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2007年6月28日 本会議 村上あつ子議員の議案討論 |
【反対】 第77号議案 広島市市税条例の一部改正について 第80号議案 広島市市税条例の一部改正について 第96号議案 矢賀大州線の工事の1年延長について 【意見を付して賛成】 第63号議案 一般会計補正予算について 県の福祉医療費補助カットについて / 子どもの権利に関する条例制定について 市立特別支援学校の建て替えについて / ごみ処理施設について 障害者自立支援法に関わる実態調査について / 特別養護老人ホームについて 最後に 「議会改革」の課題について |
日本共産党市会議員団を代表して討論をおこないます。 反対の議案は、第77号議案、第80号議案、第96号議案。意見を付して賛成の議案は、第63号議案です。その他の議案は賛成です。 【反対】 第77号議案 広島市市税条例の一部改正について 第77号議案、広島市市税条例の一部改正についてですが、これは、いわゆるベンチャー企業の株式にかかる譲渡所得の課税対象額を50%控除する、つまり税金を半額に減税するという、資産家を優遇する措置を2年間延長するものです。 この6月、定率減税の廃止によって、住民税が昨年に続く大増税となり、年金所得の人は「1か月分の生活費がそっくり税金で無くなる」と悲鳴を上げておられます。非正規で働く就職3年目の若者も4倍になり、「これでは将来設計のために貯金もできない」と嘆いています。 庶民に大増税、一方で、こういった金持ち優遇の税制改正には賛成できません。 上にもどる 【反対】 第80号議案 広島市市税条例の一部改正について 第80号議案は、森林公園の昆虫館と昆虫館以外を分けて、別々に指定管理者を指定することができるよう、条例を改正するというものです。 昆虫館を引き続き非公募にしたことは賛成ですが、昆虫館と切り離して森林公園を公募にすることは反対です。 特に森林保護は、これからますます注目される分野です。森林公園は、森林の保護育成について情報提供できる「貴重な市民の財産」です。 森林の育成は、20年〜30年の見通しを持ってとりくんでこそ、本来の目的が達成できます。4年ごとに管理者が変わることが前提の公募はふさわしくありません。 上にもどる 【反対】 第96号議案 矢賀大州線の工事の1年延長について 第96号議案は、都市計画道路矢賀大州線の新設工事が1年延長されたことによる契約の締結です。 この道路は、わずか87メートルに47億円もの巨費を投じる道路で、トンネルを抜けてもわずか300メートル行けば行き止まりになる道路です。この道路がないからといって高速道路ができなくなるのでもありません。 延長理由が、今年2月から4月の2か月の間に、同様の工法をとっている3か所の現場でトラブルが生じたことを受け、矢賀大州線の安全対策に時間を要したわけで、工種や構造物の変更ではなく「新たな経費の追加はない」との答弁でしたが、トンネルは掘ってみないとわからず、広島市ではトンネルを掘るたびに追加費用が生じています。この矢賀大州線においても、その可能性がないとは言い切れません。 1メートル当たり5,400万円もかかる、他に例のない、こんな高価な道路はいっそ止めてしまって、その財源は生活道路の改修にまわすべきです。 上にもどる 【意見を付して賛成】 第63号議案 一般会計補正予算について 今回の補正は、市長の3期目最初の本格予算とはいえ、市民生活について、充分な予算が確保できなかった点で、思いはいろいろあろうかと思います。市民の願いに応えて、ぜひとも今後に生かしていただきたいと思います。以下、いくつか意見を述べます。 県の福祉医療費補助カットについて まず、今年度予算で県が福祉医療費補助をカットしたことについてですが、2月議会で、県に対して補助の存続を要望していくということでしたが、その後、県との協議は平行線のままのようです。 この状態が続けば、市は新たに6億円の財源を確保しなければならない状況に陥ります。市民はきちんと県民税を払っているわけですから、広島市民に対してだけの補助金カットは到底容認できるものではありません。 県が強硬な態度であるならば、県への「市の負担金カットも辞さない」という強い構えで臨むべきではありませんか。再度要望しておきます。 子どもの権利に関する条例制定について 子どもの権利に関する条例制定の検討においては、そのプロセスを重視し、多少の時間はかかっても、子どもたちが主体的にかかわれる手法を考えていただきたいと思います。 市立特別支援学校の建て替えについて 市立特別支援学校の建て替えについては、もはやこれ以上待てません。車椅子がずらりと並び、手狭になった廊下を、車椅子で通ることを想像してみてください。 職員室を追いやってランチルームにし、これ以上プレハブも置けない校庭の狭さを知っていますか。やっとのこと建て替えの見通しが出てから3年が経過しました。1年生で入学した高等部の生徒は、新校舎を待ち望みながら卒業してしまいました。 市長部局からの答弁はありませんでしたが、教育委員会任せにせず、財政局が率先して早急に用地の選定を行い、今年度こそ必ず子どもたちに建て替えを約束してください。 ごみ処理施設について 安佐南工場建て替えのための基本計画等の予算と、湯来町へのごみ最終処分場建設に向けた調査等の予算が計上されていますが、ごみ処理施設は多額な事業費を要する事業です。 ごみ処理施設は、周辺住民にとっても環境への負荷を考えても過大にならないよう、減量の目標達成状況を見込み、柔軟な見直しが必要です。 特に最終処分場については、玖谷の処分場が15年延長されました。ここを最後の処分場にするために、ここ数年のうちに、集中して埋め立てゼロになるよう研究検討すべきです。 障害者自立支援法に関わる実態調査について 障害者自立支援に関わる実態調査についてですが、自立支援法は障害者の生活と権利に深刻な影響を及ぼしているだけでなく、これを懸命に支えている施設・事業者とそこでがんばっている労働者のくらしも破壊しています。 実態調査をするのであれば、そうした問題もきちんと調査して、必要な施策を行うように求めておきます。 特別養護老人ホームについて また、特別養護老人ホームを80床増設することになっていますが、実人数で3,400人にもなっている特養ホームの待機者問題を考えると、とても今回の80床で良しとするわけにはいきません。 特に、国が全国で療養ベッドを23万床も減らしてしまおうとしている中で、待機者が一層増加し問題がますます深刻になることが予想されます。 早急に、さらなる増設の計画をつくり、待機中の高齢者とその家族の期待に少しでも応えられるような取り組みが必要で、この点を強く求めて(一般会計補正予算には)賛成とします。 上にもどる 最後に 「議会改革」の課題について なお、最後に議会改革の課題について、今議会で結論を出すことができなかったことについて触れておきます。 今年2月の予算議会で、政務調査費の全面公開と費用弁償の廃止の議案を、他の会派と共同で提出しましたが、残念ながら議会の3分の2の反対で否決されました。 しかし、その後の市会議員選挙までの間に、政務調査費の全面公開と費用弁償の廃止が世論として一層広がり、朝日新聞の(紙面での)公開を前提としたアンケートでは、市会議員に当選した55名の議員の中で、政務調査費の全面公開に賛成の議員が42名、費用弁償については全面廃止と交通費実費支給との回答が39名となっていました。 私たちはこうした状況も踏まえ、この問題を先送りすることなく、できるだけ早く結論を出す必要があると考え行動してきました。 改選後、初めて開かれた5月の臨時議会で、早速、議案を提案しようとしましたが、3日間の臨時会では手続き上無理だとされ、やむなく(提案を)断念した経緯があります。 その後、新しく議長に選出された藤田議長が自らイニシアティブを発揮し、これらの改革に取り組むと表明され、政務調査費の使途基準等検討会議が設置されたため、私たちもこれに加わりました。 今回の6月議会に向けた私たちの考えは、こうした経緯を踏まえ、政務調査費の公開についても費用弁償の廃止についても6月議会で結論を出すべきだというものでした。 しかし、各派幹事長会議が繰り返されましたが、結局、結論は持ち越しになり、政務調査費の公開基準、費用弁償をどうするか、さらに、まだ議論の俎上に載せていなかった海外視察の問題を含め、3つの問題について新たに検討会議を設置し、3つの問題をまとめて9月議会で必ず結論を出すということになりました。 私たちは、政務調査費と費用弁償のいずれの問題でも、選挙で大きな世論になっていただけに、最初の定例会である6月議会で結論に至らない場合は、独自に議案を提出して各議員の判断を求めるという考えで今議会に臨みました。 それは、いたずらに費用弁償の廃止を先延ばしにすれば、説明できないことのために税金の支出が続けられることになるなど、市民の理解を得られないとの考えによるものでした。 しかし、議長のイニシアティブで全ての会派が新たに海外視察の問題を含めた形で、「9月議会では必ず結論を出し、それ以降への先延ばしはない」との合意に至っていることを踏まえ、今議会では独自に議案を出すことをせず、9月議会までの議論に積極的に参画することにしました。 日本共産党市議団としては、今議会で結論を出すことができなかったことは極めて残念ですが、9月議会では期待に応えることができるような結論を出せるよう取り組むこととしました。 以上で討論を終わります。 上にもどる |
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