サイト内検索
サイト内検索
(中森辰一)
日本共産党市議団を代表して、上程された3件の請願の採決にあたっての、討論を行います。
まず、請願第3号、安芸区上瀬野地区医療廃棄物積替え保管施設の建設を計画している業者に医療廃棄物収集運搬業(積替えも含む)を許可しないことについてです。
すでに、業者には許可をしてしまっていることから、所管の委員会での採決では、この請願は不採択ということになりました。
しかし、市が許可したからと言っても、それで、現地の住民の不安や業者に対する不信がなくなるわけではありません。広島市行政としては、議会に請願を提出されるほどに切実な地元の市民の思いをしっかりくみ取って、事業者を適切に指導していただかねばなりませんし、地元住民には、適切に、時には住民の要望も聞いていただいて、事業者の状況についてなどの情報を提供し、不安な思いに応えていただくことが必要です。
これは当然のことですが、以上の意見を付して、市が許可したという現実を踏まえて、不採択に賛成することにします。
次に、請願第12号、平和推進基本条例に即した厳粛な平和記念式典の開催についてと、請願第13号、平和推進基本条例に即した厳粛な平和記念式典の開催に伴う原爆ドーム前の現状の解消についてですが、この二つの請願は、厳粛な平和記念式典の開催を求めるという趣旨で同時に市議会に提出されたものであることから、一体のものであるとして、今議会で採決に付されたもので、いずれも、付託された建設委員会と総務委員会では採択との結論になりました。
まず、請願第13号については、原爆ドーム前の公園はだれでも自由に利用できることになっており、指摘されているような、8月6日の原爆ドーム前を一部の人々が実態として占拠しているために一般の市民が近づけないような状況は問題があり、公園条例に基づいて、公園としてだれでも利用できる状態にするため、必要な対応を行うべきと考えますので、採択に賛成します。
一方、請願第12号については、新たな規制条例をつくることを含めた実効ある対応を求めるものとなっています。新たな規制条例をつくることになれば、当然、内容によって程度の違いはあるにしても、憲法21条の表現の自由を一定程度制約するものにならざるをえず、その内容が、公共の福祉と表現の自由との関係から、厳しく制約された規制内容であったとしても、一旦、条例ができてしまえば、規制の範囲が拡大したり、対象が拡大したりしないかという懸念は拭えません。
昨年、市が実施したアンケートでは、確かに、記念式典の会場まで音が聞こえた、悪影響があるという意見が多数になっていましたが、他方で、これまでの運動団体との協議を行うべきだという意見も、多数であったということがあります。
ヒロシマが、長年にわたって続けてきた核兵器廃絶の実現に向けた運動も、言論・表現の自由が厳密に保障されてきたからこそだと考えます。
広島市当局としては、アンケートでの市民の意見を受け止めて、引き続き運動団体との粘り強い協議を通じて、市民が納得できる記念式典となるよう取り組むべきとの考えから、請願12号の採択には反対することとします。
以上です。
(要旨)
安芸区上瀬野二丁目の国道2号に面した土地に、業者が医療廃棄物積替え保管施設の建設を計画している。
国道2号の南側には、多くの住宅があり、住民の生活環境を守る上で、医療廃棄物積替え保管施設の建設を計画している業者に医療廃棄物収集運搬業(積替えも含む)を許可しないよう請願する。
理由
1 災害誘発による環境汚染防止のため
建設予定地は、土砂災害ハザードマップの土砂災害特別警戒区域及び警戒区域に近く、2018年の西日本豪雨のような災害発生時に、生活環境に影響が出るのではないかと危惧している。
2 生活環境や健康を守るため
居住地、保育園の住居環境が近くにあり、医療廃棄物による人体への影響・健康被害が危惧される。
3 水質保全のため
水路が近くを流れており、田や畑の農産物に影響が出ないか、また、水路は、瀬野川とつながっており、瀬野川下流域での取水に影響が出ないか危惧している。
4 施設拡張防止のため
医療廃棄物積替え保管施設として計画されているが、許可後、業務内容の変更を届け出て、処理施設へ拡張していくのではないかと危惧している。
(要旨)
広島市議会においては、令和元年に「広島市原爆死没者慰霊式並びに平和祈念式が厳粛の中で挙行されるよう協力を求める決議案」が可決され、さらには令和3年6月には「広島市平和推進基本条例」が可決された。この条例の第6条第2項で「(平和記念式典を)市民等の理解と協力の下に、厳粛の中で行うものとする」と規定されている。
しかしながら、令和4年8月6日も例年と変わることなく、特定の団体が平和記念式典中、会場周辺で拡声機を用いてシュプレヒコールを上げながらデモ行進を行った。団体が発する騒音は式典会場内にも響き渡っていた。
広島市は毎年「平和記念式典に関するアンケート調査」等を行っているが、昨年の結果は、音量は過去最高に近い105デシベル、式典中拡声機からの音について、聞こえた人は90.6%、式典への悪影響があると答えた人が66.4%、全ての時間帯を通して厳粛な環境が必要であると答えた人が73.6%となった。
この結果を広島市はどう判断され、どういかされるのであろうか。この結果を顧みれば公共の福祉を害していることは明白であり、行政としてこれを看過し昨年と同様の対応しかしないことはあってはならない。
今年5月にG7広島サミットが行われ、広島の名は世界中にけん伝され、これから多くの訪問客が8月6日に訪れることが予測されている。
8月6日は広島市にとって決して忘れてはならない最も大切な日であり、原爆の犠牲になられた方々の御(み)霊安らかなれと静かに祈る日でなければならない。
世界に向けて平和を発信する国際平和文化都市広島の重要性は増している。
ついては、広島市平和推進基本条例に明記されている厳粛な平和記念式典の開催を実現するため、広島市においては多くの市民が望みかつ公共の福祉を守る観点に立ち、8月6日は一定の時間一定の場所の静ひつを守る条例策定を検討する等、実効性のある対応に取り組んでいただくよう連署をもって請願する。
(要旨)
広島市議会においては、令和元年に「広島市原爆死没者慰霊式並びに平和祈念式が厳粛の中で挙行されるよう協力を求める決議案」が可決され、さらに令和3年6月には「広島市平和推進基本条例」が可決された。この条例の第6条第2項で「(平和記念式典を)市民等の理解と協力の下に、厳粛の中で行うものとする」と規定されている。
しかしながら、令和4年8月6日も例年と変わることなく特定の団体が平和記念式典の開催前から原爆ドーム前の一部を占拠し、無許可の集会を開いた。その際、政治的主張が書かれた横断幕やのぼりを掲げ、拡声機を用いた演説も行っており、その声は平和記念公園内に響き渡っていた。また、特定の団体が占拠しているため、一般市民が自由に通行することもできなかった。
これら一連の行為は、無許可であることに加え、広島市公園条例第4条で制限されている「集会その他これらに類する催しのために公園の全部又は一部を独占して利用すること」及び第5条で禁止されている「公園の利用者に迷惑を及ぼすような行為をすること」に該当している。
原爆ドーム前は平和記念公園の玄関口である。平和を願い、世界から国内から広島市を訪れた多くの方はこの現実をどう見られたであろうか。
今年5月にはG7広島サミットが行われ、広島の名は世界中にけん伝され、これから多くの訪問客が8月6日に訪れることが予測されている。
8月6日は広島市にとって決して忘れてはならない最も大切な日であり、原爆の犠牲になられた方々の御(み)霊安らかなれと静かに祈る日でなければならない。
令和4年9月27日建設委員会において、広島市は「デモの参加者が集まっているだけで許可は必要ない」旨の見解を示したが、団体は団体の広報紙の中で自ら「規制をうち破り実力で集会とデモを闘い取った」と公言している。当日の状況は誰の目にも集会が行われていると判断すべき状況であった。
広島市平和推進基本条例に明記されている厳粛な平和記念式典の開催を実現するためにも、広島市は前記で述べた特定の団体が無許可の集会を行っている事実を認め、広島市公園条例に基づき無許可の集会を放置せず、原爆ドーム前の現状を解消するため、実効性のある対応に取り組んでいただくよう連署をもって請願する。