議会での質問・答弁

2024年12月10日

2024年第5回 12月定例会 一般質問 清水てい子

1.雨水管建設工事による大規模道路陥没事故について
2.JR西日本の無人駅の安全性と利便性について
3.地域交通のバス便について
4.ろう者に対する支援について
5.放課後児童クラブの「専用室」について

1.雨水管建設工事による大規模道路陥没事故について

(清水てい子)
 お疲れ様です。日本共産党の清水てい子です。一般質問を行います。
 最初に9月26日に発生した西区での雨水管建設工事による大規模道路陥没事故について質問します。
 当初、観音小学校の体育館に避難所を開設して、避難を要請したということに対して、私たちは翌日、加害者がはっきりしている事故であり、極めて不自由な避難所生活をさせてはならないと、その日のうちにホテルなど体育館以外に移ってもらえるよう手配を要請しました。その後、ほとんどの方がホテルなどで過ごしてもらえるようになりました。 
 被害を受けた方々がいまどのような状況にあるのか報告してください。

(下水道局長)
 雨水管建設工事による大規模道路陥没事故について、複数のご質問に順次お答えいたします。
初めに、被害を受けた方々は、今どのような状況にあるのかについてです。
 事故後に避難された陥没現場から半径50m以内にお住いの47世帯の方々のうち、現在16世帯の方が帰宅または転居を完了し、31世帯の方が賃貸住宅等に避難を継続されています。

(清水てい子)
 今後、加害者である清水建設などJVと工事の発注者である市の方で、被害者に対して十分な補償を行う必要がありますが、どこまで進んでいるのか、いつまでをメドにしているのか、被害者の方々の生活が完全に元に戻るのがいつになるのか、お答えください。

(下水道局長)
 次に、避難者に対して十分な補償を行う必要があるが、どこまで進んでおり、いつまでをめどにしているのか。また、被害者の生活が元に戻るのはいつになるのかについてです。
 今回の事故により被害を受けられた方々への補償については、シールド工事に起因するものは、当然これを補償していくことになり、家屋の補修、建替え、転居に加え、事業継続・再開のために必要な補償について、公共工事に伴う補償内容等を踏まえ、本市と請負業者が協同し個別に事情を伺いながら、対応を行っています。
 引き続き、被害を受けられた方々に寄り添った対応を行い、早期に元の生活に戻っていただけるよう努めてまいります。

(清水てい子)
 次に、今後の同様の工事の計画にあたっても、今回の事故の補償のあり方を検討する上でも、事故原因の検証・究明は極めて重要です。
 今回の事故について検証するなら、その検証課題は、まず、どのようなメカニズムで道路陥没という事故が発生したのか、なぜ異常出水という事態がおきたのか、対象となる地盤・地質の状況に対して、採用した工法が適切だったか、今回採用・施工されたシールド工事が適切に行われたのかどうか、ということでしょう。
 そうすると、事前の地質調査で地質状況が充分に的確に把握されていたのかということ、その地質状況に対して、適切な掘削計画が立てられていたか、シールド工法を採用したことや「泥土圧式」シールド工法が適切であったか、使用したシールドマシンの選択が適切であったのか、シールドマシンの設計に問題はなかったか、シールドマシンで施工する際の操作・技術が適切であったか、といったことなどが問題になるものと考えられるでしょう。
 こうしたことについての、市の認識をお答えください。

(下水道局長)
 次に、今後の工事計画や補償のあり方を検討する上でも、事故原因の検証究明は極めて重要であるが、その検証課題について市の認識はどうかについてです。
 事故の原因究明等を行うにあたり、専門的見地から学識経験者等の意見を聴取するための事故調査検討委員会を設置し、11月30日に第1回目の検討委員会を開催しました。
 地盤条件や工法選定、施工管理など、事故の原因究明に当たって検証が必要な事項については、今後、検討委員会において意見を聴取し、検証することとしています。

(清水てい子)
 この点で、事故原因の調査を行う専門家による検討委員会では、そうしたことが適切に調査・検証される必要があると考えます。実際、11月30日に開かれた、第1回の検討委員会では、様々な資料が提示され、それの説明が受注者側から行われました。事故発生の状況の説明とともに、どのようなシールドマシンが使われたかや、その運転状況がどうであったか、事故の際にどのような事態が記録されていたかなどが説明されました。こうしたことは、地盤工学やトンネル工学の専門家とともに、シールドマシンの製造技術、及び施工技術の専門家が入る必要性を示しているのではないかと考えます。市が設置した検討委員会のメンバーが8人おられます。
 この中で、シールドマシンの製造技術、及び施工技術の専門家はどなたでしょうか、教えてください。
 仮に、そういう専門家がおられないとしたら、シールドマシンの製造技術・施工技術の専門家を加えるべきですが、どうされるかお答えください。

(下水道局長)
 次に、検討委員会のメンバーの中で、シールドマシンの製造技術および施工技術の専門家は誰かについてです。
 検討委員会の委員8名のうち、5名の委員はトンネル工学の専門家であり、これらの委員はシールドマシンに関しても優れた知見を有しておられます。

(清水てい子)
 検討委員会のメンバーの一人ひとりは、受注者である清水建設などのJV企業といっさい利害的なかかわりがないかどうか、明らかにしてください。

(下水道局長)
 次に、検討委員会のメンバーは、受注者と利害的な関わりはないのかについてです。
 委員の中に、受注者との利害関係を有する方はおられません。

(清水てい子)
 専門家による検討委員会には、今後も、事故に関わる多くの資料が提出されるものと思います。それらはすべて公文書として、市民にも公開される必要があります。
 当然、すべての検討委員会の会議も公開である必要があります。そのようにされるのかどうか、お答えください。

(下水道局長)
 次に、全ての検討委員会の会議は公開とするのかについてです。
 検討委員会は原則、公開することとしています。

(清水てい子)
 また、先日の検討委員会では、委員が何を言っておられるのか聞き取りにくいことが多くありました。検討委員会が開かれたら、早急に、会議録が公開される必要があります。
 会議からどれくらいで会議録が公開されるのか、お答えください。

(下水道局長)
 次に、どれくらいで会議録が公開されるのかについてです。
 議事要旨を速やかに作成し、公開することとしています。

(清水てい子)
 次に、地下水位が高く、土かぶり30mと水圧の大きい地層で掘削するのに、「泥土圧式」シールドマシンは適切ではないという、シールドマシンの専門家の意見を聞いています。
 この工事をシールド工法で行うことを決めたのは誰でしょうか、また、「泥土圧式シールド工法」を採用すると決めたのはだれでしょうか、それぞれの理由と合わせてお答えください。

(下水道局長)
 次に、シールド工法で行うこと、および「泥土圧式シールド工法」を採用することは誰がどのような理由で決めたのかについてです。
 埋設深さや土質などの施工条件により、本市がシールド工法の採用を決定し、シールド工法の種類である泥土圧式については、受注者が決定を行っています。

(清水てい子)
 受注者側が提出した資料では、シールドマシンによる掘削は事故があった直前までは順調に進められていたようですが、本当に、全く問題はなかったのか、という気もします。
 これまでの250mの掘削の際に、周辺の住民などから、騒音などの苦情は寄せられていなかったかどうか、お答えください。

(下水道局長)
 次に、これまでの250mの掘削の際に、周辺住民などから騒音などの苦情はなかったのかについてです。
 周辺住民から騒音などの苦情はございませんでした。

(清水てい子)
 掘削していた地層は砂礫(されき)層と言われるものですが、玉石(たまいし)まじりと表記されていることから、直径が数㎝から25㎝程度の丸みを帯びた礫(れき)、これはかなりかたい岩石ですが、ときには直径60cm以上もある大きな石が含まれることもあると聞いています。そのような大きな玉石にも対応できるマシンだったのかどうかを指摘される専門家もおられます。
 今回使用したシールドマシンは、受注者側が購入したものでしょうか、それとも、下水道局が購入して受注者に使用させたものでしょうか、だれがマシンの仕様を決めたのでしょうか、だれが設計したのでしょうか、お答えください。

(下水道局長)
 次に、今回使用したシールドマシンは、受注者が購入したものか、それとも下水道局が購入して受注者に使用させたものか。また、マシンの使用や設計は誰が行ったのかについてです。
 今回の工事において使用しているシールドマシンは、受注者が、製造メーカーに仕様や設計を依頼し、製作したものです。

(清水てい子)
 この点に関わって、受注者側との工事契約書を市議会に提供いただきたいのですが、どうされるかお答えください。

(下水道局長)
 次に、受注者側との工事契約書を市議会に提供していただきたいがどうかについてです。
 工事契約書の情報提供は可能であり、市議会から求められた場合には、適切に対応してまいります。

(清水てい子)
 次に、現実に事故を引き起こした受注者である清水建設などの建設工事共同企業体の責任は極めて大きいわけです。発注者である下水道局は、市民の側に立って、清水建設などの事故への責任には厳正に対処するべきです。この点について、市としての姿勢をお答えください。

(下水道局長)
 次に、発注者である下水道局は、市民の側に立って、清水建設などの事故への責任に厳正に対処すべきと考えるかどうかについてです。
 事故の原因究明等について専門的見地から検討を行うため、検討委員会を設置したところであり、今後、事故原因を究明し、責任を明確にした上で、適切に対応してまいります。

(清水てい子)
 この点で、専門家による結論も出ていない段階で、受注者側の施工上の問題はなかったということを、報道機関に対しても、決算特別委員会でも、市が代弁しているのは問題です。これは、撤回するべきではないでしょうか、お答えください。

(下水道局長)
 次に、受注者側の施工上の問題はなかったということを、決算特別委員会で市が代弁しているのは問題である。撤回すべきではないかについてです。
 委員会での答弁は、「運転操作については問題はなかった」と受注者から報告を受けた事実を答えたものであり、本市の見解を述べたものではありません。

(清水てい子)
 また、報道機関からの、受注者が気泡材を使っていたかどうかの質問に対して、「明らかにできない」と答えているようです。4年前の10月に発生した東京外環道建設工事での道路陥没事故では気泡材の使用が事故の要因に関わっていたとされています。そのような重要な情報を「明らかにできない」と市が答弁を拒否したのでは、受注者企業との癒着さえ疑われかねません。
 検討委員会でも問題になるかもしれませんが、きちんと事実を答弁すべきでした。この点の見解と事実をお答えください。

(下水道局長)
 次に、報道機関からの、受注者が気泡材を使っていたかどうかの質問に対して「明らかにできない」と市が答弁を拒否したのでは、受注者との癒着を疑われかねない。この点の見解と事実はどうかについてです。
 気泡材の使用について、当時は確認できていませんでしたが、その後、受注者に確認したところ、気泡材は使用していませんでした。

(清水てい子)
 最後に、第1回検討委員会では、陥没か所周辺を調査したが、ほかに地中の空洞はなかったと説明されました。ただ、すでに掘削した250mの区間も、事故を起こしたやり方で、同じ地質のところを掘削していたわけです。
 そう考えると、この250mの区間でも地下に空洞ができていないか調査する必要があるのではないかと思います。どうされる、お答えください。

(下水道局長)
 すでに掘削した250m区間でも地下に空洞ができていないか調査する必要があるのではないかについてです。
 事故後に、レーダー探査による空洞調査を行っており、掘削済みの250m区間においても、空洞がないことを確認しております。

2.JR西日本の無人駅の安全性と利便性について

(清水てい子)
 次にJRの無人駅の安全性と利便性について、広島市の認識をお聞きします。
 公共交通として、ローカル線は国民生活に欠かせないものです。
 ローカル鉄道は沿線住民の生活に必要な移動手段であるとともに、まちづくり、観光や産業振興など地域経済社会再生の基盤です。また鉄道は他の輸送機関に比べて、CO2排出量が少なく、脱炭素社会をめざすためになくてはならないものです。
 JR西日本の芸備線の県内の東城駅から広島駅まで、39駅あります。
 そのうち無人駅は36駅です。無人駅は実に92%にもなります。
1日平均乗車人員1000人を超える下深川駅も昨年無人駅になりました。
 可部線は14駅のうち、無人駅は9駅です。64%になります。
 無人駅は利用者にとって、安全性や利便性に様々な問題が生じています。
 障がいがある人や幼い子ども連れや高齢者が安心して、利用することができません。車いすの利用者は事前に電話をして、許可を受けますが、電話は遠隔のオペレータが受けて、駅に連絡され、時間がかかります。
 芸備線の委託駅は安芸矢口駅です。可部線は安芸長束駅と大町駅と可部駅です。
 委託駅はJR西日本のグループ企業の子会社の社員が担っています。委託駅は主に改札が業務です。他の業務は原則行うことができません。しかも駅に常駐しているわけではありません。
 利用者が安心して、駅を利用するためには駅員のサポートが基本だと思いますが、JR西日本はバリアフリー化に逆行していると思いますが、市の認識をお聞きします。

(道路交通局長)
 JR西日本の無人駅の安全性と利便性について、3点のご質問にお答えいたします。
 まず、利用者が安心して駅を利用するためには、駅員のサポートが基本であり、JR西日本はバリアフリー化に逆行していると思うが、市の認識はどうかについてです。
 駅の無人化については、国土交通省が「バリアフリー整備ガイドライン」の内容を踏まえたうえで、令和4年7月に策定した「駅の無人化に伴う安全・円滑な駅利用に関するガイドライン」において、移動の連続性、容易性を確保した利用しやすい環境作りのために、障害当事者等のニーズに基づいて、ハード対策・ソフト対策などを一体的に捉えて、利用の実態を踏まえ、駅の環境整備を行うことが重要であるとされ、その例示として、運行情報の提供や音声案内、人的対応などが挙げられております。
 JR西日本においては、策定前から情報ディスプレイによる運行情報等の提供などに努めるとともに、介助手配に精通したオペレーターによる遠隔対応や、介助対応を行う係員への介助スキルの教育など、駅を利用する方が困ることのないような環境づくりを継続的に推進しており、従前から当該ガイドラインに沿った取り組みを進めているものと認識しています。

(清水てい子)
 次に利便性の問題です。県内の芸備線の39駅のうち、安芸矢口駅と広島駅以外の駅にはみどりの窓口はありません。みどりの券売機は三次駅だけです。
 JR西日本のサービス低下に住民の怒りの声があがっています。「名古屋に住む息子のところに久しぶりに行こうと思い、これまでのように新幹線切符を早めに買って息子に名古屋駅まで迎えにきてもらおうと下深川駅を訪ねると、いつの間にか無人駅になっていました。それで仕方なく当日に広島駅まで乗って、みどりの窓口に並びましたが、すごい行列、観光客が多いために20分以上もかかりました」と話しました。
 同駅を通勤で利用する人は「芸備線は梅雨時期、県北が豪雨で列車がストップすることが度々あります。駅員がいた時には、回復情報など聞き、バスに乗り換えることを検討しましたが、今は構内放送だけ。対応に迷ってしまいます。JRはもっと乗る人の気持ちになってほしい」と語っています。
 可部駅は昔から「広島の北の玄関口」と言われ、にぎわっていました。
 しかし、延伸で、通過駅となり、委託駅となりました。みどりの窓口がなくなり、みどりの券売機はありますが、新幹線の乗り換えで、券売機では買えなかったという人もあります。
 「駅が無人化されれば地域全体がますます落ち込みます。JR西日本は支線の駅を徹底的に切り捨てて、広島駅の一点豪華主義に走っているのではないか」と怒りの声があがっています。
 可部駅は北部医療センターの開設で、日本で初めて、廃線から延伸になりました。
 駅舎はエレベータが設置され、改築されました。しかし、売店はなくなり、その跡には冷凍餃子の自販機がおかれています。冬には暖房器具がおかれていた待合室はなくなり、高齢者が要望する駅舎のイスは場所がないとおかれていません。ホームのイスに座るしかありません。
 JR西日本グループの決算はコスト削減とインバウンド需要などで、3期連続で増収・増益を発表しています。2025年度の3月期は当期純利益は1,000億円と予想されています。
 JR西日本は1日平均乗車人員が2,000人以下は廃線との方針を打ち出していますが、安全性や利便性をないがしろにしているJR西日本に対して市として、「交通政策基本法」に定められている理念の1つである「交通の機能の確保及び向上」に沿った対応を求めたことはありますか、お答えください。

(道路交通局長)
 次に、JR西日本は利用者が少ない線区は廃線するとの方針を打ち出しているが、JRに対して、主として交通政策基本法の理念の一つである交通の機能の確保および向上に沿った対応を求めたことがあるのかについてです。
 JR西日本は、令和4年4月に1日当たりの平均通過人員が2千人未満の線区の収支率を開示しましたが、それをもって、直ちに廃線にするという方針としているわけではなく、利用状況が大きく減少しているローカル線に関する課題を地域と共有することで、地域のまちづくりなどを踏まえて、地域旅客サービスの確保に関する議論や検討を幅広く行いたいとの考えを表明しています。
 こうしたことを踏まえ、本市では、当該線区に該当するJR芸備線について、沿線の安芸高田市、三次市とともに、国やJR西日本等にも参加してもらい、本年5月にまちづくり交通協議会を立ち上げ、3市が一つの経済体として広域的に連携し、主体的なまちづくりを進めていくための抜本的対策を共有した上で、公共交通を活用して地域住民の生活を支える様々なサービスが提供できる仕組みの構築に向けた議論を進めています。
 この中で、JR芸備線を軸とした公共交通ネットワークを将来にわたり利便性が高く持続可能なものにするための具体的な対応策についても議論することにしており、正に「交通政策基本法」の理念の一つである「交通の機能の確保および向上」に沿った取組をJR西日本とともに進めているところです。

(清水てい子)
 また、芸備線の井原市駅から広島駅までの4つの駅にはトイレがありません。公共の福祉から、トイレの整備が必要だと考えますが、市の認識をお聞きします。

(道路交通局長)
 最後に、芸備線の井原市駅から広島駅までの4つの駅にはトイレがない、公共の福祉からトイレの整備が必要と考えるが、市の認識はどうかについてです。
 本市としては、先ほどご答弁したまちづくり交通協議会における、あるべきまちの姿や沿線地域内の移動創出に係る議論に合わせ、トイレなども含めた駅の施設整備や管理のあり方について検討していくことにしています。

【再質問】
(清水てい子)
 一つはJR西日本に対してなんですけども、無人化で、高齢者や障害を持つ方が駅を利用できにくいという状況があるわけです。その負担は、車掌やその運転手に負担がかかるわけです。何かトラブルがあったらその2人が対応しなきゃいけないというようなことになるわけですね。
 そしたら運行自体にも安全性が担保されるのかという問題があると思います。
 市としてね、JR西日本に対して、利用者の安全性や利便性に確保などはしっかりと要望すべきではないかと思います。もう一度ですね、どのように対応をされるのかお聞きします。

(道路交通局長)
 まずJR西日本の無人駅の安全性の確保というお話だったと思います。
 先ほどご答弁いたしましたけれども、JR西日本につきましては、安全な運行ができるような体制をとっているというところですけれども、もう一つ、市民の皆さんがしっかりと地域で生活していけるということをするためにですね、地域の皆さんと一緒になって、今どういったまち作りをしましょうというような取り組みをしております。
 その方向性を踏まえてですね、先ほど申し上げましたまちづくり交通協議会の中で、JR芸備線も含め、地域全体でどう移動を確保するかといったような議論もですね、やっていこうというふうに思っておりますので、今こういった取り組みで議員のご要望があったようなことについては対応していくことになるというふうに考えています。

3.地域交通のバス便について

(清水てい子)
 次に広島市の地域公共交通に市の責任と役割を果たすよう求めて質問をします。
 住民に欠かせない公共交通の衰退が深刻です。バスは、人やモノの交流や活動を支え、国民生活にとって欠かせないものです。
 実際にバスの減便などで、困っている市民の声に耳を傾けて、市民の移動をスムーズにできるようにすることが、自治体の役割ではないかと思いますが、市の認識をお聞きします。

(道路交通局長)
 次に、地域交通のバス交通バス便について数点のご質問にお答えいたします。まず、実際にバスの減便など困っている市民の声に耳を傾けて、市民の移動をスムーズにできるようにすることが自治体の役割ではないかと思うが、市の認識はどうかについてです。
 乗合バス事業については、人口減少・少子高齢化の進展等の影響や、近年の運転手不足の深刻化により、大きな減便を伴うダイヤ改正や路線変更などが相次いでおり、事業者の努力だけでは路線の存続が難しい状況となってきていることから、行政とバス事業者が一体となって、利便性と採算性を両立し、持続可能なものとすることが必要と考えております。

(清水てい子)
 特に安佐北区は山を切り開いて、造成された団地が多く、亀山南の3つの団地、瑞眺苑・希望ヶ丘・虹山県住の団地から発車する路線バスが今年の4月からダイヤ改正され、いきなり午前の便が減便され、午後の便のすべてがなくなりました。住民は日常の生活に不便を強いられています。
 地元の住民は「午前の便の8時や9時台の便がなくなって、とても不便です。買い物や通院のために9時台のバスを復活してほしい」「バスの便が減って、困るので、団地の下のバス停まで、降りてバスに乗っているが、猛暑や真冬には歩けない」「免許を返納して、車も手放した。バスの便が減って、用事ができなくて、困っている」などの声が寄せられています。
 バス路線の見直しについて、自治会から要望書が出ていると思いますが、市民の声についての市の認識をお聞きします。

(道路交通局長)
 次に、バス路線の見直しについて、自治会から要望書が出ていると思うが、市民の声についての市の認識はどうかについてです。
 本市としても、虹山県営住宅自治会長名で県営虹山住宅を経由する勝木線の便数を増やしてほしいとの要望が安佐北区長およびバス事業者宛にあったことは承知しております。

(清水てい子)
 バスの便が減って困っている路線がある一方で、可部の循環バスは1日20便で、乗客が少なくて、キャンペーンまでして、乗客を増やす努力をしている便があります。 
 市は循環バスの利用促進のためのキャンペーンをはじめましたが、それはどのようなものですか、お聞きします。
 キャンペーンは途中ですが、その後の乗客はふえたのでしょうか。お聞きします。

(道路交通局長)
 次に、市は循環バスの利用促進のためのキャンペーンを始めた場合それはどのようなものか、キャンペーンの途中だが、乗客は増えたのかについてです。
 議員ご質問の「循環バスの利用促進のためのキャンペーン」とは、現在実施中の実証事業のことを指されていると思われますので、そのことについてお答えいたします。
 当実証事業は、令和6年11月から令和7年1月の3ヶ月間、当該路線を1日何度でも利用できる乗車券を200円で販売し、通院や買い物が便利になることを実感してもらい、利用促進につなげることを目的としています。
 事業期間中の令和6年11月の平日の乗客数を前年同月の乗客数と比較しますと、約2割の増加となっており、実証事業への参加者へのアンケート調査においても、効果的な取組であるとの評価の声をいただいております。

(清水てい子)
 私も先日、その循環バスに上市バス停から終点の北部医療センターまで、乗車してみました。乗客はまばらです。
そこで、お聞きします。
 1日20便の何便かをダイヤが減って困っている地域を迂回することはできないのでしょうか。時間帯については住民の要望を取り入れていただきたいと思います。

(道路交通局長)
 次に、循環バスについて、1日に住民の何便かダイヤが減って困っている地域に迂回させることはできないかについてです。
 可部循環線は、令和4年5月に開業した広島市立北部医療センター安佐市民病院の開業に合わせて新設した路線の一つであり、これらのルートは、安佐北区連合町内会や自治会連合会の白木、高陽、可部、安佐の各地域の方々と協議を重ねた上で、その総意を踏まえ決定したものです。
 そうした中、現在、利用が低迷している可部循環線の利用促進策について、本年8月に可部地区の町内会・自治会で構成された地元連絡協議会等において協議した結果、まずは現行ルートを前提として1日乗車券の販売やバスの愛称募集などの利用促進を図る方針となったところであり、現時点で、当該路線を迂回させることは困難な状況です。

(清水てい子)
 また循環バスの迂回が難しいのであれば、市として、バス会社に勝木線の虹山県住経由の増便の申し入れを行うことは考えておられるか、お聞きします。

(道路交通局長)
 次に、循環バスの迂回が難しいのであれば、担ぎ線の西山けん、受拳銃経由の増便について、市からバス会社に申し入れを行うことは考えていないのかについてです。
 当該申し入れの内容につきましては、先般、バス事業者等に提出された虹山県営住宅自治会長からのご要望の中に含まれており、既にバス事業者にも届いていることから、改めて市から申し入れを行うことは考えておりません。
 なお、バス事業者からは要望者に対し、「虹山県住線を運転手不足などにより、やむを得ず、減便を実施いたしました。現時点でも運転手不足が解消せず、運行の確保に苦慮しています。このたびの貴重なご意見は今後のダイヤ改正時の参考とさせていただきます。」と回答していると聞いています。

(清水てい子)
 次に高陽・可部線の新しい道路がつくられました。可部東2丁目の自治会がバス停の新設を要望されています。バスが通っているのにバス停がないためにバスを利用できません。
 バスの運転手や歩行者の安全を確保しながら、バス停を新設してほしいとの要望に市として、どのように対応されるのか、お答えください。

(道路交通局長)
 最後に、バスの運転手や歩行者の安全を確保しながら、可部東2丁目自治会からのバス停を新設してほしいとの要望に、市としてどのように対応するのかについてです。
 可部東2丁目のバス停新設については、令和5年6月に安佐北警察署に意見照会したところ、カーブで見通しが悪いため、歩道への切り込みが必要である等との意見があり、また、運行するバス会社からは、当該道路はスピードを出して走行する一般車両が多く、発車の際に後方の安全確保が十分にできなければ設置はできないととの意見がありました。
 このため、バス停を新設するためには、切り込み部分の歩道拡幅のための用地取得やバスが発車する際の安全確保のための一般車両の減速が必要となりますが、まずは減速させるための方策について、令和6年4月に地元と協議した上で、路面に「減速」と表示したところであり、現在その効果を検証しているところです。

【再質問】
(清水てい子)
 バスの減便なんですけど、市民が困っているという質問しましたが、帰りの便がですね、上市に12時と6時しか帰る便がないんです。虹山県住に。それで下に歩いたりとかですね下のバス停へ歩くんですけど、やっぱり10分ぐらいかかるわけですよ。猛暑の夏や寒い冬はねなかなか歩きにくいということなんです。12時に帰るのを合わせようと思ったらですね、ものすごい下から出ても8時9時がないわけですから大変なわけですよ。病院で12時には上市に行かないといけないっていう話をしたらですね、あなたは一体どこに住んでるのかっていうふうに言われたということなんですよ。
 同じ可部に住みながら、バスの便がなくて本当に不便を強いられている住民の思いをですね、しっかりとバス会社に伝えていただきたいと思います。
 先ほどですね、バス会社が運転手不足っていうことを言われましたが、勝木線で虹山県住を経由するならば、運転手の問題じゃなく、運行の時間がちょっと長くはなりますが、バス会社も対応できるのではないかと思います。
 市としてですね、本当に困っておられる市民の声をですね、バス会社に伝えて、経由の循環バスが本当にね、努力をされてます。キャンペーンを張ってね、だけど短い範囲ですのでね、なかなか乗客が飛躍的に増えるということはないと思うんですが、連合自治体とのね約束などがあって難しいというのであれば、先ほど言った勝木の地域のですね虹山県住経由の便をですね、住民の声を聞いて、時間帯をしっかり聞いて、バス会社に求めていただきたいと思うんですけど、再度その対応についてお聞きします。

(道路交通局長)
 それから地域バスのご質問です。勝木線を回してもらったらどうか、バス事業者へ要望してもらったらどうかというご
質問だったと思います。
 バス事業者の方から回答があったようにですね、なかなかバス事業者も今運転手が不足している中で、減便をせざるを得ないという状況です。
 それは余裕があってですね、切ってるわけではないので、今の勝木台の路線をそちらに回すというのはなかなか難しいという苦渋の判断で今こういうことになっていることになったと思います。
 ただ、本市ではそういう状況でありますので、今バスの共同運営を含めてですね、広島型の公共交通システム、これを構築しないと、今言ったようなところがどんどん増えてまいりますので、それを解消するためにこういう取り組みをやっているわけです。
 ただ、これは路線バスがですね、全ての地域に行き届くというよりも、その地域に合ったモード、あるいは運行の仕方みたいなものを組み合わせて利便性の高い持続可能な交通システムにしていきたいということですので、例えば戸坂の方では乗り合いタクシーを非常に地域の方が頑張って運行していただいておりますし、そういったものも使いながらですね、その地域に一番合った公共交通のあり方はどうなのか、そういうことも含めてですね、バスの再編、公共交通のシステムを作っていきたいという取り組みをしているところでございます。

4.ろう者に対する支援について

(清水てい子)
 次に手話が必要なろう者に対する支援についてお聞きします。
 今、全国各地で自然災害が多発しています。災害はいつどこで起こるかわかりません。災害時にも、「誰一人取り残さない」ために、自力で避難することが困難な高齢者や障がい者などの避難行動要支援者への対応が重要です。
 そこでお聞きします。現在、避難行動要支援者については、どのような条件をもって整理されているのでしょうか。また、個別避難計画が必要な方と計画を作成した方の人数をお答えください。

(市長)
 清水議員からのご質問にお答えします。「ろう者に対する支援について」のうち、「避難行動要支援者」についてのご質問がございました。
 平成26年、30年および令和3年と想定を超えた自然災害を経験した本市では、災害から命を守るためには、市民1人1人が災害を「我がこと」として認識し行動することが重要であると考え、多様な情報伝達手段による防災情報の配信や、自主防災組織等が行う防災訓練の支援などによる地域全体の防災力の向上に取り組んでおります。
 そうした取組の一つである避難行動要支援者の個別避難計画の作成は、高齢者や障害者など、自力で避難することが困難な方の避難の実効性を高めるとともに、支援者との結びつきを生み、地域の連携を強固なものにできることから誰一人取り残さない防災の実現につながる重要な取組であると考えています。
 本市では、避難行動要支援者の要件を要介護3以上の方や身体障害者手帳1級、2級、または肢体不自由3級の方などとし、本人や家族による計画の作成、地域の自主防災組織など避難支援に携わる方や介護支援専門員等と連携した計画の作成など、重層的に取り組みを進めているところです。
 これらの取組により、令和6年3月末時点で、避難行動要支援者2万4,800人中、9,446人の個別避難計画を作成しております。
 今後とも、避難行動要支援者一人一人の命を守るために、地域の避難支援に携わる方などと緊密に連携し、個別避難計画の作成を着実に進めていきたいと考えています。
 その他のご質問については、関係局長から答弁いたします。

(清水てい子)
 2012年のNHKの調査によると、東日本大震災での障害者の死亡率は、健常者に比べて2倍だったそうです。中でも、聴覚と視覚に障害がある人の割合が高く、防災無線が聞こえず津波が来ることも知らずに亡くなった聴覚障害者も多くいたそうです。
 災害対策は、「自分の身は自分で守る」ことが基本とはいえ、避難することや避難所での生活に困難がある避難行動要支援者への支援として、避難所内のハード面の整備や情報を伝えるための制度づくりは当然行政が行うものです。とりわけ聴覚障がい者は聞こえづらさから、コミュニケーションも取りにくく、音声による情報も伝わりにくいため、不利益があるだけでなく孤立にもつながります。聴覚障害者でつくる全国団体「全日本ろうあ連盟」の調査では、コミュニケーションが取れないことから避難所へ行くのをためらう人も多いといいます。災害で取り残される聴覚障がい者を出さないために、避難所での手話や筆談などの対応が求められます。
 そこでお聞きします。聴覚障害があり、手話が必要な方の人数は把握されていますか。されていないとしたら、把握しない理由をお答えください。

(健康福祉局長)
 ろう者に対する支援について3点のご質問がありました。まず視覚障害者のある方のうち、視覚障害のある方のうち、手話が必要な方の人数を把握しているか、把握していないのであれば、その理由は何かについてお答えいたします。
 本市において、視覚障害により身体障害者手帳を所持されている方は、令和6年3月末時点で3214人おられます。
 聴覚障害のある方が選択されるコミュニケーション手段は様々で、手話の他、筆談や補聴器、人工内耳、音声認識ソフトなどがあります。
 各手段ごとの人数について調査を行っていませんが、令和4年に国が全国を対象に実施した「生活のしづらさなどに関する調査」では、聴覚障害により身体障害者手帳を所持されている方のうち、手話を使用されている方の割合は11.1%となっていることから、本市では約360人が手話を使用されているものと推計しております。

(清水てい子)
 また、手話が必要な方は避難する際や避難所での生活にはどういった支援が受けられますか。

(健康福祉局長)
 次に手話が必要な方は、避難する際や避難所ではどういった支援が受けられるかについてです。
 本市では、障害のある方が住み慣れた地域で安全・安心な暮らしを確保できるよう、障害の特性に応じた防災情報の提供や災害時の支援体制の充実に努めているところです。
 具体的には、聴覚障害のある方が避難する際には、視覚的に避難情報や気象情報などを取得できるよう、「広島市防災情報メール」やSNS、避難誘導アプリなどの登録や活用を、広報紙「市民と市政」や本市ホームページ、当事者団体の会報紙等を通じて周知を図っているところです。
 また、避難所での支援につきましては、市職員が筆談等による意思疎通を図るほか、本人等から依頼に基づき、手話通訳者の派遣や専用アプリを利用した遠隔手話通訳により、コミュニケーション手段の確保に努めています。

(清水てい子)
 今年度策定された広島市障害者計画でも、社会のあらゆる場面において、健常者と同じように情報の取得やサービスの利用ができる環境を整えることが示されています。現在、広島市では手話通訳者派遣事業や手話専用テレビ電話事業の制度が利用できます。
 しかし、重要なのは、手話が必要なろう者が、災害時など非常時だけでなく、日常生活でも気兼ねなく利用できる制度にしていくことです。
 手話通訳派遣事業は、利用するために原則三日前に申し込むというものです。また、手話専用テレビ電話事業は、対応する端末が設置された行政窓口と手持ちのタブレットやスマホで利用できます。しかし、どちらも緊急性が高いときは利用が難しい場合があります。
 そこでお聞きします。自宅のガス漏れや急病など緊急を要する場合に、ろう者が通報する際に利用できる対策がありますか。

(消防局長)
 ろう者に対する支援についてのうち、自宅のガス漏れや急病など緊急を要する場合に、ろう者が通報する際に利用できる対策があるのかについてです。
 本市では、聴覚に障害がある方などからの緊急通報に対応するため「聴覚障害者等緊急通報用ファクス」や「広島市eメール119番」のほか、WEB上の専用画面から通報を行える「Net119緊急通報システム」を導入し、対応しています。

(清水てい子)
 現在、遠隔手話通訳サービスを提供している民間企業がありますが、市の制度を補完する役割として導入するお考えはありますか。
 聴覚障害があっても他者とコミュニケーションをとり、外出も負担なくできるように民間の手話通訳サービスの活用もし、どういう障害があっても安心して住み続けられる環境を整えるために、当事者の実態を把握することから始めることを求めます。

(健康福祉局長)
 最後に民間企業が提供する遠隔手話通訳サービスがあるが市の制度を補完する役割として導入する考えはあるかについてです。
 本市が行っている遠隔手話通訳サービスは、平日の9時30分から16時までの間、各区福祉課および本庁障害福祉課で勤務する9名の手話相談員が、専用アプリの入ったタブレット端末を利用し、相談に応じています。
 本サービスを提供していない閉庁日や夜間の緊急時には、国が制度化し、民間で同様に運営されている電話リレーサービス等を既にご利用いただいているほか、本市の手話通訳者派遣事業によっても支援を行っているところです。
 手話通訳の利用を希望される方が、用途に応じて最適なサービスを選択できるよう支援するという観点から、引き続き民間企業が提供するサービスについて、情報収集に努めるとともに、得られた情報は、当事者団体等と共有を図っていきたいと考えております。

5.放課後児童クラブの「専用室」について

(清水てい子)
 最後に放課後児童クラブの「専用室」に関して質問します。
 厚労省「放課後児童クラブ運営指針」は、「放課後児童クラブにおける育成支援は、子どもが安心して過ごせる生活の場としてふさわしい環境を整え、安全面に配慮しながら子どもが自ら危険を回避できるようにしていくとともに、子どもの発達段階に応じた主体的な遊びや生活が可能となるように、自主性、社会性及び創造性の向上、基本的な生活習慣の確立等により、子どもの健全な育成を図る」と述べています。
 また、同運営指針「第6章 施設及び設備、衛生管理及び安全対策」の「1.施設及び設備」では、「放課後児童クラブには、子どもが安全に安心して過ごし、体調の悪い時等に静養することができる生活の場としての機能と、遊び等の活動拠点としての機能を備えた専用区画が必要である」こと、「専用区画の面積は、子ども1人につきおおむね 1.65㎡以上を確保することが求められる」こと、さらに「室内のレイアウトや装飾、採光等にも配慮し、子どもが心地よく過ごせるように工夫することも求められる」と述べています。
 広島市においては一昨年、放課後児童クラブ利用料の有料化がおこなわれ、育成支援である同事業の量とともに質の向上がますます求められることになると思います。
 そのような中、保護者や職員から「放課後児童クラブに『専用室』がなく、小学校の特別教室を利用している。有料化されたもとでせめて他の放課後児童クラブと同様に専用室を確保すべきではないか」との声が寄せられています。
 そこでお聞きします。広島市の放課後児童クラブにおいて、「専用室のないクラブ」は何クラブあるのか教えてください。
 また、「専用室のないクラブ」を利用している児童数と、それが全市の放課後児童クラブ児童数の中に占める割合を教えてください。
 「専用室」のない放課後児童クラブの一つに、佐伯区・楽々園児童館放課後児童クラブがあります。視察を行った市議団の報告によると、一つのクラスが、週のうち火曜、水曜、木曜の3日間を楽々園小学校の理科室を使い、月曜、金曜の2日間は図書室を使っています。小学校が休みの日は使用できないので、そういう時は児童館の工作室を使うそうです。
 理科室には「丸イス」しかありません。1~2年生の児童は足が床に届かず「ブラブラ」させたり、机の天板の下のスキマに足を入れたりして勉強しています。ある指導員は「丸イスは背もたれがないので子どもたちはずっと座っていられません。ビーカーやフラスコなど、理科の実験用具のある部屋なので、引き出しを開けないように貼り紙をするなど細心の注意を払います。ランドセルを入れるカゴやホワイトボード、段ボール5箱分の図書など、必要なものを毎日運び込むのは重労働です。また、学校の授業に差し支えないよう、放課後で使う前と後で掃除をします。「専用室がない」ということでここの指導員は他の放課後児童クラブ以上の苦労と責任を負っています。そして、いつか事故が起こるかもしれないと不安です」と話しています。
 そこでお聞きします。「専用室のないクラブ」に配置されている指導員の欠員と、それが定数比で何パーセントなのか、教えてください。

(こども未来局長)
 放課後児童クラブの専用室についての数点のご質問に順次お答えをいたします。
 まず、広島市の放課後児童クラブにおいて、専用室のないクラブは何クラブあるか、専用室のないクラブを利用している児童数と、全市の放課後児童クラブ児童数に占める割合はどうか専用しないクラブに配置されている1人の欠員は何人か。定数比の何%かについてです。
 国の「放課後児童健全育成事業の設備および運営に関する基準」等において、「専用区画」とは、「開所している時間帯を通じて専ら放課後児童健全育成事業の用に供するもの」をいい、開所していない時間帯に他の事業等に利用することを妨げるものではないとされています。
 本市においても、この基準に基づいて放課後児童クラブを設置・運営しており、専用区画のないクラブはございません。
 一方で、日中は小学校の特別教室として使用している教室を利用して運営している放課後児童クラブは、本市直営の280クラスのうち、4クラスです。
 この4クラスの5月1日時点の登録児童数は、計114人であり、本市直営の放課後児童クラブの児童数9,658人に占める割合は約1.2%です。
 また、4クラスの指導員の定数は計8人で、現在欠員はありません。

(清水てい子)
 また、このような状況の解決のためにどのような取り組みをされているのか教えてください。楽々園以外のクラブについても答弁を求めます。
 ある保護者は「民間の2つのクラブはいずれも学区北端の2号線沿いにあり、学区南端にある小学校から大きなランドセルを背負った1年生が移動することを考えると不安です。学校と民間クラブの中間に自宅があるので通わせにくい。駐車場もなく送迎しにくい」と話しています。
 3つ目の事業者がどの場所になるかわかりませんが、ある指導員は「本当は児童館の横にプレハブでもいいので施設をつくってほしかった」と話されています。
 現在残されている「専用室のないクラブ」について、授業等で使わない長期間利用できる「専用室」を確保し、放課後児童クラブ開設時間内はその施設を使用できるようにすべきだと考えますが、この点での市の見解を求めます。

(こども未来局長)
 次に、楽々園以外の放課後児童クラブを含め、専用室がなく、特別教室、特別教室を利用している状況の解決のためどのような取り組みをしているのか。現在残されている専用室のないクラブについて、事業等で使わない長期間利用できる専用室を確保し、放課後児童クラブ解消時間内はその施設を利用できるようにすべきだと考えるかどうかについてです。
 放課後児童クラブの設置・運営にあたっては、開所時間以外も含め常時使用できる教室の確保、または学校敷地内へのプレハブの設置ができるよう、小学校と調整していますが、学校運営に支障が生じるなどの理由により困難な場合には、やむを得ず特別教室などを小学校の授業がない時間帯に放課後児童クラブの活動場所として使用しています。
 こうした場合においても、利用しやすい活動環境となるよう、小学校と調整し、放課後児童クラブの活動に必要な備品を常時置いておけるスペースを確保するなど、運営にできるだけ支障が生じないように配慮するとともに、随時、常時使用できる教室等が確保できるよう小学校との調整を重ねています。
 なお、楽々園小学校については、小学校との協議の結果、学校運営の都合上、来年度以降も、曜日によって異なる教室を使用する状況を解消できる見込みがなく、学校敷地内にプレハブを設置する場所も確保できないことから、来年4月に新たに民間放課後児童クラブを開設することとし、現在、運営事業者の選定手続きを行っているところです。

(清水てい子)
 「サービス向上」をうたいながら、専用室を提供できない現状を見た時、やはり「準備不足のまま利用料の有料化に踏み出したのではないか」という印象を持たざるをえません。専用室がない放課後児童クラブについては、他のクラブと同水準の施設提供ができるまでは利用料を無料にすべきだと考えますが、この点での市の見解はいかがでしょうか。答弁を求めて、私の質問を終わります。

(こども未来局長)
 次に専用室がない放課後児童クラブについては、他のクラブと同水準の施設提供できるまでは、利用料を無料にすべきだと考えるが、市の見解はどうかについてです。
 放課後児童クラブは、児童館、小学校の教室、学校の敷地内に設置したプレハブといった活動場所などの違いはありますが、運営にあたっては、国の「放課後児童健全育成事業の設備および運営に関する基準」や、それに基づき定めた、本市の「児童福祉施設設備基準等条例」に基づいて、こどもたちに遊びや生活の場としての適切なサービスを提供しているところです。
 一方で、放課後児童クラブの利用者負担については、事業費が年々増加し、多くの保護者からサービス向上が求められる中、市民における公平性確保の観点から受益者の負担能力を考慮した適切な措置を行い、将来にわたって安定的に運用できるようにするという考え方に基づき、令和5年度から、長期休業中における昼食の配送や第2土曜日の開所などの保護者ニーズの高いサービス向上策の実施にあわせて、適切な負担軽減措置を組み込んだ上で、利用者負担を導入しているものです。今後も同様な考え方で事業の円滑な実施に努めてまいりたいと考えています。

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