トップ議会情報・議員の発言2008年第 2回 6月定例会 議員の発言 > 議案質疑(大要)


2008年6月23日 本会議 藤井とし子議員の議案質疑(大要)

第68号議案一般会計補正予算案について
第72号議案広島市税条例の一部改正について
  再質問:特別支援学校について
  再質問:住民税の年金天引きについて


第68号議案一般会計補正予算案について

 最初に、特別支援学校建て替え整備についてです。
 特別支援学校の建替え計画は、建設用地が決まらず2回も予算を流した経緯があります。今回、出島埋立地を建設用地とし、開校は平成24年度とするということですが、平成17年10月の基本構想での開校予定は平成22年となっており、2年も遅れています。保護者も議会も一刻も早い開校を希望しています。平成24年一斉開校というのではなく小学部、中等部だけの部分開校で1年でも半年でも早く開校することはできないのか。

(教育長)
 広島特別支援学校の建替規模は、国の整備基準により試算しますと、通常の小・中学校の約2倍を超える規模(延べ床面積約1万8000u強)となることから、この建設工事は、造成工事も含め約2ヵ年を要すると考えています。

 また、これに先立つ設計においても、規模の点に加え、障害がある児童生徒の学習・生活の場として、1人1人のニーズに応じた支援が行き届くよう、十分配慮する必要があるため、基本設計を策定した上で実施設計を行う必要があり、これらに事務手続きを含めて約2年を要することから、開校までに少なくとも4年間は必要と考えています。
 こうしたことから、できるだけ早く事業に着手したいと考え、このたび基本・実施設計等に必要となる予算を提案したものです。

 現特別支援学校は、雨漏りや壁のひび割れなどいたるところに老朽化が進んでいるが、今後4年間どう対応されるのか、生徒数が増加し現施設は限界状態も続き、年々深刻になっています。必要な修繕費はきちんと確保されるのかどうか伺います。

(教育長)
 現校舎の維持補修については、これまでも児童生徒等の安全を第一に、適切に対応してきており、今後もこれに必要な予算の確保に努めてまいります。
 また、学級増への対応として、教室不足には、前年度策定の児童生徒数推計により、学校と協議のうえ、特別教室の転用等により対応したいと考えています。

 特別支援学校の建替にあたっては、保護者からは分離新設のつよい要望が出ていますが、このことについて市はどのように受け止めておられるますか。今後も高等部入学の希望が増えていくと思われます。義務教育をできるだけ近くで受けたいという保護者や子どもたちの願いに応え、通学の負担を少しでも減らすためにも一校集中は出来るだけ避けるべきです。将来にわたって大規模校で対応し続けるつもりですか。

(教育長)
 平成24年度(2012年度)移転・開校を目指している特別支援学校については、平成17年(2005年)10月に策定した「広島養護学校(現広島特別支援学校)の建替えに係る基本構想」等を踏まえ、小学部・中学部・高等部の12年間を見通した教育課程を編成し、児童生徒1人1人の教育的ニーズに応じた指導や支援を継続して行うことにしています。

 また、小・中学部の児童生徒数は、100人前後で推移するものと推計しています。
 仮に、平成20年度(2008年度)の小学部の児童数を半分にした場合、1学級の児童数は3人程度となり、集団として望ましい教育活動を展開することが難しくなることから、分離・新設ではなく、1校の整備が適切であると考えています。
 なお、高等部の生徒数につきましては、開校までは増加傾向にありますが、その後は緩やかに減少に転じるものと推計しており、移転後の施設で対応が可能であると考えています。

 つぎに、新しい教育の推進の1つである文部科学省からの委託事業、「全国学力・学習状況調査」を活用した学校改善推進事業について伺います。
 これまでわが党は、全国一斉学力テストは選別と競争教育に拍車をかけるなど、人格の形成を目的とした教育に反するとの問題点を指摘し、国に中止を求めてきました。
 今回の事業は、全国学力・学習状況調査の結果から得られた課題を踏まえ、その改善に向けた具体的な取り組みに関する、実践的な研究を行うということですが、この委託事業に広島市から率先して手をあげられたのか。

(教育長)
 平成19年度(2007年度)、すべての都道府県・政令指定都市は、文部科学省の委託を受け、検証改善委員会を設置し、全国学力・学習状況調査の結果を活用して、必要な分析等を行い、学力向上や学校改善に向けた具体的方策を提言としてとりまとめました。
 本事業は、この提言に基づいて実践研究を進め、その成果を普及し、授業改善を中心に学校教育の一層の充実を図ることを目的として、すべての都道府県、政令指定都市を対象に実施するものです。

 本市では、すべての小・中学校において、全国学力・学習状況調査をもとに策定した自校の改善計画や検証改善委員会の提言を踏まえて、取組を進めていますが、今後、より一層の授業改善を図るため、本事業を活用していきたいと考えています。

 また指定になった学校では、具体的にどのような取り組みがされるのか伺います。

(教育長)
 指定校においては、各学校の児童生徒の実態を踏まえ、思考力・判断力・表現力を育成する指導方法や、教師の指導力の向上を図るための効果的な校内研修のあり方などを研究テーマとし、大学教授による継続的な指導・助言を受けながら実践研究を行います。

 新たな取り組みを行う点では、現場の教職員や児童生徒にも相当な負担が増えることが予想されます。公募によって学校10校を決め実施するということですが、2学期制導入時の教訓からも現場の教職員や保護者の合意抜きで、この事業を押し付けられることがあってはならないと考えます。どのようにお考えかお答えください。

(教育長)
 この事業は、公募により実施することにしており、本事業への応募については、児童生徒の実態や教職員の意見を踏まえて、校長が総合的に判断するものと考えています。
 また、保護者や地域に対しては、各学校が実践研究の目的や取組状況について、学年・学級懇談会や学校協力者会議等で説明するとともに、学校便りやホームページなどを活用して、広く情報提供を行っていきます。

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第72号議案広島市税条例の一部改正について

 公的年金等にかかる特別徴収制度を導入する条例について質問します。内容は65歳以上の公的年金等受給者について、公的年金から個人住民税額を年金から天引き徴収する条例の改正です。

 今回の条例改正は4月30日、国会でガソリン税の暫定税率の復活を決めたとき同時に成立した地方税法改正に伴うものです。小泉安部内閣の6年間、高齢者は所得税、住民税の相次ぐ増税に悲鳴を上げています。
 すでに65歳以上の年金から介護保険料が天引きされ、4月から後期高齢者医療制度の保険料の天引きが始まり、この10月からは国保料が天引きされます。高齢者世帯の6割が年金収入のみ、しかもわずか月1万5000円の年金からも強制的に天引きすることが本当に許されるのでしょうか。

 市民の生活実態を見ないで税金を年金から先取りするやり方は、納付相談などする余地もなくなり、健康で文化的な最低限度の生活を保障する憲法25条に違反しかねないものであり、市民の暮らしを守るべき行政のすることではありません。
 来年から住民税が年金から天引きされる人は何人か伺います

(財政局長)
 来年度、年金からの市・県民税の特別徴収を行うこととなる者の数は、現時点では不明ですが、平成19年度(2007年度)分の課税実績で申し上げますと、約6万6000人(6万5594人)となります。

 年金収入200万円、単身で介護保険料、国保料、住民税合わせていくら天引きされるか。

(財政局長)
 65歳以上の単身者で公的年金収入が200万円の場合、基礎控除及び社会保険料控除のほかには所得控除がないとして、平成20年度(2008年度)の額を試算いたしますと、
 介護保険料は、   約6万6000円
 国民健康保険料は、約7万6500円
 市・県民税は、    約3万5800円となり、
 これらの合計額は、約17万8300円となります。

 住民税など払いたくても払えない世帯に対して、現在納付相談を受けていると思うけれども、天引きが始まったら納付相談や、減免申請権を奪うことにならないか伺います。

(財政局長)
 年度の中途において、生活保護等の扶助を受けるようになった方や災害により被害を受けた方などにつきましては、市税条例等の規定に基づき、市・県民税の減免を受けられる制度がございます。
 そのような場合には、年金から特別徴収される方でも、区役所課税課又は本庁市民税課にご相談いただき、減免の適用を受けられる場合は、申請書を提出していただいて減免の処理を行います。
 これは、普通徴収の方の場合と同様でございます。

 社会保険庁は2年後には解体、民間法人に移行されます。となると、民間に徴税を任せることになるわけだが、このことについて市はどう思うか。

(財政局長)
 公的年金等に係る住民税の特別徴収に当たっては、地方税法(第321条の7の4)において、公的年金等の支払いを行う者、すなわち社会保険庁、地方公務員共済組合等を、特別徴収義務者とすることとされています。

 このうち社会保険庁については、日本年金機構法等において、平成22年(2010年)1月に廃止されることになっていますが、公的年金の保険料の徴収、年金の支払い等については、国(厚生労働大臣)が財政責任・管理運営責任を担うこととする一方、国の監督の下で事務の委託により日本年金機構が行うことになっています。

 こうしたことから、住民税の特別徴収の業務が、社会保険庁から日本年金機構に移行されたとしても、この業務はこれまでと同様、国の責任において行われるものであり、その点では変わりがないものと考えています。

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--- 再質問 -------------------
 特別支援学校については保護者、関係者の皆さんから1日でも早く開校してほしいという思いが強いので、1年でも半年でも早く出来ないか。これまで小・中学部だけでも先に建てていく方向など、本気で検討されたのか。

(教育長)
 部分開校についてございますが、普通教室は各学部専用であるとなっておりますが、いわゆる訓練室、生徒指導室、音楽室、コンピューター等もろもろの特別教室は共用となっておりますので、小学部・中学部・高等部の部分開校は、困難であると考えております。

 生徒が増えて施設は限界状態で、年々深刻になっています。これから4年間も生徒が増え続けることが考えられますが、どのように対応されるのでしょうか、お答えください。


--- 再質問 -------------------
 住民税の年金天引きについては、全国市長会議で出された要望ということです。そういう意味では、取る側の都合で天引きするわけです。医療保険料や介護保険料、その上住民税と生活実態をみない有無をいわせずの天引きは、高齢者の暮らしにどういった影響をあたえるか、天引きされて減額された年金額を見て、高齢者がどのような思いをするのか、身近な行政として真剣に考えてほしい。年金収入200万円一人暮らしで、介護保険料、国保料、住民税だけでも17万7300円、所得税もいれたら20万を超えます。月15万円から家賃や医療費窓口負担、介護利用料を払って本当に人間らしい生活が保障できるのか。今まで何とかやりくり出来たのが出来なくなります。諸物価の値上がりの中、生活保護基準を下回る生活を強いられることになります。
 そういう意味でも、区役所などの窓口の対応が大変重要になると思いますが、今まで以上に、より親切な納付相談対応ができるといえるのか伺います。

(財政局長)
 ご指摘の点をふまえまして、きっちりと対応したいと考えております。

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