トップ議会情報・議員の発言2008年第 3回 9月定例会 議員の発言 > 総務委員会


2008年9月25日 総務委員会 皆川けいし議員の質問

請願審査 「8月6日9日を休日に」の条例制定を求めることについて
請願審査 周辺地域の事業所税減免について
請願審査 「所得税法第56条の廃止」を求める意見書提出
指定管理者選定の評価のあり方
市役所、区役所等の温暖化対策について


請願審査

請願第1号 「被爆国首相よ8月6日、9日を人類総ザンゲの日として休日に制定せよ」の合体標語について、広島市議会において条例制定を求めることについて

(皆川けいし議員)
 これは、かなり久しい請願で相当の方が紹介議員になっておられる。私どもは、紹介議員にはなっていないが「一億総ざんげ」という趣旨は認められないため、8月6日、9日を休日にすることは、それなりに意味があると思っている。
 先ほど、当局の説明で「趣旨はよく分かるので国へ要望していきたい」とあったが、そうであるなら国に対して「8月6日、9日を国民の祝日にしてほしい。それが認められなかったら、広島市と長崎市に限ってそういう特例措置を適用してほしい」と要望すべきと思うが、今までそういう要望をされてきたか。なければ今後そういうお考えはあるのか、伺う。

(平和推進課長)
 局長からも、法律的には8月6日、9日を市の条例として休日にすることは難しいということを申し上げ、請願者の方々の取り組みによってそういった世論が高まることを期待しているということで申し上げた。市として国に要請したことがあるかについては、多分していない。国民の休日となると、他にも例えば終戦記念日や、さまざまな地域でいろいろな戦災を受けられた都市での記念すべき日というのもあるので、8月6日だけを国民の休日とするのは難しい。市としては休日にするしないにかかわらず8月6日、9日の意義を、様々な事業を通じて国民の方々に理解していただく取り組みを進めていきたい。


(皆川けいし議員)
 世界に向かって平和宣言で核兵器廃絶を訴えておられるが、これは非常に大きい。6日に、そういう気持ちをみんなが心を一つにするということで休日にすることは大きな意味があると思う。
 現在、市の業務だけ休日扱いにしているが、他の事業所などに押し付けることはできないが「そういう大切な記念日でもあるし、この日は業務を一旦休みにするとか、何らかの事業所としての位置づけをしてほしい」という要望くらいしてもよいのではないか。そういうお考えはないか。そして市民にも、日々広く呼びかけるということが必要ではないかと思うが、その点いかがか。

(平和推進課長)
 あくまでも市としては8月6日の意義を多くの方に知っていただく、式典も含めてそういった取り組みを重点的にやっていきたい。民間の休日の問題は労使間の個別の労働契約に関わることでもあり、全国的な商慣習や、いろいろな各市内の企業が取引きする面でも制約があるかと思う。
 市としては休日にするということよりも、8月6日の意義を、市民を含め多くの方にご理解いただき、核兵器廃絶に向けた決意をする日として意義を高めていくように努力して参りたい。

(皆川けいし議員)
 私は紹介議員ではないので改めて要望しておくが、八者協定で国に対してこういう要望はできないか、検討してもいいのではないかと思う。来年の8月6日に向けて八者協の協議も何回か行われると思うので、これはぜひ検討していただきたいということを要望しておく。

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請願第7号 広島市佐伯区湯来町に所在する事業所税対象の事務所又は事務所に対する事業所税の減免について

(皆川けいし議員)
 湯来町のことについては市の説明が悪かったのか、受け止める事業者の方が不十分だったのか。これを過去に遡ってやるのはなかなか難しい。
 この趣旨は、周辺地域で事業を行なっている経営者の皆さん方の切実な「負担を軽減してほしい」という思いが根底にあり、これは湯来町の合併地域に限らず、都心地域から離れた所で営業している事業者の皆さん方の共通の思いでもある。周辺地域でのこういう事業所への優遇措置を求めるという要望書も出されている。それは何も税制優遇だけでないが、税制の優遇措置も検討の一つになるのではないかと思う。
 そういう点でこの湯来町の地域に限らず、安佐北区、佐伯区にも周辺にはたくさんの事業所がある。負担だけがどんどん増えて周辺からは事業所が撤退することになれば、ますます市域内で過疎地域が増えることにもなり、近くに働ける所があるということを守っていくためにも、何らかの措置が要る。
 これは経済局でも考えていただきたいが、税政を預かる税務当局でも税政面での優遇措置を今後検討する必要があるのではないかと思うが、そのお考えは。

(税政課長)
 一部の地域について税負担を求めない措置を講じるには、基本的には地方税法6条の「均一課税、又は地方課税免除」という規定の適用を(する)ということになる。その場合、公益性が必要で、税負担を免除することによって市民の利益になるなどの理由があれば格別であるが、そういった理由が見出し難いのではないか。それとともにかなりの減収額につながり、市の財政状況を考えると現在行なうのは難しいと考えている。


(皆川けいし議員)
 公益性がポイントということだが、公益性といってもいろいろと解釈によって捉えることができると思う。今後検討課題にしていただきたいということを、改めて要望する。

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請願8号 事業者婦人の健康と営業を守り、地位向上を図る施策を充実するとともに、「所得税法第56条の廃止」を求める意見書提出を求めることについて

(皆川けいし議員)
 私は前期からこの請願の審議に参加しているので、最初から当局の説明や委員会のやり取りを聞いているが、法律の解釈論だけが当局からされているが、その法律自体が前近代的な法律が残っているので改めてほしいという趣旨だ。どこが前近代的かというと、「働いているにも関わらず、それが正当に評価されないということが日本の税法上あってよいのか」ということが根本にある。
 もう一つは、殆どの自営業者の方は、家族で仕事をして家族で所得を生み出す。ところがご主人しか所得が認められず、一緒に働いている奥さんや息子さんは、所得をもたらしているように評価されない。こんな馬鹿な話はない。(家族)みんなで働いて生み出した所得を、それぞれ正当に評価し、税金もかけていく。これが近代的な戦後の税法上の原則だ。先ほど説明のあった所得税法第37条にそういう原則が書いてある。ところが56条に業者だけ別扱い。なぜかというと、事業と家計が区分できないから事業主だけの所得にして、奥さんや息子、親族、家族の従業員の所得は認めないという流れになっている。
 実は、最高裁でこの件が争われた経緯がある。「事業と家計の区分は可能」という判決が出ている。最高裁も「ちゃんと区分はできる」と判決が出ている。それから国会でもかつて、所得税法56条の廃止を決意した経過がある。どの国会かといえば1973年から74年にわたって開かれた第72国会で、所得税法第56条の廃止を前回一致で決議した。私は確認していないので断言できないが、このように国会や裁判で争われて一定の方向性が出ているのなら、そういう資料も示していただきたい。
 それからもう一つは、実際にこの青色と白色という区分がされているが、税務署長の許可を受けたものは認めて、許可を受けない白色の方は認めないという差別もあってはならないと思う。同じ仕事をしているのに、税務署長の指導を聞いたら認めてあげ、一方、白色の方は税務署長の許可がないため認めない。こういう権限によって税金の適用を差別するというのは絶対にあってはならない。
 青色で申告した場合と、白色で申告した場合と実際にどれだけの税額に影響があるのか。さらに言えば、現行のように自家労賃を認められないで課税された場合の所得税額と、自家労賃を認めてもらったうえでの所得税額では、同じ自営業者のAさんの場合どれくらい税金に差が出るのか、試算を示していただきたい。
 私が持っている資料では、自家労賃を認めた場合と認めない場合、仮に本人の所得500万円の場合、現行の税法上は専従者控除が86万円、基礎控除38万円、扶養一人と想定して扶養控除一人38万円。これらを引いて課税の対象になる所得は338万円。これに所得税と住民税が課税される。それから事業税も課税される。この3つ全部合わせて税金は65万円かかる。所得税が基本だからここが見直されたら住民税にも(事業税は分からないが)跳ね返ってくる。500万円の所得の人には65万円。
 ところが、このご主人と奥さんと二人で働いているという場合に、実際は奥さんの方がたくさん働いている場合もたくさんある。家事もしながら夜遅くまで働いて、体を壊しているということが、業者の皆さん方のアンケートでもたくさん出てきている。それを正当に評価し、ご主人が290万円、配偶者が210万円とした場合に、ざっと税金を計算したら、ご主人の税額の合計は16万8千円位、奥さんの税額は13万9千円、両方合わせてざっと30万円。(自家労賃を認めない場合の)半分の所得税。
 実は青色申告した人には、現にこれに相当するくらいの税金しかかかっていない。白色の人には倍の60万の所得税という計算になるが、こういう実例やモデルを示していただきたい。本当なのか嘘なのかよく分からない。実際にどれくらい税金がかかっているかということを示していただきたい。
 それから、青色で申告すればいいじゃないかという議論があるが、青色にはいろんな厳しい条件がある。だから市内の事業所はたくさんあるが(青色と白色の割合が)半々くらい。税金が安くなるのならみんな青色にする。そのためには、いろいろなことをクリアしなくてはいけない、大変なことだ。青色申告の記帳を署長が見てだめだと認められず、追徴になった事例がたくさんあると聞いている。これは税務署に聞く以外ないと思うが、もし行政同士、市内でそういう例がどれくらいあるのか分かれば教えていただきたい。
 それから最後に、業者の方々の調査をするということについて。市民局長の「男女共同参画を職場においても、女性の働く権利が守られるように頑張っていきたい」との趣旨の答弁があった。それならば同じ女性で働いているのに、労賃も正当に評価してもらえず、いろんな不都合が出る。所得が無いから、保育所へ預けるための所得証明も取れず、奥さんが交通事故にあっても休業補償も出ない。専業主婦の方がずっと有利だということになっている。こういう自営業者の方々の労働実態を掴み、男女共同参画の取り組みの一つの課題にしていただきたい。聞くところによると17年度に(調査を)行なったとのことだが、そういう項目がきちっと政策と予算になりきっていない。今度は、そういう意識的な調査を要望する。今の資料の提出についていかがか。

(税政課長)
 専従者給与額は、業種ごとにどれくらい認められるかで変わる。そういったことも調べて可能かどうか検討して参りたい。二点目の青色申告の否認事例件数を税務署に確認したところ、「統計も取っておらず公表もしていないので教えられない」とのことだった。


(皆川けいし議員)
 国会や裁判所でも、事例をもしできれば資料として調べていただきたい。

(税政課長)
 判例等も、あるかどうか分からないが調べてみたい。

(皆川けいし議員)
 市当局としては、できるだけ資料を揃えたいという前向きの答弁だと思う。これは法律の解釈論になりがちだが、実態がどうなのかというところからもう一回審議を深める必要があると思うので、委員長、資料請求をよろしくお願いしたい。

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指定管理者選定の評価のあり方について

(皆川けいし議員)
 私は、指定管理者制度の問題について前回かなり詳細に(質問しましたが)、今年も決算特別委員会でもやらせていただきたい。今日は全体的な問題についてお尋ねする。その前に、今説明があった中で、公民館について。
 15ページのカの「配置人員および職員研修の実施状況」配置人員が249人、職員研修の一般研修で新採職員研修をしたと書いてあるが、この1年間に全館で新採職員が何人いるのか。身分は正規か非正規か。
 16ページ「利用促進等の実施状況」で、4の施設の利用状況のカッコの中に書いてあるが「公民館学習会事業のうち事業効果を高めるため従来の講座、座学形式の事業に加え、より集客力のある体験型の事業の充実を図る」と書いてあるが、具体的に説明を。

(生涯学習課長)
 採用人数は報告書に上がってくるようになっていないので、把握していない。体験型事業の充実は、実は2600ほどの事業数が上がってきているので具体的に答えることが難しい。必要があれば別途説明する。

(皆川けいし議員)
 公民館だけ取り上げて申し訳ないが、62館については総合評価が3、8館については総合評価が5と極端に分かれている。62館の方は62館全部が一つの評価の対象になって、単体となって扱われている。一方は8館が単体と、中身は全然違う訳だが、62館の中の、これから見れば宇品公民館と段原公民館についていろいろ不手際があったということでバツ印が付いてしまって、後の60館については真面目にいろいろ努力されているのだろうが、結果としてはこれも全部バツ扱いにされてしまっている。そして評価として3。8館の方は特にそういう具体的な事例は無かったということで、評価は5。随分、差ができている。
 こういう評価のあり方自体は見直す必要があるのではないか。公民館は一つ一つが公民館であって、一つ一つが地域の皆さん方とのいろんなコミュニティーの場になっている。それをどういうふうに評価していくかは、これでは見られないと思う。
 もう一つ、利用者の増減が主なポイントになっている。貸し館業であればこれでいいと思うが、利用者が増えたかだけで計られたら、「適正でない」というような施設もたくさんあるわけだ。例えば博物館的な施設もある。動物(公)園などもそうだと思う。動物(公)園のようなところは、利用者が増えたか減ったかももちろん大事だが、動物園の機能として、もう一つは学術研究もあり、広島の安佐動物公園は素晴らしい研究成果を上げておられる。そういう評価は、ここでは殆ど反映されていないと思う。
 一番大切なのは業務の実施状況の中で、大きくア、イ、ウとあり、「市民の平等利用の確保の実施状況」が一つ。「事業の実施状況」が二つ。「維持管理業務の実施状況」と、この三つだが、二つめの「事業の実施状況」が一番それぞれの施設で本来果たさなくてはならない公益的な施設の命に関わる部分だと思う。ここのところの配点なども、もっと見直す必要があるのではないか。今回は2年続けてこういう評価を聞いたが、来年が最後の年になる。指定期間が4年だから、再来年からはまた新しく選定される。
 来年1年かけてどういうふうにするかと方針が示されると思うが、今後実績を踏まえて最終年となる来年、次の選定に入る中で今後の指定管理者の在り方、その基本的方針についての市の見直しのスケジュールがあれば教えていただきたい。

(行政改革推進課長)
 基本的に選定時の単位を評価の単位としている。公民館は62館と8館。これは暫定非公募分の8館があるのでこの二つに分けて62館と8館としている。
 動物館(公園)、博物館などについては、利用者数だけではきちっとした判断、評価ができないのではないかということだが、これは先ほども説明したように、例えば利用者数を増やすことを是としない、それが一つの目標とならない施設については、これは利用者数の目標数値は評価項目から外している。やはり動物館(公園)、博物館といった施設については、公の施設の市民サービスとしては利用者数が増えることは一つの評価ではないか思っている。
 その他にもアンケート調査を取っており、その中には「事業の満足度」であるとか、或いは清潔度であるとか、受付けの職員の態度であるとか、こういったものもアンケート調査の中に入れている。議員ご指摘のとおり「業務の実施状況が最も大切ではないか」という視点で、「その点の配点はどうか」ということだが、業務実施状況は他の項目とは違いA,B,C,4点、2点、−2点としており他の項目の倍の数字を付けている。
 今度の指定に向けた検討状況は、平成18年から原則平成21年度までの4年間を指定期間として指定管理者制度を本格的に導入しており、平成21年度には新たな指定管理者の選定手続きに入るということで、議会等からのご意見やこれまでの運用実績を踏まえ、現在各所管局で様々な観点について選定を行なっている。今後公益法人と関係局長会議で調整を図り遅くとも本年度中には検討結果を取りまとめ、議会へ報告したい。

(皆川けいし議員)
 今年度中に取りまとめて報告するとのことだが、その場合市民意見は反映されるのか。

(行政改革推進課長)
 その点についても検討したい。


(皆川けいし議員)
 いずれの施設も市民アンケートを取っておられるが、サービスがいいとか接客態度がいいとかいうこともあると思うが、市民の方々の中で、やはりそれぞれの施設の持っている大事な役割というのがどれ程認識されているのかによって、アンケート結果も非常に変わってくるのではないかと思う。アンケート項目の中でもぜひ、公的な施設ならではの事業というものがあると思うので、お客さんが入らなくても「これはどうしても施設としてやらないわけにはいかない」と、そういう点での評価も市民アンケートの中に正しく設問があって、市民の意見も反映されるという工夫も要るのではないかと思う。この点を要望しておく。
 もう一つ公民館の例で、牛田公民館の取り組みについて「こういう取り組みこそもっと評価していいんじゃないか」ということを言った覚えがある。16ページにさっきの「従来の講座形式の事業に加え、より集客力のある体験型の募集の充実に努める」と書いてあるが、従来のやり方だけではなかなか利用客が増えないからと、100人とか200人とか不特定多数を相手にしたような体験型の募集の方にどんどん比重がかかっていったら、本当にやらないといけないような講座とか、或いは時間がかかる事業というのが、利用客増に繋がらないとバッサバッサ切り捨てられるということになるのではないかと思う。そういう点で目配りしておく必要がある。そうしないと何のための公民館かと、公民館本来の性格と矛盾した方向に流れる危険性があるのではないか。
 質問させていただくが、職員の処遇がどうなったのかという点でお尋ねしたい。この2年間に指定管理者となった各施設で、正規の職員が増えた施設はどれくらいあるのか。

(行政改革推進課長)
 ただいま資料を持ち合わせていない。


(皆川けいし議員)
 今日出された資料の域を越えているかもしれないので、決特(決算特別委員会)に回す。
 指定期間が4年毎というのが大方だと思うが、こういう指定期間の在り方とか、上限と下限の設定のしかたとか、こういう点もぜひ次のときは見直しの対象にすべきではないかと思っている。
 ちなみに一つだけ確認のため教えてもらいたい。指定をされるときに上限額が示されるが、それより上のところは端からダメと。下限額の方はいくら安くてもOKと。こういう入札方式になっている。広島県の場合、県の施設ではどうなっているか。

(行政改革推進課長)
 下限額は広島市で設けているが、それよりいくら低くてもOKというわけではなく、下限額を下回っても、業者が出してきた内容によって適正な業務ができると判断された場合のみ下限額でもできる。県の実態は分からない。


(皆川けいし議員)
 入札の最低制限価格というような基準が、設定してあるということか。

(行政改革推進課長)
 下限額といっているが、最低制限価格と同様な趣旨で設けている。

(皆川けいし議員)
 この資料から離れたデータ的な質問になったので、今日のところはこれで終わる。

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市役所、区役所等の温暖化対策について

(皆川けいし議員)
 地球温暖化対策推進についての条例が、今議会の最大の争点になっている。この条例の第3条2項に「本市は自らの事務及び事業に関し温室効果ガスの排出の抑制等のために必要な措置を講ずるもの」と責務を謳ってある。その他事業者の責務、市民の責務と並んでいるが、市が率先垂範するということが冒頭に決意が表れている。その点で私は、市の公共施設とりわけその中心を担う本庁舎、及び区役所の地球温暖化対策、特にCO2の削減目標というのはあるのか。

(総務課長)
 本庁サイドでの地球温暖化対策については、私どもの方の環境部門それから庁舎を管理している総務課等々が進めているが、目標数値をいま申し訳ないが手元に持っておらず、ご説明できない。

(企画総務局次長)
 現在手元にある「広島市役所環境保全実効計画」の中に「市の事務事業にかかる事務所等からの排出量を2.4%削減する」と目標を掲げている。

(皆川けいし議員)
 2.4%削減は2年後の2010年までの目標だが達成できそうか。

(企画総務局次長)
 目標に向かって努力する。

(皆川けいし議員)
 本会議では「全体が達成するのは困難」というような答弁もあった。あと2年しかないが、今の取り組み状況を見ていると難しいのではないかと思っているが、頑張っていただきたい。本会議のやり取りの中で「本庁舎の照明は省エネ型に切り替えたい」というような答弁もあった。できることは全部やらなくては2.4%達成もできないので、あと2年で可能なことはぜひ考えていただきたい。
 私は市役所本庁舎、区役所に限って、あと市民病院とかいろいろ建物はあるが、まずここでどう進めるかという点で気付いたことが二つあるので、お尋ねする。一つは屋上緑化。マンション業者などにはこの条例でも緑化が義務付けというか、緑化したところは星を増やして評価する流れになっているが、いま本庁舎、区役所でヒートアイランド対策もあると思うが、緑化事業として取り組んでいる例はあるか。

(総務課長)
 本庁舎、区役所における地球温暖化対策については、平成13年10月に策定した広島市環境保全実行計画に従い、例えばノーネクタイの実施とか休憩時間の消灯、室内温度の適正管理等実施している。特に本庁舎については平成14(2002)年度、屋上緑化を実施しており、更に今年度からは朝顔による壁面緑化、省エネタイプ蛍光灯への切り替え等取り組んでいる。

(皆川けいし議員)
 屋上緑化は非常にいいことだが、もう少し工夫が要るかと思う。今、区役所でやっている所はないか。屋上が無いなどできない所もあるのか。

(総務課長)
 区役所には全て屋上はあるが、実施しているところは(無く)、本庁のみ。小さなフラワーポットなど置いているが、本格的なものは本庁のみ。


(皆川けいし議員)
 区役所でも、ぜひ取り組んでいただきたい。条例を読むと改築、新築の場合が対象となっている。今はこの分野での技術革新は目覚しく、耐震構造や消防などの耐火基準などクリアできるシステムが開発されている。
 テレビでも時々こういう特集がある。先般NHKで登場した東邦レオ株式会社からパンフレットを見せていただいた。普通の土で屋上に庭園を造ると、たった1平方メートルで何トンという荷重がかかる。古い建物は耐え切れないが、そういうところでもできるシステムが開発された。これは軽い人口の土壌を使い、パネルを敷いて草の根が生える所だけ土がありモザイク状の床になっていて、土の量は半分くらい。あと排水施設は直接水が床に落ちずに、受け皿で受け取ってまた循環させて水を返すため、パンフレットには1平米当たり60キロ以下でできる超軽量というのを売りにされている。この60キロというのがどこからきたか、おそらく国の強度基準以下で済むということではないかと思う。この会社の他にもたくさんあると思う。
 特に大都市のヒートアイランド対策で屋上緑化する。民家の場合はよく屋上庭園といってあるが、比較的少ない経費で軽い荷重で取り組めるものがどんどん普及してきている。
 8区の(区役所の)屋上に、こういう緑化施設をこれから取り込んでいく必要があると思う。これだけで解決できるものではないが、やはり市が率先してやっていく姿勢を示さないと「まあ、あんたんとこ足もとでやらずに、わしらだけやれ言うのはおかしいじゃないか」と言われかねない。これは率先してやる必要があると思う。聞くところによると西区と東区はちょうど今大規模改修をやっている。屋上緑化計画は当初無かったため、それに耐えられる設計になっているか確認していないが、確か設計したのは今年度当初予算ではなかったか。そのときは地球温暖化のこと、屋上などについては考えていなかったのではないかと思う。これは見直しが可能なら直ちに見直していただきたい。予算も、非常に安価で出来ることが売りになっており、会社の宣伝をするわけではないが地球にやさしい事業が今から成長産業になるといわれているので、この技術も参考にして、まず市役所、区役所から率先垂範するために屋上緑化について具体的に検討に入っていただきたい。

(総務課長)
 区役所の屋上緑化について、まず重量の問題がある。今、1平米当たり60キロくらいで非常に軽くできるとの話だったが、ちなみに地震のことを考え本庁舎屋上が耐えられる荷重は約60キロ、区役所はそれより前に建っており、区役所耐震化においてもできるだけ屋上の荷重を減らすため、例えば西区では屋上のコンクリートをはつり、少しでも上層部を軽くする対策を行なっている状況。そういったことから屋上にかかる荷重を少しでも軽くしながら耐震化する一方で、本庁で60キロ程度の荷重なので、区役所は更に難しい。
 今紹介されたものより更に軽いものも出てくるかもしれないので、今後とも屋上の強度とか防水等の問題がまだ残っているが、どのようなことが可能か各区や屋上緑化を担当する部署、その他関係課と協議して考えていきたい。


(皆川けいし議員)
 本庁の60キロが基準になって、それ以上は耐えられないということ。

(総務課長)
 地震のことも考え、本庁舎が1平米当たり60キロで、区役所は更に以前に建てられた物なので、強度計算をしないとはっきり言えないが、区役所は更に荷重に耐えられるのが50いくらとかではなかろうかと思う。

(皆川けいし議員)
 屋上に重いものを何でもかんでも乗せろというわけではなくて、やはり(屋上緑化が)ヒートアイランドに非常に有効な対策となっている。それが今の構造上の問題からクリア出来るかどうかというのもぜひ検討していただきたいし、それに見合う技術革新がどこまで出来ているのか、ぜひ研究していただきたい。
 本庁の緑化を私も行って見たが、「屋上展望台」となっていて階段を30段くらい登ってやっと屋上に到達する。しかも出口は二つあって海に面した方の屋上に行く階段と、北側の屋上に行く階段と反対に付いている。だから海を見ようと思ったらこっち側の階段を上がり、今度向こう側を見ようと思ったらまた一旦降りてまた別の階段をあがるということになっている。これでは、エレベーターはなぜ屋上まで行くようにしなかったのかなと不思議でならない。屋上に市民が出入りするなど想定していなかったかもしれないが、技術的にはできないものかと思った。新しく庁舎を建てたところは屋上を売りにしている。景色の良いレストランを作ったりして、直行エレベーターを付けている市役所もある。そこまでとは言わないが、もう少し市民が行き来しやすい工夫ができないものか。
 もう一つは、せっかく屋上の庭園へ行っても雨よけも日よけも無いため、かんかん照りや雨降りの日は一歩も外に出られない。それから北側半分は工夫があるが、南側は行ってみると緑化とは大違いで、枯れたまま放置されていてびっくりした。何が緑化か。もうちょっと配慮してほしい。真ん中のソーラーシステムがかなりの面積をとっているが、その周りのスペースを生かして眺望も生かすなど、もっと工夫してほしい。
 
(総務課長)
 エレベーターは、当初から予定しておらず、17階には機械室がある。更にその上にクーリングタワーとか防災無線アンテナ等設備を設置している。エレベーター延伸は非常に難しい。雨よけは方策があると思う。木の表示は関係部署と協議する。

(皆川けいし議員)
 市民の憩いの場所になるように、配慮を。

 太陽光発電が、もう一つ建物の温暖化対策で言われている。お金が相当かかる話だと思うが、市立大学と市内の小中学校に導入されるということがあったが、これは屋上だけでなく壁面も使えるのか。
 一つの家庭が太陽光発電で賄おうと思ったら大体1.5メートル×70センチくらいのが15枚あったら足りるということだった。そうすると、今から照明は省エネ型になり、太陽光発電で相当量賄えるのではないかと思えるが、これもまず市役所本庁舎、区役所から太陽光発電を導入していってはどうか。議会等1階を入った受付の右側にパネル写真が貼ってあることをご存知か。

(総務課長)
 ハノーバー市ではないかと思う。


(皆川けいし議員)
 姉妹都市25周年で贈られたハノーバー市役所の写真。手前に教会の鉄塔が立ち、川を挟んで向こう側にハノーバーの新庁舎。新庁舎といっても建ったのは1913年で、その敷地内に風力発電の塔が8基建っている。ドイツは京都議定書ができてから、これまでに削減目標を大幅に上回って目標達成していて、さらにこれから中期目標を目指してやっている。イギリスもフランスもそうだ。市役所の敷地内に8基も大きな風力発電の塔が建っているのを見て、「すごいなー、徹底しているなー」と思った。あれで市役所の意気込みというのはすぐ分かった。
 あれを見ても、本気になってこの広島市でCO2削減をする構えになるのであれば、あれこれ出来ない理由を考える前に、どうしたらどの程度出来るのか、発想の転換がいると思う。そのために、お金をどうするかという問題を次に考えないといけない。まずどういうことができるか。今後の太陽光発電導入について、どういうお考えか聞かせてほしい。

(総務課長)
 今、太陽光利用として温水器の温元に太陽熱を利用するソーラーシステムを導入しているが、太陽光発電そのものの導入は屋上に重いものが乗るという点で、壁面利用もあるがこれも建物荷重が当然かかってくる。本庁舎、区役所ともそういった制約があるが、技術的な問題や費用対効果を総合的に考え各区、関係課と協議していきたい。

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