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1.消費税インボイス制度の市内事業者への影響等について
2.ごみ収集運搬の技能業務職員について
(中森辰一)
お疲れ様です。二つのテーマを掲げております。順次やっていきたいと思いますが、もし時間が足りなくなったら、文書質問させていただきますのでよろしくお願いします。
まず消費税のインボイス制度が昨年10月にスタートいたしました。制度が始まって半年にならないんですけれども、差し当たって年度末に向けて消費税額の申告をしなければなりませんし、申告すれば新たな負担が生じるということになります。
インボイス登録をしなかった事業者は取引から排除されたり、消費税に関する誤った認識から、請求額から10%差し引けと要求されたりしている事業者もおられて、様々な問題が既に発生しております。
今日はこのインボイス制度がもたらす市内の中小事業者の皆さん、地域経済にどのような影響が及ぶかということをぜひ考えていただきたいということで、問題提起ということでお話をさせていただきたいと思っておりますので、よろしくお願いします。
まず現状の市内事業者の数、その中で個人事業者等法人事業者の数がどれくらいかわかる範囲でお答えください。
(ものづくり支援課長)
令和5年12月に中小企業庁が公表した統計資料、中小企業の企業数、事業所数によりますと、令和3年6月時点の本市内の事業者の数は3万2128社で、このうち個人事業者は1万2972社、法人事業者は1万9156社となっています。
(中森辰一)
インボイス制度がスタートしたことによる市内事業者、とりわけ小規模事業者、零細事業者、小さな事業者ですね。ここへの影響について市としてはどのようにお考えでしょうか。
(ものづくり支援課長)
事業者がインボイスを交付するためには、国税局にインボイス発行事業者の登録申請し、登録を受ける必要があります。
こうした状況の中、広島市中小企業支援センターでは、小規模事業者や個人事業主などを対象に、税理士等の経営の専門家が相談を受ける相談窓口や、専門家派遣を行っているところですが、それらの支援を通じたインボイス制度に係る相談対応件数は、令和5年度3月5日時点で28件となっています。
具体的な相談内容としては、制度そのものについて知りたいといったものや、会計ソフトや確定申告に関することなど、制度に適切に取り組むために、どのように対応すればよいかといったものでした。
主に手続きに関する相談が多いことから、今後も事業者が適切な対応が行えるよう支援していく必要があると考えています。
(中森辰一)
問題はインボイス制度について個人、小さな事業所がどの程度周知が行われているかということもあるかなと思います。
この問題を考えるにあたっては零細な法人事業者とか個人事業者の多くが、私は困難な状況に置かれるというふうに思っております。
個人事業者という枠で考えると、例えば個人営業の商店とか、建設業などでの1人親方、赤帽などの個人請負の宅配、個人タクシーの運転手、ウーバーイーツなどの宅配それから漫画家、作家、映画とか演劇の俳優、そうした舞台などにつくスタッフの個々ですね。それから、音楽家とか英語の講師とか、あるいは農家、菓子屋の事業者、駐車場の経営者、あるいは太陽光電力の販売、そして自販機の設置者、こういうところまで含まれると思います。
中には収入が1000万円を超えるようなところもあると思いますけれども、圧倒的多数が1000万円以下だというふうに思われます。
こうした零細な個人事業者のうちには、最近特に新型コロナの感染拡大の影響もあって急速に増えた、いわゆるギグワーカーと言われる人たちもおられます。
ウーバーイーツなどの宅配がすぐにイメージされますけれども、このギグワーカーと言われる人たちが広島市内にどの程度おられるか、わかったら教えてください。
(経済企画課長)
ギグワーカーは、インターネットを通じて短期単発の仕事を請け負い、個人で働く就業形態であり、フリーランスの一形態として位置づけられています。
本市におけるギグワーカーの人数については、統計資料がないため、把握できていませんが、ギグワーカーを含むフリーランスの人数については、総務省統計局が実施した令和4年就業構造基本調査によると、全国では257万4000人、本市では2万4400人となっています。
(中森辰一)
この消費税のインボイス制度は、消費税の税率が10%に引き上げられたときに、税率の処理が2種類になったということから、領収書などに2種類の税率ごとの消費税額を明示することが必要だという理由から導入されたものであります。
この制度は、税率が10%になって以降4年間実施されませんでした。そして昨年10月スタートしたわけです。大事なことは、その4年間は消費税率が存在したんだけれども複数税率が存在したんだけれども、インボイスなしで、消費税の徴収事務は問題なく、着実に行われたということであります。
取引額を記載した帳簿とその領収書によって、仕入れに伴う消費税額を算定して、仕入れ税額控除を実施し、税務署もそれを認めてまいりました。
それにもかかわらず、インボイス制度を実施したというのは、結局、免税事業者を取引から排除させるようにして、それをもって、免税事業者の多くを強制的に課税事業者にしていく。税率の引き上げをせずに、その結果、1兆円と言われる消費税額の増収が実現されるようになるということと、税率の種類をこれからさらに増やして、税率を一層引き上げるその準備のためだというふうに言われておるわけです。
当然、事業者の反発は大きいわけです。短期間で中止を求める署名が50万を超える異例の規模で国に届けられました。
この問題を理解する上で一番大事なことがあるんですけれどもそれを確認しておきたいと思います。
消費税の納税義務者が誰であるかということなんですが、経済観光局にその認識を伺います。
(経済企画課長)
実際に消費税を納める納税義務者は、商品の販売やサービスの提供などの取引において、代金を受け取る事業者となっています。
(中森辰一)
消費税第5条にそのことが書いてあるんですけども、消費税ってのは消費者の消費ではなくて、事業者の売り上げにかかる税金なわけです。
インボイス制度が始まったことで新たに厳しい状況に置かれるのは、これまで免税事業者となっていた年間売り上げ1000万円以下の小規模事業者、零細な事業者です。
広島市内でこうした免税事業者はどの程度あるというふうにお考えでしょうか。
(経済企画課長)
中小企業庁が公表しています中小企業の企業数、事業者数によると、広島市内の小規模事業者は2万6615社ですが、年間売り上げが1000万円以下の事業者数を取り取りまとめた統計資料はなく、その数を把握することはできません。
なお、広島国税局に確認してみましたが、本市における免税事業者数は把握していないとのことでした。
(中森辰一)
数はわからないということなんですけど、かなりおられるということだと思います。先ほど事業所数を尋ねたんですが、もう一つ別の統計もありまして、2021年の経済センサスの調査の速報によりますと、全国の民間の事業所数は516万事業所、従業者数が5795万人というふうになっております。それをもとに、広島市もこの経済センサスの数を基にまとめた数字があるんですよね。
それを見ますとですね、5万1224事業所、従業者数は58万7805人というこういう数字もあります。これで考えてみると、大体全国に対して広島市というの大体100分の1ぐらいの規模なのかなというふうにも思います。
財務省が別にですね、2021年に消費税の資料として出した推計があります。これは古いんですけども、全事業所数は2011年のときにですね、個人事業所、法人事業所合わせて約858万事業所ということになっています。
この二つの数字を合わせると、この10年間で事業者数が全国では300万減ったということになると思います。
この大きな要因の一つが、やっぱりコロナ倒産とか物価高騰問題もあるんですけれども、この間の2度にわたる消費税、消費税の引き上げいうのが非常に大きかったんではないかというふうに思います。
減った事業所というのはほとんどが零細の法人や個人事業者だというふうに思います。そのときのこの財務省の資料では、免税事業者の比率が59.3%、およそ6割だったんです。その課税売上高の比率というのは全体に対してわずか1.7%に過ぎませんでした。事業所の比率では約6割だけれども、その課税売上高の比率っていうのは、2%にもいかない。この比率というのは、この間企業間の格差も大きくなっておりますのでもっと下がっているんじゃないかなというふうに思います。
今申し上げたように、免税事業者っていうのは、課税売上全体から見るとわずかな売り上げしかないわけですね。しかしそれでもかなりの比率を占める赤字の事業者を含めて、およそ6割近い数の事業所が日本とか広島の地域経済を支えて、それから経済的にも自立して一生懸命頑張っておられるということなんだと思います。
本当はここを大事にする政治行政が必要ではないかなというふうに思うんです。この間の急速な物価高騰というものがありました。
こういう中で、こうした小さな事業所が、原材料費とか仕入れの値上がり分、これらを順調に価格に反映できたというふうに、広島市としてはお考えでしょうか。
(ものづくり支援課長)
広島県中小企業家同友会が1月に会員に行ったアンケート調査では、物価高騰に伴う価格転嫁の設問に対し、全く転嫁できていないが28.3%、1割から2割程度が32.9%となっている一方、9割程度が4.6%、全て転嫁できているが8.8%となっているとのことで、価格転嫁は引き続き課題であるものと認識しています。
そのような中、大企業と中小企業の共存共栄を目指し、企業間の取引において適切な価格転嫁の実現を図るため、サプライチェーン全体の付加価値増大や下請け企業との望ましい取引慣行の遵守を宣言するパートナーシップ構築宣言をする事業者の普及と促進に取り組んでいます。
こうした取り組みは、企業間の連携や取引環境の改善に資するものと考えており、令和6年度当初予算において、より一層の周知等に関係機関と連携して取り組むために、必要な関係予算を計上しております。
(中森辰一)
そういうようなことを本当はもう30年前からやってくれんといけんかったわけですよね。それはきちっとできてなかったということで、結局大企業と中小企業とのやっぱり力の差というところからきちんと価格に反映できずに苦しめられてきたという、こういう30年間の歴史があるわけですよ。
だから今回のことがね、本当にきちっと行われるかどうかっていうのは、私は本当に疑問もありますし、一方できちんとやってもらいたいというふうに思っております。
広島市内のGDP、2020年の数字がありますけれども、5兆2765億円いうふうに発表されております。この数字と全国100分の1程度の経済規模ということを考えると、広島市内ではおそらく1兆円の100分の1と考えれば100億円、これぐらいがこうしたその小さな事業所が負担しなければならない新たな問題ということになるんではないかなというふうに思っています。
少し消費税のことをもう少し理解していただきたいというふうに思うので説明をしたいと思うんですけど、先ほど言いましたように、消費税第5条に事業者は国内において行った課税資産の譲渡等につき、この法律により消費税を納める義務があるというふうに書いてあります。
課税資産の譲渡というのは、お金を受け取って消費者に物を売るということです。事業者がお金を受け取って売った金額に税金をかける、つまり、売上額に税率を掛けた金額を税務署に納めることを義務づけた法律が消費税法です。
ただし、仕入れの際に支払った消費税額は売上に係る消費税額から差し引いて、これを仕入れ税額控除というふうに言うんですけども、これをやった上で、税務署に納めるということになっています。
つまり、仕入れたものに自分が付加価値として上乗せした部分に係る税金分だけ、税務署に納めるということになっているわけです。
こういう付加価値に税金をかけるものを付加価値税というふうに世間では呼んでいるわけです。付加価値に税金をかけるわけですから、消費税法は、事業者に税金をかけているのであって、消費者に税金の負担を義務付けてはおりません。
世界のおよそ140カ国でこの付加価値税が導入されておりますけれども、消費税という名前を付けてるのは日本だけです。これは中曽根内閣のときにですね、売上税というものを導入しようとして、全国の事業者の猛反発を受けて、これが導入できなかったばかりか総辞職に追い込まれました。
それを教訓として、納税義務者となる事業者をごまかすというそういうとこあったと思います。消費者が納税義務者であるかのように見せかけられるよう、竹下内閣が消費税と名前を変えて導入したものです。
繰り返しますが、消費税法には、消費者が消費税の納税義務者であるとなっておらず、法律上は、消費者は消費税を支払う義務がありません。
事業者は消費税を預かっているんだという議論も実はこの間ずっとあるんですけども、法律ではそうなっておりませんし、実は政府も、国会の答弁で、預かり消費税というものはありませんというふうなことを答弁をしております。
消費者が納税義務者ではありませんから、事業者にとっては消費税分を価格に上乗せできるかどうか。これが経営にとって重大な問題になるわけですよね。この消費税分を価格転嫁して値段に上乗せするかどうか、できるかどうかはこれは事業者次第です。
先ほど、売る側と買う側の関係というふうなことも、これを調整するんだというふうなこともありましたけれども、しかし、なかなかそうなってこなかったのが、これまでの事業者が置かれた状況だったというふうに思うんですけども、その消費税分を転嫁した価格が妥当だとか、高いとか安いとかというのはこれは売り手と買い手との関係で、その価格に納得してくれればそれで売れますし、そうでなければ売れないわけですよ。
ですから、政府が10%分を上乗せして売れというふうに言うけれども、しかし、それで買ってもらえなければこれは消費税分を値段から削って売るしかない、こういう事業者もたくさんあるのが現実だというふうに思います。
スーパーなどのレシートに、領収書と一緒にうち消費税分がいくらというふうな表示がしてあります。だけれども、元々の価格にそれだけの消費税分がちゃんと上乗せされているとは限らないわけですよ。
他の同業者との価格競争で、やむを得ず元々の価格から消費税分を値下げした価格になっているかもしれません。あの消費税額の表示というのは、売り上げの中でこれだけ税務署に納めることになっておりますというものにすぎないわけです。
この10年の間に2回も行われた消費税率の引き上げ分をこれは身銭を切って、税務署に納めるいうことがずっと続いてきて、それに耐えられなかった事業者が100万の単位で潰れたということではないかと思っております。
現実に、先ほどもありました今でも高騰する原材料費、価格に転嫁するかどうかということで事業者はずいぶんと苦しんでいるわけですよね。価格競争力があったり、買い手である親会社との関係で、価格転嫁を認めさせるだけの力を持っている下請け業者であればですね、価格転嫁もできるし、そうでなければ、この消費税分というのは事業者が自腹を切って、税務署に納めるということになります。
ところが消費税という名前がついているために、消費者が納税義務者だという意識にさせられておるわけです。消費税分を上乗せできていなくても、消費税は預かっているのにねこばばをするなと、こういったふうなこともSNSなどで本当に広げられております。そういう点ではやっぱりひどい制度だなというふうに思うわけです。
価格に転嫁できていなくても、そういうことはお構いなしに、機械的に売り上げに税率を掛けた額を納めるように、税務署が要求してきます。1000万円以下の売り上げの中からやっとギリギリの生活費を確保できているようなところ、そういうところは価格に転嫁できないとなると、この生活費を削って消費税分を納めなくちゃいけないということになると思います。
私市内でもそういう零細な事業者たくさんあるというふうに思うんですけども、広島市の行政としては、そういうところが生活費を削って消費税も納めることになるのではないかということも考えてですね、やっぱり事業所の実態の調査も独自にされる必要があるんじゃないかなというふうに思うんですけども、どういうふうにお考えでしょうか。
(経済企画課長)
インボイス制度は国全体に関わる制度であるため、事業者への影響に関する実態調査につきましては、一義的には国税を所管する国において行われるべきものであると考えています。
なお、本市では、地元経済団体や業界団体、金融機関等に対して聞き取り調査を定期的に行い、物価高騰や新型コロナウイルス感染症等による影響など、幅広く経営状況の実態把握に努めています。
(中森辰一)
これは前から皆さんにお願いしてきたことで、なかなかやっていただいてないんですけども、広島市の行政として、この地域経済の中で一生懸命頑張っている先ほども言いましたけれどもそういうところがどういう状況に置かれているのかっていうのはこれはもちろん、それぞれの所属している団体も調査をされるというふうに思います。だけれども、そういう団体に所属していない事業者もあるわけですよ。
これから言いますギグワーカーとかね、そういった人たちももちろんそういうとこに入ってないと思います。そういう実態というのもですねやっぱり調べる必要があるというふうに思うんですよ。
このさっき、紹介しました2011年の財務省の調査資料、そういう頃にはギグワーカーなんていう言葉も聞かなかったですし、そういった働き方もあまりなかったんじゃないかなというふうにも思います。
人材仲介会社ランサーズっていうところが3年前に推計した調査では、国内のギグワーカーは少なくとも300万人を超えてるんじゃないかとそういうふうな数字を出していますし、別な調査では、700万人とか1000万人とかかなり広いとらえ方をしてるんだと思いますけども、そういう調査もあります。
いろんな業種がありますけれども、私が一番心配するのは、日々、単価の低い単発の仕事を受けて、それだけで生活しているという人たちなんですよね。こういう人たちは実態としては個人の請負業者ですから、労働者としての保証は何もありません。
しかし、スマホアプリを通じて簡単に仕事ができるっていうようなことで本当に急速に増えてまいりました。
しかし、そのほとんどの人は収入がかなり低いです。こういう働き方が増えてきているということについて、市としてはどのように受け止めておられるでしょうか。
(経済企画課長)
ギグワーカーを含むフリーランスにつきましては、生活スタイルや仕事への価値観が多様化し、柔軟な働き方のニーズが高まる中で、社会保障の支え手、働き手の増加などに貢献することも期待され、多様な働き方の選択肢の一つと考えています。
令和2年5月に内閣官房が発表したフリーランス実態調査結果では、ギグワーカーを含むフリーランスについて、収入に満足していると回答した割合は約4割にとどまっているものの、仕事上の人間関係、就業関係プライベートとの両立、達成感や充実、流速感といった項目では満足していると回答した割合が7割以上、フリーランスとして働き続けたいと回答した割合が約8割となっていることから、多様な働き方の中から、個々の希望に応じて、職業選択をしているものと考えております。
一方で、発注の時点で報酬や業務内容などが明示されなかった、報酬の支払いが遅れた、報酬の未払いや一方的な減額があったなど取引先とのトラブルも発生しており、フリーランスとして安心して働ける環境整備も求められています。
そのため、国は令和3年3月にフリーランスとして安心して働ける環境を整備するためのガイドラインを策定し、令和5年2月に特定受託事業者に係る取引の適正化等に関する法律を提出。その後、4月に成立させるなどにより、フリーランスの取引に係る適正化および就業環境の整備に取り組んでいるところです。
これらに基づき、ギグワーカーを含むフリーランスが安心して働ける環境が整備されていくものと考えております。
(中森辰一)
今フリーランスという言い方をされたんだけれども、フリーランスってすごくいろいろあって、これギグワーカーとは限らないんですよね。継続して仕事がある場合も、そういうフリーランスの方もいらっしゃる。だけどもいわゆるギグワーカーというのは単発で仕事を受けて、その積み重ねで日々を生活している、そういう人たちが圧倒的に多いんだというふうに思います。
そのフリーランスという捉え方でいくとかなり広い範囲になるけれども、しかし、今言ったような零細な働き方、これがかなり増えてきていてそれで満足している人もいるかもしれないけれども、しかし、差し当たってやっぱり仕事がないので、そういう働き方、すごく気軽に仕事ができるようなところで魅力があってやるという人もおられるけれども、しかし、こういうところにですね実はさっきのインボイスの問題なんてのはほとんど周知してないというふうに思います。
こういうことを知らせる、インターネットで検索するといろいろ出てきますけども、そういうところではインボイスの登録をしないと問題になるよという警告を出しているところもありますけれども、圧倒的多数はやっぱ知らないと思います。
どうしたらいいのか、しなくてはいけないということも知らない人が多いんじゃないでしょうか。やっぱりこういうところがこれから問題になってくるんじゃないかなというふうに思うんですよ。
多くは、実は今頃企業に働いてて副業を推奨するみたいな話も出てきて、これにそういった働き方が増えてきているというところもあるかもしれませんけども、やっぱり一方で、若い人たちがこういった形で働かざるを得ないという実態もあるんではないかなというふうに思います。
こういう場合は、当然先ほど言ったように、企業から単発の仕事をもらって仕事をする、その仕事の一つ一つが売り上げですから、売り上げに対して消費税がかかります。企業が相手ですから、インボイス登録をしないと、つまり、課税事業者にならないと税務署の問題もあるけれどもそもそも仕事そのものがもらえない可能性があるわけですよ。
こういう人たちのほとんどが年間売り上げが1000万どころかですね、多くが月に10万円そこそこ程度。年間でも200万円にも届かないワーキングプアといったような状態なんです。
これまではそれでも免税事業者という扱いだったんです。こんなに収入が低いわけですから。仕事を出す方もそういう扱いでよかったわけですよ。しかし、このインボイスが導入されると、そうはいかなくなってくるわけですね。この人たちの売り上げはいわばイコール収入です。つまり、生活費の訳ですよ。
インボイス制度が始まりますと、この売り上げすなわち生活費のうち今で言えば10%分を税務署に納めなくちゃいけないということになるわけです。日々、小さな仕事もらってやっと生活している人たちが、仕事の請負料金に10%上乗せできるかというとなかなかそうはいかないんじゃないかなというふうに思います。
その場合、日々の生活費から新たに10%分を政府が徴収する。本当に無慈悲な制度だなというふうに思うわけです。これはぜひ考えていただきたいと思います。
広島市には雇用促進という部署もあるんですけども、やっぱりこれはあの政策の対象として、やっぱり働き方こういうのでいいんだろうかというふうなことも含めて働きかけをする、そういうふうなことも必要だというふうに思います。
実は外国では労働者として扱えという、そういうふうな法律もできたりしてるところもありますよね。だからそういうふうなことも展望しながら、これは国の責任も当然あるんですけれども、広島市の行政としても考えていただきたいというのをお願いしておきたいと思います。
(中森辰一)
あと8分で、もう一つのテーマをやります。広島市で清掃業務員として採用されている技能業務職員ですね、今何人おられるでしょうか。それからそのうち家庭ゴミの収集運搬業務に携わっている職員は何人おられるでしょうか。
(業務第一課長)
本市が清掃業務員として採用した技能業務職員は現在258人おり、七つの環境事業所、三つの焼却工場、埋立地そして本庁舎にそれぞれ配置し、市民や事業者等へのゴミの排出等に係る指導業務や日々の家庭ゴミの収集業務等に従事しております。
このうち、日々の家庭ゴミの収集運搬業務に直接従事している技能業務職員は、七つの環境事業所に計104人を配置しています。
(中森辰一)
今後この技能業務職員、今ずいぶんと民間委託が進んできたわけですけども、この今の体制ってのはどういうふうにしていくお考えでしょうか。
それから、毎年定年退職者ありますから、その代わりの職員を新規採用する必要があると思うんですけども、これはどういうふうになってるんでしょうか。
(業務第一課長)
現在家庭ゴミの収集運搬業務は市職員による直営収集と、民間業者への委託収集により行っていますが、災害発生時における収集体制の確保など、直営収集が果たす役割を考慮しながら、収集運搬業務の民間委託化の拡大などにより、効率化を進めています。
そして民間委託化の拡大を行いながらも、災害発生時における収集体制が将来にわたり確保できるよう、現行生じている職員の年齢構成のひずみの緩和を行いつつ、計画的な職員採用を行っており、ここ数年は毎年3名程度の採用となっています。
(中森辰一)
今災害の話が出たんですけれども、最近繰り返し大規模災害に見舞われております。その際、技能業務職員の皆さんはどのような役割を果たされたか。それから、最近では西日本豪雨災害があったんですけれども、その際の膨大な災害ゴミが出ました。市の職員が収集運搬を行って処理したと思いますけども、その状況はどうだったでしょうか。
(業務第一課長)
平成30年7月の西日本豪雨災害発生時には、通常のゴミ収集に加え、発災後に住民やボランティア等が片付けを行ったゴミ、それから避難所で発生するゴミについて、民間の廃棄物収集運搬業者の協力も得つつ、市職員による直営収集が中心となった、片付けゴミ等の収集を行いました。
片付けゴミ等の収集にあたりましては、可燃ゴミを収集するパッカー車の他、大型ゴミや、不燃ゴミ等を収集するためのダンプ車両を用い効率的な収集を行いました。
(中森辰一)
直営収集中心に進めていったということであります。今は家庭ゴミの収集運搬業務の多くを民間業者に委託しているということなんですけれども、災害が発生したときには、通常の家庭ゴミの収集運搬業務に加えて、災害への対応を行っていく必要がまず出てくるわけですよね。
それはどういうふうなことになっているのかということと、それから災害発生の緊急時、災害ゴミなどの収集運搬業務を担うというのはこれはやっぱり公務員として使命感を持ってやっぱり取り組む、そういう市の技能業務職員という非常に大事なってくると、その役割が大きくなってくるというふうに思うんですけども、これについてどのようにお考えか、改めてお願いします。
(業務第一課長)
地震や土砂災害等の災害発生時には、先ほどのご答弁の通り、通常のゴミ収集に加え、発災後に、住民やボランティア等が片付けを行ったゴミや避難所で発生するゴミの収集が必要となることから、平成26年8月や平成30年7月の豪雨災害の際においては、民間の廃棄物収集運搬業者の協力も得つつ、市職員による直営収集が中心となった片付けゴミ等の収集を行ってきました。
こうした災害発生時の片付けゴミ等の収集は、日頃から地域と密に接しており、それぞれの地域の実情を熟知するとともに、これまでの経験等を踏まえ、災害時の対応のノウハウを継承している市職員による直営収集が担う役割が大きいと考えています。
こうした認識のもと、本市では過去の経験も踏まえ、令和2年3月に広島市災害廃棄物処理計画を策定するとともに、この処理計画に加え災害発生時の応急対策業務を行いながら、通常のゴミ収集も支障なく行えるよう、人や車両の確保等に関する業務継続計画を定めているところです。
今後も引き続き、通常時のゴミ収集に係る民間委託化を進めながら、これらの計画に基づき、災害発生時のゴミ収集に係る体制確保に万全を期していきたいと考えております。
(中森辰一)
広島市としても基本的に民間委託の比率をもっと上げていこうと今お考えのようなんですけれども、災害のときに重要な役割を果たす、それはやっぱりどの分野でも市の職員だというふうに思うんですよ。
ゴミを処理していくという分野でも、災害の際はやっぱり市の職員の力どうしても重要になってくるというふうに思います。
今後、大規模な豪雨災害もそれから大規模な地震災害も想定されてくるというふうに思います。
その点で収集運搬業務の85%がもう民間業者に委託しているということなんですけれども、緊急時にこの民間をもう本当に当てにしていくということは必ずしもできないと思います。
そのことをやっぱりよくお考えいただいて、私の思いとしては少なくとも市の職員の今の数は必要ではないかというふうに思っておりますので、そのことをよくお考えいただきたいということを申し上げて、今日は終わります。ありがとうございました。