の財源の内訳を教えてください。

(道路交通局長)
 1億3,800万円の債務負担行為の設定にあたっては、国の補助制度であるまちづくり交付金を活用することにしており、財源には、国費2,650万円、市債5,560万円、一般財源5,590万円を充当する予定です。


(皆川けいし議員)
 全体のぺデストリアンデッキ計画と切り離して、なぜこの橋だけを急いで建設する必要があるのですか。

(道路交通局長)
 若草町再開発事業の再開発ビルは、来年春から北側のテラス住宅棟より、順次完成していく予定です。
 ビル工事完了後に横断歩道橋を整備すると、当地区での工事期間が長くなり、交通混雑や工事騒音などによる周辺地区住民の方々への景況が長期化します。また、再開発ビルとの接続部の工事など、ビル側で再度工事が必要となり、既に入居されている方々やホテル・物販施設を利用される方々にも多大な迷惑がかかります。
 このようなことから、可能な限り再開発事業の施行と併せて整備することにしたものです。


(皆川けいし議員)
 ぺデストリアンデッキの是非は置くとしても、そのために下の横断歩道を廃止するという乱暴なやり方は再検討すべきだと思いますが、いかがですか。

(道路交通局長)
 新幹線口東交差点など新幹線口広場周辺においては、バス、タクシー、マイカー等が輻輳(ふくそう=同時に集中して混み合う)し、交通混雑が生じています。 このため新幹線口広場の再整備に向けて、最新の交通データに基づいた自動車の交通流動を予測することにしており、今後どのような対策が適切なのか、警察等関係機関や地元住民の方々と協議調整を行いたいと考えています。


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辺地共聴施設デジタル化改修補助について

(皆川けいし議員)
 今回のように、改修が必要となる辺地共聴施設は市内に何ヶ所ありますか。

(企画総務局長)
 改修が必要となる辺地共聴施設は、市内に11施設あります。このうち、補助事業の対象となる施設は8施設あり、この度の補正予算案には、共聴施設の組合員の間で改修を行うことについて協議が整った3施設に対する補助金を計上しています。


(皆川けいし議員)
 マンションなど集合住宅の入居者のための共聴アンテナへの対応はどうなっていますか。

(企画総務局長)
 市内の集合住宅共聴施設は、本年9月時点で、約2万4,000施設(総務省調べ)あり、このうち2万2,980施設について、共聴アンテナの改修等のデジタル化が終了しています。


(皆川けいし議員)
 市内のビル陰等の受信障害対策用の共聴アンテナへの対応はどうなっていますか。

(企画総務局長)
 ビル陰等の影響による受信障害に対応するための共聴施設は、本年9月時点で、563施設(総務省調べ)あり、このうち55施設について、共聴アンテナ改修等のデジタル化が終了しています。残りの施設のうち、286施設がデジタル化への対応を計画中であり、222施設は対応が未定あるいは確認できていない状況となっています。


(皆川けいし議員)
 低所得者層への地デジ対応への助成制度と、県内の地デジ対応受信機の普及状況について教えてください。

(企画総務局長)
 総務省は、本年10月から、経済的な理由から配慮が必要と認められる世帯のうち、NHKの受信料が全額免除されている世帯を対象に、簡易なチューナーの無償給付やアンテナ改修の無償工事を行っています。また、対象世帯が、集合住宅等の共聴施設を利用している場合で、デジタル化に対応するための施設改修やケーブルテレビに移行するための費用の一部を負担しなければならないときは、その負担額に相当する額の給付が行われています。また、広島県内の地上デジタル放送対応受信機の普及状況(総務省調べ)は本年9月時点で74.1%となっています。


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ICTを活用した地域活性化の推進について

(皆川けいし議員)
 これは、9月補正予算を減額して、これから公民館へのパソコン導入等が発注されるわけですが、発注にあたっては「経済対策」という趣旨が活かされるよう、可能な限り分割発注すべきだと考えますが、その点はどうですか。

(市民局長)
 公民館用パソコンの購入にあたっては、経済危機対策として実施する事業の一つであることを踏まえ、地域の業者の受注機会が増えるよう分割発注について検討したいと考えています。


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新型インフルエンザ予防接種費用負担軽減事業について

(皆川けいし議員)
 非課税世帯及び生活保護世帯のうち、今回対象となる優先接種対象者は何人ですか。優先接種とならない低所得者はどうなるのですか。

(健康福祉局長)
 新型インフルエンザ予防接種費用負担軽減事業の補助対象者は、優先接種対象者等のうち、「生活保護世帯」に属する方と「市民税非課税世帯」に属する方で、本市で約9万1千人です。
生活保護世帯や非課税世帯に属する方であっても、優先接種対象者等でない方は、予防接種の対象者には含まれていません。


(皆川けいし議員)
 県内でも多くの自治体が行っているように、せめて子どもたちだけでも全額補助すべきと思いますが、そのためにどれだけの財源が必要なのか、また就学援助を受けている子どもも対象とした場合いくら必要なのか、補助対象枠を拡大するお考えはありますか。

(健康福祉局長)
 仮に、1歳から中学生までの接種費用を全額補助対象にした場合、新たに約82,000億万円の経費が必要となります。 次に、就学援助を受けている小中学生や未就学時であっても就学援助を受けることができる程度の収入の世帯に属する小児の接種費用を全額補助対象にした場合、新たに約7,200万円の経費が必要となります。
 予防接種費用の負担軽減措置に係る補助対象枠の拡大については、今回の予算計上分だけでも事業費が4億1,093万8千円、一般財源は1億2,723万8千円を要しており、また拡大分は全額一般財源から賄うことから、本市の厳しい財政状況から拡大は困難であると考えています。


(皆川けいし議員)
 12月27日に医師会の協力を得て、集団接種を行うことになりましたが、できれば2回目も集団接種ができるようにぜひ努力していただきたいと思いますが、その見通しはいかがですか。

(健康福祉局長)
 今回の集団接種については、市民の接種機会の確保と小児科医の負担軽減を目的に、医師会から本市へ協力要請があったものです。2回目の集団接種については、現在、医師会と協議しています。


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指定管理者の指定に伴う補正予算と関連議案について

(皆川けいし議員)
 今回の選考によって、民間企業が指定管理者になった割合は何%になるのですか。現在との比較も含めて教えてください。

(企画総務局長)
 この度の、公募施設の指定管理者のうち、民間事業者の割合は58.8%です。また、現在の公募施設の係る指定管理者のうち、民間事業者の割合は、27.3%となっています。


(皆川けいし議員)
 今回指定をはずれた外郭関係と、影響を受ける職員数は何人くらいか、総数と内訳を教えてください。

(企画総務局長)
 現在、管理している施設について、指定管理者候補にならなかった団体は、社会福祉協議会、環境事業公社、都市整備公社、動植物園・公園協会の4団体です。これらの団体職員のうち施設の管理に携わっている職員の数は、プロパー職員が5人、非常勤職員が39人となっています。
 団体ごとの内訳は、社会福祉協議会がプロパー職員1人、非常勤職員7人、環境事業公社がプロパー職員2人、非常勤職員2人、都市整備公社がプロパー職員2人、非常勤職員19人、動植物園・公園協会が非常勤職員11人となっています。


(皆川けいし議員)
 仕事を失った外郭関係の職員の処遇について市はどう考えておられるのか。一人の失業者も、解雇者も出さないと約束できますか。

(企画総務局長)
 公益法人等が指定管理者候補にならなかった施設の管理に携わっている職員の処遇については、@当該公益法人等の内部で、市派遣職員の引上げなどにより職場を確保すること、A他の公益法人等で、市派遣職員の引上げなどにより職場を確保すること、B新たな指定管理者に雇用を働きかけ、職場を確保すること、などが考えられます。
 また、当該公益法人等の内部で職場確保ができない場合は、企画総務局が施設管理の主管局と協議しながら、他の公益法人等への異動等について、調整を図ります。なお、非常勤職員の場合は、雇用契約上、雇用機関が1年となっており、最大限の努力の結果、やむを得ない場合は、雇用の更新ができない場合もあると考えています。


(皆川けいし議員)
 今回、特に深刻なのは都市整備公社です。駐車場や住宅の管理業務をとられたら都市整備公社は存立できません。4年ごとに繰り返される民間企業との競争に勝ち残らなければならないという極めて厳しい不安定な状況におかれています。
 市は一体、自分たちがつくったこの都市整備公社を今後どうしようと考えているのかお答えください。

(都市整備局長)
 都市整備公社は、現在、市営駐車場や市営住宅のほかに、下水道施設、市営駐輪場及び防災センターの指定管理業務を実施し、また、広島港桟橋等の管理運営、市立保育園の補修等の業務を受託しています。さらに、学校校舎等先行建築、特定優良賃貸住宅供給、防災研修等の公益事業や収益事業といった多くの事業を行っております。
 したがいまして、今回の市営駐車場や市営住宅の一部の指定管理業務がなくなっても、都市整備公社の存立そのものに影響はありません。


(皆川けいし議員)
 市が行った施策のために、大量の不安定雇用とワーキングプアを生み出す土壌がつくられているのは問題だと思われませんか。この点についての市の認識をお伺いします。

(企画総務局長)
 これは、指定管理者が公益法人であろうと、民間事業者であろうと、公募により指定管理者を選定しようとする場合、制度そのものに内在する問題です。公益法人等の職員の職場の確保については、市、公益法人等が一体となってできる限りの努力をしたいと考えています。


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契約の締結について

(皆川けいし議員)
 これは新火葬場建設について、安藤建設との間で、17億円余で請負契約を結ぶというものです。そこでお伺いします。まず、広島市の公共事業での安藤建設のこれまでの請負実績を教えてください。

(指導担当局長)
 過去5年間の公共事業では、平成21年7月2日契約の「戸山小学校及び戸山中学校校舎増改築工事」及び平成21年10月20日契約の「段原中学校屋内運動場及び武道場新築工事」の2件です。


(皆川けいし議員)
 広島市の入札・契約制度によると、入札価格の設定について、それぞれ「予定価格」「入札希望価格」「調査基準価格」「調査基準価格の85%価格」の4段階の価格を設定されていますが、それぞれの価格設定の理由を教えてください。

(財政局長)
 「予定価格」は、地方公共団体が契約を締結する場合にあらかじめ設定する上限額であり、建設工事の場合には、工事ごとに積算した設計金額を予定価格としています。 このため、最低の価格を提示した業者であっても、入札価格が予定価格を超えた場合は、契約の相手方としません。
 次に、「入札希望価格」は建設工事の設計金額が1億円以上のものについて設定しており、設計金額の95%の額としています。最低入札価格がこの額を超えた場合には、適正な積算に基づいて入札価格が設定されたか、また、談合のおそれがないかを調査します。
 次に、「調査基準価格」ですが、本市では低入札価格調査制度を導入していることから、建設工事の場合は、あらかじめ工事ごとに、入札価格について調査を行う基準とする価格である調査基準価格を設定します。 最低入札価格が調査基準価格を下回った場合は、工事費や労務費等の内容が適正かどうかを調査し、契約の内容に適合した履行がされないおそれがある場合には、落札者としていません。
 さらに、「調査基準価格の85%」を下回った場合には、諸経費や労務費の内訳書などの資料の追加提出を求め、さらに詳細な調査を行っています。


(皆川けいし議員)
 今回の入札調書を見ると、安藤建設は税引きの予定価格23億9174万円の68%、16億3470万円で落札しています。これは市が設定している「調査基準価格の85%価格」―いわゆる“超低入札”価格より、さらに9千万も低い“超々”低入札です。
 予定価格より32%、金額にして7億5千万円も低い価格で、果たして、どういう請負工事をやろうというのでしょうか。請負契約を結ぶに当たり、市は一体どのような調査をされたのですか。そこで働く労働者の人件費などは、しっかり補償されるという確認ができているのですか。お答えください。

(指導担当局長)
 広島市新火葬場(仮称)新築工事の入札は、調査基準価格の85%を下回る入札であったため、本市の低入札価格調査制度に基づいて、調査を行いました。
 調査では、入札金額の積算内訳のほか、労務者の確保計画や下請業者からの見積書等を確認しました。その結果、労務者の人件費も確保されており、また、契約内容に適合した履行ができると判断して、仮契約を締結しました。
 工事完了後は、元請業者に対して報告書の提出を求め、労務者の人件費についても再度確認します。

 
(皆川けいし議員)
 安藤建設は、この他にも、今年に入って立て続けに数件の公共事業を低入札で落札していると聞きますが、それはどういうものですか。お答えください。

(指導担当局長)
 安藤建設が今年に入って落札している本市の事業は、「戸山小学校及び戸山中学校校舎増改築工事」及び「段原中学校屋内運動場及び武道場新築工事」の2件で、いずれも低入札です。
 労務者の賃金については、低入札価格調査の際に、労務者の確保計画として調査を行っており、どちらの工事も一人当たり平均約1,5000円の賃金となっていました。施行途中での調査はしませんが、先ほど申し上げましたとおり、工事完了後には、元請業者に対して報告書の提出を求め、労務者の人件費についても再度確認します。


<再質問>

(皆川けいし議員)
 委員会もありますので、再質問はあまりしようとは思いません。
 一つだけ入札の問題でですね、私も低入札調査についてのマニュアルその他提出書類の一覧表などを事前に見さしていただいて、ある意味ではかなり厳密にやっておられるなあという印象を受けました。
 しかしですね、これは全部書面調査ですよね。先ほども現在工事中、実際その通りやられ、労賃が払われているかどうか一切調査できてないわけですよね。
 ですから、一応最初に工事請負する時の最初の入口の所の調査と、終わった後に出す調査、調書、報告書ですね、これを書面上で間違いがないかとチェックをされるだけですね。
 ところがですね、やっぱり色々聞くところによりましたら、例えば労務費いうものもかなり低い。下請けの方には相当叩いた金額で下さざるを得ないわけですね。 
 で、請け負った下請けの労務者の賃金というのは本当にすごく低い。こういう話はよく私どものところにも来るわけですよね。、そこまではチェックしきっていないんじゃないかという風に思うんです。
 お尋ねするんですが、今言ったように書面調査だけで果たしてこういう実態というのはちゃんとわかるんですか。実際にそういう労賃が払われているかどうかというのは、これはどこでチェックするんですか。

(指導担当課長)
 まず行政が調査いたしますので、どうしてもある程度書面調査に頼らざるを得ないところがありますけれども、先ほどの下請けへのしわ寄せ等につきましては、特にそういったことが聞かれるということで、今年度から低入札の価格調査対象工事の下請契約の結果調書というものを直接下請けの方からも提出してもらって、その工事で赤字がでたかどうか、出た場合にはその理由等を記載したものを直接下請業者からも求めるようにもしています。
そういった形でできるだけ実態に近いものを把握したいという風に考えております。


(皆川けいし議員)
 ええと、いま、今年度からとおっしゃいましたがこの安藤建設の例などは、そういう新しい報告書いうのは適用されるんですか。

(指導担当課長)
 はい。これは調査基準価格の85%を下回っておりますので、その対象になります。


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学校ICT環境整備事業に係る「財産の取得」議案について

(皆川けいし議員)
 これは国の第1次補正予算の経済政策の一環としてすでに6月議会で予算化された事業ですが、この事業発注にあたって、文科省から「地域の中小企業の受注機会への配慮を求める」通達が来ていたはずですが間違いありませんか。

(教育長)
 議員御指摘のとおり、学校情報通信技術環境整備事業費補助金の交付決定通知の中に、「地域経済活性化の観点から地域の中小企業の受注機会の増大に努めること」と書かれています。


(皆川けいし議員)
 この通達の趣旨をふまえ、多くの政令市が20〜30に分割発注して、地域の中小企業への受注機会の配慮した発注をしていますが、広島市では、なぜ区単位に発注されたのですか。

(教育長)
 この度の契約は、WTO政府通達に関する協定の対象となる入札条件であることから、通常は、一括発注をおこなうべきものですが、今回は、(1)緊急経済対策として、地元企業の受注機会の確保に配慮したいと考えたこと。(2)一方、調達規模が大きいことから8千万円以上が対象となる財産取得議案を議会に諮り、議会の意思決定を得たいと考えたこと。さらに、(3)納入後、教員の研修を区単位で行うことにしており、同一機種とした方が効率的に研修を行うことができること。(4)納入後のメンテナンスも、同一機種について一定程度のまとまりで行った方が効率的にできること。 などの理由から、行政区単位での発注としました。
 なお、政令市の中では、さいたま市、千葉市が行政区単位で発注しています。実際の入札状況で申し上げますと、入札した延べ11社のうち、市内の業者が5件落札しており、地元企業の受注の確保という点では分割の効果はあったと考えています。


(皆川けいし議員)
 デジタルテレビ及び電子黒板の1台当たりの予定価格と、各契約区分ごとの落札価格はいくらか。また、予定価格の総額と落札額の総額、入札残となった金額はいくらで、それはどのように処理されるのですか。

(教育長)
 1台あたりの予定価格ですが、消費税を加えた額で申し上げると、デジタルテレビは29万4千円、電子黒板機能付きのものは、62万2千円です。
 各契約区分ごとの落札価格に消費税を加えた額で申し上げると、
 デジタルテレビは、
   ・中区  5,539万9,050円
   ・東区  5,318万4,600円
   ・南区  5,488万5,600円
   ・西区  7,078万2,925円
   ・安佐南区  1億1,575万2,000円
   ・安佐北区  7,630万8,424円
   ・佐伯区  6,462万7,626円 です。
 安芸区については予定価格が8千万未満のため議決の対象となりませんが、3,6418,882円です。電子機能付きデジタルテレビは、全市一括で、7,385万700円です。
 消費税を加えた予定価格の総額と落札価格の総額、入札残ですが、予定価格の総額は12億4,399万円、落札価格の総額は、6億120万9,807円、入札残は6億4,278万193円となります。
 今回の財産取得の財源は、国の学校情報通信技術環境整備事業費補助金および地域活性化・経済l危機対策臨時交付金、電子黒板を活用した教育に関する調査研究事業の委託金を活用しています。
 予定価格総額と落札価格総額の差のうち、国の補助金及び委託金の約3億2,870万円については必要台数の買入れの目的を達成したので、交付はされないことになります。残りの臨時交付金は、約3億1,410万円となりますが、執行残が生じたことに伴う余った交付金の充当先については、市全体で改めて検討することにしています。


(皆川けいし議員)
 6月・9月議会では、この外にも「経済対策」として多額の予算が国から市におりてきましたが、それが本当に「経済対策」「地域の活性化」につながる形で事業が発注されているのかどうか、あらためて検証する必要があると思います。
 例えば9月議会では、経済対策の一環として、生活保護世帯に約4万個の「電球形蛍光灯」を配る事業が予算化されましたが、市の入札公告を見ると、店頭価格が1,100円の電球形蛍光灯を半分以下の500円の予定価格で、しかも一括発注したため一社しか潤っていません。せっかく国が経済対策としておろしてきお金、なぜ半分に値切って一括発注する必要があったのですか。入札残となったお金は結局どうされたのですか。報告してください。

(エネルギー・温暖化対策担当局長)
 省エネ電球普及啓発事業は、国の地域活性化・経済危機対策臨時交付金を活用するもので、経費については、業者からの見積りを基に、単価630円の4万個、総額2,520万円の補正予算を計上したものです。
 入札にあたっては、物品の契約担当課である財政局物品契約課において、他都市での納入実績等を参考に、予定価格を単価500円と設定し、総額2,000万円の入札公告を行いました。
 市内に本社を置く5社が応札した結果、最低価格は1,660万円であり、当該落札業者と消費税込1,743万円で契約しました。 
 執行残が発生したことに伴う余った国の交付金の充当先については、市全体で改めて検討することにしています。


(皆川けいし議員)
 今後、「経済対策」の事業を発注する場合は、その趣旨がしっかり活かされるよう、この際強く求めておきます。以上で、質疑を終わります。

<再質問>

(皆川けいし議員)
 デジタルテレビが29万4千円で、黒板が62万2千円ですが、それに対して、各区ごとに落札価格が1台当たりいくらになるのか、その対比が聞きたかったのですが、これはぜひお答えいただきたい。
 それから、6億も残ったわけですね。 12億組んでおいて6億、結局半分しか地域にお金が落ちない。しかも、その中の1社は大手が台数でいえば、半分近く持って行ったんじゃないでしょうか。そうしたら、2億か1億くらいしか地元にお金が落ちないということになるんじゃないですか。これで、何で経済対策と言えるのか、そこらについてはどう思っておられるのですか。

(教育長)
 デジタルテレビの実際の単価ですが、各区ごとに単価が異なっておりますので、順番に申し上げますと、
   ・中区  135,450円
   ・東区  140,700円
   ・南区  138,600円
   ・西区  146,548円
   ・安佐南区  139,125円
   ・安佐北区  147,598円
   ・佐伯区  148,229円
   ・安芸区  148,648円
電子黒板機能付きのものが291,900円でございます。
 それから、結局、安くなって経済危機対策になっていないのではないかというお尋ねですが、私ども発注して調達した側から言いますと、WTOという政府調達の対象であったということと、それから先ほど申し上げたように、調達規模が大きいということで、議会の意思をきちんと反映させていただこうということで、逆に一定規模以上になるという、この両方を満たす考え方の中で、この区単位の発注ということを行ったわけでございますが、結果として入札で決まることでございますので、この価格が高い低いということは申し上げようがない、それぞれ同一の競争条件の中で競争されて、こういう価格になったと。実際他の政令市の数字を見ましても相当競争が厳しくはたらいているという数字がございますので、本市だけが極端に安かったということでもございません。それ以上は、我々としてはコメントのしようがないと思います。


(皆川けいし議員)
 財政局に要望しておきます。こういう形で今年組まれた経済対策関連の予算が、結局、地元にどれくらい落ちたのか、これを聞いても掴んでいないとおっしゃる。ぜひ掴んでいただきたい。
地元、地域の活性化ということで組まれたお金がたくさんあるわけですから、それらが実際にどういう形で発注され、その後どうなったのかということまでしっかりと検証する必要があります。  今回はテレビですから同一機種にこだわる必要はない。どのテレビでも映るのは一緒ですから、50インチのテレビがどんな機種であろうとも、(そのことが今回の入札に)何の障害にもならなかったのではないかと思います。
 この問題は文教委員会でも取り上げたいと思います。

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