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2007年9月28日 本会議 藤井とし子議員の議案討論 |
【意見を付して賛成】 第101号議案 一般会計補正予算について 少人数教育推進のための段階的プランについて 広島駅新幹線駅口、二葉の里地区の開発について 京橋会館市営住宅の更新について 第122号議案 新球場の建設工事の請負契約の締結について |
おはようございます。藤井とし子です。日本共産党市議団を代表して討論をおこないます。 意見を付して賛成する議案は第101号議案と第122号議案です。その他の議案は賛成です。 【意見を付して賛成】 第101号議案 一般会計補正予算について 少人数教育推進のための段階的プランについて まず、少人数教育推進のための段階的プラン準備のための予算についてですが、これは少人数教育の推進により、児童生徒一人ひとりにきめ細かな指導を実施し、基本的な生活習慣を確立し、基礎基本の学力を確実に定着させ、個性や能力を伸ばす教育の充実を目指すもので、来年度から、小学校1年から3年生および中学校1年生に導入し、2011年度まで1学年ずつ拡大する計画です。 今回の35人学級の実現は、一人ひとりに行き届いた教育の実現を求めて、長い間、30人学級の実現を国や県に対して要望してこられた保護者・教職員の皆さんが待ち望んできたことへの大きな一歩であり、広島市が今回、決断されたことを大きく評価するものです。 しかし、なぜ、第1期プランのなかで中学校2年生3年生には拡大されないのか疑問です。拡大しない理由に、現在、国語、数学、英語の授業で少人数による習熟度別授業を実施しているからといわれます。 少人数学級が実現すれば、少人数授業をするためにわざわざクラスを解体する必要性もなくなります。習熟度別教育についてはよい点もあるでしょうが問題点も指摘されています。 県内のある中学校では、導入された当初は「丁寧に教えてもらえるようになった」と歓迎する声も多数ありましたが、年度途中の保護者懇談会では、「自分はどうせできないんだからとやる気を失っている」「隣に聞ける友達がなく不安に思っている」「習熟度別編成ではなく、クラスの人数を少なくすることができないのか」という声が大半を占めたといいます。 また、教師からは「学級担任でも学級の4分の1程度の子どもとしか授業ができず、学級としてのかかわりが薄れていく」「生徒に落ち着きがなくなった。生徒はゆとりがない中で追い立てられているように感じる」との意見もあります。 今必要なのは、子どもの実態や教職員の願いに応え、やる気を育て、育ちあい、学びあえる教育の視点で学級編成を考えるべきではないでしょうか。 ここ数年、学力が世界1位と言われるフィンランドの教育が注目されています。フインランドと日本の教育の大きな違いは、「自ら学ぶことを大切にし、強制や競争がない教育」だといわれます。 フインランドでは1968年に日本の教育基本法を参考に、「どの子にも平等な教育をする」という理念のもとに教育改革が進められました。1983年には習熟度別学級編成が廃止され、やる気を大切にし、「落ちこぼし」のない教育が行われ、今の学力世界1位となったといわれます。 一方、日本の教育は、フインランドが参考にした教育基本法まで変えて、一斉学力テストや学校選択性の導入で、ますます学校間の競争を義務教育にまで持ち込み、教育をゆがめる結果をもたらしています。 思春期のこの時期、「できる子のクラス」「できない子のクラス」に子どもが振り分けられて、やる気どころか自信をなくさせ、心を大きく傷つけるだけです。フインランドの教育を学びなおすべきではないでしょうか。 国連の子どもの権利委員会も、「日本の過度な競争教育」を是正するよう度々指摘しています。いま求められる教育は「競争教育」ではなく、「一人ひとりのやる気を大事にし、互いを尊重し、学びあい育ちあえる教育」です。 習熟度別学級編成については見直され、早期に中学校2年生3年生にも35人学級が拡大されるよう要望しておきます。 (上に戻る) 広島駅新幹線駅口、二葉の里地区の開発について 次に、広島駅新幹線駅口、二葉の里地区の開発に向けた計画作成のための経費としての予算ですが、この地域の開発も北口開発と同様、民間の再開発に期待すれば巨大な高層ビル群主体のまちづくりになりかねません。 まちづくり協議会がまとめた3つの基本方針のひとつである、歴史と風景を大切にしたまちづくりとの両立は重要な課題となります。今後も、基本計画策定にかかわる広島市として、高速5号線計画の見直しを含めて、地域住民や市民の意見が十分反映されるものになるよう求めておきます。 (上に戻る) 京橋会館市営住宅の更新について 次に、京橋会館市営住宅の更新のための予算についてです。 老朽化した市営住宅を、市街地再開発の手法を使って建替えようとするもので、建替えそのものは評価するものですが、市営住宅を希望しても入れない市民が圧倒的に多い中、戸数を半減することは問題です。 昨年の市営住宅の応募倍率は平均で24.6倍、最高は100倍を超えています。市営住宅を希望する多くの市民の要望に応えられるようにするためにも、現在の管理戸数の維持と戸数を増やしていくことに一層努力されるよう求めておきます。 (上に戻る) 【意見を付して賛成】 第122号議案 新球場の建設工事の請負契約の締結について 今回は予定価格も示し、一般競争入札をおこなった結果、一社しか応札がなく、99.99%を超える高い落札率で落札されました。 市は、「調査はしたが談合はなかった。調査後、工事費積算も適切におこなわれていることが確認されたから決定をした。WTO案件の一般競争入札であり、入札参加者が一社であっても競争性は確保されている」と説明します。 しかし、市民から見れば、予定価格が公表されていて、一社だけの入札で99.99%以上の落札率ということになると、不透明、不自然という声や疑惑の指摘も出てきます。 一社しか応札がない場合はやり直すことを明らかにして入札を行うべきで、そうした見直しをされることを求めておきます。 以上で討論を終わります。 (上に戻る) |
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