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2009年11月4日 分科会・建設関係 中原ひろみ議員 |
市営住宅への福祉施設活用について Bブロック市街地再開発事業について 出島地区廃棄物埋め立て護岸整備について 歩道のバリアフリーについて |
市営住宅への福祉施設活用について (中原ひろみ議員) 特賃住宅は平成18年10月1日から最高で27,300円、最低でも13,000円の使用料を下げたので、空き部屋は少なくなったのではないかと思うが、平成20年度はどのような状況ないか。特賃住宅の空き率と空き戸数、最長の空き年月、全室入居したと仮定すれば使用料はいくら増えるのか。 (住宅管理担当課長) 市内に6団地、182戸の特賃住宅を管理している。今年の10月1日現在の入居戸数は145戸、入居率は79.7%。空家率は今年の4月1日現在で、25.8%となっている。最長の空家年数は、大須賀住宅の約18年である。平成13年の芸予地震の時に災害用住宅として一時使用し、その後も災害用住宅として位置付け、使用を停止していたものである。空家は47戸で、この空家全室に入居者がいたと仮定した場合、一年間の使用料は約3800万円増加することになる。 (中原ひろみ議員) 使用料を下げても常時公募しても、47戸も空きがあり入居者がいないということは、特賃住宅の必要性は薄くなっていると考えるが、市の認識はどうか。 (住宅管理担当課長) 特賃住宅は入居収入基準が月額15万8,000円以上、48万7,000円以下の中堅所得者向けの住宅である。入居率は平成19年4月1日には52.2%であったものが、平成21年4月1日には79.7%と、27.5ポイント改善している。特賃住宅の需要はあると考えている。 (中原ひろみ議員) 過去と比較して特賃住宅への入居率が改善してきたという事実はあるとしても、実際に空き室が47戸もあり、3,800万円の入るべき使用料が入らないというのは、大変にもったいないと言わざるを得ない。中堅所得者用の住宅にこだわらず、せっかくの市民の財産を活用し、使用料が確実に入ったほうがいいのではないのか。市の認識はどうか。 (住宅管理担当課長) 空家を解消するために市としても室内見学会により入居促進を図っている。年々入居率は改善しているので、このまま続けていきたい。 (中原ひろみ議員) 市の「市営住宅ストック有効活用計画」では、多様な住宅困窮者への的確な支援ということで、高齢者・障害者・子育て世代に安定的な住宅の確保に努めると書いてある。特に、「福祉施策との連携」として、「高齢者や障害者が地域において自立できる居住の場を確保するために、入居者や地域の状況を踏まえ、シルバーハウジングの整備やグループホームなどへの活用について、福祉関係部局と連携し検討します」と書いているが、広島市は20年度に、CS(クロスセクション=縦割りの弊害をなくし複数部署の連携を進める組織))で各部局が横につながる仕組みもできた。市営住宅の福祉施設への活用にむけて、福祉関係部局とどのような検討をされたのか、検討状況と課題をお聞きする。 (住宅政策課長) ストック活用計画には、「福祉関係部局と連携したグループホームなどへの活用」を書いている。市営住宅をグループホームに活用することについては「目的外使用」ということになっている。市営住宅の適正かつ合理的な管理に支障のない範囲内で、市営住宅の本来の入居対象者に支障が生じないこと、事業が円滑かつ確実に実施されると見込まれること、を条件に検討することになっている。平成20年度においては、具体的に市営住宅をグループホームに活用したいとの要請は把握していないが、クロスセクションで要請があれば要件を踏まえながら、福祉部局と連携して検討していく。 (中原ひろみ議員) グループホームなどへの活用の要請がないので具体的には何も検討していないということか。 (住宅政策課長) 市営住宅全体でいえば非常に高い応募倍率となっている。特賃についても入居促進の効果が出はじめているので、本来の供給に支障が生じないことと、目的外使用であるということの中で、福祉部局と連携していきたい。 (中原ひろみ議員) 「本来の活用に支障が生じない」というが「本来の活用」とは何か。 (住宅政策課長) 市営住宅については中堅所得者・通常の公営住宅は低所得者向けに、自力で住宅を確保することができない方に住宅を供給する目標があるので、既存ストックを対象となった方に的確に空家を公募していきたい。 (中原ひろみ議員) 市の言い分を聞いていると、市営住宅の福祉施設の活用は「目的外使用」だから使ったらいけないというふうに聞こえるが、広島市は平成12年から、吉島東の市営住宅に4名の女性のケア・ホームへと活用を認めているではないか。障害者は低所得者であり、自分で住宅を確保することができない立場にある。障害者の住まいは「目的外」というのは納得できない答弁である。 国は市営住宅を福祉施設に活用してもよいとの法改正を行っている。この法改正の精神は何なのか。 (住宅管理担当課長) 国は平成8年に市営住宅法を改正し、公営住宅については公益法人等が公営住宅を使用して社会福祉事業を行うことができるようになった。 (中原ひろみ議員) 本来であれば、この法改正がされた時から、広島市は親なき後の障害者の住まいをどう確保していくのか、地域でどのように生活していくかという視点で、政策を立てるべきであったと考える。 広島市では、唯一、吉島東市営住宅でケア・ホームとして活用しているだけである。立ち遅れている。呉市では、平成17年に市営住宅の中にグループホームを併設して立派な施設を建てている。呉市ではなぜ、できたのか調査はしているか。 (住宅政策課長) 呉市は市営住宅の新規整備と併せてグループホームを設けている。手続きとしては目的外使用という手順をとることになるので、呉市の方に、どんな形で実現したのか接触しているが、当時の担当者がいないということで詳しい情報がわからない。当時は可能であったという話を聞いているが、今後詳しい調査を国・地方整備局・県に実際の事務的な手続きについて、どのようなことで可能になるのか調査していきたい。 (中原ひろみ議員) 「目的外使用」という言葉がどうしても耳につく。市は「難しいこと」とハードルを自ら高くしているのではなかと感じる。市が自らつくられた「市営住宅ストック有効活用計画」には市営住宅への福祉施設の活用を政策として明確に打ち出しているのだから、もっと積極的に実施する立場を貫くべきである。やり抜くという構えが感じられないことを指摘しておく。 呉市がなぜ、実現したのかということは今後も調査してもらいたい。 先日、4名の女性が利用されている吉島東住宅のケア・ホームに伺うと、男性のケア・ホームの必要性も訴えられた。男性は民間住宅を借りてケア・ホームにされているそうなのですが、外階段で、雨が降れば滑りやすいなど、障害者には危険な施設だということだった。障害者の方から市営住宅をグループホームとして活用したいとの声が届いたら、「目的外使用」を理由にせず、実現にむけて積極的に取り組んでいただけるのか再度、確認する。 (住宅政策課長) 市民から直接に要請があれば、必要性の判断等についてクロスセクションで福祉部局と連携して、空家の市営住宅の情報を提供するなど連携に努める。 (中原ひろみ議員) 親が高齢化するなかで、親なき後に残された障害者の生活をどうするのかというのは、大きな問題である。きちんと市の重要な施策に位置付けるべきである。 今後、建て替え整備される市営住宅においては、福祉施設を織り込んだ形で建て替える検討はされているのか。 (住宅政策課長) 新たに整備する住宅は京橋会館、吉島地区においては管理戸数200戸を超える大規模な吉島住宅の建て替えを検討している。広範囲にわたっている敷地を余剰地として有効に活用した新たな市営住宅の更新のモデル事業として現在PFI(行政が資金や利益を保障した上で民間に施設を経営させる制度)の導入を前提とし可能性調査の業務をしている。余剰地の創出と有効活用として福祉関連施設・民間の生活利便施設の用地など、まちづくりに寄与する活用を検討している。大規模な団地を更新するときには、福祉施設の併設についても検討していきたい。 (中原ひろみ議員) 検討だけでなく具体化してもらいたい。 先日、霞住宅に入居されている高齢者から「階段の真ん中を歩かず、両端を歩くように言われたという話を聞いた。霞住宅の階段は痛みが激しいので、改修が行われているがどのような補修計画で一つの階段を補修する費用はどのくらいかかるのか。 (段原再開発部計画課長) 霞団地内には九階建ての高層住宅が五棟ある。それぞれに4箇所の屋外鉄骨階段がある。この階段の改修は15年をめどに損傷具合を考慮して行うこととしている。現在の改修は平成16年度から25年度にかけて、1年間に2か所づつ実施している。1か所あたりの改修費は、約234万円である。 (中原ひろみ議員) 巨額の改修予算ではないと感じる。一度になぜできないのかと思わざるをえない。住宅費・住宅管理費・工事請負費で一億3000万円の不用額が出ている。不用額が出た理由は、入札残が主な原因だと思うが、このような入札残が発生した場合は、この住宅関係の不用額を使って、住宅において実施が必要な改修を前倒しで早目に改修することはできないのか。 (住宅整備課長) 箇所付けがされている予算は、それぞれの箇所のなかで、予算枠が決められている。箇所付けのない修繕費など、緊急性があれば契約等の事務の手続きが間に合えば不用額を使っての改修は可能である。 (中原ひろみ議員) 予算時に箇所付けがない修繕は、手続きが間に合えば不用額を使った改修はできるということなので、市内の市営住宅のなかで修繕が必要な箇所の点検を日頃からしっかり行い把握し、不用額での早目の改修をしていただくように要望する。 また、市営住宅に長年にわたり入居されている市民と話すと「30年くらい市営住宅に住んでいるが、台所・畳・襖などの設備が大切に使っていても長い年月のなかで使い痛みしている。使用料は滞納せずきちんと納めているが、大家である広島市は全くリフォームをしてくれない」という意見を多く見聞きする。 そうしたなか、広島市は「市営住宅ストック活用計画」を発表され、このなかで「維持保全」「計画修繕」として台所・浴室・ガス・電気関係の周期的な計画修繕を行うとされている。是非、早急に実施していただきたいが、このなかに網戸の設置や、大きなポストへの改善も入れていただくように要望する。すでに、ご自分で網戸を設置した方もおられる。窓を開ければ蚊が入ってくるというのでは快適に暮らせない。民家では網戸は必要な設備になっていると思うが、市の計画修繕のなかに入れる考えはないのか。 (住宅整備課長) 市営住宅整備にさいして、網戸の設置についてはこれまで建設時から実施していない。設置する場合は入居者の負担としている。集合郵便受けの設置替えについては、老朽の度合いや周辺のスペースを考慮しながら必要と判断される場合は、外壁の改修工事などと合わせて、適切な大きさに設置替えしていっている。 (中原ひろみ議員) 網戸の設置は自己負担だと言われたが、それなら退去する時には網戸を持って出かなくてはならない。しかし実際は、網戸はそのまま市営住宅に置いていくことになる。これまでは網戸の設置は考えていなかったとしても、これから建て替えが行われる吉島や京橋の市営住宅では、網戸の設置や大きなポストの設置をしていただくように求めておきます。 上にもどる Bブロック市街地再開発事業について (中原ひろみ議員) 市道拡幅等に係る公共施設管理者負担金として、約1800万円が支出されているが、具体的にどこに使われたのか。この内、約780万円は今年度に繰り越しているが、これはどこに使うのか。 (広島駅地区周辺整備担当課長) 公共施設管理者負担金の20年度の使途は、市街地再開発に合わせて整備する周辺道路の測量費・道路の予備設計費・広島駅南口地下広場の拡幅の基本設計費を予定していた。この内、広島駅南口地下広場の設計費は、Bブロック市街地再開発事業の基本設計と合わせて計画する必要があるため、21年度に繰り越した。 (中原ひろみ議員) 道路の測量・予備設計を実施したということは、道路の測量・予備設計への負担金支払い義務は二度と発生しないという理解でいいのか。 (広島駅地区周辺整備担当課長) その通りです。 (中原ひろみ議員) Bブロック市街地再開発組合の理事長名で広島市長に出された、平成20年度の市街地再開発組合の収支予算書を見ると、補助金収入として5億1000万円が計上されている。調査設計計画費補助と備考欄に明記されている。この5億1000万円のなかには、広島市がBブロック市街地再開発組合に出している補助金、約1億3500万円が含まれている。5億1000万円から1億3500万円の差額は、国と県の負担だと考える。広島市が出した補助金1億3500万円の94%にあたる約1億2800万円は、今年度へと繰り越され、結局、748万円しか補助金は必要なかったという決算額となっている。 多額の繰り越しをした理由と、748万円の補助金で20年度はどんな事業をしたのか。そもそも、5億1000万円の補助金でBブロック市街地再開発事業を20年度は、どこまで進める計画だったのか。 (広島駅周辺整備担当課長) 組合の収支計画書に記載されている5億1000万円は、全額、広島市の補助金であるが、1億3500万円へと減額補正をした結果であり、国・県の補助金ではない。 Bブロック市街地再開発事業は20年度に、土地物件調書の作成、事業計画の作成、基本設計を進める予定であった。しかし、建築資材の高騰、地価の低迷の影響により事業計画を慎重に検討することが必要となったため、20年度は748万円を使い、事業計画検討の基礎となる土地物件調書の作成を実施したのみで、後は次年度に繰り越した。 現在は、今年度末の事業計画の策定を目指しているところである。 (中原ひろみ議員) 経済状況が急変して、20年度に見込んでいた事業計画ができなくなったということだが、 2008年4月25日には「事業に光がさした」ということで事業説明会が開かれている。この説明会では、再開発事業に参加したくない地権者が、地区外への転出希望を申し出る期間が定められた。その「転出の申し出期間」は、平成20年5月1日〜5月30日とされた。再開発事業においては、この転出申し出期間が終了した翌日が評価基準日となり、その時点で再開発前の資産を評価し、再開発後のビル床の値段の概算額が決まるので、この転出申し出期間日はとても重要な意味を持っている。 さらに権利変換計画の縦覧は平成20年11月ころ説明されているが、この説明会の通りには事業が進んでいないということだと思うが、権利変換計画の縦覧の見通しいつごろになるのか確認する。 (広島駅周辺開発担当課長) 平成20年(2008年)3月に、事業再構築案に基づく都市計画の変更がされた。同年四月に関係権利者への事業説明会が開催され、5月から権利変換計画の前提となる権利変換を希望しない旨の届け出期間を設けた。その申し出期間である一カ月を過ぎ、その半年後となる11月ころに縦覧する計画だったが、経済情勢の悪化により権利変換を希望しない者の申し出だけは実施したが、権利変換の作成、縦覧には至っていない。 (中原ひろみ議員) 権利変換計画の縦覧がされない場合は、再度、転出申し出期間を再設定し、評価基準日の再設定を行い、六カ月以内に権利変換計画縦覧を繰り返すということになっている。どこまでこの繰り返しが行われるのか見通しが立たたず、Bブロックで商売をされている方は不安な日々を過ごされている。 主な施策の成果として、再開発指導「事業費」180万円が予算で計上され、そのうちの80万円が使われているが、この予算を使い、市は再開発組合にどんな指導をしているのか。 (広島駅周辺整備担当課長) 指導の内容は、市街地再開発事業を円滑に進めるために、市が組合に対し施設計画や技術的な指導、補助金申請の事務的な指導を行っている。 (中原ひろみ委員) 市街地再開発事業に係る地権者は素人である。市は再開発の玄人として、地権者が再開発事業のなかでディベロッパー(土地開発業者)に振り回されて損をしないように、地権者に必要な知識を教え、指導することが必要であると考えるが、市が実際に行っている指導は事務処理だけなのか。 (広島駅周辺整備担当課長) 市の指導は理事会や担当者のワーキングなど、さまざまな場面で事業に関することについて指導してきている。単純に手続きだけの指導ではない。 (広島駅周辺整備担当部長) 法律的に市街地再開発事業の指導は、組合の方から自主的な援助がほしいと申し出があった場合に、職員を派遣したり指導を行うという形である。地権者の権利を適切に保全して法律に則って事業を行うことが大前提である。 (中原ひろみ委員) 組合から要請があれば指導を行うというが、組合のたよりでは、平成7年から職員を組合に派遣している。組合への指導ということで予算を組んでいるのだから、市は指導する役割をきちんと果たすべきである。 再開発事業は何よりも「事業の採算制の確保」が重要であり、事業費原価を保留床を処分して生み出せるか否かが、再開発事業のカギを握っている。確実な資金計画なのかを見極める力が市には必要だが、その点からの指導や点検を市は行うのか。 (広島駅周辺整備担当課長) 市街地再開発事業は資金計画が非常に重要であると認識しているので、組合が事業計画を作成する段階において、建設費、補償費などの内容、保留床の処分先などできるだけ具体化するよう指導を行っている。事業計画がまとまって認可申請がされる場合には、市は認可権者として事業の確実性について審査する。 (中原ひろみ委員) 確実性のある事業になるようにしっかりした見極めを市に求めておく。昨年4月に事業が動き出すという説明会を受けた後、Bブロック地区内では問題が発生している。例えば、借家人に対して見知らぬ人が訪ねてきて「転借家権に関する合意書」を書きなさい、「印」を押さないと話が前に進まないと言われ、訳の分からないうちに判を押してしまった人など、Bブロックの事業によりひと儲けしようという人がでてきているようである。 借家人は組合員になれないので情報がきちんと届いていない。借家人は「再開発だより」しか情報を得ることができない。Bブロックは昭和62年から再開発計画があり、西部百貨店JALホテルと核テナントが変わり、事業が計画されては消える事態を繰り返し、やっと平成18年に住友不動産で事業を進めようとしたわけだが、経済情勢が悪化し、今回も、住友不動産が手を引くのではないかと不安をもたれている。 しかし、平成20年の12月19日付の組合の再開発だよりでは、「事業遅れの報道は間違い」だという情報を流している。しかし、約一カ月後の平成21年1月には、「事業成立性を見極める作業に時間がかかりこれまで説明したスケジュールは遅れが生じる。明け渡しに関する関係権利者の手続きは、平成22年度以降になる見通しという事務局作成のビラが配られた。 このように、わずかの間に事業の進捗・成否が大きく変わる情報が発信されることについて、転出準備・計画が立たないと、借家人はとりわけ大きな不安、怒りを持っておられる。Bブロックの開発に乗じて、弱い地権者や借家人が、損失を被ることのないように、きちんと指導するとともに、見通しのある情報提供になるように市が指導力を発揮すべきであるがどうか。 (広島駅周辺整備担当課長) 組合は20年4月に借家人を含む全ての地権者を対象に事業説明会を開催している。組合は広報誌を発行し適宜事業の進捗状況等の情報提供を行っている。ここの地権者や借家人に対し物件調書の作成など事業に合わせ随時、状況説明を行っている。市としては借家人を含む関係権利者に対して事業の状況を的確に伝えるように引き続き組合を指導する。 (中原ひろみ委員) 南口開発株式会社が保留床を買い取る計画を断念したと、平成18年、1月1日の「たより」に書いてあるが、南口開発株式会社はBブロック再開発事業にどのようにかかわっているのか。 (広島駅周辺整備担当課長) 南口開発株式会社は設立時には駅南口地区の再開発、Aブロック、Bブロックで生じた保留床の取得を計画していた。平成10年度にAブロックの再開発事業の保留床の一部を取得したが、現在は平成17年に承認された経営改善スキームに基づいて経営の安定化を図っているところである。同社が新たに資金を調達してBブロックの再開発事業の保留床を所得というようなことはない。 (中原ひろみ委員) 南口開発株式会社はA・Bブロックの床を買い取る計画だったが、できなくなったということであるが、組合のたよりによると、平成15年度に南口開発株式会社が組合費を300万円払っているという記事があるが、なぜ組合費を払ったのか、毎年支払っているのか。これまでどれだけ組合費を払ってきたのか。 (広島駅周辺整備担当課長) 南口開発株式会社はBブロック再開組合設立当初から、参加組合員であった。このため保留床の取得が困難になる平成18年度までは必要に応じて、組合の事務局運営費の分担金として支払っていた。毎年の支払いはしていない。現在は支払いはしていない。 (中原ひろみ委員) 南口開発株式会社は「資金ショート」を起こして、2004年の9月議会、4億5000万円を市が貸し付けた。2005年に6月議会では、37億円の貸付と、市の土地・建物、時価14億円を現物給付して、改善スキームにより健全化への努力がされてきた。 そもそも南口開発株式会社は、最初から資金ショートすることがわかっていながらAブロックの床取得に445億円をかけた。こんな経営のやり方にはあきれるばかりである。銀行が貸してくれるという見通しの甘さ、ズサンな計画で再開発事業に関わり、結局銀行が貸さないために市が税金で肩代わりすることになった。二度と同じ過ちを繰り返さないためには、南口開発株式会社はBブロック再開事業には一切、手を出すべきだはないと考えるが市の考えはどうか。 (広島駅周辺整備担当部長) 平成18年以降は南口の経営状況の悪さから、もともと考えていたBブロックの保留床の取得はないと判断をしている。その判断を受けた形で住友不動産が入って新しい事業を取り組もうとしている。南口開発を通して税金をBブロックへという形は今後「ない」と考えている。 (中原ひろみ委員) 確認しました。次に今後は、Bブロック市街地再開発事業がどうなっていくのかということだが、現在は住友不動産により、三度目の事業計画の変更が行なわれている。事業計画変更をすれば、その都度、補助金を支出することになり、市の累積の補助金支払額は増えるばかりとなる。そうした点からも事業を速やかに進めることが求められる。さらに、Bブロック地区は、老朽化し、昼間に通っても心が荒れてしまいそうな感じがする。 しかしその中で10人ぐらいの借家人が商売を続けておられる。この借家人の皆さんは、いつまで商売ができるのかと生活のかかった深刻な問題としてこの事業の成り行きを見守り不安を抱いている。地権者以上にその苦労は大きい。このままにしておけない。また、聞くところによると、組合は度重なる事業計画変更のために、事務費として多額の借入をしておられるとも伺っている。この負債を保留床で解消しようと考えれば、当然の成り行きとして床の価格が高額になり、事業の目途がますます困難になる。 この地区は駅前という一等地であり、交通の結節点でもあるので、広島市としても10年、20年先を見通して、市民にとって必要なもの、例えば、ケアホームやグループホーム、児童相談所、一時保護所や子ども病院など、市民に喜ばれる施設であれば、将来に負担をお願いして市民は納得してくれると考える。民間まかせの開発でなく、市も活用計画に積極的にかかわることも必要ではないか。 (広島駅周辺整備担当部長) 事業の保留床を公共施設で一部取得する例は、全国でもたくさんある。補助金に加えて、再開発事業支援にもなる。今駅前ではどんな施設が立地できるのか、また、市のなかにどんなニーズがあるのかを含めて、可能性としては関係部局と議論をしているが具体的にはなっていない。可能性があれば組合の支援ということも詰めて検討していきたい。 上にもどる 出島地区廃棄物埋め立て護岸整備について (中原ひろみ議員) 20年度の港湾整備事業負担金のなかで、出島地区廃棄物埋め立て護岸整備に関する負担金額、具体的にどんな事業を行ったのか。護岸整備事業は順調なのか。護岸整備事業はいつ終わるのかお聞きします。 (臨海開発課長) 出島地区廃棄物埋め立て護岸整備事業の負担金は、20年度は8億7250万円となっている。 事業の主な内容は廃棄物護岸となるコンクリート製の製作・及び据え付け、廃棄物が地中に浸透するのを防ぐための遮水シートの敷設を行っている。事業の進捗については、現在、ほぼ発注すべき工事は発注しており、平成23年3月末に完了する予定となっている。 (中原ひろみ委員) この8億7250万円の負担金の広島県への支払い方法についてですが、年度初や年度末に一括して支払うか、事業の進捗に合わせてその都度、支払われるのかお聞きします。 (臨海開発課長) 負担金の支払いは事業の進捗に応じて年間三回に分けて支払っている。 (中原ひろみ委員) 事業の進捗に合わせて払う時に、住民が不安に感じている項目について工事がきちんと施行されているか確認して払うのか、それとも広島県が要求するままに、右から左に自動的に払われるか。 (臨海開発課長) 負担する金額については、発注された工事請負契約書、その他、出来高の確認資料、事業の進捗状況については随時、県から報告を受けているので、そうした事を総合的にチェックして金額を支払っている。 (中原ひろみ委員) 出島廃棄物埋め立て護岸工事は工事としては、平成23年3月末で完成すると言われたが、地元では、処分場そのものが宙に浮くのではないかという事態になっている。 廃棄物処分場を建設しているわけで、廃棄物処分場の命は、安全性であり、そのためには水密性を上げる施行が重要である。廃棄物が外に漏れないような安全性が保たれているか、その検証も必要である。遮水シートを敷設する工事にあたっては、遮水シートを専用船の上でアイロン式に熱接着し、隙間がないかどうか検査して、海底にしずめる。この場合は目視により、遮水性は確保されるが、問題はコーナー部分。コーナー部分は船上で遮水シートを接着できないため、コーナー部分の遮水シートをどのように接着するのかが以前から課題となっていた。シートが膨らんだり捲れたりしたのでは、水密性が保てず、使えない処分場になる。 県は、海の中でシートを接着すると言ってきたが、どんなふうにやるのかと不思議に思っていたが、先日、最終的な解決方法として、アスファルトマスチック(アスファルト型接合剤)を流し込んで、コーナー部分の水密性を確保すると県から説明があった。しかし、地元がアスファルトマスチックへの信頼性は専門家のなかで検証されているのかという質問には、検証されているという明快な答弁はなく、安全性の検証は護岸工事が完成しないと実施することができないという県の説明に、地元からはそんな不安な処分場であれば、建設工事を認めるわけにはいかないという意見が出ている。 このような意見が地元にはありながら、工事だけは着実に進んでいくということに不自然さを感じる。環境局と建設関係が護岸工事では連携しているが、建設関係は負担金を出すばっかりで、そこにどんな問題があるのかは感知しないというのは問題だと思う。負担金を出しているのだから当然に、地元の問題意識がどこにあるか市はご存知だと思うがどうか。 (臨海開発課長) 廃棄物埋め立て護岸については、現在の技術のなかで、一番確かなものという事で進んでいる。試行錯誤の面もありますが、どちらにしても潜って直接見ることは必要だと考えている。 (中原ひろみ委員) 施行錯誤のような曖昧な事業は実施してもらったら困る。安全性が保てるかどうかわからないということではないか。「当たるも八卦、当たらぬも八卦」のような事業に市が負担金を出す必要はない。負担金を出している限りは市民の立場から積極的に市は「口」をだすべきだと考える。今後、広島県に対して、護岸工事における安全性の確保についてしっかりモノを言うとともに、安全性がきちんと検証されてから負担金を払うという方法にすべきだと思うがどうか。 (都市整備局次長) 護岸整備に関わる安全性の問題は、廃棄物処分場の設置許可は環境局が行うので、権限のある指導は環境局が行うべきだと考える。ただ、この事業に取り組んでいる都市整備局としても環境局と連携をしながら、県にはきちんと申し入れをしていく。 この件に限らず、一般的に負担金を支払う時の姿勢は、ただ県のいいなりに条例で決められているから払うのでなく、計画の立案段階、事業を着手する段階、事業を執行している段階、その時期、時期に応じて、県から十分な説明を受け、問題点については投げ返し、お互いに緻密な協議を行うという心構えで今後も取り組んでいく。 (中原ひろみ委員) この事業は400億円もかけ、周辺の住民に不安を与えている事業であり、安全性が確認できなければ、負担金を払う必要はないと思う。五日市の積み出し基地建設も未だに着工できる見通しもなく、積み出し基地の五日市地区、受け入れる出島・宇品地区の住民の安全性をはじめとした合意ができるまではこの事業はいったん中止・保留すべき事業だという事を申し上げておく。 上にもどる 歩道のバリアフリーについて (中原ひろみ議員) 「主な施策の成果」で「道の改良」・「生活道路の整備」とあるがどんな整備事業なのか。 20年度のそれぞれの成果(決算額と改良箇所数)と、整備箇所や整備計画を決める基準は何ですか。 (道路課長) 歩道の改良は、主に狭い歩道を広げるという事業である。生活道路の整備は、主に町内会などの地元要望に基づいて行われる事業、道路の舗装の改良、水路や側溝の改良、待避所の整備など市民生活に密着した事業を各区役所で実施している。 成果については、歩道の整備は市道で7億1400万円、国・県道では5億6186万円、合計で12億7683万円を執行している。主な施行箇所は、新球場周辺や佐伯区のJR五日市地区近くの二路線、国道では佐伯区の国道二号、東区の広島中島線の四箇所などの整備をしている。歩道改良については、歩道の拡幅は用地買収を行っている箇所もあるので、単純に延長でしめすことが難しい。内容としては、用地買収と歩車道境界ブロックの据え付けや舗装工事をしている。 生活道路の成果は、39億4000万円で、舗装や歩道の改良をしている。歩行者の数や自動車交通量、駅、公共施設・学校などの周辺環境、市民からの要望などを考慮して整備箇所を決めている。 (中原ひろみ議員) 高齢者・障害者にやさしい道路整備という点では、歩道のバリアフリーが道路事業のなかでも重要だと考える。市の道路事業予算全体のなかで、生活道路のバリアフリー化事業予算はどれくらいの割合を占めているか。 (道路課長) 歩道のバリアフリー化事業に資するものは、福祉環境整備事業と歩道の改良、歩道の新設事業が対象だと考える。決算では18億2235万円。道路整備全体の金額は、道路の維持補修費、国直轄事業の負担金等を除き、市が実施している道路整備事業に対する割合は、全体事業費が約241億円となり歩道のバリアフリー化事業費が占める割合は、約7.6%である。 (中原ひろみ議員) 市の道路事業のうち、7.6%程度の割合で歩道のバリアフリー化が進められているということだが、生活道路の拡幅、水たまりの改善など必要な整備は実施してもらいたい。市道のなかで、歩道はあるものの車イスが通れない歩道がある。 例えば「県道164広島海田線」は整備が必要だと考える。この道路は「東部連続立体高架事業」と合わせて実施される向洋駅周辺区画整理事業により整備される計画だが、東部連続立体高架事業が進まないために、改善がされないまま放置された状態である。しかし、毎日市民が利用する道路であり、バスが通る幹線道路でもあり、改善が必要である。市は、幹線道路の歩道がバリアフリー化されているか調査し改修すべき箇所は改修計画を立てるべきだが、調査はしているか。 (道路課長) 市が管理している国道・県道・市道のうち、歩道は述べ1150キロメートルある。車イスが通行するには、約1メートルの幅員が必要だと言われている。本市で1メートル未満の歩道の延長は約13キロメートル、また車イスがすれ違う為には、2メーターほどの幅が必要である。これは、現在の道路をつくるときの基準になっている。歩道の最低幅員の2メーターを満たさない歩道が、380キロメートルある。かなりの延長があるので、全てを調べるというのは困難と考えている。 (中原ひろみ議員) 380キロは、ずいぶん長い距離であるが、調査して、きちんと現実を把握しないと施策も打てない。市民が要望した箇所だけ改修するというのではなく、道路の管理者として市はまず現状調査を行うことが事業の第一歩としても必要である。例えば、今の不況のもとで仕事を求めている人がたくさんおられるので、道路局から、市道の現況調査を行う仕事を起こすことも考えられたらいかがか。仕事を作り出す視点からの提案をしておく。 また、街路の樹木の根により道路が凹凸し、改修が必要な歩道もありますし、マンホールから四方に生活道路がひび割れている箇所もあります。早目の生活道路改修が必要だが市の認識はどうか。 (道路課長) ご指摘のような状況があることは認識している。特に危険な箇所は早急に対応したいと考えている。 (中原ひろみ議員) 歩道のバリアフリー化や生活道路の改修は、地域の建設業の仕事を作り出すし、積極的な改修をお願いする。 上にもどる |
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