トップ議会情報・議会報告2007年第4回 9月定例会 議会報告 > 一般質問


2007年9月21日 本会議 中原ひろみ議員の一般質問

市民の命と暮らしをどう守るのかについて
子どもの医療費無料化について
高齢者の医療について
福祉サービス公社について
国保料の減免について
高速1号線福木トンネル工事による地盤沈下問題について
高速5号線について
まちづくりについて(新球場建設問題)
祇園地域への大型店イオンの出店について
宇品のまちづくりについて
地域交通の確保について
平和行政、被爆都市ひろしまの責務について
  再質問:県の医療費補助金カットについて
  再質問:高速1号線、5号線について


 先の参議院選挙では、弱肉強食の「構造改革路線」のもとで踏みつけにされた国民の怒りと批判が爆発し、自民・公明政権を歴史的大敗に追い込みました。庶民への増税、社会保障の切り捨て、働くルールの破壊、そして戦争する国づくりを進める政治に、国民は厳しい審判を下したのです。ですから、安倍総理の辞任は当然といえます。次の総理にだれが就任されようと、国民は、痛みを押付ける政治から、1人1人を大切にする政治への転換を求めています。参議院選挙後の国会には新しい力関係が生まれ、国民の平和と暮らしを守る施策の前進の可能性が広がっています。
 政策転換を求める民意に応えるために、地方自治体としても、もっと本腰を入れて、政府に対して、憲法の遵守、国民の命とくらしが守れる社会保障の充実を強く求めていただきたいと思います。



市民の命と暮らしをどう守るのかについて

 憲法25条は、国民の生存権を守る仕組みと財源を保証することを国に義務付けています。貧困と格差を是正させるためにも、
@国の責任で、国保料の引き下げと保険証の取り上げを中止させること。
A介護保険の保険料と利用料の減免の拡充、
B子どもの医療費無料制度を国の制度として確立すること。
C障害者自立支援法による応益負担の見直し、
D母子家庭への児童扶養手当削減の中止
など、国民の切実な要求を自治体としても国に強く求めていただきたいと思うがいかがですか。

(社会局長)
 本市においては、これまでも、様々な国の社会保障制度の見直しなどに際し、市民生活に与える影響を十分に考慮して、他の政令市等と連携し、必要に応じて国に制度の改善を要望してきました。
 具体的には、「介護保険制度において必要な低所得者対策を国の責任において実施すること」、などを国に要望しています。
 今後とも、国や県の一方的な施策により、市民生活に影響が生じないよう、国や県に対し、より強力な働きかけを行うとともに、必要に応じ市独自の負担軽減措置を実施するなど、すべての市民が健康で幸せに暮らせる社会の実現に向けて取り組んでまいります。

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子どもの医療費無料化について

 この制度は、今や47都道府県全てで、何らかの形で実施されており、一日も早く国の制度とすることが求められます。わが党の試算では、約1900億円あれば就学前まで無料にできます。
 ところが国は、この制度を実施している自治体に、「減額調整措置」という名目で補助金削減というペナルティーを科して妨害しています。広島市の場合、この補助金削減額は、5年間でいくらになりますか。

(社会局長)
 本市では、乳幼児の保健の向上を図り健やかな成長に寄与することを目的として、乳幼児医療費補助制度を創設し、現在、小学校就学前の6歳児までを対象に事業を実施しています。
 これについて、国は、医療費の増加要因となるとの理由から、国民健康保険事業において国庫支出金を減額する「減額調整措置」をとっており、広島市の場合、その影響額が過去5年間で約2億円となっています。
 なお、この乳幼児医療費補助制度については、すべての政令指定都市において実施していることから、減額調整措置を廃止するよう、毎年度、大都市民生主管局長会議を通じて国へ要望しています。

 国が子どもの医療費を就学前まで無料にすれば、現在、市が独自に行なっている無料化の財源は対象年齢の拡大に回せます。何歳くらいまで無料化することができますか。

(社会局長)
 国が就学前までの医療費を無料化した場合には、平成19年度(2007年度)予算ベースで乳幼児医療費補助事業に要する一般財源約13億6000万円が不要となります。
 仮に、これを財源として、乳幼児医療費補助事業の対象年齢の引き上げを行うとすれば、概ね小学校卒業程度までの児童にかかる医療費の一部負担金を無料化することが可能になります。

 また、今年度、広島県が広島市に対して行なっている福祉医療の一方的な補助金カットの撤回と市の対抗策については、今、どうなっていますか。広島県の税収はバブル期を越す最高の税収になっています。それなのに今年度、5億円、再来年からは総額21億円も福祉予算を削減するのは、全く道理がありません。市の意見も聞かず、一方的に福祉予算カットを押付ける広島県には協力できないと言うべきです。
 今後、高速道路や港湾などの負担金は出さないなど、削減対象に見合う対抗策をとるべきではないですか。

(財政局長)
 広島県の福祉医療費補助の補助率引き下げについては、昨年来、
@  広島市に在住する県民は、県内の他市町村民と同様に県民税を納付していること、
A  政令指定都市だけを狙い打ちにする合理的な理由がないこと、
B  本市の財政に与える影響が大きいこと
などから、補助の継続を強く求めています。
 県とは、さまざまな機会をとらえて、市の対抗策の話もしながら協議を続けていますが、現段階では、納得のできる回答が得られていません。
 引き続き県と協議を行い、来年度予算編成に間に合うように、今後の方向性を見出したいと考えています。

 国、県に対して、いうべき事は言いながらも、市独自として子どもの医療費無料化の拡充に一層の努力をすべきですが、来年度に向けての市の考えを聞かせて下さい。

(社会局長)
 乳幼児医療費補助制度は、子育て支援策として重要な役割を担っていると認識しており、来年度に向けて本市の子育て支援策を検討していく中で、国・県の動向等も勘案しながら、総合的に検討したいと考えています。

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高齢者の医療について

 来年4月から75歳以上、全ての高齢者、約1300万人を対象にした後期高齢者医療制度が始まります。この制度には多くの問題点があります。
 第一に、75歳になると、国保や健保から脱退させられる為、子どもの扶養に入り、保険料の負担のない高齢者も含め、新たな保険料を負担することになります。まず、この対象者数をお聞きします。

(社会局長)
 平成20年(2008年)4月から始まる後期高齢者医療制度の対象者は、現在、本市で約10万人と見込んでいます。
 このうち、健康保険組合など被用者保険から移行する方は、約1万1000人ですが、この大半は、家族の扶養に入っていることから、これまでは保険料の負担がなく、後期高齢者医療制度への移行に伴い、新たに保険料を負担することになる方であると考えています。

 保険料の額は、これから広域連合で決められますが、国の試算では、1人当たり平均、月6200円、年間7万4000円にもなります。1ヶ月の年金が保険料でまるごと消えてしまいます。
 第二に、年金が1万5000円以上ある人は、高齢者医療保険料と介護保険料と合わせて、平均で月1万円が年金から強制的に引かれます。個人の財産である年金から保険料を天引きするやり方は問題です。
 第三に、滞納者から、保険証を取り上げる事までやろうとしています。資格証明書では、窓口で医療費全額を払うことになり医療への道が閉ざされてしまうことから、老人医療では、資格証を発行していません。後期高齢者医療制度に移行後も市の責任として資格証の発行はせず、支払い困難な高齢者には保険料の減免制度などを実施すべきですが、どうされるお考えですか。

(社会局長)
 後期高齢者医療制度では、「高齢者の医療の確保に関する法律」等の規定を受けて、特別の事情のない場合には、滞納発生後1年を経過した被保険者に対して、広域連合が被保険者証の返還を求め、資格証明書を交付することになります。
 また、保険料の減免についても、災害や所得の激減など、特別の理由のある被保険者に対する減免制度について、現在、広域連合において、条例案を検討していると聞いています。
 このように、資格証明書の交付や減免制度については広域連合が行うため、本市が主体的に判断することはできません。
 しかしながら、国民健康保険では、資格証明書の交付状況等において、各自治体間で差が生じているという実態もあるため、資格証明書や減免制度の運用に当たっては、本市のこれまでの取り扱いと、大きなくい違いが生じることのないよう、広域連合に要請していきたいと考えています。

 第四に、病気により受けられる医療費の上限額をきめる包括医療の導入により、必要な医療も受けられないなど問題だらけです。
 さらに、70から74歳の高齢者の窓口負担も現行の1割から2割負担へと引き上がり、65歳以上は国保料も年金から天引きされます。

 このように、後期高齢者医療制度をはじめとした一連の医療改悪を決めた自民、公明両党の責任は重大です。わずかの年金で苦しんでいるお年よりから過酷な保険料取り立て、医療差別を押付ける「お年よりいじめ」の医療改悪法は、「実施の凍結」と「制度の全面見直し」が必要です。これほど、大きな制度変更が来年4月から行なわれようとしているのに、肝心の高齢者家庭の皆さんには、殆どその内容が知らされていません。来年から国民健康保険料も年金から天引きされると聞いて、みんなびっくりされています。
 保険料もこれから決めるという状況で、制度移行がスムーズに出来るのでしょうか、市民への周知をどうされるのか伺います。

(社会局長)
 後期高齢者医療制度の創設については、6月に国民健康保険料の納入通知書を送付した際に、また、8月に高齢受給者証を送付した際に、「国保のしおり」などを同封し、その周知に努めてきました。
 また、広域連合が作成するリーフレットを、今月末から区役所や医療機関の窓口などに備え付けるとともに、10月1日号の「市民と市政」においても、制度の説明記事を掲載することにしています。
 今後も、後期高齢者医療制度については、適宜、準備状況に応じた制度の説明を「市民と市政」に掲載するなどして、市民の皆さんに理解していただけるよう、広報に努めてまいります。

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福祉サービス公社について

 広島市は福祉サービス公社を、来年3月末で解散するとしていますが、公社は、昭和39年に原爆被爆者の家庭奉仕員としてスタートして以来、公的ヘルパーとして40年以上、市民の「在宅介護」を支えてきました。市は、介護保険や自立支援法が始まり公社の役割は終わったとしていますが、地域には認知症、引きこもり、精神疾患、生活困窮の高齢者や障害者が生活されています。孤独死という悲しい状況も後を絶たないなか、人間らしく生きることを支える公的責任は必要性を増しています。
 介護難民を発生させたコムスンの事件は、利益を目的とする企業に頼っていては、必要な介護を市民に保障できないことを示しています。同時に、民間事業者は儲けが最優先されるため、精神障害者の方の介護や障害者の移動サービスなど、採算割れするサービスには手を出せません。民間が敬遠する分野を公的責任で補う制度と体制が必要だと考えますが市のお考えをお聞きします。

(社会局長)
 障害者・障害児へのホームヘルプサービス提供を行う市内の指定居宅介護事業者数は、本年4月には212事業者となり、支援費制度開始時の平成15年(2003年)4月の94事業者と比べて約2.3倍に増加しました。特に、精神障害者にホームヘルプサービスを提供するとしている事業者の数は、平成15年(2003年)4月には4事業者であったものが本年4月には113事業者と大幅に増加しています。
 また、障害者・障害児の移動支援については、福祉サービス公社では実施しておりませんが、市内の189の事業者がサービス提供しており、サービスを安定的に提供できる体制が整備されています。
 また、介護保険法や障害者自立支援法では、居宅サービス等の運営基準が定められ、その基準で、事業者は正当な理由なくサービスの提供を拒んではならないとされております。
 したがって、事業者指定を受けた事業者は適切にサービスを提供しなければならず、本市としては、こうした基準を遵守するよう事業者を指導し、現在の利用者が、今後も安心してサービスを受けることができるよう制度の適切な運営の確保に努め、公的責任を果たしていきます。

 公社には常勤ヘルパーが30人、パートヘルパーは200人も働いています。民間事業者のヘルパーが短期間でやめていく中、長年勤め続けているヘルパーの経験は市民の財産です。とりわけ在宅介護は利用者との信頼関係が大切です。公社を廃止しても利用者700人へのサービス低下はまったくないと断言できますか。

(社会局長)
 議員ご指摘のとおり、利用者とヘルパーの信頼関係は大切であると認識しており、福祉サービス公社に対し、サービスの引継ぎにあたっては利用者の意向を伺いながら適切にサービスを他の事業者に引き継ぐよう要請しております。
 特に全身性障害者がこれまでと同じサービスを受けることができるよう、本市からも他の事業者に対し、全身性障害者のサービスを引き継ぐ場合には、そのサービスを実際に提供しているヘルパーを採用してもらうよう協力をお願いしており、福祉サービス公社の利用者が引き続き円滑にサービスが利用できるよう努めてまいります。

 公社が、この間、果たしてきた役割についてどのように認識されているのか伺います。

(社会局長)
 福祉サービス公社は、ホームヘルプサービスを実施する団体として平成7年(1995年)に設立したもので、民間事業者の体制が整っていなかった平成12年(2000年)の介護保険制度の導入時は、訪問介護事業の3割以上を担い介護保険制度の円滑な導入に貢献するなど一定の役割を果たしてきたと認識しています。
 しかし、介護保険制度の開始から7年が経過し、民間事業者の参入が進み介護ニーズに対してサービスを安定的に供給できる体制が整備されるなど、多額の補助金を支出してまで福祉サービス公社を存続させなければ介護サービスを提供できない状況ではなく、また、福祉サービス公社で提供している事業については民間事業での対応が可能であると考えています。

 また、市がつくった団体が、市の都合で労働者を解雇し、放り出すようなことは認められません。公社に雇用されている230人の雇用はきちんと確保する責任が市にはあります。どのようにされるのかお聞かせください。

(社会局長)
 現在福祉サービス公社に雇用されている職員230人の雇用確保の大切さは十分認識しており、福祉サービス公社に対しては、特にその点に配慮を行うように要請しています。
 現在、福祉サービス公社では、嘱託職員の意向調査を行うとともに、訪問介護事業者連絡会を通じて民間事業者への採用を依頼しており、本市としても福祉サービス公社や関係機関と協議しながらできる限りの協力をしたいと考えています。

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国保料の減免について

 税源移譲による市民税率ひきあげ、老年者控除の廃止や高齢者の非課税制度の廃止など税制改革により、大幅な増税となった上に、国保料まで値上げになった世帯が、国保世帯の約2割、約4万世帯以上にものぼります。
 市は国保料の収納対策に力を入れてきましたが、増税で大幅な負担増を強いられた年金世帯に、さらに大幅な国保料値上げの押し付けは、かえって国保料を払いにくくするばかりです。払いきれない保険料を取り立てることにやっきにならず、市民の負担増を少しでも軽くし払える額に軽減することを、まず、考えるべきではないでしょうか、どのようにお考えか改めて伺います。
 市は「税源移譲によって国保料負担が増えるべきでない」との認識を示されましたが、負担の軽減について、新しい市長のもとで決めるとされてきました。どうされるのか伺っておきます。収入は増えていないのに税源移譲によって国保料が増えた世帯数と、是正に必要な財源額を教えてください。

(社会局長)
 議員お尋ねの税源移譲によって国民健康保険料が増えた世帯は、約4万7000世帯で、その金額は約8億5000万円となっています。
 これらの負担軽減につきましては、先ほど、竹田議員にご答弁申し上げましたように、
・減額となった世帯に負担を求めることなく、増額となった世帯についてのみ保険料軽減の対応策を講ずることは財政的にも困難な状況にあること。
・応能割保険料率は大きく低下し、保険料への影響は緩和されていること。
・他の政令指定都市においても、特別な対応策を講ずる予定はないこと。
 こうした状況を総合的に勘案し、本市においては、このたびの税源移譲に伴う特別な対応策を講ずることは考えていません。

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高速1号線福木トンネル工事による地盤沈下問題について

 このトンネル工事は、地質調査を引き受けたコンサルタントが、「地下水位の低下による地表面沈下量は3.5センチ」と報告し、慎重な対応を求めたのに対し、当時、意見を聞いた大学教授B氏、C氏が、「たいしたことはない」、「水抜きによる大きな沈下が計測された例はほとんどない」との意見を出し、公社は「沈下は最大1.5センチ」として、平成13年5月から掘削工事をはじめました。
 この2ヶ月後に、公社の予測を超える2センチの沈下が明らかになったのに、その後1年以上にわたり工事は続けられ、ついに15センチという予測の10倍の沈下が計測されました。事後調査では、18.2センチもの沈下量になっており、馬木8丁目地域の被害家屋は100軒を超え、被害区域もトンネルから離れた地域にまで広がっています。一級建築士も、「欠陥住宅でさえこれほどひどくない」と指摘するほどです。台風や地震がくれば、家屋の倒壊も起こりかねない危険性さえあります。
 ここまで被害を深刻にした責任は、予測を超える沈下が発生しているのに、平気で工事を続けた公社にあります。と同時に、たいした事はないとの判断をした、B氏、C氏の責任も重大です。馬木地区の沈下はトンネル工事に起因すると考えますが、市の認識を伺うとともに、どう責任を取られるのかお聞きします。

(道路交通局長)
 本市としては、広島高速道路公社が、地表面の沈下の状況を、逐次、地元住民の方々に対し、十分な説明を行うべきであったと考えています。
 本市が出資する公社が行った工事で、地元住民の方々にご心配とご迷惑をおかけしたことについては、大変申しなく思っており、今後の補償交渉にあたっては、誠心誠意対応するよう公社に申し入れています。

 また、B氏、C氏の両氏は現在の馬木地域の実態をどのように見ておられるのでしょう。専門識者としてコメントすべきではありませんか。公社とともに、住民に対して真摯に謝罪すべきです。どうされますか。この両氏は現在、市の各種審議会等の委員かどうかもお聞きしておきます。

(道路交通局長)
 公社は、平成10年度(1998年度)にトンネル掘削に伴う地表面への影響を検討するため、コンサルタントに調査・検討業務を発注しています。この中でコンサルタントは、ご指摘の2人の大学教授に意見を聞いています。
 その主な意見としては、「地下水低下による地山の沈下を予測することは非常に難しい。」、「地下水低下による沈下予測手法は確立されていないため、通常のトンネル設計の場合、地下水低下による沈下解析は実施していない。」、「自分が知っている限りの事例では、水抜きによる大きな沈下が計測された例はほとんどない。」といった内容です。
 沈下量については、これらの意見や調査・解析結果等を基に、公社が、最終的に判断したものです。
 また、このお二人は市の各種審議会等の委員には就任されていません。

 次に損失補償ですが、企業に甘く、住民に冷たい補償は許されません。中電には変電所の補償として、早々と数億円を出しながら、市民の大切な財産である家屋の損失補償が、ひび割れなど表面への対応だけで済まされないのは当然です。
 1号線は昨年10月に開通しましたが、その後も、水路や壁がこれまで以上にひび割れ、床や天井の張りにも亀裂が生じ、夜中に家がきしむ音がするなど異変は広がる一方です。団地家屋の地盤沈下は未だに収まっていません。公社は「沈下は収束した」としていますが、沈下に対する市の認識を伺います。

(道路交通局長)
 公社では、トンネル掘削後も、地表面沈下の計測を継続して行い、全区間において新たな沈下は生じていないことを確認しています。
 しかし、地元説明会において、沈下はまだ続いているのではないかとの意見が出されたため、公社では、本年7月13日から、当面6ヵ月間の予定で、地表面沈下の計測を再開しており、その計測結果を地元の皆様に説明することにしています。
 なお、計測再開後の2ヶ月間においては、新たな沈下は生じていません。

 また、玄関に出来た割れ目から雨水が浸透し、道路のアスファルトが浮いている箇所もあり、住民は地下に穴が開いているのではと不安を募らせています。大切な財産であるマイホームの地下が空洞では、安心して暮らせません。早急に地下の調査を行い、公表するとともに、沈下が激しい場合は、建替えや移転ができる補償額にすることは当然だと考えますが、どうされますか。

(道路交通局長)
 公社では、ボーリング調査を新たに行って、工事前の地盤の状況を比較することにより、地下の状況を把握し、その結果は、説明会で公表する予定です。
 また、補償の内容については、現在、公社が行なっている床・柱の傾斜や基礎を含めた床下等の詳細調査結果等を踏まえ、一級建築士等専門家の意見を聞いた上で、総合的に判断すると聞いています。

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高速5号線について

 高速5号線は二葉山に1.8キロのトンネルを掘る計画になっています。今議会には、二葉山の環境をまもろうと、町内会や神社仏閣など12の市民団体がトンネル工事の中止を求める4万5300筆の署名を出されました。この署名を市長はどううけとめられていますか。

(道路交通局長)
 地元住民をはじめとする多くの皆様が、高速5号線のトンネル工事により、地盤沈下や土砂崩れ、環境破壊が引き起こされないかという不安を持たれていることは認識しています。
 一方で、高速5号線は、本市の都心部と中国地方の東部地区や広島空港との間の高速性・定時性の向上や、温品・中山地区の交通混雑の緩和、広島駅周辺地域の開発促進などの役割を担っています。
 このため、今後、より詳細な調査・解析を行い、その結果や対応策を説明することなどにより、地元住民の皆様の不安や疑問に誠実に応え、事業への理解を得るよう努めていきたいと考えています。

 公社は「シリブカガシは地表面の水で生育しているのだから枯れることはない」とされていますが、二葉山は小さな独立峰であり、一旦地下水が抜けてしまえば、周囲からの地下水の供給はほとんどなく、山の水涸れは深刻になり、樹木の生育にも影響がでます。
 大阪府「箕面の滝」は、箕面グリーンロードというトンネル工事により水枯れし人工滝になっています。ここでは、年間3000万円をかけてポンプで地下水を吸い上げて滝に流しています。こんな事例もあるのに、なお「二葉山は枯れない」と言われるのでしょうか。
 広島市でも、高速4号線のトンネル、己斐の奥では、すでに水が涸れてしまった谷、大幅に水が減少した谷も出ています。20年、30年、50年先も山の木が枯れないという保障がありますか。未来永劫、樹木の生育に影響がないという根拠があれば明確に示してください。

(道路交通局長)
 公社は、平成12年(2000年)12月に、4名の植物学の専門家と1名の土質工学の専門家で構成する「二葉山自然環境保全対策検討委員会」を設置し、高速5号線トンネル工事が二葉山の自然環境に与える影響について調査検討を行い、その結果を平成15年(2003年)10月にとりまとめています。
 この中で、二葉山の樹木の根の深さは最大で3メートル程度と想定され、その生育は地下水に依存しているのではなく、雨水を起源とする表層水によるものと考えられることから、トンネル工事によって地下水位が低下しても、樹木への影響は軽微であると報告されており、このことは、公社のホームページ等で公表しています。
 このことから、トンネル工事によりシリブカガシをはじめとする樹木の生育への影響はないと考えています。

 次に、住宅の真下、地下13.6mの位置にトンネルが通る牛田地域の問題についてお聞きします。ここは、高速1号線のトンネルで沈下している馬木地域の半分以下の浅い土かぶりです。団地造成時の「切り土」「盛り土」の実態も不明なため、トンネル直上の住民は「馬木のような地盤沈下が起こるのではないか」と不安な毎日を過ごされています。
 早急にこの団地を造成した業者の書類を精査し、実態を調査・公表すべきと考えます。書類がなければ、早急に調査すべきです。どうされますか。

(道路交通局長)
 トンネル直上の東園団地は、造成完了後37年、誠和牛田東団地については、24年経過しており、いずれの団地も造成状況に関する詳細な書類等は残っていません。
 しかしながら、これらの団地の切土、盛土の状況については、ボーリング調査等の地質調査を実施することにより、正確に把握することが可能であることから、今後、できるだけ早く地元住民の了解を得て地質調査を実施し、切土、盛土の状況を把握したいと考えています。

 また、中山地域のトンネル予定地の上には「コンクリートの谷止め」が設けられていますが、現在、コンクリートに多数のひび割れが生じ、強度が大幅に落ちています。大雨が降れば、土石流で「谷止め」の堰堤が破壊され、被害が増大する危険性が高いところです。
 トンネルは、この堰堤の真下を通ります。トンネルにより、地下水位が低下し、山の水涸れによる山崩れも発生しやすくなります。住民の方々はこのような現状にこそ不安を抱いています。
 トンネル工事ではなく、まずはこの「コンクリート谷止め」の改修こそ急務だと考えるが、当局の見解を伺います。

(道路交通局長)
 議員ご指摘のコンクリートの谷止めは、昭和52年度(1977年度)に林野庁の広島営林署により設置されたものであり、現在これを管理している、広島森林管理署にご指摘の内容を伝えます。

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まちづくりについて(新球場建設問題)

 2009年の完成にむけ、新球場建設の取り組みはすすんでいますが、周辺の蟹屋・大州地域の住民は、騒音、治安、ゴミ、事故、渋滞など生活環境が大きく様変わりする事に不安を持たれています。現在でも、雨水貯留池工事のためにヤード跡地につくられた道路に多くの車両が流入するようになり、すでに、交通事故が多発し、朝夕の出勤時には、渋滞も起きています。

 広島駅からヤード跡地までの歩行者道路と敷地内道路は整備される計画になっていますが、新球場から天神川駅方面の地域の交通処理については、住民には何の情報もないため「広島市は球場だけ造れば、周辺の環境悪化はどうでもいのか」と、疑問の声も聞かれます。ある市民は、「暴走族の溜まり場にならないか」「カープが勝った時にはいいが、変な負け方をした時は付近の住民は心細く、常に警戒意識をもたなければならない」など、球場オープン後の渋滞や交通事故、風紀の乱れを心配されています。市は起こりうる周辺環境の変化や渋滞について、どのような認識を持たれていますか。

 周辺住民へのアンケート調査では、交番の設置・巡回、ガードマンの常駐とともに、球場周辺に緑の公園を望む声もたくさんありました。これらの声をまちづくりに生かしていただきたいが、どうされるかお聞きします。
 新球場の周辺地域が安全で快適な地域、空間になるように、もっと積極的に地域の意見を聞く場をもうけ、具体的なまちづくりに反映させる必要があると考えるがどうですか。

(都市活性化局長)
 ヤード跡地やその周辺地域においては、新球場の建設を核として、新都心成長点にふさわしい賑わいの創出を図ることにしており、周辺環境にも適切な対策を講じていく必要があると考えています。

 このため、新球場の建設に当たっては、これまで節目節目において周辺住民の方々を対象とした説明会を延べ9回開催するとともに、個別に質問があった方々にも対応してまいりました。
 これらの説明会において、新球場の施設計画、周辺道路の整備計画等についてご説明し、ご意見をお聞きしてまいりました。また、防犯等の生活環境対策につきましては、これまでも警察等の関係機関に情報提供を行い、対応を検討しています。

 今後も工事着手や運営計画が具体化する段階で、適宜、周辺住民の方々のご意見をお聞きし、関係機関とも協議しながら、安全で快適な周辺環境整備に取り組んでまいります。


 新球場への車の出入りについて、何台の車両をどう処理されるのか。周辺の交通処理と道路整備の計画を教えてください。

(道路交通局長)
 新球場には、来場者のための駐車場として、一般用約450台と団体バス用約50台の計500台を整備する予定です。
 試合開催時には、この駐車場利用者が短時間に入退場するため、駅前大洲線や荒神陸橋など、周辺道路の交通量が増加すると予測されます。
 このため、新球場のオープンに合わせ、段原東部土地区画整理事業で整備中の段原蟹屋線を完成させ、中広宇品線を経由して都心方面や国道2号とヤード跡地を結ぶ新球場へのアクセス道路を確保します。
 さらに、ヤード跡地の南側に接する駅前大洲線を整備し、広島駅からヤード跡地間の4車線化を図ります。
 また、荒神陸橋南側の交差点(荒神交差点)の改良などを新球場オープンまでに完成させる予定です。
 新球場を訪れるマイカーを、周辺地区の生活道路に流入させない誘導策についても、関係者と協議しながら検討します。

 また、段原蟹屋線から、比治山東雲線、国道2号線につなぐ道路整備を新球場オープンの21年に合わせれば、渋滞緩和につながると考えますがどうされるのかお聞きします。

(道路交通局長)
 比治山東雲線のうち段原東部土地区画整理事業の区域から国道2号までの区間約550mについては、現在、用地取得を進めており、平成18年度(2006年度)末時点での進捗率は事業費ベースで約58%です。
 当該区画については、事業用地を取得した後、電線類を地中化する電線共同溝の工事を行った上で、道路拡幅工事を行う必要があります。
 このため、新球場オープンの平成21年(2009年)春までに、当該区間を完成させることは困難な状況ですが、今後の財政状況等を見極めながら、段原東部土地区画整理事業の工事が概成する平成24年度(2012年度)に合わせて事業を進めていきます。

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祇園地域への大型店イオンの出店について

 出店予定地は元三菱の工場跡地であり、本来なら昨年改正された都市計画法で、出店ができない地域ですが、「以前から準備してといた」といって、イオンが強引に出店を急いでいる地域です。ところが、この地域は、周囲のほとんどが住居地域と文教地域で、幼稚園から大学まで含めると7000人の児童、生徒、学生が、網の目のような通学路を毎日通っている地域で、広島市も、特別に交通安全に力を入れる「あんしん歩行エリア」に指定している地域です。

 そういう生活環境と安全性の確保が充分、整っていない地域のど真ん中に、いきなり、3万8000平米という巨大な大型店がやってきて、毎日6300台という車が狭い生活道路に入り込んできたら、生活環境は一変し、交通事故増加は避けられないと、周辺住民の皆さんが、大変心配して反対の声を上げておられます。

 現在、イオンはこうした住民の声を無視して、市に出店届けを出し、これから、地元説明会が開かれようとしていますが、この出店に対する市の基本的な認識をお尋ねします。
 まず、イオンの進出により、住民の皆さんから
@交通渋滞の悪化、
A教育環境の悪化、
B商店街の衰退
の三つの弊害が指摘されています。これに対して市は「影響は否定できない」と答えておられますが、改めて確認します。

(経済局長)
 交通渋滞につきましては、周辺の道路状況から交通渋滞のおそれがあることは認識しており、渋滞の解消に向けて、店舗設置者からの申出により関係課や警察等との事前協議を行い、届出受理後も、関係課等で協議を行っています。今後、平成20年(2008年)3月31日までに大規模小売店舗立地法に基づく「市の意見」を述べることになりますが、住民の皆さんや関係機関、学識経験者の方々の御意見を踏まえ、法の趣旨にのっとり、適切に対応してまいります。

 教育環境への影響につきましては、これまでも、大規模小売店舗の出店に際し、店舗に対して、通学路や青少年の教育環境への配慮、子どもの安全を確保するため学校との連携を図ることなどについて要請しています。本件につきましても、店舗に対し格別の配慮を要請するとともに、教育委員会等関係課と連携をとりながら、法の手続を進めてまいります。

 商店街への影響につきましては、否定できないと思われますが、その程度を正確に予測するには困難なところがあり、また、仮に影響がある場合であっても、大規模小売店舗立地法では、その運用に当たって地域における需要状況を勘案することは禁止されています。
 本市としては、商店街等が実施する勉強会や研究会に対する「アドバイザー派遣」や、商店街が抱える現状と課題を総合的に調査・分析・検討し、それに対する具体的な対応策を提案する「中小企業団体等実態調査分析事業」、商店街とNPO等の市民団体が協働して実施する事業を支援する「商店街活性化プラン支援事業」にも取り組んでいます。

 今後とも、こうした商店街の皆さんの自主的な努力に対するきめ細かな支援の充実を図っていきたいと考えています。

 改正大店立地法では、大型店の立地にあたっては、「生活環境が保持されるかどうかが一番大きな問題となっています。
 イオンだけで6300台、その上、現在分譲中の春日野団地の人口増を考えると、近い将来、半径1kmの狭い地域内に、1日1万台も交通量が増えることが予測されます。
 市は、こうした状況をふまえ、この地域の交通シミュレーションをされましたか。もし、されていなければ、早急に行い、住民の不安に答えるべきと思いますが、いかがですか。

(経済局長)
 イオンの出店に伴う交通予測については、現時点では市独自で行っていませんが、イオンが交通予測を行うに当たっては、交通量調査の段階から関係機関・関係課と調査内容について協議のうえ実施しています。また、予測結果についても、関係機関・関係課と協議を続けていますが、今後とも、地域住民の生活環境の保持の観点から、公正かつ適切な評価・対応を行ってまいります。

 イオン側の交通処理対策は、小手先の対策ばかりです。もし、現在のまま計画が強行されたら、住民や子どもと年寄りの安全が脅かされることは、誰が見てもはっきりしています。こんな無謀な計画になぜ、市は「ちょっと待ってくれ」といえないのですか。事故が増えないという保障がどこにあるのですか。事故が増えたら一体責任は誰がとるのか。はっきりお応えください。

(経済局長)
 イオンの出店計画については、これまでにも事前協議を通じて、交差点での右折車対策や歩道のない道路での歩行者の安全対策など計画の修正を求めています。今後についても、生活環境の保持の観点から、届出内容について関係課・関係機関と協議のうえ、市としてできる限りの対応を行ってまいります。

 その結果、市の意見が適正に反映されておらず、地域住民の生活環境に著しい悪影響があると認められる場合には、勧告を行い、さらに、正当な理由なく勧告に従わない場合には、公表を行っていくことになります
 市長にはぜひ現地に足を運び、実際に見てもらい、直接住民の声を聞いてもらいたいと思いますが、そのお考えはありませんか。

(経済局長)
 本市としましては、今後とも、現地の状況を正確に把握したうえで、地元住民の方々の声に耳を傾けながら、地域の生活環境の保持という法の趣旨に沿って、道路交通、経済振興など各担当部署の専門性を活かし、適切に対応してまいります。

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宇品のまちづくりについて

 宇品内港は、小・中学校・公民館を建設するという目的で、埋め立てが開始され、平成8年に完了しましたが、広島市が、少子化と財政難を理由に、学校建設を断念したため、内港埋め立て地は民間に売却され、医療系の大学などが進出することになっています。

 しかし、周辺のマンションに越してきた若い世帯の市民は、「学校が建つというので、宇品にマンションを買ったのに約束がちがう」と行政に不信を抱き、また別の住民は「広島ポートルネッサンス21事業」で、「すばらしい港町にする構想」がしめされたが、計画になかった産廃処分場の建設は押し通し、住民が願っていた小・中学校・公民館は中止。これでは、何の為の計画だったのかと、怒りを感じておられます。一方的な土地利用の断念は、市民の願いを無視した、市民不在のまちづくりだと言わなければなりません。住民は、民間に売るのでなく、市民の役立つ公的施設を建ててほしいとの願いを持っておられます。

 日本共産党市会議員団が宇品地域に実施したアンケートへの意見には、集約すると次のようなものがありました。
★宇品地域を包括する福祉センター・教育の場・交流の場がほしい
★宇品西地域はマンションラッシュだが、5階くらいまでの高さ規制を
★住宅地としての規制の強化
★ポリスボックスの配置、民家の近くに公園がほしい。子どもを遊ばせる場所がほしい。
などです。これらの要望は地域の切実な声です。どう対応していかれるのか伺います。

 内港埋め立地には800戸の大規模なマンションが建設されており、人口は確実に増えてきます。集会所など地域のコミュニティーの場が必要だとの認識はありませんか。
 地域住民は終の棲家として、住みつづけられる地域づくりに、さまざまな意見をお持ちです。今後どのように住民の声を吸い上げ、まちづくりに生かされるのかお聞きします。

(都市整備局長)
 宇品内港については、広島の海の玄関にふさわしい港づくりを目的として、旅客ターミナルの整備を行うとともに、緑地、道路及び都市再開発用地を確保するため、広島県が埋立事業を実施しました。
 この埋立地に計画していた小・中学校用地などの土地利用計画の変更については、地元関係者への説明や協議を重ねるとともに、地元説明会を開催するなど、理解を得るよう努めてまいりました。また、説明会やその後に出されたさまざまな意見については、書面で本市の考えを回答するなどできる限りの対応をしてきたと考えています。
 ご質問の福祉センター、集会所等の整備などの要望につきましても、具体的にその内容をお聞きしたうえで適切に対応いたします。

 また、宇品小学校における児童数は今後どのようになる見込みですか。市が、来年から実施される「少人数推進のための段階的プラン」35人以下学級は考慮されているのですか。

(教育長)
 宇品小学校は、平成19年(2007年)5月1日現在、児童数899人、学級数は普通学級27学級、特別支援学級3学級です。
 宇品小学校では、学区内のマンション建設に伴い、今後児童数が増加し、平成28年度(2016年度)ころのピーク時には1,087人となり、学級数も1学級35人の場合、普通学級35学級、特別支援学級3学級となると見込んでいますが、その後は減少に向かいます。
 また、本校には普通教室として使用可能な教室に余裕があるため、ピーク時に必要とされる普通教室数は、既存の教室で対応できるものと考えております。
 今後ともマンションの分譲計画、入居状況と児童数の推移に十分注意を払い、適切な教育環境の確保に努めてまいります。

 今の1200人という分離基準は、40人学級を前提として、昭和60年に出来たものです。「学校現場の声を聞くと、小学校では700人規模が最適だといいます。広島市が、少人数学級を推進するからには、将来の30人以下学級、20学級に対応した新しい分離基準に見直すことが必要ではないですか。考えをお聞きします。

(教育長)
 本市では、小・中学校の学級数が31学級以上かつ児童生徒数が1,200人以上の状況が長期間続く学校について分離新設を検討することにしています。
 本市の小・中学校の状況は、一部地域において団地造成、マンション建設により過大規模校となる学校がありますが、全体的な傾向としては、児童生徒数が減少する中、1校当たりの児童生徒数、学級数とも減少し、学校の小規模化が進んでいます。
 こうしたことから、児童生徒の指導上、学校の運営上、望ましい学校規模の確保について、早急に検討する必要があり、小規模解消の対象とする小規模校の基準や対応方法と合わせ、大規模校についても、これまでの学校の分離新設の検証を行ったうえで、今後の基準と対応方法について検討していきたいと考えています。

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地域交通の確保について

 千葉県の我孫子市は、交通不便地域の対策として「自動車教習所や病院、大学」など10の民間事業者が走らせている送迎バスの空席を活用し、無料で高齢者と障害者の移動を確保する取り組みが行なわれています。先日、我孫子市を訪問し、事業が実現するまでの努力をお聞きしました。
 我孫子市では、市民が送迎システムを持つ民間事業者を訪問し、送迎バスのルートや時刻、停留所の調査などをされたこと。そして、行政が直接に民間事業者に協力を要請し、苦情は行政がすべて引き受けるという積極性を発揮されたことが、事業者に信頼と安心を広げ、実現につながりました。
 財政的にも、送迎バスへの保険費用が必要となるくらいで、大きな出費はありません。行政も市民にもうれしい事業になっています.まさしく、今ある交通網を社会資源として生かし、新しい交通ネットワークとして活用しているのです。これは新しい発想です。
 広島市においても、交通弱者が切実に求めている交通手段の確保にむけて、一つの解決策になりえます。市の考えをお聞きします。我孫子市をヒントにすでに要望の出ている南区の丹那や東区の福木地区で民間事業者の送迎バスの有無、運行状況を調査する考えはありませんか。

(道路交通局長)
 地域の生活道路を確保する方策としては、補助金交付による路線バスの運行維持のほか、地域主体の乗り合いタクシー導入への支援や、NPO等によるボランティア輸送など、地域の実情に応じたいくつかの手法が考えられます。ご提案の自動車教習所等民間事業者の送迎バスの活用も、その有効な方法の一つと考えています。
 民間事業者の送迎バスの実態等の地域の状況については、こうした生活交通の確保策について、どのような方策が最も適切なのか、本市と地域の方々とで話し合いをしていく中で、実情を把握していきたいと考えています。

 市は、熱意のある地域に巡回バスを1ヶ月間、試験的に走らせる予算は計上されていますが、何をもって熱意がある地域と判断されるのか伺います。地域には差があり、熱意をどう表せばよいかわからない、自ら声を発して頑張れない高齢者もおられます。がんばれない地域は、永遠に地域交通が確保できないのでしょうか。
 地域の熱意を醸成する上でも、行政側が、公共交通が通っていない地区の交通弱者の実態調査を行い、きめ細かな意見・要求調査をし、市民に返していく作業こそ必要ではないでしょうか。

(道路交通局長)
 生活道路を確保し持続していくためには、何よりも地域の方々の積極的な利用が重要なポイントとなります。
 したがって、地域の大部分の方が参画し、生活交通の確保を自分たちの問題としてとらえて主体的に解決していこうとする気運が高まり、話し合いなどの動きがみられるような、そうした地域を対象に積極的に支援していきたいと考えています。

 高齢者や障害者など、交通弱者にとって、移動手段がないことは、買い物、通院など生きる権利さえ脅かされることにつながります。交通権は生きるために不可欠な権利です。「公共交通活性化法」の国会審議の中で国土交通大臣は、「地域の実情を一番よく理解している市町が中心になって、住民の移動の足を確保する為の計画、取り組みを具体化せよ」と発言しています。
 市民の生活権を保障する視点から、交通不便地域を選定し、車両の大きさや運行方法、運行主体を明確した指針を策定する必要があると考えますが、いかがですか。

(道路交通局長)
 ご指摘のように、行政からも、生活交通の不便な地域の解消に向けて積極的に取り組んでいく必要があると思います。
 ただ、地域にはそれぞれ固有の特性があり、行政だけでその地域の実情に即した解決策を見出すことは難しく、地域の方々との話し合いを通じて、最も適切な生活交通を確保するための方策が得られると思います。
 当面は、地域のお困りの方の声をきちんと受け留め、相談していく中で地元気運の醸成を図り、盛り上がりのある地域を重点的に支援をしていきたいと考えています。
 今後高齢化が進展していくとともに、生活交通の確保はますます重要な政策課題になるものと認識しており、地域の主体的な取り組みを促すとともに、さらに支援施策を拡充するよう努めていきたいと考えています。

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平和行政、被爆都市ひろしまの責務について

 核兵器廃絶を発信する責任を負う広島市は、62年前の原爆投下により被った被害の実相を世界中に広める取り組みを進めてきましたが、被爆の実相に関する新しい知見や提起があれば、積極的に調査・研究しその結果を広めていく責任もあると思いますが、市長はどのようにお考えでしょうか。

 また、国が6連敗した原爆症認定訴訟や、チェルノブイリなど原子力発電所の破裂事故による人的被害、米兵などの湾岸戦争症候群やイラクで起きている劣化ウラン弾による放射能被害など、内部被爆による障害の研究は重要性を増しています。核兵器が人類と共存できないことを、より明らかにする原爆被害の実相の重要な分野として、調査・研究すべきではないかと思いますが、どのようにお考えか伺います。

(市長)
 人類初の原子爆弾による惨禍を体験した本市には、核兵器の威力や、放射線が及ぼした人体への影響を明らかにし、その実相を広く国内外に伝えていく責務があると考えています。
 このため、平成10年(1998年)4月、市立大学に広島平和研究所を設置し、広島・長崎の原爆体験や核兵器に関する諸問題など、平和に関する学術的な研究を行っています。研究活動の成果については、国際シンポジウムや市民講座の開催、研究報告書の発行等を通じて、広く国内外へ発信しています。

 また、平和記念資料館においては、平成10年(1998年)8月に平和学、社会学、物理学などの研究者で構成する「平和記念資料館資料調査研究会」を設置しました。この研究会ではこれまでに、アメリカ国立公文書館所蔵の原爆被災写真の調査・分析、海外の研究機関等が所蔵する被爆に関する資料の所在調査、最近の核を取り巻く状況等に関する調査・研究等を行ってきました。
 これらの研究成果は、平和記念資料館の常設展示の展示更新や、企画展の開催等を通じて公開するとともに、同資料館の基礎データとして蓄積しています。
 さらに、放射線の人体影響については、放射線影響研究所や広島大学原爆放射線医科学研究所などの研究機関において、体外被曝を中心に調査研究が行われています。その成果は、本市が加盟する放射線被曝者医療国際協力推進協議会(HICARE)が実施している海外被曝地域からの医師の研修受入など、各種事業を通じて世界各地の放射線被曝者医療に活かされています。

 しかしながら、近年、イラクにおいて、劣化ウラン弾の使用により発生した微粒子が体内に取り込まれた場合の内部被曝等による健康被害が懸念されています。
 また、原爆症認定訴訟においても、初期放射線量のみではなく、残留放射線など低線量の放射線による外部被曝やホコリの吸引等による内部被曝の影響について慎重に検討しなければならないという判決が出されるなど、低線量被曝や内部被曝が争点となっています。

 このように、内部被曝等に関する調査研究の重要性が高まっていることから、本市としても、今年5月に開催された放射線影響研究所の存続やあり方を検討する「放射線影響研究所の将来構想に関する上級委員会」において、新たに低線量被曝及び内部被曝に関する調査研究に積極的に取り組んでいただくよう要請しました。
 引き続き、これら調査研究の必要性について、研究機関等に働きかけていきたいと考えています。

 今後とも、市立大学広島平和研究所や平和記念資料館における原爆被害に関する本市独自の調査研究はもとより、広島大学原爆放射線医科学研究所や、放射線影響研究所など地元の研究機関との連携により、情報収集や調査研究の充実に努め、被爆の実相を次の世代に継承していきたいと考えています。


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--- 再質問 -------------------

県の医療費補助金カットについて

 県の医療費補助金カットについては県と協議中とのことですが、県議会の議事録によると、広島市内選出の県議25人のうち、明確に反対されているのは2〜3人とのことです。県議会で「なぜ広島市の医療費補助をカットするのか」という質問に対して、総務部長が「適切な役割分担の観点から民間でできることは民間で」の議論のうちで、「市町は市町で見直す」と言われたようです。ということは、広島市でできることは広島市でということで、やるからには県民税を返してくださいと言ってもおかしくないと思います。その点言われましたか。

(財政局長)
 補助金カットについて、理事者同士の交渉を継続してきていますが、議会側から後押しする動きがあれば力になります。市民の声が届くよう全力を尽くして参ります。

 国保料については、大変冷たい広島市政だと思います。税源移譲により国の制度によって自動的に国保料が上がるわけです。何らかの形で是正するのが当たり前だと思います。8億5000万円あればできると言われました。市民の命を守るという点からも新しい健全化計画ではこういうところに最優先で予算をまわしていただきたいと思います。

 来年4月から後期高齢者がはじまるにあたって、国が高齢者の被爆者の医療分を出さないということを受けて、広島市は県内の選出議員に協力を促し、被爆者分をカットしないということになったことは聞いています。国の問題は国会議員に頼んだのであれば、県と市の問題では広島市内の選出県議は市民みなさんの代表として出ているわけです。市民は県民でもあります。広島市選出の県議25人も一緒に医療の削減をやめよと協力を要請すべきです。

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高速1号線、5号線について

 公共事業が環境を壊したり市民の財政を壊すということは、当然あってはなりません。
 私どもはかねてより、高速5号線は採算性、緊急性、必要性がないと主張してきました。公共事業見直し委員会は途中で予算削減され流れましたが、5号線は見直すべきだと思います。その採算性、緊急性、必要性はおいておいても、4万5300筆の署名は新たな2つの問題点についての声です。一つは、環境問題、もう一つは住民合意がないという問題です。
 環境問題についてですが、シリブカガシは地表面3mの雨水でいいと言われましたが、そのシリブカガシが永久に守れるならここで言って下さい。議事録に残そうではありませんか。再答弁を求めます。

 二葉山のシリブカガシの偉大性について、二葉山の環境を守る会のみなさんに聞くと、世界一の山、他には代わりのできない山だということです。二葉山の地下水は、スポンジが水を含んだようにたゆたゆと地表面にまで蓄えられていて、それで、繊細なシリブカガシが群生できるということです。そこにトンネルを掘ると水が抜けます。大切な世界一の山をトンネルで破壊することはあり得ません。
 市は、土地緑地保全法にもとづいて、広島市緑地保全計画をつくっておられます。
 広島市が守らなければならない緑地として13あげてあります。その10番目に二葉山が入っています。一方で守ろうと言って一方では破壊するというようなことを何故するのでしょうか。

 住民合意が何故とれないかというと、福木トンネルの地盤沈下被害の事例があるのに同じことを二葉山でもするのかという(住民の不安が)あるからです。1号線の地盤沈下はトンネルが原因だったとここで言っていただきたい。原因と責任、補償問題を明らかにしないと5号線の合意はとれません。もう一度答弁をお願いします。

 4万5300筆は牛田1丁目、3丁目のみなさんを中心に、町内会の7割以上が反対されています。公共事業を進めるときの判断として、住民の7割の反対が基準になると聞いていますが、なぜ押し通すのでしょうか。市民が主役と言いながら実際には反対のことをしているではありませんか。安佐南区川内の区画整理が中止になりましたが、住民の7割の反対が判断基準だったと聞いています。どういう認識が聞きます。

(道路交通局長)
 必要性については、さきほど述べた通りです。
 シリブカガシについては公社が、地下水にとっぷりつかって栄養をとっているのではなく、地表面の水に根があって生きているということで、枯れることはないという結果を出しています。
 高速5号線はまだボーリングできないのは、1号線で予想以上の沈下があったのでできないというのは事実です。不安、疑問に対して説明し理解していただくということで、1号線と5号線では岩盤の硬さが違う。5号線の方が硬い。その上に盛土、1号線の地下水が下がることによって土が圧縮されて地盤が沈下したということですから、今からボーリングをしてどのくらい圧縮し対応策はこうですよと説明、理解してもらうよう考えています。

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