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2007年2月21日 本会議 皆川けいし議員の政務調査費「問題先送り」決議案・反対討論


  「政治とカネ」の問題 市民が市議会に注目している
  不当支出に市民の怒り沸き起こるなかで「全面公開」条例案を否決
  「資料みるからメガネを公費で」 そんなへりくつで市民は納得しない
  市民の期待に応える気持ちがあるなら「全面公開」が第一
  「使途基準できるまで公開しない」 市民から預かったお金という感覚がないのか
  市民の常識こそ最良の使途基準―市民の声聞きながら基準づくりを
  いま一番問題なのは「使途基準」ではなく「市民に隠していること」
  「都合の悪いことを市民から隠す」ための決議には断じて反対
  新市長には全面公開を義務付けるくらいの覚悟が求められている



  ただいまの決議案第8号(市民の期待にこたえる政務調査費制度の確立に関する決議案)に対して、会派を代表して反対討論をおこないます。今期最後の議会ですので、今日は言いたいことをしっかり言わせていただきます。

「政治とカネ」の問題 市民が市議会に注目している
  最後の議会がこのように、議会や議員のあり方をめぐり、意見が真っ二つに分かれるというのは、それだけ議会や議員のあり方、「政治とカネ」の問題に多くの市民が注目していることの反映です。このあとの選挙の大きな争点となることは避けられないでしょう。
  それにしても、(政務調査費「全面公開」条例案に対して)反対の論陣を張る方が自民系会派で一人だけとは、なんとも情けない限りです。これだけ大切な問題に、正々堂々と自分の意見をのべて選挙で市民の審判をあおぐ、という勇気ある人が自民党のみなさんの中にはいなかったということでしょうか。

不当支出に市民の怒り沸き起こるなかで「全面公開」条例案を否決
  さて、この議会では、広島市議会に3つの議員特権があることが市民の前に明らかになりました。一つ目は、議会に出席すれば1万1千円もの日当(費用弁償)がもらえる、二つ目は、一人80万円(4年間)で海外旅行(視察)ができる、そして三つ目は、使いみちを市民に知らせなくてもよい政務調査費が毎月一人につき34万円支給されていることです。
  これまで、こんなことが続いていたことを市民の多くは知りませんでした。しかし、いまは違います。多くの市民が知り、そして怒っています。「いったい、わしらの税金を何じゃ思うとるんか」と。
  にもかかわらず、さきほど、こうした市民の声に応える議案(政務調査費「全面公開」条例案、費用弁償「廃止」条例案)がいずれも否決されたことは、極めて残念だと言わざるをえません。

「資料みるからメガネを公費で」 そんなへりくつで市民は納得しない
  特に政務調査費については、今回、メガネも靴も、そして洋服まで公費で買っていたことがわかり、みんな怒っています。
  (不正支出を指摘された)ある議員はおっしゃいました。「膨大な資料に目を通すから、メガネは公費で買ってもいいんだ」と。それはないでしょう。それを言うのなら、ここにおられる助役さんをはじめ、多くの方(市幹部)もメガネをかけていらっしゃいますが、そのメガネ代が予算に入っていますか。
  そういうへりくつが通るなら、議員は「身だしなみ」を整えないといけないから、散髪代、靴代、風呂代、はては車から家まで全部OK、公費で買ってもいいということになる。まさにお笑いです。
  市民からしたら、いったい市会議員は何を考えているのか。あきれてものが言えない―ということではないでしょうか。

市民の期待に応える気持ちがあるなら「全面公開」が第一
  こういうデタラメな(公金の)使い方が明らかになったのも、今回、たまたま、「事務所もないのに、あまりに多額の事務所費が支出されているのはおかしい」と、市民が監査請求をしたからです。
  もし、「事務所費」という項目が収支報告書になかったら、今回のようなことは明るみに出ることはなかったでしょう。
  なぜなら、市民が政務調査費の使いみちを知りたいと思っても、各会派が提出するのは年に1回、A4版の収支報告書1枚だけです。これでいったい何が分かるというのですか。
  この決議案は、表題が「市民の期待にこたえて」となっていますが、「期待にこたえずに」と訂正すべきではありませんか。市民が今、一番期待しているのは、「自分たちの税金を何に使っているのか、まず明らかにしてほしい」「その上で、ちゃんと使ってほしい」ということです。「まず明らかにしてほしい」―これが市民の声です。

「使途基準できるまで公開しない」 市民から預かったお金という感覚がないのか
  ところが、この決議案には、一番肝心な「領収書の全面公開」ということが一言も触れられていない。「いま大切なのは使途基準の明確化であって全面公開ではない」、つまり、「明らかにする前にちゃんとした使途基準をつくろう。市民にどこまで明らかにするかは、それから考えよう」というものです。そうではないですか。
  それ(使途基準の策定)が、いつ頃になるのかはっきりしませんが、少なくとも、それができるまでは「市民には知らせない」、このことははっきりしています。
  さきほど、(全面公開条例案に対する村上通明議員の反対討論で)「十分条件、必要条件云々」という話がありましたが、要するに「今は全面公開すべきではない」ということだけはわかりました。
  私は、この決議案を提案された方々は「市民から預かった税金」をいったい何だと考えているのか、「自分たちのお金」と勘違いされているのではないかと思えてなりません。
  (この決議案は)「自分たちのお金だから、使いみちは自分たちで考える。それが決まるまでは市民に知らせる必要はない」、こう言っているのと同じではありませんか。これまで、自分たちのお金だと思って使ってきたから、明らかになるのが怖いのではないですか。
  昨日も、東京都品川区の自民党区議団が、政務調査費で官能小説を買ったり、景気動向調査と称してキャバレーで飲み歩いていたことがバレて、(マスコミの取材陣から)逃げまわるみにくい姿が報道されていました。
  「こんなやましい使い方はしていない」という自信があるなら、市民の前にきちんと明らかにすべきではありませんか。

市民の常識こそ最良の使途基準―市民の声聞きながら基準づくりを
  私たちが今回提案している条例案は、これまでのことはともかく、これから(新しい任期が始まる)5月2日を期して、「市民から預かった大切なお金をこのように使いました」と、きちんと報告しようというだけのことです。
  これは、誰が考えても当たり前のことではありませんか。なぜ、こんな当たり前のことに躍起になって反対するのですか。「使途基準が全くない」ならともかく、現行の基準があるのですから、この基準に照らしてやっていこうという気さえあれば、何ら恐れることはありません。
  常識の範囲で使うのなら、文句を言う市民はいません。(使途を全面公開して)税金を出している市民みなさんの声を聞きながら、使途基準を練り上げていけばいいではありませんか。
  「市民の常識こそ最良の使途基準」なのです。

いま一番問題なのは「使途基準」ではなく「市民に隠していること」
  繰り返しますが、いま問題なのは「使途基準」ではなく、「市民に隠していること」が問題なのです。そのことは、平成16年度の包括外部監査でも一番目に指摘されています。
  今回の監査意見でも、監査対象となったのが事務所費だったために、この問題が中心になっただけで、(全面公開の必要性については)明快に指摘されています。
  この決議案は、「自分たちの都合のいいところ」だけ(監査結果から)抜き出し、あれこれ理屈をつけ、なんとか市民に知らせるのを先送りにしようという魂胆が見え見えです。
  さらに、この決議案は、全面公開を求めるのは「世間の注目を集めるため」だと言っていますが、それは全く逆です。世間が「全面公開」を求めて市議会に注目しているのです。
  議員の税金の使い方に市民が注目するのは大いに結構なことではありませんか。もっともっと注目してほしいと思います。

「都合の悪いことを市民から隠す」ための決議には断じて反対
  政務調査費は、市民から預かった大切な税金、公金です。議員が自分の懐に入れてもいいお金ではありません。それを、この決議案のように自分たちのお金のように勘違いし、あれこれ理由をつけて市民に知らせる必要はないというのは、税金を払っている市民への背信行為に等しいと思います。
  市民の目は節穴ではありません。もし、そういうことをやるのであれば、必ず厳しい審判が下されるでしょう。このような、市民の期待に応えるのではなく無責任な決議案には反対です。

新市長には全面公開を義務付けるくらいの覚悟が求められている
  最後に、今回の監査結果は、(市民に使途を公開しない)こんな不明朗な政務調査費制度を正す責任は、議会だけでなく、お金を出している市長にもあると述べています。
  今度の市長選に立候補される方は、議会が全面公開に踏み出せないのなら、市長の責任で全面公開を義務付けるくらいのことは公約に掲げてもらいたいと思います。
  以上で反対討論を終わります。

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