トップ議会情報・議員の発言2008年第 5回12月定例会 議員の発言 > 建設委員会・村上議員


2008年12月11日 建設委員会 村上あつ子議員

トンネル工事による地盤沈下について
階段室型市営住宅のエレベーター設置について
住まい失った派遣労働者への住宅確保支援について
東大橋架け替え工事について



トンネル工事による地盤沈下について

(村上あつ子議員)
 高速1号線福木トンネル工事による家屋被害の申し出は147件と聞いていますが、このうち、事前調査範囲外の家屋調査はどうなっていますか。

(高速道路整備担当課長)
 広島高速道路公社におきましては、被害申し出があった方のうち、これまでに家屋調査を実施していない方々に対しても、家屋所有者の方々の了解を得て、家屋やあるいは外構の損傷状況などの調査を行うというふうに聞いています。


(村上あつ子議員)
 今の答弁では、調査はもっと先になるという印象を受けました。以前にも、田んぼの被害のことをこの委員会で取り上げましたが、それからすでに数か月経っているのに、いまだ調査されていない。いつまで待たなくてはいけないんですか。

(高速道路整備担当課長)
 公社では、できるだけ速やかに各所有者の了解を得て着手したいというふうに聞いております。


(村上あつ子議員)
 今の事前調査範囲外のところも、家屋調査をしてトンネルとの因果関係を明らかにしていくことになると思いますが、家屋調査だけなのか。周辺の地表面の調査などもするのかどうか、この点について公社から聞いておられますか。

(高速道路整備担当課長)
 基本的には、家屋とその外構の調査というふうに聞いております。

(村上あつ子議員)
 西風トンネルの関係ですが、ここも工事が終わった後で、沈下しているのではないかと住民から申し出をうけ、公社が調査をしています。しかし、公社の判断で「沈下は認めるがトンネルとの因果関係はない」という結論を出したとしても、住民は学識経験者の見解も必要だと言っています。
 これから調査される馬木についても、実際の被害とトンネル工事との因果関係を住民が納得できるよう説明すべきです。また、因果関係が明らかになって、補償しなければならないということになれば、きちんと補償していくべきですので、この点を公社に伝えてください。
 補償交渉は「地盤は収束した」という前提で進められていますが、住民の方々は今も不安を抱いておられます。先日、被害住民の方が公社に対して工事記録の開示を要請されましたが、市はどう考えますか。

(高速道路整備担当課長)
 今の要請書、今月8日、福木地区トンネル地盤沈下被害対策協議会から公社に対して提出されました。この要請に対し、現在公社では情報公開制度の趣旨に照らし合わせて対応を検討しています。
 本市としましては、こうした情報公開の主旨に基づいて適切に対応すべきと考えており、その旨を公社に伝えたいと考えています。


(村上あつ子議員)
 ぜひ情報開示をしていただきたいと思いますが、その際、黒塗りで肝心なところが分らないということでは情報公開になりません。
 公社は住民に対して3回も説明会を行い、地盤沈下の説明をしたから納得はされているという認識のようですが、その後、「トンネルと地下」という業界誌の中で住民には説明されていなかったことが掲載されていることがわかり、不安と不信感は募るばかりです。
 これから設置される5号線二葉山トンネルの検討委員会において、まず1号線と4号線のトンネル工事で生じた地盤沈下の徹底的な原因究明をすべきです。この点を市はどう考えますか。

(高速道路整備担当課長)
 高速5号線の検討委員会は、二葉山トンネルにかかる地域の住民生活などの安全性を確認するために、トンネル建設に伴う地表面沈下あるいは土砂災害などの周辺地域の影響について検討するのが目的です。
 高速1号線・4号線の事例につきましては、検討委員会での話し合いの中で、5号線の検討のための参考事例として取り上げることはあっても、当初から1号線、4号線を検討委員会の審議対象とすることは考えていません。

(村上あつ子議員)
 市としては、検討委員会の中で1号線、4号線について審議することは委員会に任せるということだったと思いますが、今、この1号線・4号線の地盤沈下については、風化花崗岩の地質での大規模な地盤沈下事例があまりないとのことで学会などで大変注目されていると聞いています。検討委員会の中で、ぜひ審議の対象にしていただきたいと思います。

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階段室型市営住宅のエレベーター設置について

(村上あつ子議員)
 市営住宅に関して2点聞きます。はじめに階段室型住宅へのエレベーター設置についてですが、本会議で「検討を深めていく」と答弁されました。この中で、階段室型は371棟あるとおっしゃいましたが、このうち、どれくらいが設置可能で、どういうエレベーターを検討されているのですか。

(市答弁)
 階段室型中層住宅のエレベーター設置方法には、階段室ごとに設置する「踊り場着床型」や、新たに廊下を増築し各住戸を連絡した上で設置する「片廊下増築型」があります。
 踊り場着床型の場合は、階段室ごとに幅4メートル、奥行5メートルのスペースが必要です。片廊下増築型の場合は、外壁面に添って奥行8メートル程度のスペースが必要となります。
 現在、各棟についてエレベーターの設置スペースを確保できるかどうか、図面などのチェックや現地調査を進めております。


(村上あつ子議員)
 静岡市に視察に行ってきましたが、静岡のことはご存じですか。

(市答弁)
 住宅整備課として以前視察をしています。

(村上あつ子議員)
 エレベーターの設置については必要だと認識されていると思いますが、再度確認をします。

(市答弁)
 高齢者等のバリアフリー化に向けて、重要な項目だと認識をしています。

(村上あつ子議員)
 市営住宅の高齢化率は32.3%。市全体の高齢化率が18.6%ですから、かなりの高齢化率です。
 静岡を視察して、エレベーターから下りて玄関まで階段を使わずに行ける、本当にバリアフリーができると感動しました。静岡の職員の方も「バリアフリーは当然です」と信念を持ってやられていました。
 一番良いのは片廊下増築型だと思いますが、費用の問題もあります。踊り場着床型だと1基が1,200万円、片廊下増築型だと1億1千万円、これは階段が3つの場合なので、5つだともう少しかかると思います。財政的に厳しいのであれば、踊り場着床型でも良いと思う。
 宮の脇市営住宅では、倉庫を設置する話が出たとき、倉庫よりもエレベーターが欲しいと入居者の方から要望が出されました。5階に住む方は「灯油を運ぶのが辛い」とおっしゃいました。
 階段を全く使わなくて済む片廊下増築型が一番良いとは思いますが、踊り場着床型でも階段の上り下りは半階分で済みます。
 エレベーター設置に向けて検討されてきているわけですから、新年度予算に設置予算を盛り込まれるよう強く要望しておきます。

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住まい失った派遣労働者への住宅確保支援について

(村上あつ子議員)
 雇い止めで職と同時に住まいも失った派遣労働者に対し、緊急対策として市営住宅を提供すべきと思いますがどうですか。

(市答弁)
 市営住宅は住宅に困窮している低額所得者に対して、低廉な家賃で提供することを目的としていまして、入居にあたっては、原則公募による募集を行っています。
 ただし、公募の例外として、災害や公共事業で住宅を失うなど、法令に定める事由に該当する場合は特定入居を認めておりますが、この場合にも同居者要件、入居の収入基準など入居者の資格要件は必要になります。災害等が発生した場合は、一時的に入居者の資格要件に関わらず、市営住宅を目的外で応急施設として短期間使用することができます。
 今回の派遣打ち切りなどは、解雇により住宅を失う他のケースと同様であり、こうした公募の例外や目的外での使用のどちらにも該当しないと考えられます。 なお、新聞報道等によりますと、国においては住宅を失った労働者に空いている雇用促進住宅の貸し出しなど、住宅確保策を実施すると聞いていますので、こうしたものが活用出来るのではないかと思います。

(村上あつ子議員)
 市営住宅の公募の例外や目的外使用のいずれにも当てはまらないので、今回雇い止めになった労働者の入居は認められないとのことですが、今回の大量の派遣切りは百年に1回あるかないかの経済危機のなかで起こっている緊急事態ですから、それに見合う緊急対策が必要です。従来の規定に当てはまらないとおっしゃいますが、逆に当てはまっているなら今の規定ですぐに対応できるということです。しかし、そうではないから緊急の対策が必要だと言っているんです。
 先日、雇い止めになった方と生活課に行き、その場で生活保護申請を受理してもらいました。その方はまだ寮を出なくてもよかったのですが、もし、寮をすぐに出なければならない場合、保証人がいなければ、敷金がなければ民間の賃貸住宅にも入れません。どうしたらいいのですか。
 この問題は、生活課だけが対応すれば済むものではありません。全市を上げて、住宅サイドでどんな対応ができるか検討すべきです。雇用促進住宅の話をされましたが、これについても国が考えることだと国の方針を待つのではなく、市として活用したいと積極的に国に求めるべきです。本会議の質疑でも、従来の規定通りに対応するという姿勢でしたので残念に思いましたが、やはり、ここは市として温かい姿勢を示してほしいと思います。

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東大橋架け替え工事について

(村上あつ子議員)
 東大橋は来月から通行止めと聞いていますが、工事はいつから始まりますか。

(市答弁)
 東雲大州線他1路線整備事業として都市計画事業認可を申請しています。事業認可が得られ次第、橋梁の詳細設計、用地測量、危険調査を行っていくこととしています。
 掛け替えの現場での着工時期については、平成22年度より、旧橋の撤去、橋台などの下部抗、基礎抗の工事に着手としています。

(村上あつ子議員)
 通行止めになっても、すぐ橋は落とさないとのことですが、その間、どういう事をされるのか。25メートルの道路拡幅などで1年間通行止めにしたまま、橋は落とさないということですか。

(市答弁)
 現地の着工にかかるまでの間につきましては、例えば掛け替え工事にかかる関係機関との協議調整であるとか、道路の拡幅で用地買収が必要となったり、用地の取得を行ったりします。


(村上あつ子議員)
 橋を通行止めにしたけど何も工事が始まらないということにならないよう、用地買収を円滑に進める必要があります。
 そこでお聞きしますが、道路拡幅に伴う用地買収で、ビルの建物部分は道路用地にかからないけど、前の駐車スペースが道路用地にかかるという事例があります。駐車場がないテナントになってしまうと賃料が下がるし、借り手もなくなるということにもなりかねません。こういったケースは「お気の毒」ということにはならないとは思いますが、どうですか。

(市答弁)
 ご指摘のケースですが、都市計画決定で線引きがなされていますから、当然、それを踏まえて建築され、その代わりに前側はまだ道路にならないから駐車場にされています。
 補償の考え方として、こうした駐車場に対する補償、買収地に諸物件がないということになれば、基本的には金銭補償、つまり土地代を補償して終わりということになるんですが、そうなると用地交渉も非常に難しくなります。
 そのため、近隣の駐車場の斡旋など、テナントの機能回復を可能な限り行うなどしてご協力をいただいているのが実態です。今回も同様な取り組みを行いながら、関係権利者のご理解を得たいと考えています。

(村上あつ子議員)
 ビル自体の価値が下がるわけですから、この所有者にとっては大きな問題です。駐車場がないことが理由で借り手がなかったら、それこそ死活問題です。今、セットバックして建設する事例が多くありますが、こうした問題はこれからも起きます。駐車場と建物は一体ですから、金銭補償では不十分です。
 この所有者は、道路を隔てた向かい側でも良いから、駐車場用地を確保して欲しいとおっしゃっています。新球場予定地の天神川駅より東側、倉庫の有ったところ、農林水産省があったところは新球場用地として買っていると思いますが、その南側は賑わい施設の用地ということで決まっているのですか。

(市答弁)
 食糧事務所はまだ食糧事務所の土地です。公社が保有している南蟹屋宿舎跡地は、当面、新球場の駐車場として利用します。平成22年度以降は、今のところ具体の公共利用がございませんので、基本的には、民間売却の方向で今から検討します。

(村上あつ子議員)
 民間売却といわれましたが、この所有者は足らず分を負担してもよいから駐車スペースを確保して欲しいとおっしゃっています。そこに土地があるのに、それは新球場担当で所管が違うからと情報が伝わらず、まとまる話もまとまらない。 今年度はクロスセクションが作られていますが、このような問題も横断的に対応していただいて、円滑に事業が進むようにしていただきたい。ぜひ地権者の話に耳を傾けていただくよう要望して終わります。

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