トップ議会情報・議員の発言2009年第5回12月定例会 議員発言 >厚生委員会・中原ひろみ議員


2009年12月17日 厚生委員会 中原ひろみ議員

 公立保育園の民間移管について
 3号被爆について



公立保育園の民間移管について

(中原ひろみ議員)
 今議会の厚生委員会において、2015年度、2016年度の4つの保育園の民間移管が新たに発表された。
 しかし、先日、市が2009年1月に発表した2013年から順次民営化する5つの保育園の保護者会の会長さんが連名で、広島市に対して「民間移管については保護者の理解も得られていないのに、次つぎと民間移管する保育園名を公表することはやめてほしい」という陳情・要望が出されている。このような保護者からの申し出を受けながら、挑戦的に公表をされたのか。

(保育施策推進担当課長)
 12月11日付で、公立保育園保護者会連絡会・豊かな保育を進める会から「民営化予定の公表をしないでほしい」との要望書が提出されている。これまでも二団体とは交渉の場を設けて、必要性などについて話をしてきたが、現状ではご理解いただけていないという状況である。今後も話し合いを続けていきたい。
 本市は昨年12月に策定した「保育園の在り方」において今後の保育施策の方向として、保育需要に対応した受け入れ枠の確保、保育サービスの充実、発達障害児への支援の項目を掲げている。今後これらの施策を確実、計画的に進めるためには、その財源確保のひとつの手段である公立保育園の民営化を継続的に進める必要があると考えている。
 そのため、平成27年度以降に民間移管する予定の保育園について、保護者の不安に配慮し、保護者が保育園を選択する際に、希望する保育園が児童の在園期間中に民間移管する予定であるかどうかを事前にお知らせするため、実施予定の6年前までに発表することにしたものである。

(中原ひろみ議員)
 民営化には反対だと思っている保護者でも、他に入れる保育園がなければ民営化される保育園でも選ばざるを得ない。市は、とりあえず6年前に発表さえしておけば、民営化される公立保育園を選択したすべて保護者は理解して入園すると考えておられるのか。

(保育施策推進担当課長)
 保護者は希望する保育園をいくつか選択できる。その中から入所の決定を行っている。選択する保育園の一つとして、民間移管の予定があるということであれば、どうしても公立保育園の方がよいという保護者であれば、除外して選択されると考えている。


(中原ひろみ議員)
 民営化される予定の保育園を希望したかどうかは別として、他の公立保育園を選択しようにも選択できず、やむなく、民営化される保育園に入らざるを得なかった保護者も出てくると考える。民営化される保育園だということを「知った」「知らせた」という事と、保護者が「理解した」ということとは別の話である。
 市の言い分を通せば、今後、民間移管される保育園に入った保護者は全て「民営化される保育園だからこそ入園を希望した」というふう聞こえるが、市は今後、民間移管されると発表された保育園に入園する保護者の全てが「保育園の民営化に理解を示した」と考えているのか。

(保育施策推進担当課長)
 先日、出された要望書の中には「今年1月に発表した原保育園の保護者が理解するに至っていない」「他の4園についても十分な説明がなく、疑問や不安の声が高まっている」という内容であった。原保育園について本市で最初の民間移管保育園なので、その対応について他の保育園の移管に影響を与えることから、丁寧かつ着実にすすめていく必要があると考えている。  現在までに6回の説明会を開催、意見交換会、私立保育園の見学会、要望された質問への回答書など、丁寧な対応を行いながら進めている。今後も保護者のご意見を尊重しながら丁寧な対応を続けていく。他の4園についても、これまで1回の説明会を開催し、保護者説明会の資料・議事録、保護者からいただいた意見に対する回答などは全てホームページに公開して情報提供している。原保育園の民間移管実施にむけた対応状況を見ていただくことで、理解を深めていただけると考えている。
 今後、他の4園の保育園の保護者については原保育園を参考に定期的な意見交換を実施して、なぜ民間移管が必要かについてご理解をいただけるように粘り強く対応していく。今回、公表した4園についても、同様の方針で対応していきたいと考えている。


(中原ひろみ委員)
 丁寧な対応をすれば、理解がすすむというものではない。新たに発表された4つの保育園への民営化にむけた説明会はどのようなスケジュールなのか。

(保育施策推進担当課長)
 本日、公表した2015年、2016年に民間移管する4つの保育園については、本日の夕方以降に4園の保護者会長等に説明する。その場において、保護者全体への説明の日程を決めることにしている。


(中原ひろみ委員)
 新たに発表された保育園も説明会をうけて、保護者の不安が高まり、民営化をやめてほしいとの意見がたくさんでるのではないかと思う。原保育園だけとってみても、「保護者の理解が未だに進んでいない」ということを市は認めておられる。
 原保育園は2011年からスタートする民営化モデル園で、それに向けた細かなスケジュールがある。理解されていないということを認識しながら、丁寧な説明をおこなったということで、スケジュールどおりに説明会も打ち切り、あくまでも今年(2009年)一月に計画された「保育園民営化のスケジュール」通りに進めるのか。それとも、保護者の理解と合意をつくすために、スケジュールは保留とするのか。どのようなご見解か。

(保育施策推進担当課長)
 原保育園には丁寧な対応をしてきている。継続して丁寧な対応をしていきたい。スケジュールは平成23年4月からの移管実施にむけて、事業者公募にむけた保護者アンケートの実施、法人選定委員会の準備などを進めている。


(中原ひろみ委員)
 民間移管の三つの条件として「保護者の理解」というものがあったはずだが、結局、保護者の理解はどうでもよくて、市の民間移管スケジュールが最優先されるということは問題だ。保護者が民営化はやめてほしいと懇願しても、市の計画どおりに民間移管を強行するのか。

(保育施策推進担当課長)
 民間移管スタートの平成23年4月までには、あと1年3ケ月の期間があるので、この期間中に理解を得ながら丁寧に説明を続けて進めていきたい。


(中原ひろみ議員)
 保護者に理解を求める説明をしつつ、一方ではスケジュール通りの移管作業を行うというのは問題。広島市は過去の議会で子ども未来局長は「移管園を公表した保育の該当者については、ガイドラインの内容、保育園の選考方法、保護者の思い、共同保育などなど、様々な意見があると思うので、十分な説明をして理解を得られた後に、具体的に進めていきたい」と答弁している。理解を得ながら同時並行で進めるとはしていない。局長の答弁を反故にする方針に切り替えたのか。

(こども未来局長)
 私が答弁したという紹介があったが、これは交渉ごとなので、きちんと丁寧にご理解をいただくべく説明をする。丁寧に説明し、少しづつ理解をいただきながら進めさせていただくということである。原保育園の民営化にむけたスケジュールが、現時点で無理だということではない。理解を得ながら進めていくという立場は変わっていない。

(中原ひろみ議員)
 「理解を得た後に具体化する」という市のこれまでの答弁と、変わってきたということを指摘しておく。
 原保育園ではスケジュール的には、2009年9月までに民間事業者を選定する選考委員会を設置するとなっているが、選定委員会は設置され、会議は開かれているのか。

(保育施策推進担当課長)
 原保育園の民間移管先だけを決める特定の委員会ではないが、民間移管にかかる法人選定委員会を既に設置している。原保育園の保護者委員以外の委員については選考している。
 ただ、保育園の民間移管にかかる選定委員会は開催していないが、これまでの保護者との協議をふまえ、できる限り早く開催したいと考えている。

(中原ひろみ議員)
 保護者のいない選考委員会はすでに設置してあるということだが、選考委員会のなかに保護者が入るということになっているのに、保護者抜きで選考委員会を設置したというのは、第二の保護者への裏切りではないのか。

(保育施策推進担当課長)
 昨年12月に策定したガイドラインには、保育分野を始め、法律や財務の専門家等で構成する選定委員会を設置する。この委員会に保護者代表を加えることについては、該当保育園の保護者の意向を聞いて対応することにした。原保育園の保護者会からは夏の時点で、保護者会として委員を選考するとの答えをもらっている。

(中原ひろみ議員)
 原保育園の保護者代表委員は決まったのか。

(保育施策推進担当課長)
 選考はまだされていない。


(中原ひろみ議員)
 保護者の選考委員が出ていない理由はなぜだと考えているのか。

(保育施策推進担当課長)
 原保育園は最初の移管予定園である。保護者に理解していただくためには、一定の時間が必要ではないかと考えている。今後とも保護者のご意見を尊重しながら対応を続けていく。

(中原ひろみ議員)
 保護者会としては、保護者の意見を抜きに民間移管事業者が決まることに不安を持たざるを得ないということで、保護者委員を出すという申し出を市にされたのだと思う。
 しかし、保護者の中のどなたを委員になっていただくかという具体的な話になると、民間事業者をどこにするかということを決めるには責任が重く、保護者の代表としての重責を担えきれないということから、委員が決まらないというのが実情ではないか。保護者にとって一大事の話である。その一大事の民間移管を市は、理解が得られていないといいながらスケジュール通りにすすめるというのは問題だということを重ねて指摘しておきたい。
 保護者会のお母さんたちが発行されているニュースを見ると、「説明会をひらくのはいいが、説明会を聞けば聞くほどなんのために民営化しなければいけないのか」「誰のための民営化かわからなくなる。」という意見も出ている。市は民営化される保育園を早く知らせることが親切だといって、どんどん発表するが、これは子ども未来局が制定しようとしている「子ども条例」の趣旨にも反するのではないかと感じる。
 横浜の市立保育園でも民営化が問題となり、保護者が裁判をした。横浜市立保育園民営化保護者裁判の最高裁判決が11月26日に出された。この判決の中身について市は知っているか。

(保育施策推進担当課長)
 この最高裁判決の内容は、「児童及びその保護者が保育実施期間が満了するまでは、当該保育所のおいて保育を受けることを期待しうる法的地位を有する。当該保育所を廃止する条例改正ことは、この法的地位を奪う結果を生じさせるもので、改正条例の制定行為は行政庁の処分と同視しうるものされ、訴えの対象となる」との判決だと認識している。


(中原ひろみ議員)
 保護者が「公立の原保育園」で六年間の保育を望み、選んで原保育園に入園させた。六年間は公立原保育園で保育するという保護者との契約を反故にするものである。広島市が途中で民間保育園に替えることは、保護者との契約違反であり、保護者はおかしいとして裁判をすることができる。保護者が保育園を選ぶという選択権を重要視した判決である。横浜市の裁判を尊重すれば、原保育園の場合、訴訟を起こす条件のある保護者は何人ぐらいいるか。

(保育施策推進担当課長)
 原保育園には12月1日現在、173人の児童がいる。おおむね半分の65人が入所承諾期間が残っている。


(中原ひろみ議員)
 スケジュールどおりに、2011年から原保育園が民営化され、原保育園廃止条例ができれば、横浜市の判決からすれば、65人が裁判できるということになる。最高裁判決を真摯に受け止めれば、原保育園の民営化は三年間、延期するべきだと考える。市の認識はどうか。

(保育施策推進担当課長)
 過去の判例においても、大阪府大東市では平成18年4月に高等裁判所の判決で、改正条例の制定行為は行政処分にあたる。今回も最高裁判所としてそうした考え方を継承したものだと受け止めている。
 今回の判決において保育園の民営化そのものが違法であるという判断が示されたわけではなく、保育園の民間移管についての本市の考え方や取り組みに影響があるということにはならないと考えている。今後とも保育園の在り方、ガイドラインを踏まえ、十分な期間を設けて手順を踏みながら進めていきたいと考えている。


(中原ひろみ議員)
 横浜市の判決は尊重しないという立場ということで理解していいのか。

(保育施策推進担当課長)
 他都市の判決においても、民間移管して保育を実施することで、相応の経費節減効果があること。十分な引き継ぎによって児童への影響を最小限にとどめる事などに配慮して行われた民営化は、市の裁量権の逸脱や乱用があったとは言えないということを示している。
 公立保育園の民営化については待機児の解消や多様な保育サービスの充実、私立保育園の運営体制の充実強化などの施策を充実していくための財源確保の一つとして、実施するものである。
 本市の厳しい財政状況を考えると、民間移管により生じた財源と民間活力を利用してこれらの課題を解決し、公立・私立を問わず全ての保育園の質の高い保育サービスを提供していく方針は、合理性があると考える。このため、民間移管を着実に推進し、保育の向上に努める。

(中原ひろみ議員)
 コスト削減が民営化の目的だという「本音」がでた答弁である。これでは、いくら保護者に民営化についての説明会をしても理解は進むはずはない。
 横浜市の裁判の判決を尊重し、卒園まで広島市立保育園で保育してもらう保護者の権利を擁護する立場が必要であるということを申し上げておきたい。

上にもどる


3号被爆について

(中原ひろみ議員)
 広島市は3号被爆の新しい基準を作られました。変えられた理由、いつから変えられたのか。違いはどこか簡潔にお答えください。

(援護課長)
 被爆者援護法第1条第3号にある、身体に原子爆弾の放射能の影響を受ける事情にあったものに該当するかどうかについて争われた訴訟の判決が、本年3月25日にあって、判決の中で原爆投下から間もない時期に多数の被爆者が集合していた環境の中に、相応の時間とどまったという事情が、肯定できるものについては、身体に放射線の影響を受けたことを否定できない、との判断基準が示された。このため、判決で示された、判断基準に沿う形で、になるよう、審査指針を、広島長崎4県市で作成した。
 従前定めていた被爆者の定義と、大きく変わった点は次の通り。
 第一点目は、救護看護を行っていない場合であっても、投下から間もない時期に、多数の被爆者が集合していた環境の中で、相応の時間とどまったことが認められれば、手帳交付の対象となることとした。
 第2点目。救護看護等、被爆者に接触した、場合には、これまで1日あたり、十人以上に接触したことが必要だったが、これを見直し、一日あたり、5人以上に接触したことが認められれば、手帳交付の対象となることにした。
 第3点目。審査を行う上で、恣意的な判断を排除するために設けた数値に該当しない場合でも、申請者の被爆の状況を、総合的に勘案して判断することとした。審査指針は、本市では、11/27から、運用を開始している。


(中原ひろみ議員)
 新しい審査基準になったわけだが、過去の古い一日一人十人、介護救護しないと認定されないという、非科学的な基準によって、残念ながら、却下された人がたくさんいる。こういう人たちの中で、不服だということで県に、申し立てをして、県の判断、また不服ということで、国のほうに再審査請求をされた、こういう事例があると思うが、何件くらいあるか教えてください。

(援護課長)
 広島県に審査請求を行っている件数は、38件で、そのうち、3号被爆にかかるものが、23件です。また、国に再審査請求を行っている件数については、県で確認したところ、14件で、そのうち3号にかかるものは、8件となっている。


(中原ひろみ議員)
 3号被爆にかかわる再審査請求をしている人が、県に23人、国に8人、ということで、国と県合わせて、31人ということだが、この人たちの認定については、どのようにして、いくのか、大きな課題だと思うが、新しい審査基準を、作るときに、国ないし県と、過去の間違った基準で、却下された人たちの救済は、どうするのか、議論されなかったのか。この人たちの扱いについてどのようにするか聞かせてください。

(援護課長)
 審査基準を作成するにあたって、4県市で、協議しながら作成したわけだが、その過程で当然、国に、報告ないし、承認を求めるということもしてきた。その過程の中で、審査請求の扱いも議論になっているが、現在、審査請求についての、取り扱いについては、結論は出ていない。

(中原ひろみ議員)
 国と県と話し合ったけれども、結論が出てないということは、31人の方たちの、審査は、宙ぶらりんで浮いてしまっていて、高齢者の方たちばかりだから、一日延びれば、一日命が縮むような、気持ちで、待っているわけで、早くきちんと方向性を決めて、対応していかないといけないと思う。
 広島市もそのつもりだろうと思うが、国や県に、返してくださいよ、古い基準でやったんだから、新しい基準でもう一回やりますから、返してくださいと、いう風には言えないものか。

(原対部長)
 今、国なり県なりに審査請求されている方の扱いについて、早急に国県と協議して、詰める必要が、あると、課長が申したが、その方向性だが、我々が考えているのは、今被爆者の立場を考えれば、当然審査をして、処分を決めていないから、県なり国なりにあるわけで、当然新しいガイドラインが11・27に出たら、それにそって、現在、県なり国で審査しているのを、そのガイドラインにそって、審査していただければ、それが、先ほど申されたように、新たに差し戻して、審査するように、早急に、処理できる、的確に、と考えているので、そのように、国県と詰めてまいりたいと考えている。


(中原ひろみ議員)
 ということは、市に差し戻さなくても、今ある、県なり国に行ってる、その場で、国なり県が、新しい基準で、判断いただければいいじゃないかと、いうことを交渉しようと思っているということですね。
 それは市の思いで、国と県が、ぐずぐず言うこともあろうかと思う。ズルズル伸ばすわけにいかない話なので、どこかで、英断というか、しないとけない。そういうめどはないか。

(原対部長)
 今委員が言われたのは、我々としては、次善の策という風に考えているので、どうしても、国とか県で、そういう取り扱いができないと、であれば、市の方で、最終的には判断したいと、思っている。

(中原ひろみ)
 早く、国県と話をして、一番いいのは、市に戻してもらって、市が責任をもって、やるというのが一番いいんだろうと思う。というのは、行政不服審査法というのがあって、その38条に、審査庁が、採決をする権限を有しなくなった場合の措置というので、条文がある。そこでは、審査庁が、審査請求を受理したのち、法令の改廃により、当該審査請求につき、採決する権限を、有しなくなった時、つまり、3号被爆が、そのいい例ですね、再審査請求途中に、審査基準の方が変わっちゃったわけですから、採決する権限を有しないと、そういうときには、国や県は、もともとの最初のところへ、返しなさいと、最初の行政庁に速やかに返しなさいと、書かれているので、法律、専門家だから、これも生かしながら、宙ぶらりんになっている旧基準で、切り捨てられてしまった人の救済について、早く結論が出されるようにしてあげてほしい。
 次に、古い基準で却下された人、今のように再審査請求で、異議を申し立てず、あきらめて、私はだめなんだと、思っている人が、5年間で185人くらいいるということだが、この方たちについては、あきらめてはいけませんと、新しい基準がこうなりましたと、ついては、もう一回、お手数ですが、請求されませんかということが、ていねいにするのが、市の責任ではないかと思う。 それと、5年以前の、過去に、古い基準で、一人10人いないとだめよと、いうことで、10人があやふやだから、あなただめだと言われた人たち、救済については、どうされるのか教えていただきたい。

(援護課長)
 却下されて、審査請求が、行われておらず、すでに行政処分として、処分が確定した者については、再度申請をしていただく必要がある。そのために、今回新たに、審査指針を作ったが、この指針の周知を図ることが重要だと考えている。報道機関への積極的な情報提供を行うとともに、11・27の新たな審査指針の運用開始から、区役所本庁等の各窓口でも行っている。
 また、12・15号の市民と市政、に、おいても広報を行ったところだ。さらに市のHPにおいても、掲載もしている。また、審査に当たっては、過去に提出された申請書類や、証人の証言など、できるだけ活用して、申請者にできるだけ、負担をかけない形で、迅速な審査を行っていきたい。

(中原ひろみ議員)
 これまでは、10人かどうかということを、審査のときに、当人に聞かれたり、証人にも、主だった。今回の新しい基準では、10人ということよりも、被爆者と、何時間かそこに滞在した、時間という新たな角度が出てきた。
 過去に切り捨てられた人は、時間は、きいてもいない。もう一回、大変でしょうけど、すべての却下された人について、時間の視点から、被爆者に該当するのか、該当しないのか、判断するのが、市の責任だろうと思う。ぜひ、資料があるんでしょうから、個別で分かるので、亡くなった方は、残念だが、建材の方は、市の方から、積極的に新しい基準の内容について、お手紙でも出して、審査を、請求していただくように、してあげてほしい。
 続いて、新しい基準になって、どれくらい申請者が増えているか、認定者はどうなっているか教えてください。

(援護課長)
 3号被爆の申請件数は、21年度、今年の4月から11月末まで、136件となっている。ちなみに、20年度1年間で72件だったので、20年度の倍近い数字になっている。それから、136件の申請があるが、うち、4件について、処分を行い、2件取り下げ、現在130軒が、審査中という状況です。


(中原ひろみ議員)
 ずいぶん増えて、担当課も大変だろうと察するが、新基準になって、申請書とか、変わったのか。

(援護課長)
 申請書そのものは変わってない。ただ、証人と本人に、お聞きする内容について、先ほども、中原議員言われたが、時間の概念が、今回の審査指針に入ってきたので、そういったものを新たに聞くと、いうことが出ている。

(中原ひろみ議員)
 私のところにこういう方がいらした。被爆当時、国民学校4年生で、いらして、学校で救護にクラスに友達と一緒に200人くらい被爆者が治療されている介護をした。だけど、古い基準で切り捨てられてしまった方。新しい基準で、もう一回、証人も探しながら、申請しようとしたが、証人がいなくて、四国の方まで行ったが、証人が見つからないということで、友達同士で、証人になり合って、駄目だと突き返されたという。
 こういうことはあまりにもひどいんじゃないかと思うが、申請の手続きという市の、資料、案内があるが、そこに申請の手続きというところに、添付書類というのがあって、1から6まである。1は、罹災証明、当時のこんなものを持っている人はそうはいない。1がない、ものは、当時の写真、これもなかなかない。3、罹災署名写真がない人は、市町村長の証明書、これもなかなか、ない。そうすると、1から3がない人は、第三者、三親等以内の第三者の2人以上の証明書と。で、ここを気にされて、この方は、証人がいないので、友達同士で、なり合ったということだが、却下された。これはやっぱり、おかしいんじゃないかと思うが、市の見解はどうか。

(援護課長)
 委員指摘の、話は、被爆者健康手帳を、持たない方が、たがいに証人になり合って申請されたというケース。一般論として申し上げると、全員が同一内容で申請したということになる。このため、形式上は、証人だが、陳述された内容は、これから審査する証人自身の、申請内容となることから、別途他に証人がいる場合には、承認を求めたり、確認材料を求めたりすることになる。
 今回のケースでは、申請者たち以外に、証人が、見つからないということで、そのような申請になったということだが、審査の過程でどのような、証人、確認材料を求めていくのか、申請者に話を聞きながら、適宜判断していきたいと考えている。


(中原ひろみ)
 話を聞けばいいんで、聞き返すというのは、あまりにもいきすぎた対応だと、思うわけだが、その辺は、どうか。

(援護課長)
 今回、証人になった方が、他に同時に申請された方と、いうことで、証人としての証明力が、弱いということで、申請者に説明の上で、証人について再考を求めた。それで、証明書をお返ししたということ。ただ、ちょっと、取り扱いとしては、いかがなものかと、私も考えている。基本的には、申請者たちから証明書が出れば、それを受け取って、審査の材料にするというのが基本的な考えで、今回の取り扱いの点については、申請者に迷惑をかけたのかなと、いう風に思っている。


(中原ひろみ議員)
 ぜひ、当該の方には、謝罪もしてあげてほしい。今、4の話があった、第3者で、2人以上の証人、これもない人もいるわけですよ。まさしく、今の事例も、友達同士で駄目だという話だから、そういう人の場合は、5というのがあり、罹災証明も、写真も、市町村長の証明書も、第3者の2人以上の証明もない人には、本人において、当時のことを書いただけでもいいですよというのが、ある。これの、説明をされないし、5の意義が、担当者に、きちんと胸に落ちてないんじゃないか。5がほとんど見えてない。申請の手続きに書いてあるけど、有名無実な筆記になってしまっているといわなければならない。
 時間がないので、最後に確認する。5は生きていますよね。5の学習については、担当課の中で、どうするのかということと、先ほど、証明力が弱いということで、被爆の話もあった。被爆者手帳を持っていない人云々の話もあった。申請の手続きには、証明になる人は、被爆者手帳の所持者でなければいけないとは、どこにも書いてない。その理解はどうしたらいいのか、お答えいただきたい。

(援護課長)
 添付書類の5は、委員の説明の通りで、公的な証明書と、第3者の証明書がない場合には、本人以外の証明書とあるが、この場合は、おそらく肉親等の証明書、あるいは、本人の申述書を、判断材料にして、審査をせよという意味であると、理解している。それと、被爆者健康手帳を持っていない方が、証人になった場合ということだが、通常、被爆者健康手帳を持っている方は、すでにその場所にいたとか、直接被爆した方が、いるので、そういう方が証言される場合は、証言としてはかなり強いものかなと、いう風に思っている。ただ、だからといって、手帳を持ってないから、証言として採用しないかというと、そうではなくて、一応資料としていただいて、それについて判断させていただくという考え方です。


上にもどる


トップ議会情報・議員の発言2009年第5回12月定例会 議員発言 >厚生委員会・中原ひろみ議員
日本共産党広島市議会議員団
〒730-8586 広島市中区国泰寺町1−6−34 広島市役所議会棟内
電話 082-244-0844 FAX 082-244-1567 E-Mail k-shigi@jcp-hiro-shigi.jp