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(藤井とし子委員)
請願13号について、幾つかお尋ねしたいと思います。
まず、7月3日の静岡県熱海市での豪雨による土石流災害で、今も行方不明の方の捜索が続いております。被害に遭われた皆さんには、本当に心からお見舞いを申し上げるところです。
今回の被害の検証が今も進められているということです。テレビや新聞報道でしか、私たちも分からないんですけども、この計画は当初の届出以上の埋立ての容量だったとか、排水処理施設が見付からないとか、建設残土以外のごみもあったとか、行政がいろいろ指導したけれども事業者は従わなかったとか、こういう指摘が報道されています。土石流の半分以上が盛土の土砂だったということから、本当にこれは自然災害というより人災だと思わざるを得ないと思っているわけです。異常な集中豪雨が本当に頻繁に起こる中で、こうした山を切って行う埋立てや盛土の危険性は今一層大きくなっているのではないかと思っているわけですけれども、住宅地の上部でこういった盛土の建設計画がどんどん許可されていくっていうのは、本当にどうなのかとずっと前から思ってるわけです。
今回、この請願の案件もそういうことにならないようにと私も思っているわけです。改めて伺いますけれども、現在こういった宅地造成以外の盛土っていうのは、市内にどれぐらいあるか。もし把握されていて今答えられるのであれば、ちょっと教えていただけますか。
(森づくり担当課長)
私どもは、先ほど請願の内容にございました林地開発許可を所管しております。この林地開発許可制度の中で、ただいま許可している件数は23件でございます。
(藤井とし子委員)
地域住民のほとんどが知らない間に、地権者が事業者と契約を交わすわけですから、本当にいつの間にかというふうな実感を皆さん持ってらっしゃると思うんです。どんなものが埋め立てられているのか分からない。また、途中で所有者が替わって、埋め立てられる内容も変わる場合があると。熱海市が正にこういう例だと思うんです。広島市の場合、こうした変更は、市に変更届を出すようになっているんでしょうか。
(森づくり担当課長)
事業計画内容に変更があった場合には、変更許可申請を提出することを求めております。
(藤井とし子委員)
それともう一つ聞くんですけども、周辺住民への説明は必須要件になっているんでしょうか。
(森づくり担当課長)
この林地開発許可制度では、森林法に基づき許可条件等を定めておりますが、地域住民への説明は必須要件とはなっておりません。
(藤井とし子委員)
だから、許可するに当たっては、住民への説明が十分されていなくても、こういうのは通っていくということで間違いないんでしょうか。
(森づくり担当課長)
この林地開発許可制度の中では、確かに必須要件にはなっておりませんが、農林整備課としましては、住民への説明は非常に重要だと考えております。行政指導の中で、事業者には、強制力はありませんけれども、地域住民へ丁寧に説明するように指導を行っているところでございます。
(藤井とし子委員)
説明をするように指導はされているということなんですけど、皆さんが合意することは条件にはなっていないということをちょっと確認します。
(森づくり担当課長)
最終的な地域住民の同意は必須要件となっておりません。
(藤井とし子委員)
結局、合意が条件になっていないってことで、こういうものがどんどんできてしまうということが言えるんじゃないかと私は思うわけです。
それで、もう一つ聞くんですけども、人工的に建設残土を埋めた盛土が崩壊した場合、復旧工事はどこが責任を持つのか、いかがでしょうか。
(森づくり担当課長)
実際に盛土が崩れて災害になった場合という御質問ですけれども、その状況によると思います。事業者に瑕疵があれば、事業者がその復旧を担うことになると思いますし、その状況によって判断されることになると思います。
(藤井とし子委員)
状況によってということなので、はっきりよく分からないんですけども、結局事業者に瑕疵があればということなんですが、そこの判断が非常に難しいことになるのではないかと思います。熱海市の事件も、今まだ検証をされているところですけども、結局復旧もそうですけども、被害を受ける住民にとっては、とても取り返しがつかない。人が亡くなったりすればとんでもない話ですので、例えば少なくとも住宅地の上部には認めないようにするべきだというふうに私は思います。森林法に基づく開発許可と、広島市では土砂堆積等規制条例ができていますけれども、熱海市のケースのような場合、防ぎ得ただろうかとやっぱり思うんです。この点について、もしお考えがあればお聞きしたいんです。
(森づくり担当課長)
この度の熱海市の土砂災害の件を踏まえて、国、県がこれから調査を進めていくというふうになっております。国、県の動向を見据えながら検討していきたいというふうに考えております。
(藤井とし子委員)
国、県、市も含めて是非検討を。この土砂堆積等規制条例ができて20年近くなると思うんですけども、それ以降、気候が変動し、著しい豪雨が相当な量降るというのが毎年起こっているわけです。住民の暮らしを脅かすような盛土の埋立て、谷埋め盛土というようなことに対しては、条例を見直すことも含めて、是非しっかりと検討していただくよう要望して終わります。