トップ議会情報・議員の発言2008年度決算特別委員会 >分科会厚生関係 皆川けいし議員


2009年11月2日 分科会・厚生関係 皆川けいし議員

 障害者自立支援法の枠を超えて市独自の施策を
 障害者の住まいについて
 障害者のケアホーム・グループホーム・福祉ホーム
 施設運営費に市独自の補助を
 重度障害者の「入院時のコミュニケーション支援事業」



障害者自立支援法の枠を超えて市独自の施策を

(皆川けいし議員)
 決算総括質疑でわが党の村上議員が障害者問題に的を絞ってやらせていただいたんですが、総括ということで個別のところまで踏み込んだ質問が十分できなかったので、私が後を引き継いで、今日はやらせていただきたいと思います。
 ところで先日の10月30日、障害者の皆さん方の大集会が東京でありました。今聞きましたら三宅先生も近くにおられて一緒に歩いた(歩いてないですよ、歩くわけがない:三宅議員)。スローガンがですね、「さよなら障害者自立支援法」「作ろう私たちの新法を」と、こういうスローガンで行われまして、全国から1万人の人たちが東京の日比谷公園に集まった。主催者の挨拶の中で「サービスの低下、応益負担、事業所の危機、福祉従事者の減少、こういう四つの自立支援法の害悪を糾弾して、廃止の流れを確かなものにしよう」と、こういう訴えがあったようであります。
 当日は長妻厚生労働大臣も参加されまして、政府としても自立支援法の廃止は決断していると、こういうふうに障害者の皆さんの前でキッパリと決意を表明されています。わが党としては、廃止を待たずに、今一番急がなくてはならないのは、障害者の皆さん方の定率の1割負担、これを定めている自立支援法の第29条というのがあるんですね。これを削除する。これはすぐできると思います。事業所の経営を危機に陥れている日払い制を月払い制に戻す。この最も急がれるところからまず早くやるべきだと思います。そうした上で憲法と国連の障害者権利条約の趣旨に沿った公的責任による総合的な障害者福祉法の創設、これを目指して頑張っていくところであります。
 問題はこの私が参加したわけではありませんが、いろんな記事を読みまして一番印象に残ったのは、障害者自らの手で新しい法律を作ろう、こういう呼びかけが行われたところであります。障害者本人の立場からの、障害者の気持ちに合った法律になるかどうかと。いくら良い法律でも、当事者の意見が反映されないという法律であってはならないと思いますが、まさに障害者の皆さん方も新法の制定にこれから参加して、より良い制度ができるように、私たちも頑張っていきたいと思いますが、それにしましても政治が変わりまして、今やっと障害者の皆さん方が希望の持てる社会が今から始まろうとしていることを痛感しました。
 しかし問題はこれからです。違憲の障害者自立支援法は憲法25条の生存権に違反するという裁判は今後も続行するということになっているようであります。当日はこの裁判に携わっておられる弁護士さんで民主党の議員さんらしいですが、こんなに障害者の皆さん方の生きる権利が、自立支援法の下で奪われているとは知らなかったということで、本当に檀上から涙ながらに訴えられて、非常に共感を呼んだという参加者の感想でも私ども聞かせていただきました。
 さて、そういう中で広島市の障害者対策は、この数年間本当に自立支援法を中心とした国の動向の下で、ある意味では振り回されてきたんじゃないかというふうに思うんですね。最初は措置制度がありまして、その次は支援費制度、それから自立支援制度というように、これまで目まぐるしく変わってきたわけですが、ただ国の制度や法律がどうなろうとですね、現実に広島市で生活されている障害者の皆さん方の生活はこれは変わらない訳ですから、本当にここに直接向き合っていく自治体の立場というのは、国の動向はあるとしてもしっかり現実の政治に目を向けた施策をしっかりこれからとっていただきたい。
 いくつかの質問に入る前にですね、まず国にこういう応益負担をやめようと、それから事業所の人件費など報酬アップ等日割り制の廃止などについて、これまで国にどういう声を地元自治体として上げてこられたのかという点を最初に伺いたいと思います。

(障害自立支援課長)
 これまで国において、政令指定都市市長会を中心に要望してきました主なものとしましては、重度障害者や低所得者への負担軽減の実施を図り利用者が生活実態に合ったサービスを安心して受けられる制度とすること。それからご指摘のありました事業者につきましては、全ての事業者がサービスの向上、良質な人材確保と事業所経営基盤安定を図ることができるよう対応すること、そういった要望をしております。

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障害者の住まいについて

(皆川けいし議員)
 自立支援法全般では膨大で範囲が広いので、総括質問を受けて三つの問題に絞ってお聞きしたいと思います。
 ひとつは、障害者の住まいの事が今から非常に深刻になることが予想されております。どんなに重い障害を持っている方々でも、人間として自立を願っていない障害者はいないと思います。特に乳幼児期、学齢期はその自立の力を身に付ける、援助すると、こういうところが中心となっておるんですが、18歳以上になれば障害者が自立して地域や社会で生活できる環境をいかに保障するかということだと思います。
 私は広島市の障害者対策の基本になります「広島市新障害者基本計画」を読みました。この前半に広島市の障害者の実態がずっと出ておりますが、市の障害者の総数は、身体、知的、精神、この3つの障害者だけで、これは手帳保持者ですが約5万人ですね。大雑把な数字で申し訳ないですが約5万人。広島市の人口が115万人で約4%の方々が障害者手帳を持って生活されているということが言えるのではないかと思います。
 その中で身体、精神、知的と分かれている訳ですが、身体だけ例にとって見てみますと、これはアンケートをかなりとっておられます。障害者本人に対する80項目からなる膨大なアンケートをとられましたね。これは非常に参考になるアンケートだというふうに思います。このアンケートを見まして、障害者の皆さん方がどういう状態に置かれているか、幾つか主なものだけ紹介しますと、住まいという点で言いましたら、自宅中心の生活をしていると答えている方々が就学前で33%ですが、学校卒業後でも自宅で生活をしているという方々が57.7%おられますね。それから誰が介護をしているのかと、「主な介護者は誰か」という問いかけがあります。これでも「母親」と答えた方が13.1%で一番多いんですね。結婚されている方もおられますので、夫とか妻とかの回答も勿論ありますけれども、母親が介護しているというのが一番多いです。それから「誰が介護しているのか答えられない」という方々が48.7%ありました。私はこれはどういうことだろうかと。答えようがない方々がかなりおられる。つまり介護の中心になっておられる方々がいない、という方もこの中に含まれているんじゃないかなと思います。それから「介護者の年齢は何歳ですか」という問いかけがあります。これではですね60歳以上の介護者が44.1%になっております。44%の障害者が60歳以上の方から介護を受けているということですね。「万一介護者がいなくなったらどうしますか」という問いかけがあります。これは「分らない」。介護者がいなくなったらどうしたら良いか分からない、「不明」または「無回答」が58.2%。こういうようになっております。
 全体の身体障害者の最近の特徴としましては、高齢化と重度化が進んでいるという分析がここに書いてあります。親がいなくても社会の中で障害者がちゃんと自立して生活できる状態、これは住まいだけに限りませんが、医療、介護、働く場の保障、年金、環境といろんなところが必要ですが、このアンケートからいってみましたら、とてもそういう安心した状態に置かれているとは思えないというふうに私は読みました。
 まず住まいの点で総括質問でも質問させていただきました。今後、施設から地域社会への移行が大切だというようにこの基本計画にも謳われております。秋葉市長も「住み慣れた地域において障害者が安心して暮らせる社会を作ろう」と、挨拶の中でおっしゃっています。私は障害者の方々が衣食住の一番基本の住という点でどういう状態に置かれているのか、全貌が十分市としても掴みきれていないんじゃないかと、掴みにくいという点もあるのかもしれませんが、ぜひこの点での把握を今後重視して行っていただきたいと思いますけれども、まずその点のお考えをお聞かせ願いたいと思います。

(自立支援課長)
 障害者の方が住み慣れた地域で自立し安心して暮らしていくためには、障害者の方の住まいの確保は重要だと認識しております。広島市の障害者基本計画第2期でございますが、その一つとして、グループホーム、ケアホームの利用者の見込みというような計画も立てております。そこでは平成23年度までに315人の方が、グループホーム、ケアホームを利用される見込みとなっています。


(皆川けいし議員)
 そのグループホームについて聞きます。住まいという点ではグループホームだけに狭くせずに、私は分け方はいろいろあると思うんですが、自立して単身で生活できる軽度の障害の方々もたくさんおられると思うんですね。そういう人たちに、自分で生活できるような住宅を提供するということが、まずひとつあると思うんです。そういう点でこの計画を見てみましたら、市営住宅の提供をするとかですね、民間アパートの入居の支援をするとか、こういうことがいろいろ書かれております。市営住宅については入居の支援をするとか、こういうことがいろいろ書かれております。
 市営住宅については先般詳しく村上議員が聞きましたけれども、民間アパート等への住宅入居の支援についてはこれまでどういう取り組みをされてきたんでしょうか。

(自立支援課長)
 これまで障害者の方々からの相談によって必要な情報の提供、助言ということで、住まいに関してもやってまいりました。今年度から更に、障害者で主に一人暮らしをされる方の一般住宅へ入居に関する相談支援、不動産業者への斡旋依頼、家主等との契約手続きの支援、入居後における緊急時の対応等を行う「居住サポート事業」を今年度から実施しております。

(皆川けいし議員)
 今年度から本格的に相談事業を行うということですが、障害者の方々が民間アパートをせっかく探して入ろうと思ってもですね、障害があるということで入居を断られるという例がこの前も紹介されましたね。ああいう事態がやっぱり起こらないように、ぜひ市としてもそういう家主さんや不動産業者にはちゃんと理解をしてもらうと、そういう働きかけが大事になってくると思うんですが、そういう点で、アパートへ入居したいけれどもなかなかいいところが見つからない、或いは断られたというような相談もちゃんとそこでフォローできますか。

(自立支援課長)
 そういったご相談も受けることにしております。

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障害者のケアホーム・グループホーム・福祉ホーム

(皆川けいし議員)
 もう一つ、主にこれは中度、重度の方々でしょうか、自分一人ではなかなか住むことは難しいけれども、フォローするような介助者がちゃんと一緒に住んでくれて仲間が何人かで共同生活していくということだったら、地域の中でも生活できる。こういう方々が非常に今多いですよね。そのような先ほどおっしゃった共同生活の場、これは僕もよく分らないんですがケアホームといったりグループホームといったり福祉ホームといったり、いろんな名前が付いて分らないんですが、いずれにしても障害者の皆さん方が共同で生活できる場でしょう。これが市内で今どれ位あるんですか。

(自立支援課長)
 20年度末現在で162人の方が利用されています。


(皆川けいし議員)
 人数は分かりますが、箇所はどれ位ですか。

(自立支援課長)
 およそ60か所でございます。


(皆川けいし議員)
 具体的に言ってもらえませんか。グループホームが何か所、ケアホームが何か所、福祉ホームが何か所というように内訳が分かったら教えてください。

(自立支援課長)
 先ほど人数は市内の人が利用されているということで、市内の人が利用されている市外の施設も含めますと、グループホーム14か所、ケアホームが24か所、福祉ホームが1か所でございます。


(皆川けいし議員)
 市内は何か所か分りませんか。

(自立支援課長)
 今、手持ちの資料では分りかねます。申し訳ございません。

(皆川けいし議員)
 162人で60か所位でしたら、1ホーム大体3人から5人程度の共同生活の場ですね。そういうことですね。これを今後どういう計画を持っておられますか。

(自立支援課長)
 福祉計画は平成23年度を目標として、グループホーム、ケアホームで315人の利用者を見込んでおります。


(皆川けいし議員)
 福祉ホームはどうなんですか。3つあわせて答えるようにしてください。

(自立支援課長)
 福祉ホームは70人で、合計385人でございます。


(皆川けいし議員)
 私はグループホーム、ケアホーム、福祉ホームをあまり数(多く)見ることはできていないんですが、これまでに何か所かのお話を伺ってみました。それぞれ障害者の皆さん方が昼間は主に作業所で働く、生活の場では朝と夜はこのホームで生活をしておられますけれども、一番切実な声として私も訴えられたのは、とにかく事業所の運営が大変だということですよ。
 本当はですね、人が沢山要るんだけれどもなかなか正規職員を雇う余裕が無いので、アルバイトや非正規の方々で繋ぎ繋ぎやっている。ただ夜は誰かが泊まらないといけません。そういう点ではほとんど夜勤手当とかそういうのは出しようがない。ボランティアと同じように本当にもう一所懸命、人件費を度外視してやって、善意で支えられているんですね。
 入所されている障害者の方々も、家賃が大体3万円前後ですね。家賃と共益費とか食費とか全部入れたらね大体6〜7万位掛かるんです。そうしましたら障害者年金スレスレですよ、これはね。もう後は残りが無い。あといろんなサービスを受けるために全部1割負担が付きまとうわけですから、これはもう本当に障害者の方々の、利用者の負担が大きい、施設の人件費が賄えないという状態で、なんとか市としてもこれは基本は国の法律の枠内でやっとるから、本当にこういう事業所に携わる人たちの従業員も希望者が今、探すのが大変なんですね。介護保険と全く同じような状態が障害者施設の現場で生まれています。そういう点で広島市としては、こういう市内の共同生活の場の支援に対して今までどういう施策をされてきているんでしょうか。

(自立支援課長)
 ケアホーム等の整備にあたりましては多額の施設整備費が必要になることから、民間社会福祉法人がケアホームなどを整備する際には初期負担を軽減するため、市独自の措置として市が保有する未利用の土地や建物を貸与するなどの支援を行っております。

(皆川けいし議員)
 土地や建物の有償貸与ですね。それだけですか。市として独自の支援措置は。

(自立支援課長)
 市独自としての支援は先ほど申したものだけでございます。

(皆川けいし議員)
 市有地を有償で貸与するということ自体が大きくて、これだけでも非常に助かっているとおっしゃっていましたけれども、しかし土地代は自分たちで都合しなくても市から斡旋していただいて助かるんですが、あとは全部自分たちで負担しないといけない。こういう仕組みになっているわけですね。ひいてはですね保護者や介護者の皆さん方がなんとか駆けずり回って、ホームを作りオープンをして月々の不足額もいろんな事業活動などやって何とか賄っているというのが実態ではないんですか。そういう中で広島市のこの385名ですね、385名というのはいくらなんでも少ないんじゃないのかと私は思うんですよ。作業所に通っている障害者の方だけでも市内にどれ位おられるんですか。

(自立支援課長)
 作業所や法定の施設に移行しました地域活動支援センターV型などをあわせまして、利用者は1,700人余りでございます。


(皆川けいし議員)
 1,700人の方みんなが共同生活を希望しているとは言いませんけれども、多くの方々が条件さえあればぜひそういうところで、あとは介護者にこれ以上の負担をかけないで自活していきたいという希望を持っておられるというふうに思うんですね。
 それともう一つは、親亡き後のこの子の行く末を案じておられる方々が沢山おられるんですね。先ほど高齢化しておられる問題を私言いましたけれども、今60、70(歳代)のお母さんが主に子どもたちの介護をしているという方が、この1,700人だけ見ましてもね、随分沢山おられるんですね。今自分たちが元気なうちに、この子の将来の生活を作りたいというので必至になっておられるんですね。
 課長さんのところにはそういう要望が絶えずいっているから言わなくてもよく分ってると思うんですが、そういう中でこれは作業所だけで1,700人ですから、それ以外の方々全部で5万人と言いましたけれどもね、それからしましたら300人位というのは本当に少ないと思うんです。この目標数というのはどこからはじいたんですか。

(自立支援課長)
 今回の障害福祉計画の利用見込みは、平成20年度に県が実施しました事業者の新体系への移行見込み調査と第1期の実績を踏まえたもので見込んでおります。

(皆川けいし議員)
 県の行った意向調査というのは事業者に対してやられたんでしょうが、そこから帰ってきた数字でしょ。じゃあこの数字を上げてきた事業者は何事業者くらいあるのか。

(自立支援課長)
 施設の数は先ほどお答えしたんですが、事業者の数は今手元にございません。

(皆川けいし議員)
 現在が160数人で、あと3年間で約倍くらいですね、2つのホームだけで315人。そうしたらおそらくそう沢山の事業者は手を上げていないんじゃないかと思うんですね。上げようがないというのが実態じゃないですか。もう採算が合わないし、なかなか大変だし、保護者の資力にもよりますから、それはとてもじゃないが自分たちがやりたいと言って率先して手を上げるような事業者というのはあんまりいるようには私は思わんのですが、そこはどういうふうに受け止めておられますか。

(自立支援課長)
 これまで160人余りの人のグループホーム、ケアホームができました。最近までは運営が厳しいという声は殆ど聞かなかったんですけど、委員ご指摘のホームは西区のホームだと思いますけど、そこのホームはこれまでの状況と違いまして、重度の障害者の方が多く入られているホームの運営状況でございます。そういったところから、重度の障害者の方が多く入られるホームについては運営状況が厳しくなったのかなという感じはいたしますが、それ以外の方の入っておられるホームにつきましてはそういった声は聞きませんし、運営は順調にいっているのではないかと思っております。


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施設運営費に市独自の補助を

(皆川けいし議員)
 運営が順調にいっていると、それはあとでゆっくり教えてください。運営が順調にいっているという説はおそらく私は聞いたことないですよ。だって施設の運営そのものが日払い制度でね、みんな悲鳴を上げて今「こんな悪法は早く無くしてくれ」と運動しているわけですから、今の(制度)で十分できているとは、私は思いません。そういう認識では困るんですね。今の「重度だから運営が大変だ」ということですが、重度の方々はこの共同生活支援は想定していないんですか。

(自立支援課長)
 事業者に対する報酬体系として、重度の方が入られている場合は重度の加算はされております。ですから国としても重度の方が入られるという想定はしておるということになります。

(皆川けいし議員)
 重度であろうと軽度であろうと全て障害者の方々はこういう居住関係のサービスをやはり受けられるということで、特にケアホームというのは区分2以上の方々でしょ。区分2以上の方々はケアホームでできるということになっている訳ですから、重度だから運営が大変というのは、これは法の仕組み、今の制度の改善点ですよね、これはね。そう思われませんか。

(自立支援課長)
 先ほどから運営が厳しいと言っておられるホームのお話を聞きますと、やはり重度、程度区分で言うと2以上が入居可能なんですけど、もっと多い5とか6の方が多く入居されております。それで入られている障害者の程度によりまして人員配置が決まってくる訳ですけど、西区のホームにおきましては国の人員配置以上に配置しないとやっていけないということでございますので、ただ西区のホームにつきましては6月に開所したばかりで、殆どの方が初めて親元を離れて暮らされるということでありまして、もう少し事業が安定した状態で、また我々としてもヒアリングを行いどこに課題があるかというのをもう少し詰めていきたいと思っております。それによりまして問題点があれば国に対して強く要望してまいりたいとも考えております。


(皆川けいし議員)
 私は最初に、どんなに重い障害を持っている人でも人間として自立を願っていない障害者はいない、というふうに言いました。これは障害者区分に関係無くね、重度の人でも軽度の人でも同じだと思うんですよ。重度の人ほどむしろ本当に自分の力でなんとか生きようというそういう気持ちはね、本当に強いですよ、私いろんな人から話を聞いてね。ですから、重度だから大変だというようなことがあってはならないと思います。
 西区、西区と盛んにおっしゃいますが、西区だけの問題じゃないと思うんですよ。手を事業者が上げないのは上げられるような条件が整っていないということの裏返し、証明だと思います。そういう中で広島市の独自施策はまあ市有地や建物の貸与ということがありましたけれども、政令市のいろんな支援策を見ていましたらね、家賃補助とか、重度の方が入られた場合は加算をする。そして運営費をね自治体独自の運営費の支援を出すというところもかなりあります。施設を作るときも整備費に対して相当、自治体独自で支援するというところもあります。例えば横浜市とか大阪市はどうなっていますか、自治体の独自支援は。

(自立支援課長)
 政令市で調査しまして回答があったところの数字ですが、16都市中12都市が整備費とか運営費で独自の補助制度を設けております。


(皆川けいし議員)
 この調子で行ったら時間が経つばっかりですが、私の手元にある、かなり手厚い助成をされておりますね。私も調べてみてびっくりしたんですけれども。こうゆう点で広島市のこの運営費や整備費に対する独自補助は、なんとか考える必要があるんじゃないかと思うんですが、今後そういうお考えはありませんか。

(自立支援課長)
 報酬の引き上げというのがあると思います。21年度から平均で5.1%、ケアホームについては平均よりもさらに大幅な値上げになっております。そうした事業者報酬の引き上げ効果について国において施設の運営状況の調査が行われる予定でありまして、その結果を受けて必要であれば更なる報酬の引き上げも考えられることから、まずは今後の国の動向を見守っていきたいと考えています。


(皆川けいし議員)
 今、市独自に支援する考えは一切無いって答弁したんですか。どっちですか。

(自立支援課長)
 国の動向も見極めながらも、平成19年度に策定しました本市の新障害者基本計画にもグループホームやケアホーム等の充実を図るため開設時の支援や運営に対する支援を検討することとしており、事業者の運営状況を見ながら支援の必要性について検討していきたいと考えております。


(皆川けいし議員)
 大阪市の場合はね、府がまずやっています。ホームへの独自の運営補助。これは機能強化加算という名前です。区分ごとに単価が違うんですけれども、一番重い区分6という方々に対しては1日当たり800円の加算をすると。これにプラスして府下の各自治体が出しているんですね。大阪市の場合は1,040円加算して、だから府と市で合わせて1,840円独自に運営費補助という名前で出しております。
 それから自治体によってはこれ以外に家賃補助とか、施設整備の補助とかこういうことを出しております。それと横浜市ですが、整備をするときに1ホーム当たり306万円補助金を出しております。それから運営費補助としては、重度障害者1人について区分6の方を例にとりましたら1日1,000円市独自に加算をします。家賃についてはですね1ホーム当たり7人以下のホームに対しては17万7,000円の家賃補助を行う。こういうことなんですね。こういうように政令市12と今おっしゃいましたけれども、他のところもこういう形でやっているんですね。
 広島市は市有地が遊んでいるものが沢山あるのかどうか、そこは無償で提供しましょうと、これは大いにいいことなんですが、これでかなり助かっておりますけれども、その上にさらにこういう施設の整備費や運営費に対する何らかの補助というのはぜひ検討していただきたい。
お金が無い無いとおっしゃるが、ちょっと聞いてみますけれどもね、障害者自立支援法が導入される前と後で市の障害者対策に対する予算というのはどういうふうになったのかというのを、最初にお尋ねすればよかったんですが、障害者福祉関係の決算ですが、平成16年度と18年度に導入されたんですね。導入前の平成16年度の障害者福祉関係の決算と平成20年の決算は総額どうなっていますか。その中で国、県、市大体どういう財源の分担になっていますか。

(自立支援課長)
 まず障害者福祉関係の市の予算ですが年度によって変化がございます施設整備費を除いた業種で答えさせていただきますと、平成16年度が184億7,643万8千円でございます。平成20年度は236億2,496万9千円でございます。それからそれぞれの年度の国、県、市の財源ですが、全体の財源構成というのは把握しておりませんけど、障害者自立支援法施行前と後では、例えば一番大きな比重の福祉サービスにおいての財源構成は旧制度では国が2分の1、市が2分の1でした。自立支援法ではそれが国2分の1、県4分の1、市4分の1となっております。


(皆川けいし議員)
 今話があったように、福祉サービスについては広島市がそれまでは2分の1持っていたんですよね。国が2分の1、市が2分の1。ところが平成18年を境にして広島市の持ち出し分は4分の1で済むようになった。残り4分の1は県が出す。国が2分の1。こうなったんですね。ということは自立支援法になって広島市の持ち出し分というのは、まあ機械的に言いましたら2分の1、今までよりも市の一般財源の持ち出しは少なくて済むという状態になった訳です。
 そのかわりサービス量が増えたから全体のパイが増えたから、総額としてはそう減っていないかもしれませんが、総体としてはこれまで市が独自にやっていた予算はこれは減っているわけでしょ。その減った分はこういう形で自治体独自の足りないところを応援するというのに使うべきじゃないんですか。よそへ回すんじゃなくて。そういうことは財源的にも可能なんじゃないかと思うんですが、どう受け止めておられますか。

(障害福祉部長)
 障害者福祉に関する財源のお話を今頂いておりますけれども、私の理解では従来の障害者への福祉サービスというのは、予算の範囲内でということが前提であって、障害者の方々が安心して福祉サービスを受けられるという形式は整っていなかった。はっきりしていなかったと。それが障害者自立支援法が施行されたことによって国であり自治体が福祉サービスに対する支出を義務付けられた。自立支援法の良い面の一つだというふうに障害者団体の方は評価されていると理解しております。従いまして単純に2分の1だったものが4分の1になるのだからという議論にはならないのではないかと思います。


(皆川けいし議員)
 いや単純な問題ですよ。今まで100億出していたのがね、50億で済むと。50億円浮くじゃないですか。それを使ったらどうですかと私は言っているんですよ。少々乱暴な言い方かもしれませんが、理屈としては成り立つんじゃないですか。

(障害福祉部長)
 障害者自立支援法ができまして福祉サービスが非常にメニューも充実したという面があるということも片や言われているかと思います。従いまして従前の100億と今の100億というのは一緒ではないということじゃないでしょうか。


(皆川けいし議員)
 私がこういうことを聞いたらね、そういう試算をしていないんですね。自立支援法の成立前に広島市の税金をどれ位使っていたかと、障害者のために。自立支援法によってみんなから1割負担、あと国、県、市で負担しあって出すと。その広島市の持ち出し分はどれ位で、どれ位差があるのかと、こういう分析をされたんですか。部長。

(障害福祉部長)
 考え方として今申し上げた訳で、障害福祉サービス分野の支出というのは確実に増えてきております。


(皆川けいし議員)
 試算をした上で出してください。本当に増えているのか減ったのか。ぜひ試算してください。計算をしてください。16年度と20年度だけでいいですから比較して、広島市の予算の持ち出しがどうなったか。増えたのか減ったのかというのを出してください。それからでないと結論は出ないじゃないですか。分析されたんですか。

(障害福祉部長)
 申し訳ございません。そういう計算をした上でのお話ではございませんでした。また計算をいたしましてご説明いたします。


(皆川けいし議員)
 計算もせずにね、いい加減な答弁してほしくないですよ。私が言うのは単純な話です。お金が無い無いと言って、難しい、難しいという話をするから、今まで出していたお金の一部をそういうふうに回したらいいじゃないですかというだけの話です。後で教えてください。
 もうひとつ住まいの提供という点で市営住宅、公営住宅をグループホームに活用できると、こういう道が開かれましたよね。これは公営住宅法が改正されてからだと思うんですが、改正されたのはいつですか。

(自立支援課長)
 平成8年5月30日でございます。


(皆川けいし議員)
 13年前に既に門戸が開かれていたわけですが、ところが13年間で今広島市で市営住宅に限って聞きますが、グループホーム、ケアホームに提供しているのは何か所ありますか。

(自立支援課長)
 中区で1か所グループホーム業者にお貸ししております。


(皆川けいし議員)
 1か所しかないということは、これはそれだけ要望が無かったということなんでしょうか。それとも皆さんが知らなかったんでしょうか。実態としてはどうなんでしょうか。

(自立支援課長)
 ご要望がありましたら、まず公営住宅をグループホーム、ケアホームとしてお貸しできるのは、公営住宅の適正かつ合理的な管理の使用の範囲内でという判断ができた時点でお貸しするということでございます。それまでご要望が何件あってこの範囲内でどうかということは把握しておりませんけど、ここ数年間では特にここだというご要望は無いように記憶しております。

(皆川けいし議員)
 最近もあったんじゃないですか。こういう住まいのことは市営住宅は住宅建築課ですから所管が違うと、今までは縦割りでね、いやあっちだこっちだということで、むこうの課から何も無いというようなことで。そうはいかん今からね。そのためにクロスセクションができたわけですから。クロスセクションの中には障害も住宅も入って一緒に障害者施策を、この基本計画を前に進めようと議論しているわけでしょ。そういう中で住まいの確保という点で市営住宅のグループホーム、ケアホームなどへの門戸の開放と、これは促進しようと議論されてきたことはあるんですか。

(自立支援課長)
 先ほど言いましたように、ごく最近はございませんでしたけど、委員ご指摘のように極々最近になりまして、中区の今建て替えを予定している市営住宅についてグループホームとして整備できないかという具体的な要望を伺っております。


(皆川けいし議員)
 あのね。じゃあ、まあ、いいですよ。要請があったら真面目に検討するつもりはあるんですか。それだけ答えてください。

(自立支援課長)
 個々の障害者に応じた住まいの確保というのは重要と認識しておりますし、クロスセクションのメンバーにも住宅部局が入っております。連携を密にして具体的に調査とかしていきたいと考えております。


(皆川けいし議員)
 ここは厚生委員会ですが、建設委員会でこの問題を取り上げることにしてますが、先般の総括質問のときの住宅建築課の答弁ですが、こう答えていますよ。「今後具体的に市営住宅をグループホームに活用したいという要請があれば、関係部局と連携を図りながら市営住宅の活用の可否について検討していきたいと考えております」というように、要請があれば住宅課としても受けると言っている訳ですから、あなたはもうクロスセクションの中でどうテーマとしてきちっと位置付けるかということだというふうに思います。
 ちなみに一般の市営住宅の間取りではなかなか個室という訳にはなりません。市営住宅をそういうグループホーム用の設計でちゃんと設計段階から作ろうということで、これは目的外使用ということになるわけですけどもね。国交省もですね目的外使用でグループホーム、ケアホームに目的外使用を認めよ、とこういう実例がもう既にできております。これは呉の市営住宅、私も見に行きましたけれども4LDKでグループホーム用として設計図まで国に出してOK取ったんですね。ただ1年ごとに更新しないといけない、目的外使用ということですから。こういうこともできていますので、ぜひこれは勉強していただきたいというふうに思います。

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重度障害者の「入院時のコミュニケーション支援事業」

(皆川けいし議員)
 あと1分ですよね。これは要望にしておきましょう。重度障害者が病院に入院したときに、医療関係者との間で発語が困難な場合はこれはコミュニケーションがとれないわけですね。本人との意思疎通を図れません。これは命に関わる問題ですから、これは新しい動きとしましてですね、神戸市とか大阪市では重度障害者が入院されたときは、事実上訪問介護を認めると。名前は「入院時のコミュニケーション支援事業」となっています。ぜひ広島市でもこういう事業も積極的に初めて、認めていただきたいと思うんですけれども、神戸の取組み、実績も含めて掴んでいたら紹介していただいて、今後のお考えを聞いて終わりたいと思います。聞かせてください。

(自立支援課長)
 神戸の実績でございますが、平成20年度で金額にして73万3,000円でございます。本市の考え方でございますが、議員ご指摘のあった点につきましては、医療サービスの提供のあり方にも関わる問題でございまして、本来国において検討するべきだと考えておりますが、一人暮らしの重度障害者など入院時の生活に特に困られている方への支援の必要性については認識しており、本市としての支援の在り方について検討したいと考えております。

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トップ議会情報・議員の発言2008年度決算特別委員会 >分科会厚生関係 皆川けいし議員
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