議会での質問・答弁

2023年06月29日

2023年第3回 6月定例会 経済観光環境委員会 藤本さとし

付託請願
請願3号安芸区上瀬野地区医療廃棄物積み替え保管施設の建設を計画している業者に医療廃棄物収集運搬業を(積み替えも含む)を許可しないことについて

公益的法人等に関する調査
広島地下街開発株式会社の経営について

付託案件外
インボイス制度について
上安産廃処分場問題について

付託請願
請願3号安芸区上瀬野地区医療廃棄物積み替え保管施設の建設を計画している業者に医療廃棄物収集運搬業を(積み替えも含む)を許可しないことについて

(藤本さとし)
 ただいまの請願第3号の件ですけども、私も医療機関に働いておりました。それで若干の心配について、関連の発言をしたいと思います。
 医療廃棄物につきましては、様々な医薬品が付着している、そういうことが考えられます。当然、毒性の高い間違えば少量でも死に至るようなそういう危険な物質が含まれることも考えられ、住民の方々が不安に思うのも当然であると思います。
 またこの地区内には、瀬野川公園がありますが、住民の方にお聞きしますと、その公園は広島市内からたくさんのゴミを運び込んで、それを埋め立ててその上に公園を作ったものと聞きました。その近くに再び危険な医療廃棄物を集めようとするものですから、住民の方々の拒否感は想像を絶するものがあるというふうに思います。ですから昨年度提出された請願では、地区内の世帯のほとんどが署名をされていたと聞いております。
 市が許可をするときに、これからのことになると思いますが、条件に合うかどうか、そういう基準だけではなくて、一つの地域に危険なものが集中しない、弊害のある施設をあまり集中させない配慮する視点も大事になるのではないでしょうか。
 この施設を計画している事業者は、県境を超えた岡山に本社があり、聞きますと、中国地方だけでなく、四国からも集荷をしていると聞いております。地域住民がこぞって反対されている当該運搬業の許可は絶対にされてはならないと強く私は求めるものです。
 事業許可の申請はこれからであると思いますが、申請があった場合の市の懇切な対応を求めて意見とします。

公益的法人等に関する調査
広島地下街開発株式会社の経営について

(藤本さとし)
 ただいまの公益法人等に関する調査ですけども、その中で広島地下街開発株式会社の経営についてお伺いをいたします。
 広島市地下街開発株式会社の経営状況を拝見しました。共産党がこれまでも度々指摘してきましたように、この経営が非常に厳しいということが事前に示しています。3年連続赤字経営であり、本年度も赤字予算をですので、4年連続の赤字になろうと思います。
 私は民間の医療生協の経理に関わっておりましたけれども、地下街開発は一つの経営体としては少し考えられないようないびつな経理内容に良いなってると思います。
 さて今年の収支予算では、コロナ禍の回復でテナント売上高が大幅に回復する計画ですが、今の現状はいかがでしょうか。
 また、同じ今年の予算で新規入店を5店計画をされておりますけれども、この進捗状況はいかがでしょうか。
 新規入店が遅れ、達成できなければ、当然に収支はさらに圧迫されると思います。当初から赤字の決算予想ですが、新規入店の達成状況等をお聞きをいたします。
 さらに今後、地下街開発株式会社の赤字は長期に続くものと思いますが、今後の改善計画の方向性、ここに力を入れて再検討もお願いしたいと思いますけれども、お聞きをいたします。

(産業立地推進課長)
 ご質問についてお答えいたします。まず、テナントの状況についてですが、本年度6月1日現在、74区画のうち17区画が空き店舗となっております。
 今後の予定ですが、現時点で7月および9月にそれぞれ1テナントの入居が確定しており、その他についても、数件のテナント事業者と入居を交渉中であると聞いております。
 また先ほどの局長説明にもありましたが、地下街周辺では、今年3月末開業しました広島ゲートパークプラザ、来年2月に供用開始予定の広島サッカースタジアムなど新たにぎわ施設が整備されています。
 地下街開発株式会社では、ますますの空き区画の解消に向け、こうした周辺施設と連携した多彩なイベント等を積極的に誘致することで、賑わいのある空間を創出し、テナント事業者にアピールできるような魅力的な地下街作りに努めていくとのことです。
 2点目、今後の改善計画の方向性につきましては、広島地下街開発株式会社では、平成18年2月市議会で承認いただきまして、同年3月に策定しました。経営改善スキームに基づき継続的な経営改善に努めてきています。
 本市としましても、今後も同スキームに基づき、広島地下街開発株式会社が長期的に安定した経営を行い、シャレオが多くの人々にとって安全で快適な魅力ある地下街なるよう指導してまいりたいと考えております。

付託案件外
インボイス制度について

(藤本さとし)
 まずインボイス制度について発言をいたします。ここは経済中心の委員会ですので、ぜひ皆さん理解いただきたいと思います。
 今年10月に実施予定時期を迎えますけれども、コロナ禍に加え、大幅な物価高騰に見舞われている零細事業者は、とても準備ができておりません。広島市としても、実施を大幅に延期するか中止を求めるべきではないかとの観点で質問をいたします。
 これまで、消費税を販売価格に転嫁する力が弱い課税売上高が1000万円以下の事業者には、消費税の基調、納税事務負担などにも配慮して、消費税の免税事業者とされ、これらの負担が軽減されてきました。これは零細事業者にとって、大変実情に合う制度であったと思います。
 ところが、免税事業者に適格請求書等を発行させないインボイス制度の導入は、それを一変させるものになると思います。適格請求書等が発行できなければ取引相手の課税事業者は、免税事業者分の消費税を実質追加で負担せざるを得なくなり、取引上不利益になります。つまり、免税事業者との取引は、躊躇をせざるを得ない。そういう存在となるわけです。
 私も免税事業者として、同じ立場に立っております。私は兼業農家ですが、母親が高齢で作付けできなくなった畑に太陽光パネルを並べて、本当に小規模ですが発電事業を営み、中国電力に売電をしております。
 昨年の10月頃に中国電力の太陽光発電の購入担当部門から一通のはがきが届きました。そのはがきには、消費税のインボイス制度が始まるので、小規模な事業者の方にも消費税の課税業者としての登録を極力してもらいたい。そういう内容の要請でした。
 その内容に他からの抗議があったのでしょうか、その後しばらくして再びはがきが私のところに届き、インボイス制度の発足に当たり、事業規模に見合った適正な手続きを取られるよう注意を促す内容に訂正されていました。
 私は最初のはがきを受け取ったときに、私の売電収入は年間約90万円ぐらいにすぎませんが、課税事業者の登録をしないといけないのかな、事業継続を申し込むときに中国電力から事業継続を断られたり、不利益な扱いをされるかなと、そういう心配をせざるを得ませんでした。そう思わせたかったのが、はがきを送られた担当者の本音ではなかったでしょうか。
 当分の間私もそう思っておりましたが、2枚目のはがきが届き、それを受け取って、やはり私は課税事業者の届けはしなくていいんだと思えるようになりました。このように、親会社や取引相手から適格請求書等を発行してほしいとの思いを受ければ、零細な事業者は、私のようにどうしようかと悩む困る事業者も多いのではないでしょうか。
 事業者を、課税事業者と免税事業者に分け、大手企業にとって、免税事業者と取引すると不利になる。そのような2事業者間を分担するようなインボイス制度は、社会経済を混乱させ経済に無用な対立を持ち込むものであると思います。インボイス制度の導入をせずに、これまでの制度を続けてはなぜいけないのか。消費税制度のもとで確定売上高が1000万円以下の事業者は、非課税にしてもこれまで何も混乱なく、消費税のそれなりの徴収ができ、社会経済運営もできてきました。
 ですから、インボイス制度についてはこれまで、商工会議所を初め、全国中小企業団体中央会、中小企業家同友会全国協議会、全国商工団体連合会、日本チェーンストア協会、日本漫画家協会、日本アニメーター演出協会、日本SF作家クラブ、日本脚本家連盟、日本児童文学者協会、日本シナリオ作家協会、日本図案家協会、日本美術家連盟、日本美術著作権連合、全国青色申告総連合、日本税理士会連合会など、様々な団体や多くの個人から、実施中止または延期を求める声が上がり、懸念が表明されてきました。
 また経済団体以外にも、漫画家や作家、文学者シナリオ作家美術家など、個人の技能を生かして活動される多くの人々が声を上げられております。
 市の担当者はこのような免税事業者の置かれた厳しい立場がわかるでしょうか。そういう視点で、公平な市政運営をしてほしいと思いますがいかがでしょうか。
 インボイス制度の実施は今年10月を当面延期して、再検討すべきであると、このように私は思いますけれども、市のお考えをお聞きいたします。
 現在免税事業者は、私が聞いた数字で全国で488万人だったそうですが、内インボイスで影響を受ける事業者、インボイス登録をしないと仕事ができなくなる、または不利な扱いになる事業者は、488万のうち161万、3分の1いると言われております。
 それらを法人との取引が多い事業者や、法人からの委託を受けて事業や業務をしている人、事業者が実施するプロジェクト例えば映画作成やテレビ番組の制作、コンサート、演劇などで依頼を受けて行う業務を行う人などが考えられております。これらの人々は、通常、年間の手取りは、給料ぐらいで数百万、2、300万という方が多いと思います。消費税込で取引をされていると思いますけれども、これまで大半が免税事業者であり、消費税の納入をすることは、ありませんでした。
 ところがインボイス制度が導入されると、こういう人々にも課税事業者として選択せざるを得ないということが起こり、10%の消費税分を納入せざるを得なくなります。これらの方々は仕入れ控除もほとんどないでしょうから、10%丸々消費税負担になるということになると思います。
 このような影響を受けざるを得ない方々は、小規模な商工業者とか、ひとり親方、あるいは作家、漫画家、アニメーター。美術や音楽などのアーティスト、舞台に関わるフリーの人、赤帽やUberEatsなどの方々が考えられますけれども、どれも経済的には非常に弱者です。
 インボイス制度の導入で事業をやめざるを得ない人たちが相当出てくることが心配をされます。そういうことが続出すれば経済だけでなく、テレビや文芸の素晴らしい作品が作れず、日本の文化にも影響が出てくると思います。
 以上インボイス制度の実施強硬は、現在でも困難を極めている零細な事業者の経済文化活動に一層大きな困難を、新しい日本の多様な文化芸術の成長と発展にも悪影響を与えることが避けられないものとならざるを得ません。それは日本社会の停滞をもたらすんじゃないでしょうか。
 改めてインボイス制度の実施を当面延期し、多面的な視点で国民的な再検討を促すよう、私としては要請するものです。
 それで質問ですけれども、政府がそれでも政府が予定通り実施した場合には、対象となる事業者に対して、親身で細かい支援を積極的に行っていくことも求められると思います。指導でのそういう支援とともに、実際にはパソコンとか計算機も必要になってくると思いますので、事業者へのそういう設備支援なども行ってほしいと思いますけれども、市のお考えをお聞きします。2点の質問となると思いますが、よろしくお願いいたします。

(経済企画課長)
 まずインボイス制度の実施に係る市の考えについてですが、本制度は消費税の軽減税率の導入に際し、適正な課税を確保する観点から、国会の審議を経て導入が決定されたものであり、実施の延期および再検討についても国において適切に判断されるべきものと考えております。

(ものづくり支援課長)
 インボイス制度に係る本市の事業者への対応については、広島市中小企業支援センターのホームページにインボイス制度の特設リンク集を設置するとともに、同センターの窓口相談や専門家派遣において、税理士等の専門家が事業者からの相談に対応しています。
 設備投資への支援については、国においてインボイス制度への対応に当たり、IT導入補助金や小規模事業者持続化補助金の活用が案内されております。
 同センターでは、事業者からこれらの支援メニューの活用について相談があった際には、申請書等の作成支援などを行っており、今後も引き続きこうした支援を実施してまいります。

(藤本さとし)
 インボイス制度について、市として多くの事業者が困られるということも免税事業者もありますので、その考えを国に対して何か伝えるということを思いはありませんでしょうか。

(経済企画課長)
 経済観光局としましては、中小企業等への支援に係る国への要望について、これまでも指定都市市長会などを通じて要望を行ってきたところでありますが、インボイス制度の運用に関する要望につきましても、他都市等の意見も伺いながら、必要性等を検討していくことになると考えております。

(藤本さとし)
 先ほど機器等についても答弁ありましたけれども、実際にはやはり多くの事業者がパソコン買ったり、整備したりということが起こります。国の支援制度もありますが、市としても積極的な支援をお願いしたいと思います。機器等についても積極的な支援をしてほしいと思いますが、いかがでしょうか。

(ものづくり支援課長)
 先ほどもご答弁申し上げましたように、機器等への支援につきましては、国のIT導入補助金や小規模事業者持続補助金こうした制度を活用していくことが考えられますので、この申請の手続きに際して、事業者が応募しやすいように相談に応じたり、支援を行ってまいりたいと考えております。

上安産廃処分場問題について

(藤本さとし)
 それではもう一点のことですけれども、安佐南区上安地区の産廃廃棄問題についてです。この問題では、前回3月の予算特別委員会で、中原ひろみ議員が質問をしておりますので、それをもとに、私も4月に現地を視察しました。現地の厳しい状況も見ていただきながら、再度質問をさせていただきます。
 これが上安地区の埋め立て、最近の中国新聞にも不適切盛り土ということで、記事が載っておりましたけれども、その現場です。
 これは谷の方から写した、この上に大規模な開発がしてあります。私も4月にここを視察して、盛り土がもう一部流れているというのがくっきりと現れております。それとともに、こういう集水管が盛り土に設置されてまして、そこの下から水が流れているというものです。
 この水が下の方に行くとどうなるかというと、このように谷が黒くなっております。こちらの谷は、他の谷から流れてくるところで、こちらは全く色がついておりません。自然のままです。
 ですが、埋め立てた土砂、堆積物の下から流れてくる水は黒々といろんなものを含んでいると思います。
 これが現地の様子ですけれども、ここに堆積している土砂は最近の新聞報道でも15万4000立米と、流れた熱海市の盛り土の約3倍。しかも現在では、山の上が切り取られて平面になり、そこを切り取られると、水がそこから入ってきますので、一層流れる危険が多くなります。今梅雨ですからこれからたくさん雨が降ってくる可能性がありますので、早急な対応が求められます。
 今年3月の委員会での答弁では、この盛り土の所有者は明らかになっていないとのことでしたが、所有者は明らかになったでしょうか。
 また、安全性把握調査の開始時期は、県で調整中と前回お聞きしておりますけれども、市と県の対策の分担はどうなりましたか。県と市でしっかり連携をして、早急に進めていただきたいと思います。
 3月の委員会でも、次回6月の委員会までに具体的な調査や対策が進むよう要請したと思いますが、いかがでしょうか。
 3月の委員会でも、現地の様子は、周辺住民から、においがし泡立っていると先ほど写真で示した通りです。そういう異常を感じて市に対して指導調査を求めてこられたと思います。
 3月の委員会で、中原議員が発言しましたが、弁護士が2022年10月に廃棄物処理施設による環境被害の防止をするために、施設設置許可にあたり、環境配慮手続き条例、これは弁護士会が提案したものですが、そういうものの制定を求める会長声明を弁護士会が出しておられますけれども、環境や安全面で市民が被害を受けることがないよう、当事者企業として、地域や住民に対して十分な環境配慮をしなければならない。そういう条例の制定の検討を再度求めます。
 配慮手続き条例を作り、地域住民などに懇切な説明がある当たり前の市政に前進していただきたいと思います。

(森づくり担当課長)
 まず1点目の県市の役割分担はどのようになったのかについてお答えします。
 盛り土の安全対策については、県市関係部署において連携して対応しているところです。
 上安産業廃棄物最終処分場の周辺盛り土につきましては、県においてこれまでに実施した盛り土による災害防止のための総点検での対応に引き続き、安全性把握調査を実施し、市がその調査結果への対応を行うことで進めているところです。

(産業廃棄物指導課長)
 環境配慮手続き条例を制定し地域住民などに懇切な説明があるのが当たり前の市政に前進してほしいと思うがどうかとの質問にお答えいたします。
 環境配慮手続き条例については、昨年10月に広島弁護士会から声明が出されており、その内容としては、広島県や本市では、産業廃棄物処理施設の設置許可に先立った事前手続きに係る要綱が設けられているが、その実効性を担保するため、これらの条例を制度化するように求めるものでありました。
 本市における許可申請前の手続きについては、これまで要綱に基づく事業者への指導により、地元住民への事前説明が適宜行われるなど、十分対応ができていることから、弁護士会の声明を踏まえて、直ちに条例を制定する必要はないと考えていますが、こうした条例を運営を運用している自治体からの情報収集を行いながら、県との連携の要否なども含め、検討を行っているところです。

(藤本さとし)
 やはり弁護士会が提案したように、地元住民に十分な説明をされていると今言われましたけれども、私の体験でも、私の地域で説明したと業者が言ってることがありますが、紙を1枚配っただけなんですね。
 そういう現状があるわけですから、やはりきちっとそういうきちっとやらなければならないような条例を作って、広島市も市民が本当に困ることがないようなそういう市政運営に前進してほしいと思いますが、手続き条例の検討を再度求めます。私の注文ということで、以上で終わります。

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