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2009年10月28日 決算特別委員会 総括質疑 村上あつ子議員

 障害者施策について
  住宅について
  情報・コミュニケーション支援について
  雇用について
  教育について
  早期療育の充実について
  環境整備について  



住宅について

(村上あつ子議員)
 昨年度、複数局にまたがって横断的な総合推進組織を設置し、各重要施策を総合的、かつ強力に推進するということで6つのクロスセクションがつくられましたが、そのひとつの「障害者施策」について、多局にまたがって分科会では揃わない方もいらっしゃいますので、この際、5つの点でお聞きします。
 まず、障害者の住まいの確保についてですが、この「広島市新障害者基本計画」で、住宅の確保というところで「障害者が住み慣れた地域において自立し安心して生活するための基盤である住宅については、障害者の個々の多様なニーズに応じ幅広く対応することが重要である」とあります。最もだと思いますが、そこでお聞きしますが、市営住宅への入居に関して障害者への優遇措置はどうなっているでしょうか。

(住宅部長)
 市営住宅の入居に関する優遇措置ということでございますが、一定の要件に該当する心身障害者世帯につきましては、市営住宅の入居収入基準を緩和しておりまして、公営住宅につきましては一般家庭が月額15万8千円以下のところが21万4千円以下に、そして介助住宅につきましては一般家庭が月額11万4千円以下のところが13万9千円以下になっております。また市営住宅の抽選時におきましても優遇を行っておりまして、抽選時の持ち球の数を一般世帯に比べて2倍に、重度心身障害者のいる世帯につきましては3倍にしております。

(村上あつ子議員)
  所得要件が緩和されているということと、抽選時の持ち球が一般より優遇されているということですが、それでもなかなか入りにくい、倍率が高いのが市営住宅であるわけですけども、とりわけ車椅子常用者向け住宅の総戸数と応募倍率はどうなっているのでしょうか、直近の5年間の実績をお聞きします。

(住宅部長)
  車椅子常用者向けの住宅の総戸数でございますが、平成21年2009年4月1日現在で、91戸ございます。 過去5年間ということでございますが、今手元に3年間の応募倍率しかございませんので、3年間で答えさせていただきたいと思います。過去3年間の応募倍率につきましては、平成18年度2006年度は、4戸公募いたしまして応募倍率が5.3倍、平成19年度2007年度は9戸公募いたしまして応募倍率が5.6倍、平成19年度2008年度は12戸を公募いたしまして2.8倍となっております。


(村上あつ子議員)
  5倍から、昨年度は2.8倍ということですが、大変倍率も高いわけですけれども、また、住戸内のバリアフリー化のための修繕費はどのようになっているのでしょうか。

(住宅部長)
 市営住宅内のバリアフリー化の整備といたしましては、中層住宅のエレベーターの設置、あるいは、住戸内の高齢者等の住戸改善、車いす常用者向けの住戸改善これらを行っております。これらの整備費の5年間の推移でございますが、平成16年度2004年度の整備費の合計は、2億8千546万6千円、平成17年度2005年度は1億4千46万2千円、平成18年度2006年度は1億312万6千円、平成19年度2007年度は1億1千414万2千円、平成20年度2008年度は1億1千882万七千円となっております。

(村上あつ子議員)
 いま修繕費について伺ったのですが、5年前は2億8千500万円だったものが、昨年度は1億1千800万円となっておりすごく減っているのですが、今の修繕費のなかで、車椅子向け住宅の修繕も、その中でやられてきたのですが、市営住宅の管理戸数、総戸数が1万4千900戸位と認識していますが、その中で車椅子の常用向け住宅が91戸ということですが、これが果たして十分ニーズに応えているのか、ということですけども、この点についてどのようにお考えでしょうか。

(住宅部長)
 車椅子常用者向け住宅の整備ということでございますが、市営住宅の整備につきましては
機能ストックの有効活用を図るという基本方針で取り組んでおります。その中で、車椅子常用者向け住宅につきましては、既存の住宅の1階部分にバルコニーからの避難経路となるスロープが整備できる施設があるか、空き家の住居について毎年2戸程度住居改善を行うことにより整備をしていくことで取り組んでおります。


(村上あつ子議員)
 それでニーズに答えているとお考えでしょうか。

(住宅部長)
 先程もお答えしましたようにが、応募倍率も1倍ということではございませんのでニーズはあるということだと思いますけども、既存住宅の自主改善ということで毎年2戸程度ということが実情でございます。


(村上あつ子議員)
 10%にむけてというか、今6%ですからむけてではなくせめて1割にいくように早急に戸数の確保をするべきだと思うのですが、言われたように避難の関係で1階にしか確保することができない、ということになれば市営住宅の1階が空き家になったときに車いす対応の修繕をしていくということになるんですが、今から市営住宅を建替えるところがあればそのときは、1階はすべて車いす対応の住宅にするということも考えていかなくてはならないと思うのですが、そういう意味では吉島住宅の建替えが計画されていますが、そこの1階を全室車椅子対応の住戸にしてはどうかと考えますが、その点でのお考えはないでしょうか。 
 
(住宅部長)
 吉島住宅の更新の検討ということでございますけども、現在、吉島住宅につきましては建替えの基本的な計画や民間活力の導入、利用手法などについて検討中でございます。また現在の吉島住宅には車椅子常用者向けの住宅はございませんが、その更新の検討にあたりましては、住戸計画の検討の参考とするため吉島住宅の入居者の皆様にアンケート調査も行っておりまして、入居者の皆様の意向等も踏まえながら、車椅子常用者向け住宅をどのくらい整備していくのかについても検討してまいりたいと考えております。

(村上あつ子議員)
 市営住宅は申し込んでもなかなか入れないという現状なのですが、市営住宅に入れないから民間住宅への申し込みをという場合も、またこれも障害があるがゆえになかなか容易ではありません。 実際に私のところにも、大家さんに「仕事はなんですか」と聞かれ、作業所に通っているというと大家がそれで断って、それが何件も続いたということも聞いております。
 この「障害者基本計画」の中で、住宅入居等支援事業(居住サポート事業)で相談・斡旋などの支援をするとありますが、お聞きしましたら、今年度でようやく体制が整うということで、これからの事業に期待するところですが、いま取り組まれていることで、中堅所得者向け住宅の「賃貸住宅制度」の活用状況については現状でどのようになっているのでしょうか。お聞きします。

(住宅部長)
  民間賃貸住宅の活用でございますが、本市では平成7年度1995年度より財団法人広島市都市整備公社が、良好な居住環境を備えた民間の賃貸住宅を借り上げること等によりまして中堅所得者向けに特定優良賃貸住宅の供給を行っております。そのうち所得が一定基準以下の入居者につきましては本市において家賃減額補助を実施しております。特定優良賃貸住宅は現在14団地248戸が供給されておりまして、入居世帯数は本年9月末で222世帯、入居数は約90%でございます。そのうち87世帯に実施しております。平成21年度2009年度からは、障害者世帯、高齢者世帯等を対象といたしまして、家賃減額補助の拡充により、入居負担額の軽減を図り、特定優良賃貸住宅の入居促進に努めているところでございます。

(村上あつ子議員)
 都市整備公社が管理している住宅で家賃補助をしているということなのですが、いま入居率が90%といわれたと思いますが、この公社が家賃収入を得るには100%の納入率があることが望ましいのですが、大体1割程度常時空きがあるという状況なのでしょうか。

(住宅部長)
 今年度より家賃減額補助を拡充して入居促進を図ろうということになっておりまして、昨年度確か29戸空き家がございましたが、現在のところはそのうち10戸程度入居されたと聞いておりますので、先ほど言いましたように現在222世帯の入居ですので26戸の空きということになります。


(村上あつ子議員)
 だいたい1割くらいの空き家があるということだと思います。障害のある方が、障害者とその家族の方が一番深刻な問題として住宅の問題があります。「親亡き後の生活の場の確保」です。今は親子一緒に生活できていても、親が亡くなった時、あるいは病気になってからその時点で考えようということにはならない。せめて親が元気なうちに一人暮らしができるように、その段階を追っていきたい。これが障害者や親の願いです。
 身の回りのことができても、どうしても援助が必要なのが金銭管理と健康管理。 日常生活上の援助や介護があれば親から離れても地域で生活できるということで、グループホーム・ケアホームの増設が求められています。この基本計画の中にもそれぞれ利用見込み等あると思いますが、どういうふうになっているのでしょうか。
  
(障害自立支援課長)
 障害者福祉サービス等の見込みなどを定めた本市の障害福祉計画(第2期)において、計画の目標年度である平成23年度2011年度のグループホーム、ケアホームの利用者数は、グループホームが194人、ケアホームが121人と見込んでいます。


(村上あつ子議員)
 2011年度で、グループホームの利用見込みが194人、ケアホームの利用見込みは121人ということだが、これだけの人が入所できるホーム(施設)が整備されるということなのでしょうか。

(障害自立支援課長)
 先ほど答弁いたしました利用見込みの方が入所できる率が整備される見込みであるということでございます。


(村上あつ子議員)
 これは、障害者やその家族のニーズに合っていると考えていらっしゃるのか、本人、家族にニーズ調査をされたうえでの数字なのでしょうか。

(障害自立支援課長)
 今回の障害者福祉計画のグループホーム・ケアホームの利用者見込みは平成20年度に県
が実施しました事業者への新体系の移行見込み調査とこの福祉計画の第1期の実績を踏まえたものとなっております。障害者本人や家族には直接調査はしておりませんが、利用者がいつどこのサービス体系に移行するかといった調査は基本的には利用者の状況等を踏まえたものでありまして、ある程度障害者のニーズを反映しているものと考えております。

(村上あつ子議員)
 本人や家族にニーズ調査ではなくて、事業者に対してアンケートを行って、事業者がこれだけの人数の利用見込みがあるからこれだけの施設を整備するのだと、事業者が整備見込みを持っているその数なわけですね。これで十分かということですが、ある作業施設でお伺いしたところ、通所している障害者の方がみんな全員住まいを確保したいという願いをかなえようとすれば今ようやく半分の人数を、なんとか施設をつくって確保することができたけれども、まだ半分もいっていない。これは一つの施設のことです。いくつもある施設の中で、そこはグループホームなどを率先してつくっているところなので、ほかの施設でいえばもっと割合が低いと思います。
 そう考えるともっともっと、今いわれた194人、121人では到底足りないと思うのです。いま言ったように事業者は通ってくる人の全員の住まいをどうにか考えたいという思いがありますから、一番必要としている、それを把握しているのは事業者だと思いますが、けれども事業者はどんどんグループホーム・ケアホームつくりますよと手があげられない。市の方に建設の要望を出せない。なぜならばつくったものの運営が大変なのですね。だからなかなかつくりたいけどできないという実態があると思います。とすれば運営に対する支援が求められていると考えますが、その点はどのようにお考えでしょうか。

(障害自立支援課長)
 ケアホームの整備にあたりましては、多額の施設整備費が必要になることから、民間社会福祉法人がケアホームなどを整備する際には、初期負担を軽減するため、市が保有する未利用の土地や建物を貸与するなどの支援をしています。
また、これまで指定都市市長会などあらゆる機会を通じて事業者報酬の引き上げ等を国に要望してきた結果、平成21年(2009年)4月から事業者報酬がすべての障害福祉サービスの平均で5.1%引き上げられました。ケアホームについては、施設により幅はありますが、平均よりも大幅な引き上げになっています。
 今回の事業者報酬の引き上げの効果について、国において施設の運営状況の調査が行なわれる予定であり、その結果を受けて、必要であれば更なる報酬の引き上げを行なうことも考えられることから、まずは、今後の国の動向を見守っていきたいと考えています。


(村上あつ子議員)
 今年度の報酬の引き上げで、それでなんとかなるのじゃないかというお考えなのかもしれませんが、一例を紹介させていただきます。 ケアホームの場合ですが、ケアホームは、夜間や休日の入所者の介護が必要とされていますから、そこには毎晩泊まり勤務が生じ、休日出勤も生じてきます。朝施設に出勤をして、その日はそのままホームにいる人達と一緒にホームに帰り、食事をつくり一緒に食事をし、入浴の見まもりなどしながら、朝一緒に作業所に出掛けていって日勤の仕事をして、それを一日おきに繰り返している。一人の人が一日おきに少なくとも32時間拘束される。それだけに相当する賃金は払えないから、夜勤の日を「手当て」で対応しているとのです。
 したがって大変な長時間勤務でありながらも賃金はとても低いということです。 職員の人件費がどれくらいか調査されたかどうかわかりませんが、介護現場以下の賃金です。夜勤勤務があるということでなかなか人が見つからない、施設の正規の割合も、全員正規で雇用したいがとてもやっていけないから非常勤で対応せざるを得ない。こういう実態があります。
そういう中で、いま報酬が少し上がりますけど、それでも今までの赤字がそれでも解消できないのではないかと思いますが、大変な状況にあります。
 こういうホームに運営費の補助をしている自治体があるのですがそれはご存知でしょうか。

(障害自立支援課長)
 委員ご指摘の点は単独市費での補助だと思いますが、それについては調査しております。


(村上あつ子議員)
 運営費補助をしている自治体を知っているということなのですが、ぜひこういうところを研究して、検討をしていただきたいと思います。言いたいことはグループホーム・ケアホームの増設をということなのですが、先ほど都市整備公社が管理している住宅にも空きがあるということですので、そういうところを活用して、グループホームやケアホームにしてはどうでしょうか。これは住宅の方にお聞きしますが、こういった運用は違法になるのでしょうか。

(住宅部長)
 都市整備公社が管理している特定優良賃貸住宅というのは、民間事業者が建設しました住宅を、本市が特定優良賃貸住宅として認定いたしまして、それを広島市都市整備公社が借り上げて管理しているというものです。この特定優良賃貸住宅をグループホームに活用した場合は、建築主である民間事業者、管理者である広島市都市整備公社の同意を得たうえで、一旦特定優良賃貸住宅の認定を取り消して、本市が公営住宅として借り上げて、グループホームとして活用検討するということになるのではないかと思いますが、そういった全国的な事例があるのかどうか調査をするなど、今後研究してまいりたいと思います。


(村上あつ子議員)
 研究の余地はあるということですね。ぜひ実現にむけて研究していただきたいと思います。自立支援担当のほうもこういう実態、現状をふまえて、ぜひ住宅サイドにも持ちかけて一緒になってそういう検討をしていただきたいと思います。

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情報・コミュニケーション支援について

(村上あつ子議員)
 次に、情報・コミュニケーション支援の充実ついてお伺いをするんですが、これも「新障害者基本計画」では情報を入手するための重要な手段の一つである、本市の情報提供サービスの充実が必要だとあるわけですけども、これまで私たちは視覚障害者への点字文書による通知の拡大を要望してきましたが、現状と今後の予定はどうなっていますか。

(障害福祉課長)
 点字文書でございますが、視覚障害者点字障害福祉や年金などの関係文書を送付する場合、本市では市役所からの郵便物であることを認識していただくため、希望された方を対象に広島市と点字で表記したシールを封筒に貼りつけて郵送しておりまして、現在161名の方がこのサービスを利用されております。また視覚障害者自身が手元に届いた文書の内容を確認できるように、送付する文書の概要と問い合わせ先を記載した点字文書を同封することについて本年9月、カイイングペーパーに通知し徹底を図ってまいりました。今後とも視覚障害者団体等から意見を聞きながら点字文書の拡充を図ってまいりたいと思っております。

(村上あつ子議員)
 161名というのは、今の人数なんでしょうか。これは増えてきているのか、減ってきているのか、推移はどうなっているでしょうか。

(障害福祉課長)
昨年は、ちなみ165名でした。近年で言いますと平成17年に176名という申し込みがありました。現在161名で若干少なくなっております。


(村上あつ子議員)
 これは全文書を通知の内容を全部点字でという要望が出ているのですが、これまで答弁でいいますと、大変量がかさばるということで、広島から来た何の通知なのかということで、後はここに問い合わせてということが点字であるわけですけども、お聞きしますと「市民と市政」や「市議会報告」などは全文点字で希望者に発送されているということなので、それを思えば、今言っている通知はそれに比べればたいして量がかさむわけではありませんのでぜひ全文点字にしていただきたいと思います。
 これから、緊急な問題で重度障害者が入院する際のコミュニケーション支援なんですが、
発語が困難な障害者が入院する際、医療従事者との意思疎通が困難だという理由で入院を断られた事例が生じています。これは病院側だけを責めるわけにはいきません。
 国は、病院は「完全看護」がたてまえとなっているからヘルパー派遣事業の必要性はないとの見解から、このような矛盾が起こっているわけですけども、自立支援法になってからこういう事態が生まれてきているわけですが、入院して手術が必要な人を放置していいことにはなりませんので、これはまさに緊急の問題だとおもいます。神戸市が「重度障害者入院時コミュニケーション支援事業」を要綱で対応していますが、この神戸市の取り組みはご存知でしょうか。

(障害自立支援課長)
 存じております。

(村上あつ子議員)
  存じているとのことですが、神戸市の方に問い合わせますと、平成20年度の実績で、9名14回の入院があり、平均入院日数は7日程度ということでした。広島市でどれくらいの実績があるかどうかわかりませんが、この程度ではないかと思いますので、予算もそんなにかかる事ではないかと思いますので、ぜひ検討していただきたいと思います。

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雇用について

(村上あつ子議員)
 この基本計画のなかでは、雇用の推進、就労支援の取り組みが書かれてありますが、 中でも広島市、これまで特に進んでいない知的障害者、精神障害者の本市等職員としての雇用の推進を図りますとありますけれども昨年度の庁内および公益法人の雇用率と法定雇用率の充足率がどうなっているのかお聞きします。

(人事課長)
 昨年度の、本市の6月1日現在における障害者の雇用率ですけれども2.13%となっております。また障害者の雇用状況を報告する義務がある本市の公益的法人等ということで、こちらの昨年度の充足率ということでございますが、こちらは71.4%となっております。
 

(村上あつ子議員)
 公益法人の充足率が71.4%といわれたのですが、どれくらいの雇用のないところというのは一定特定されているのかというところではどういう状況でしょうか。

(人事課長)
 法定雇用障害者数を下回っております4団体に対しましては、障害者の雇用促進に取り組むよう依頼をしております。また法定雇用障害者数を確保できない理由、法定雇用率を達成するための対策等について報告させております。今後これらの団体においてその対策等が適切に実施されますよう指導に努めてまいります。

(村上あつ子議員)
 充足されない理由というのもぜひ調査をして頂きたいと思います。仕事内容によってはなかなか難しいという面もあろうかと思います。 それから昨年度からジョブコーチ派遣事業が始まっていると思いますが、ジョブコーチ派遣事業の実績はどうなっているのでしょうか。

(障害自立支援課長)
 平成20年度、2008年度におきましては、本市の関係の公益的法人糖の7施設で働いている8名の障害者に対し、ジョブコーチ2名が、延べ173回施設を訪問し、職場と協力して、就業面での相談を行なうとともに、生活面の相談に応じるなど、一人ひとりの状況に応じた支援を行なっております。


(村上あつ子議員)
 一人ひとりの状況に応じた指導が行われているということですが、今は庁内公益法人についてお伺いしたのですが、施設利用の障害者が、一般就労へ移行するという目標があるわけですがその移行状況はどうなっていますか。

(障害自立支援課長)
 作業所や日中活動支援サービス施設での訓練等を経て、平成20年度、2008年度に企業等に就職された障害者は、44名でございます。

(村上あつ子議員)
 44人が昨年度一般就労されたとのことですが、44人全員が一年間働き続けられたという追跡調査はされているのでしょうか。

(障害自立支援課長)
 この調査で44人というのは、昨年度中に一度でも就職されたという数でございます。

(村上あつ子議員)
 追跡調査が大変大事だと思います。働こうと思って意欲を持って就職したけれども続けられない。その理由が本人の体の状態なのか、あるいはその職場環境に改善すべき点があったのかどうか、そこを追跡調査することが大切だと思います。一般就労に向けて計画を立てていかなくてはならないという一面があるわけですから、働き続ける職場環境をつくっていくことが大切だと思います。
 障害者の合同面接があった際に、搬走助手という要綱があったから、運転手のとなりに座って配達の際に一緒に配達をする、これなら自分にもできると思ったから履歴書を書いて面接に行ったところ真っ先に「運転免許証はありますか」という質問をされた。運転免許証が必要かどうかは当然要綱には書いてないし、障害者が運転免許証を持っているかどうか、当然持っていると思われたのか、そういうところでは認識が欠けているのではないかと思います。障害者の雇用を考えていくところでそういった企業への啓発というところも考えていかなくてはならないと思いますが、その点、取り組みの中でお考えがあればお聞かせください。

(障害自立課長)
 議員ご指摘のように、職場での対応というのも重要なことだと思っております。市としても今年度6月補正予算の議決いただいた中で、ジョブライフサポーター制度ということで障害者の就労面、生活面含め障害者が就労前、そして就労後もずっと支援していくという制度もつくりましたが、やはり追跡調査というのも検討していかなくてはならないと考えます。

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教育について

(村上あつ子議員)
 この基本計画の中には、学び、教育のところがあるのですが、量としてはほかの施策に比べ大変少ないように思います。クロスセクションのところでは教育も当然かかわるようになっていますので、その点では今後に期待するところが大きいのですが、一つお聞きするのは、ことばの教室、通級指導教室についてですが昨年度まででどういう状況になっているでしょうか。

(特別支援教育課長)
 言葉の教室は、小学校の通常の学級に通っている言語障害のある児童が市内に拠点的に開設された教室に通って指導を受けるというものです。この教室に通う児童は一人あたり1週間に1時間から3時間程度、発音の誤りや言葉の発達に関係する指導を受けております。
 言葉の教室の5年間の設置状況につきましては、平成17年度2005年には、12校18教室に251人が通っており、平成21年度2009年には13校19教室に268名が通っております。
 なお、平成18年度2006年度に西区の小学校1校に1教室を新設したことにより、すべての行政区に言葉の教室を設置することができました。すべての行政区に1から4教室を設置したことにより児童も通いやすくなり、障害の軽減を図ることができるようになっております。

(村上あつ子議員)
 平成18年2006年で、8区全区で最低1校の1箇所が設置をされたということですが、これは言葉の教室の状況なんですが、各学校に特別支援学級がありますが、この特別支援学級の設置については県教委に権限があるわけなんですが、障害を持つ3名以上の児童生徒がいて1学級の設置というのであったのが、保護者の強い願いによって市教委も県教委に積極的にはたきかけていただき、いま一人でも設置ということになり、取り組んできているわけですが、その意義をお聞かせください。

(特別支援教育課長)
 一人での特別支援学級の設置につきましては、障害のある児童生徒が地域の学校の特別支援学級で教育を受けたいという願いを持ちながら、特別支援学級が設置されていないために他の地域の学校に通学しなければならなかった状況を踏まえて、広島県市長会等において一人でも特別支援学級の新設について県に積極的に働きかけを行った結果、平成15年度2003年度から実現したものでございます。現在地域の小中学校の特別支援学級に在籍する障害のある児童生徒は自ら住む地域の学校に通い、地域の人々に見守られることで通学面での安全が確保されるとともに、個々の障害の種類や程度に応じた教育課程により、児童生徒一人一人のニーズに応じたきめ細かな教育を受けております。


(村上あつ子議員)
 個を大切にして、一人ひとりの状況に応じて、教育がされてきているということですが、いま
言われたように、いい環境のもとで障害児教育がされていると思うのですが、これが今、逆戻りする動きが出ているようです。 一人では学級の設置はさせないといった県教委の動きがあるようですが、いま言われたような成果を積極的に県の方にも要請していただき、これまで通り一人でも特別支援学級が設置されるように要望しておきます。

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早期療育の充実について

(村上あつ子議員)
 早期療育の充実ということでお聞きをしたいのですが、「新基本計画」では「発達障害を含む障害児の早期療育体制の充実を図る」とあります。光町にあります療育センターでドクターに診察してもらうのに時間がかかると聞いていますが、昨年度の実績で、どのくらい待たないと受診できないのか、最短ではどうか、最長ではどうか、平均ではどうかをそれぞれお答えください。

(障害児支援担当課長)
 こども療育センターでは電話予約によりまして、診察の日を決めております。予約から診察までの施応期間は、最短で3日、最長で3ヶ月半となっております。平均日数はおおむね2か月から3か月となっております。

(村上あつ子議員)
 最も早い人では、3日のちには診察を受けることができるけれども、一番長い人で3か月半、平均でも2か月から3か月ということですけども、発達に疑いを持って診察を受けたいというこの今の現時点での様子を見ていただいて、診察を受けたいというときに2,3か月待たないといけないというのは、これは大変問題があるというふうに思います。
 西部療育センター、北部療育センターができましたけども、ここでの対象は未就学児、未就学前までであり、小学校に入学すると光町の療育センターに通わないと医療、療育を受けることができません。また、舟入病院に小児精神科ドクターを配置していただきましたけれど、ここは治療教育の部門はありません。ということは光町にいる精神科の先生3名、小児科医師が3名で18歳までの発達障害児全体の療育、治療教育に対応しなくてはならない、これは大変なことだと思うんですね。
 これは、ドクターの増員も含めて対策が必要だと思いますが、どのように認識されておりますでしょうか。

(障害児支援担当課長)
 議員のおっしゃる通り、お待たせして申し訳ない状況で、医師の確保については努力しているのですが、医師の確保については現状難しいという状況でございます。その中におきまして西部子ども療育センターにおきまして、平成20年度2008年度から小児科医、週1回ですけども来ていただいております。また今年は10月から半日対応ではございますが、週2日小児科の医師を増員しているところでございます。今後とも努力していきたいと思っております。

(村上あつ子議員)
 お医者さんが不足しているというところでは、大変な状況だと思うのですが、しかし日々発達している子どもたちに待ったはかけられませんので、ぜひこれは早急に対応していただきたいと思います。
 それで早期発見、早期療育ということが重要になってくるんですけども、早期発見というところでは、保育園の現場がそういう役割を果たしていると思うのですが、そうはいっても専門機関である療育センターと各保育園との連携が必要だと考えますが、現状ではこの点はどうなっているでしょうか。

(保育園運営指導担当課長)
 保育園と子ども療育センターの連携につきましては、まず保育課が実施する障害に対する専門性を確保するための研修におきまして、子ども療育センターの医師等に比較段階からの指導や講師の派遣を受けております。また保育園が専門家の支援を必要とする困難ケースにつきましては、子ども療育センターより個別の指導助言を受けながらその子ども適した支援を行っております。


(村上あつ子議員)
 いま言われたように連携して支援をされているということですが、まず発達に疑いが持たれるというときに、なりよりも保護者がその理解をしなければならない。しかし、なかなか親として障害を受け入れることができない。こういうときに、保育士も親とどのようにかかわればいいかというところで、より専門性も問われてくるということですが、子どもたちも健常児と一緒に統合保育を受けることにより、障害を克服しながら発達していくということができるわけです。
 ここで問題なのが、保育園に入所している障害児に保育士の加配がされているのですが、子どもによって4時間の加配と8時間の加配というように区分をされています。保育園の開所は公立も私立も11時間開所です。子どもにとって4時間の加配しかない子は、4時間しか保育園にいてはいけないということではありません。子供にとって8時間ないし11時間の長時間保育を受けるということが発達にとってもいいということが、多くの専門家が認めているところです。 同時に、手帳を持っていない発達障害児等に対する加配保育士の配置の拡充も必要だと考えますが、この点はどのようにお考えでしょうか。

(保育課長)
 保育園におきます障害児に対する加配保育士の件についてですが、本市の保育園におきましては障害の程度や日常生活の状況等総合的に考慮いたしまして、中程度までの障害児が入園した保育園におきましては健常児と集団による保育を行うために障害児1人につき4時間の援助保育士を加配しているところでございます。また重度の障害のために特別な介助を要する障害児が入園した場合や、すでに4時間の加配保育士を配置している場合において医師や大学教授等の専門家で構成されております広島市障害児保育専門指導委員会が必要と判断した場合は8時間の加配保育士を配置するようにしております。
 また手帳を持っていない発達障害が疑われます児童につきましても、先ほどの専門指導委員会が必要と判断した場合によりまして、その子どもの障害の状況に応じて保育士を加配していることころでございます。

(村上あつ子議員)
 私が言いたかったのは、4時間、8時間の区別をするのではなくて、みんな、発達に疑いがあるよという子どもに対しては同じように8時間の加配をしてほしいということなのです。それはどうですか。

(保育課長)
 保育園におきます統合保育に関しましては、基本的には先ほど申し上げましたように統合保育を行うことによって障害児の発達を促すということでございます。加配保育士につきましてはそのクラスについているという考え方でございます。それでもなお保育が難しいという件につきましては、園の方からの申し出に基づきまして、私ども保育課の職員が見に行ったり、措置をいたします福祉事務所長の意見を聞いたりいたしまして先ほど申しました専門委員会に諮りまして8時間の加配にしているということでございます。


(村上あつ子議員)
 繰り返しになりますので、この点についてはこれ以上言いませんけれども、みんな8時間の加配をということを再度お願いしておきます。

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環境整備について

(村上あつ子議員)
 最後に環境整備についてですが、今日は1点だけ、トイレについてお聞きします。市の公共施設の中で大人が横になってオムツの交換ができるスペースがある公共施設がどのくらいあるのかお聞きします。

(健康福祉企画課長)
 本市が設置管理いたします公共施設につきましては、広島市公共施設福祉環境整備要綱に基づきましてバリアフリー化を進めております。トイレにつきましても、身体障害者、高齢者の利用が多い建築物につきましては、順次、車椅子使用者対応トイレの設置を進めております。
 委員ご指摘のありました大人が横になれるベッドということですが、網羅的には調査を行っておりませんが、身体障害者、高齢者の利用が多いということで地域福祉センターについて申しますと、平成15年度以降開設いたしました中区、東区、安佐南区の地域福祉センターにつきましては、収納式ベッドや長椅子を整備した車椅子対応トイレを設置しております。
 今後、平成23年度開設予定の佐伯区の地域福祉センターにつきましても同様の車椅子対応トイレを整備する予定になっております。今後、新たに整備する公共施設につきましても同様の対応を進めていきたいと思っております。


(村上あつ子議員)
 中区、東区、安佐南区の地域福祉センターに大人が横たわれるだけのベッドや長椅子などが設置してあるということですが、いま重度障害者の方の外出する機会がどんどん増えてきております。
 いま言ったように、横になっておむつ交換ができるスペースが欲しいという要望がたくさん出ているのですが、全部の公共施設にということになりますと、トイレのスペースがかなり広くなるのでそういう改修は難しい、そこで提案ですがトイレではなくても、どこかひと部屋、畳一畳分あれば十分なのですがそういうスペースを確保するということ、それでも十分対応はできると考えるわけです。
 公共施設に限らず、デパートなどにも拡大をしていくべきと思うのですが、まずは市の管轄する公共施設で、新しくつくるところには当然なのですが、まず部屋を確保するということも視野に入れて、是非検討をお願いしたいと思います。

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トップ議会情報・議員の発言2008年度決算特別委員会 >総括質疑 村上あつ子議員
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