議会での質問・答弁

2022年12月13日

2022年第9回12月定例会 文教委員会 中森辰一議員

請願第39号 学校給食への公的補助を強め、完全無償化を求めることについて

請願第36号 「広島市青少年センター」が大幅な規模縮小をすることなく、現在の機能を維持し存続できるよう求めることについて

請願第10号 児童館・放課後児童クラブの「公設・公営・無料」を守り、さらに充実させることについて・請願第28号 放課後児童クラブ利用料有料化の理由と「サービス向上策」について保護者に説明し、保護者の意見を聴く「説明・懇談会」の開催を求めることについて・請願第30号 保護者会が行う「説明・懇談会」に出席し、利用料有料化の理由を説明し、保護者の意見を聴きとることを求めることについて・請願第38号 放課後児童クラブ利用料有料化にともない経済的理由で入所できなくなった子どもの居場所が確保できるまで、有料化の実施の延期を求めることについて

請願第39号 学校給食への公的補助を強め、完全無償化を求めることについて

(中森辰一議員)
 まず学校給食費の問題です。全国の市町村の中で何らかの形で無償化をしているところはもう271市町村を超えております。この中で小学校だけは6市町村、中学校だけ無償化しているというところが11市町村となっております。これが急速に増えてきている。こういう状況があるということについて、教育委員会としてはどのように受けとめておられるでしょうか。

(健康教育課長)
 文部科学省が2017年に実施しました調査によりますと、当時の全国1740の自治体のうち、小学校中学校ともに無償化を実施していたのは全体の4.4%の76自治体でしたが、現在は新型コロナウイルス感染症対応地方創生臨時交付金を財源として活用するなどして、200以上の自治体が学校給食費を無償としていると聞いております。
 こうした自治体が増えているのは、子育て世帯の経済的負担を軽減することにより、少子化対策に繋げようという動きの表れであると受け止めております。

(中森辰一議員)
 今言われましたように2017年文部科学省が調査したときの数が76市町村でありました。それから5年で、先ほど私が言いました数字で見ますとですね、4倍になっているわけですよね。大きな理由は先ほどの答弁でありました少子化対策。子育て支援を強めていきたいという、そういう必要があるので、やっているということなんです。
 差し当たって、その国の交付金を活用する。それでスタートするというところもあるんですけども、その中でもこれを恒常的な制度にしていく。交付金がなくなったときはその自治体としての一般財源を使ってやっていくという判断をしているところもあります。
 そういう点で、この子育て支援策を強める必要という点について、市としてはいかがお考えでしょうか。

(健康教育課長)
 子育て支援策につきましては、令和2年11月の安心社会作り対策特別委員会で示された子ども子育て支援施策の充実に当たっての考え方の通り、支援施策を全体としてさらに充実するとともに、将来にわたって安定的に運用できるように進められているものと認識しております。

(中森辰一議員)
 だから支援策を強めていく、そういう方向性についてはこれは一致しているということなんだと思いますね。
 学校給食の無償化ということについては政令指定都市は実施例がありませんけれども、青森市とか岩国市に続きまして来年度からは、千葉県市川市とかですね葛飾区、こういった中、人口50万人規模の比較的大きな自治体も無償化を決めているわけですね。
 広島県ではまだ実施例ありませんけれども、この辺りもですね、全国的な流れといいますかね、そういうものが起き始めて、そういうことはぜひご留意いただきたいと思うんです。
 そこで単純化するために小・中学校を一つにして考えてみようと思うんですけども、今年5月1日時点での広島市立の小学校、中学校の児童生徒の数を合わせて何人でしょうか。

(総務課長)
 令和4年5月1日現在の広島市立小学校の児童数は6万3396人、市立中学校の生徒数は2万8482人、中等教育学校前期課程の生徒数は355人で、合計で9万2233人です。

(中森辰一議員)
 今年度の小学校中学校にかかっている費用はないだけだろうかと考えてみたんですけれども。市教育委員会としてどれだけ小学校中学校に経費がかかっているかと。こういうふうな聞き方をしたらどうお答えになるでしょうか。

(総務課長)
 令和4年度予算で申し上げますと、教職員の人件費、光熱水費などの管理費、施設の改修費など学校の管理運営に係る小学校費が約417億円。中学校費が約220億円。これに主に学校給食に要する経費など、保健体育費を先ほど申し上げました児童生徒数で案分した費用を加えますと、小学校では約462億円。中学校では約240億円となります。
 なお、これを令和4年5月1日現在の児童生徒数で機械的に割った金額は、小学校では児童1人当たり約73万円、中学校では生徒1人当たり183万円となります。

(中森辰一議員)
 今回学校給食を無償化したというときにかかる費用はこれは本会議でも聞いているわけですけども、追加で32億円かかりますというこういうお話だったと思うんですよね。32億円ということになります。今答弁いただいた小学校中学校合わせておよそ700億円。いうことですので、大体5%弱ということかなと思うんですよね。それぐらい行政の新たな負担が増えるということになります。
 これをどう見るかということなんだろうと思うんですよね。広島市は200万人都市圏構想を掲げるときに第1の問題として人口減少ということを出しておりました。現状では何もしなければ急速に人口が減少していく。様々な手を打って、人口減少を抑制していくということが一番最初にうち出されていたと思うんですよ。私はそのことを考える際に、一番やらなければいけないことは、いかに子育てをしやすい都市にしていくかということだと思います。それは結局、子育てにかかる経済的な負担をいかに軽減していくかということに尽きるんではないかなと思います。
 広島市は大都市ですから、いろんなものは大体揃ってきております。足りないのは、やはりこの子育て支援というところがまだまだ遅れているんじゃないかということなんだと思います。残念ながら今の政治は格差を拡大をしてきました。とりわけそのしわ寄せが若い世代に表れていると思います。そういう中で子育てをしたくても大きな負担を考えると二の足を踏むいう事態が広がっています。積極的に子どもを産み育てたいと思っている世帯でも、先ほども説明がありましたようにですね、2人までが限度だと三人目は難しいと考えておられるところが多い。こういう状況であります。人口を増やそうと思えばですね。2人ではなくて3人以上。育てていく、こういう流れができていかないといけないんじゃないかなと思うんですよね。出生率は2を超えないといけないわけです。
 しかし現実には、経済的な現状を考えると子どもは産めない。こういう若い世代が多いこれが実態だと思います。子どもを産むかどうかっていうのはこれはもうそれぞれの家庭が自分たち自身で考えていくことであります。人口増やさないといけない。少子化に歯止めをかけないといけないと考える行政の側、社会の側ができるのは、子どもを産み育てるための条件をいかに整えていくかということだけなんだろうと思います。私は子どもたち1人当たり先ほど説明があったようなですね。大体5万円程度、5万円前後、こういう経済的負担を減らす程度のことはですね、当然やっていく方向というのが考えられるべきではないかなと思うんですけども、この点はどうでしょうか。

(健康教育課長)
 先ほど委員の方からご指摘ありましたように、1人程度の負担額は約小学生ですと5万円程度、中学生で6万円程度は年間負担しているいただいているという形になりますけれども、1人当たり数万円程度という、あの御指摘ですけれども、本会議で教育長がご答弁申し上げた通り、学校給食費の完全無償化を実施しようとすれば、全体で令和3年度の決算額ベースで申しますと約32億円という大きな額の財源が必要となり、今後、中学校に全員喫食の給食を順次導入していくことで必要な財源をさらに増えていくことになります。
 また、先ほど申し上げました子ども子育て支援政策の充実に当たっての考え方の中でも示されていいる通り、学校給食費の無償化といった国民における公平性確保の観点から、統一的に実施すべきものは基本的には国において財源が措置されるべきものと考えております。
 このため本市では学校給食法第11条で定められた経費分担の原則にのっとり、食材費は学校給食費として保護者に負担していただくことを基本としつつ、子育て世帯の実情を踏まえて必要な支援を行っていきたいと考えております。

(中森辰一議員)
 本来国の責任、これはもう当然これは共通認識だと思うんですよね。自治体はその法律、国が作った法律に基づいて基本的には教育行政というのもやっているということなんだと思います。この大学校給食費の問題も、これはやはり自治体でも国の方でも考えていく最終的にはこれは基本的にはね、国がやらなければいけないことは、ただ国はやってません。残念ながら。岸田内閣が子育てへの支援を広めていくと、皆さんも増やすんだと言っておられますから、そういう中でこれがどう扱われていくかっていうのはあるんですけれども、さしあたってこの自治体としてね、どういうふうなことをやっていくかということなんだろうと思うんですよ。
 先ほども言いましたけれども、フランスの取り組みがあるんです。社会としてこの問題と関わっていくかということなんですけど。かつてフランスでも少子化というのは急速に進んでいたわけですね。ご存知だと思います。今は出生率2を超えるようなそういうところまで戻しているわけです。そのためにどういうことをやったかということですけれども、子育てをする家庭にとって子育てをしていても経済的には子育てをする前と変わらない。そういう状況を作ったということなんです。
 つまり、子どもを産み育てるためのあらゆる費用を社会が負担するこういう仕組みを導入した。子どもを産み育てるための経済的な負担を取り除いたことでですね、子どもを産み育てたいと考える若い家庭が増えてきたしまたその家庭が増え育てる子どもの数も増えていったということなんだと思いますね。その、そういう子どもたちを産みたい育てたいと願う保護者たちが経済的な負担をしなくても済むように、そういう心配をしなくても済むように行政は手立てをしっかりとるということは一番の決め手だということなんだと思います。
 学校給食費の無償化を実現したからと言って国の社会で子育ての経済的負担がなくなるというわけではありません。もっともっと幅広くやっていく必要があると思いますが、、さしあたってね、広島市の行政としてしっかりしっかりそれを応援するんだという、こういう姿勢を示すという意味でも先ほど200万人都市圏構想のことも言いましたけれども、この子育て支援という分野をどう強めていくのか。いうことで言いますとその行政としてやるべき重要な施策の一つが学校給食費の無償化ではないんだろうかと思っています。
 家庭によっては結構大きな負担ですからこの点はですね、これから行政の課題としてきちんと位置づけて考えていただきたいと思うんですけど、この点どうでしょうか。

(教育次長)
 今委員からいろいろおっしゃっていただきましたように、少子化対策として子育てを社会全体で支えていこうという大きな流れがあるということは承知しておりますし、我々といたしましても将来を担う将来世代に担う子どもたちを先ほどおっしゃいました安心して産み育てできるような環境を整備していくことは当然重要な政策課題とは認識いたしております。
 一方で右肩上がりの時代ではなくなってきている中におきまして、例えば幼児教育保育の無償化のように、国民における公平性の観点から統一的に実施すべきものは、基本的には国の責任において財源が措置されるべきものでございまして、学校給食費の無償化についてもそういったものの一つであると考えております。
 こうしたことから現時点では学校給食法で定められた経費分担の原則にのっとり先ほど申し上げました通り、食材費分は保護者にご負担していただくことを基本としつつ、子育て世帯の実情を踏まえて必要な支援を行っていきたいと考えておるところでございますが、先日与党内で給食費を含めて義務教育に係る費用の無償化を議論するプロジェクトチームを立ち上げるといったような報道もされておりますので、税制を含めた国政レベルでの議論が今後進められていくといったような話であると思っておりますので今後はこうした国の動向も注視してまいりたいと考えております。

(中森辰一議員)
 いろいろ今議論されている通り、コロナの問題でも、それから今の物価高騰の問題でも、市民の暮らしの苦しい状況はずっと続いていますそれは当然、若い家庭も例外ではないし、より厳しいのかもしれません。そういう中で、この子育て支援ということもちろん今おっしゃったようにですね、全国的な統一的な課題だと思います。ただそういう中で、しかしその国を待っておれないというところもあってね、全国でいろんな取り組みが行われてきている。その一つがこの今回の学校給食無償化だと思うわけです。
 目指す方向て基本的には変わらないんだと思うんで、問題は財源をどうするかとかですね、こういうふうなことが出てくるんだと思いますので、具体的にはそういうこと方向性というものですね、行政としても、広島市の行政としてもぜひ。考えていただきたいと思っております。今日はこの程度にさせていただきます。

請願第36号 「広島市青少年センター」が大幅な規模縮小をすることなく、現在の機能を維持し存続できるよう求めることについて

(中森辰一議員)
 次に、青少年センターに関する請願と陳情が出ております。これについても発言いただきたいと思います。あと馬庭議員の方からもありますので、私の簡潔にさせていただきますが、この度ですね、後陳情請願を出された方たちが、参考資料として、利用する団体の状況や利用している人たち、かつて利用していた人たちの思いを載せた資料を持っておられました。
 コロナの問題もあるからだと思うんですけれども、この3年間、登録団体は減少傾向になっておりますが、青少年センターの登録団体は今でも500団体程度あるんですね。このコロナの期間に100余り減っていると思いますけれども、そういうところが平均して大体月に5回程度は利用しておられると思います。学生も含めてアマチュアやアマチュアに近い形で活動している青少年、こういう人たちが練習場所としてあるいは発表の場所としてよく利用しておられます。
 10代20代の若い人たちが自分の可能性を伸ばす場として多くの若者たちと交流し、社会人として活躍する基礎的な力を培うとして、あるいは勉強する場所、平和学習を行う場所、修学旅行生が被爆者や伝承者の話を聞いて核兵器廃絶への思いを養う場として大事な役割を果たしてきた施設だと思います。広島市はこの施設の果たしてきた役割をどのように評価しておられますか。

(育成課長)
 青少年センターは、未来を担う青少年が自主的社会性を身に付け、自立した大人へ成長するため、また文化芸術を通じて豊かな人間性を涵養し、創造性を育むための重要な役割を担っている施設であると認識しております。

(中森辰一議員)
 これまでの施設の機能、青年たちが練習し交流し、自分を磨いていく活動、これからもこういうことができるように修学旅行生たちが平和学習する場所としても重要な場所だと思いますし、そういう場所をとして責任を持って確保していくということについては、これは前向きに取り組んでいくということだと考えてよろしいんでしょうか。

(育成課長)
 青少年センターの再整備におきましても青少年の多様な活動の場として施設本来の役割を果たす機能について確保できるよう努めてまいります。なお、議員からご紹介のありました修学旅行生たちの平和活動の場ということでございますが、これは昼間の空き時間帯にそうした平和学習の場として利用されているという実態もありまして、引き続きこうした施設の有効活用も図っていきたいと考えております。

(中森辰一議員)
 請願者や利用者からはですね、もっと利用できる部屋を増やしてほしいそういうような声も実は上がっておりました。が少なくとも今の青少年センターとして、これはホールの問題はありますけれども、現状のスペースは確保する必要があると私は思うんですけども、この点はどうでしょうか。

(育成課長)
 令和3年度の青少年センターの部屋別の稼働率をちょっと見てみますと、ホールにつきましては27.8%、和室や陶芸実習室といった用途に限られている部屋などにつきましては23%、会議や研修、ダンス活動にも使える部屋は57%となっております。青少年センターの整備に当たりましてはこども文化科学館との集約複合化の方針のもと、稼働率の要素も加味しながら、青少年の多様な活動機会を確保できるよう検討していきたいと考えております。

(中森辰一議員)
 集約複合化という問題なんですけれども、9月議会の本会議で市長が答弁をされた中で、中央図書館等の移転対象から子ども図書館を切り離すことになったわけですね。その際に、子ども図書館とこども文化科学館の施設、先ほど答弁されたようにですね、青少年センターの機能を入れ込んでいくんだというみたいなことも言われておりました。
 けれども、この二つの機能っていうのは、子ども図書館とこの文化学科は今の建物の中でいっぱいなんだと思うんですよ。追加で青少年センターの機能を入れこむよって言ったらこれはこれは難しいと誰でもお考えになるんじゃないかと思うんです。そういう点では何を言ってるんだろうかと、難しい気持ちを持ってる人たちがたくさんおられると思うんですよ。青少年センターの機能の全部ではないけれども、今答弁されたように、一定の機能を維持するという考えは示されております。どのようにして維持していくのか。子ども図書館のこの施設私は無理だと思いますけれども、ならば新規に建てるか、子ども図書館などの施設以外に移転するしかないと私は思うんですけども、市としてはどのように考えておられるんでしょうか。

(育成課長)
 青少年センターにつきましては、本年12月、今月ですね、都市活性化対策特別委員会におきまして、こども文化科学館のリニューアルにあわせてその拠点的な機能を確保するとともに、青少年の文化芸術に関わる自主的な活動の場としての機能について他の公共施設も活用することの検討を進めていると報告をさせていただいたところです。
 現在総合福祉センター、まちづくり市民交流プラザ、区民文化センター、公民館などにつきまして、施設の稼働状況などを踏まえ、青少年が利用する際の課題を整理しているところでございます。今後市民局など関係局と連携を図りながらこうした検討を進めてまいりたいと考えております。

(中森辰一議員)
 ダンスの練習とかに合わせて施設のありようを改善したりとかいうようなこともしてきていると思いますから、他の施設を使うということであれば、そういうふうなことも勘案した上で、今の使い方を損なうことがないような形でやっていく必要があると思います。
 この請願者が望んでいらっしゃるようなことも含めて、ぜひご検討いただきたいと思います。

請願第10号 児童館・放課後児童クラブの「公設・公営・無料」を守り、さらに充実させることについて・請願第28号 放課後児童クラブ利用料有料化の理由と「サービス向上策」について保護者に説明し、保護者の意見を聴く「説明・懇談会」の開催を求めることについて・請願第30号 保護者会が行う「説明・懇談会」に出席し、利用料有料化の理由を説明し、保護者の意見を聴きとることを求めることについて・請願第38号 放課後児童クラブ利用料有料化にともない経済的理由で入所できなくなった子どもの居場所が確保できるまで、有料化の実施の延期を求めることについて

(中森辰一議員)
 最後ですが、放課後児童クラブのについての請願について発言をさせていただきます。請願者が、教育委員会の放課後対策課が有料化を判断するにあたって、どのような議論を経てそうなったのか知りたいということで、その会議録の公開請求をされました。
 そうしたらですね、会議のレジメも検討資料も会議録もないと回答されたということなんですね。教育委員会は重大な問題を検討し決定する過程を公文書に残すということをしないのか。資料を使って検討するということをしないのか。単に感覚だけで議論をしているのか、こういうふうな疑問が出されておりますが、どうお答えになりますか。

(放課後対策課長)
 放課後児童クラブについては、平成27年度以降、対象児童が全ての学年に拡大され、利用者数だけでなく、利用率も年々上昇しており、このままでは運営経費は年々増加していくと見込まれたことから、今後サービス水準維持しながら持続的に運営していくことが困難になるとの考えに至ったもので、具体的な数字を積み上げて石油積算したものではありません。そのため、持続的運営が困難になる財政根拠を示した議事録の開示請求に対しては回答する議事録はないと回答したものです。
 放課後児童クラブのサービスの充実および利用者負担の導入については、平成30年11月に実施した保護者アンケートをもとに、令和元年12月の大都市税財政地方創生対策特別委員会において、広島市行政経営改革推進プランの中の項目として、検討の方向性を示し、令和2年11月の安心社会作り対策特別委員会において、子ども子育て支援策の充実に当たっての考え方を踏まえた具体的な施策の見直しの方向性を示し、さらにその後利用料金の設定や負担軽減策、具体的なサービス向上策の内容を検討したものを令和3年9月の文教委員会でお示しするなど、これまで市議会に対して検討の段階ごとに資料を提出して説明し、ご意見をいただきながら進めてきたところです。

(中森辰一議員)
 1回の会議で決めたわけじゃないというご答弁だったと思いますけれども、最終的にどうするかという結論を出した会議は当然あったと思うんですよね。その辺りがどうだったのかというふうなことがあると思います。
 それから放課後児童クラブの保護者会に市が有料化の説明をした際に、子どもの数がこれからも増えるという説明をされた。子どもの数と言いますか、この放課後児童クラブの利用児童数、これから若干増えるにしてもですね、ほぼピークなんではないかなと思います。これからは利用児童数も減少していくっていうのが市としては基本的な見方ではないんだろうか。全体として子どもの数は確実に減ってきているわけです。保育園の利用児童数の見通しが、これからは減少するということで、公立保育園の統廃合が今検討されて、具体的に進められております。
 そういうことを考えても、放課後児童クラブの利用児童数も今後、減少傾向になっていくのは避けられないと思うんですけども、この点はどのように説明しておられるでしょうか。

(放課後対策課長)
 全体の児童数は緩やかに減少している中にあっても、放課後児童クラブについては、申込率が年々上昇し、利用者数も増加している状況です。こうしたことから、令和4年11月29日に実施された保護者団体が主催する懇談会において、利用者数はしばらくの間緩やかに上昇し、その後横ばいに転じるものと見込んでおり、ここ数年で減少に転じることは想定していないと説明をしたところです。

(中森辰一議員)
 将来的にはどう考えてらっしゃいますか。

(放課後対策課長)
 現在私どもが推計している数字で申しますと、令和8年度まで緩やかに上昇すると見込んでおりまして、その後令和15年まで集計をしているところですがその間横ばいが続くと見込んでいるところでございます。

(中森辰一議員)
 具体的な根拠を示して説明をしていくということが必要なんだと思います。それでこれまで本会議でも紹介されたんですけれども、利用している保護者にアンケートをした中で、サービスが向上するなら、有料化もやむを得ないという回答も多かったということが説明されておりましたけれども、実際はそのアンケートの回答率というのが非常に低かったということが指摘をされています。わずか2割そこそこだった。
 そうしますと、有料化もやむなしと具体的に回答した保護者の比率というのは実際はわずかではないかと思います。そうは言っても、有料化の前提としてサービスの向上ということがあるわけですよ。現状の放課後児童クラブの実態があまりにもひどいから、それこそサービス向上してほしい、これは保護者の切実な願いなんではないかと思います。
 それだけにこのサービス向上ということは空手形になってはいけないと思います。そのためにはサービスを担う指導員を十分に確保できるということは必須の条件だと思います。来年4月から有料化をスタートするということになってるわけですけども、そうであるなら指導員の確保も4月時点で必要な数をきちんと確保できていなければなりませんけれども、どういう見通しでしょう。

(放課後対策課長)
 現在正規指導員に欠員が生じていることから、できるだけ早期に正規指導員の確保できるよう、採用試験を2ヶ月に1回程度実施するとともに、様々な広報媒体を活用した広報や大学のキャリアセンターとの連携などにより、採用試験の応募者を増やすための取り組みを進めるなど、最大限努力しているところです。
 なお4月以降、欠員が生じた場合でも、有資格の臨時指導員を配置して対応することにより、サービス向上策の実施に影響がないようにいたします。

(中森辰一議員)
 これまで必要な指導員をきちんと確保できたことはありますか。

(放課後対策課長)
 近年の欠員状況で申しますと、継続して正規指導員の欠員が生じている状況にあります。

(中森辰一議員)
 今日は触れませんけれども、今回出された陳情275号にも関わる問題ですけれども、指導員の労働条件というのがネックになっていて、なかなか必要な指導員を確保できない、臨時の指導員をして充てているとおっしゃいましたが、実際は現場の児童館の方で駆け回ってつてを頼って、何とか来てほしいということで埋め合わせをしているというのが現状なのであって、必要な指導員の数をきちんと確保できた実績はこれまでないと思うんです。
 そうすると、来年4月から有料化スタートしたけれども、結局前提となっているサービス向上を担う指導員は、確保できないままスタートするんではないかという心配が非常に大きいという実態があると思います。 第2土曜日の開所もサービス向上の施策の一つですけれども、いまだに指導員の合意ができていないと聞いておりますが、なぜでしょうか。私は必要な指導員の確保の見込みが立たないからではないかと思うんです。結局、このサービス向上、第2土曜日の開所が、結局整っていない。指導員にしわ寄せしていくということにならざるを得ないんじゃないか。こういうことで合意ができんのじゃないかなと思うんですけどどうでしょう。

(放課後対策課長)
 第2土曜日を開所した場合であっても、正規指導員の労働時間が増えないよう、有資格の臨時指導員を加配して対応することにしていますが、土曜日と日曜日の連続した休みが取りにくくなることなどから、正規指導員が組織する留守家庭労組および児童館労組のご理解がいただけていないものです。そのため、労働条件についてどのような見直しが可能か、給与勤務制度を所管する企画総務局と協議を進めているところです。

(中森辰一議員)
 指導員の労働条件が大いに改善するというのは喜ばしいことでありますのでぜひやっていただきたいと思いますが、いずれにしても、数の確保は必須だと思います。
 次に行きます。有料化した場合に利用料の徴収はどなたがやるんでしょうか。

(放課後対策課長)
 市直営分の利用料金については、放課後対策課が納入通知書の発行や口座振替により直接保護者から徴収し、民間分については民間事業者が徴収します。

(中森辰一議員)
 これもしかしたら現場で徴収するということもありうるということなんですね。

(放課後対策課長)
 市直営について先ほど申し上げました通り、放課後対策課等が納入通知書の発行や口座振替により徴収することとしておりまして、現場で徴収ということは想定していません。

(中森辰一議員)
 それからおやつ代というのがありますよね。この前保護者会の方で要望書を出されたと思いますが、その中で有料化したときにおやつ代もぜひ、それに含めてほしいというふうなことがあったと思いますが、これはどうなんですか。

(放課後対策課長)
 おやつ代につきましては昼食代と同様に、放課後児童クラブの利用の有無に関わらず、それらを食べた際に必要となるものであり、従来から実費として保護者負担としていることから、利用料金には含めていません。
 また、保護者アンケートにおいてニーズの高かったおやつの手配を放課後児童クラブ事業と指示することについては、来年度からおやつの手配、配送を公費負担とすることにしています。

(中森辰一議員)
 本来ですね。放課後児童クラブの活動に、おやつってのは不可欠だと思いますけれども、これはどういう認識でしょうか。

(放課後対策課長)
 おやつの提供は放課後児童クラブにおいて不可欠だと認識しています。

(中森辰一議員)
 これは不可欠なんですよ。本来不可欠なものは、システムとして、運営して設置をしているところが提供していくということが必要なんだと思います。政府が示している放課後児童クラブ運営指針を見ますと、おやつについても具体的に記述してありまして、これはおやつなしには、うまくいかないわけですよ。
 運営主体がおやつを提供するのが当然だと思いますしそうなると、おやつ代の徴収も運営主体がやっていくとするべきじゃないかと思うんですが、その点どうでしょうか。

(放課後対策課長)
 国が示した放課後児童クラブ運営指針については、望ましい方向に導くための全国的な標準仕様として作成されたものです。こうした中、本市においては従来から各放課後児童クラブの実情に合わせて柔軟に対応できるよう、それぞれの保護者会が調達したおやつを指導員が配布してきたものであり、おやつ代については実費を保護者が負担しています。
 おやつ代の徴収につきましては、先ほど申し上げました通り昼食代と同様、放課後児童クラブの利用に関わらず、それを食べた際に必要となるものであり、従来から実費として、保護者負担としていることから利用料金に含めていません。

(中森辰一議員)
 運営指針では、このおやつを適切に提供するというふうな記述があるわけですね。おやつは提供するということが放課後児童クラブの活動の中でその必須みたいなことになっているんじゃないかと思います。そうすると、おやつがあったりなかったりするという今の現状、これは問題なわけですよ。今バラバラだと聞いております。基本的には保護者会がおやつ代を集めているわけですよ。だけども払えない子どもに対しては黙認をして、そのままおやつを提供しているところもあるし、その払ってもらえないところの子どもにはおやつを提供しないというところもあるんだそうです。これは統一する必要があると思うんですよね。
 その点でおやつ代の負担は保護者だとするにしても、少なくとも運営主体の方できちんと徴収をするということまでやる。払えない人への対応は行政の方で責任を持ってやっていく。こういうことは学校給食と同じだと思うんですよ。必ず提供するというふうに、広島市の放課後児童クラブとしてやってる限りは、保護者会の方に集めるみたいなことじゃなくて、運営主体で集めるという仕組みにすべきじゃないかと思うんですけどどうでしょうか。

(放課後対策課長)
 先ほど申し上げました通り、おやつについて本市においては、従来から各放課後児童クラブの実情に合わせて柔軟に対応できるよう、それぞれの保護者会が調達したおやつを指導員が配布してきたものであり、おやつ代については実費を保護者が負担しています。
 おやつが払えないということですけれども、利用料金導入後も就学援助を受けている世帯など低所得者世帯については、引き続き利用料金を無料としており、これまでと負担が変わるものではありません。
 また、これまでおやつ代とは別に、エアコンの修繕費や電気代などの費用が保護者の負担となっていたところを令和5年度以降、本市の負担とすることで、保護者の負担軽減が図られることから、おやつ代に扱いは従来通りとしたいと考えています。

(中森辰一議員)
 学校給食は、就学援助の場合は保護者が負担しなくてもいいようになっているわけです。そういうことを考えると、このおやつ代の負担についても、各施設で必ず提供されることになってるわけですから、負担できないというようなところ、今回利用料有料化にあたって、無料にするんだと言ってるところや、5000円、3000円という段階があるじゃないですか。そういう状況に合わせて、おやつ代も適用した方が私は合理的じゃないかなと思うんですけどどうでしょうか。

(放課後対策課長)
 放課後児童クラブでは、従来から全ての世帯がおやつ代を実費負担しており、利用料金負担導入が新たに負担が生じるというものではありません。先ほど申し上げた通り、エアコン、修繕代等を本市負担とすることで、保護者会費の負担軽減が図られることから、おやつ代の扱いは従来通りとしたいと考えています。

(中森辰一議員)
 だから、この際ですね。今同じことを答弁しちゃったけども、おやつ代の問題はちょっと考えてください。実際に負担できないというところがあるわけですから、払えないというところがあるわけですから。今回有料化にあたっても、そういうところには配慮するということを取り入れたわけでしょう。そうであるならおやつ代も一律負担じゃなくて配慮をする。少なくともそういう考え方は持つべきじゃないかと思いますので、これはぜひお考えいただきたい。
 それから、サービス向上の問題でもう一つですけど、野外で小遠足をやるそうですけれが、野外活動を行う場合は何らかの事故に備えて、通常は市で一括してスポーツ安全保険、こういったものに団体加入していくということが基本ではないかなと思うんですよね。だけども現状は保護者会によって、個人個人から負担を集めて加入している場合や、そういうことをしていない保護者会もあるんだそうです。そうすると、サービス向上で野外活動をやるなら、事故に備えて市で一括して団体加入するべきと思いますがどうでしょうか。

(放課後対策課長)
 放課後児童クラブの活動において発生した事故や怪我等については、本市が加入している賠償責任保険の対象となっており、サービス向上策として充実させる屋外活動の実施に当たってこの保険が適用されます。

(中森辰一議員)
 だからこの問題を心配しなくてもいいわけですね。そう受け止めております。
 一貫して広島市では50年以上にわたって利用料無料ということを続けてきました。その施策を大きく転換しようとしています。子育て世帯、つまり市民生活に負担を求める、こういう点では今一番タイミングが悪いんじゃないか。本会議でも指摘をしましたけれども、コロナによる収入減退という問題もありますし、他方で、政府の政策の失敗による急速な物価高騰という問題で市民生活は本当に大変な状況にあるわけですよ。
 市の方でも不十分ながらも、支援施策といったようなこともやってますがそういう配慮をしている一方で、子育て世帯には負担増をあくまでもやるんだと。これはいかにもちぐはぐではないかと思うんです。百歩譲って有料化するにしても、タイミングを選ぶべきじゃないか、その点では有料化は今ではないと思いますし、延期を判断するということはありうると思うんですけれども、どうお考えでしょうか。

(放課後対策課長)
 利用者負担の導入については、利用者が年々増加し、事業費のさらなる増加が見込まれるとともに、多くの保護者からサービスの向上が求められる中、子育て施策を全体として充実していくにあたっては、市民における公平性確保の観点から受益者の負担能力を考慮した適切な措置を行い、将来にわたって安定的に運用できるようにするという考え方に基づき実施するものです。
 また、サービスの充実および利用者負担の導入に向けては、これまで市議会に対して検討の段階ごとに資料を提出して説明し、ご意見をいただきながら進めてきたところであり、現在、来年度の利用者申し込みの受け付けを行っているところです。
 またこのたび設定する利用料金については、本来、運営費の2分の1を利用者負担とする国の考え方によれば、本市では月額8700円になるところを、全体の約23%にあたる就学援助を受けている世帯については引き続き無料とし、それ以外の世帯についても概ね半分は市費で負担することとした上で、全体の53%にあたる子ども医療費補助受給世帯は月額3000円、残り24%にあたるその他の世帯は月額5000円に設定し、政令市の中でも最も低い水準の料金設定としています。
 こうしたこととあわせてサービス向上策に確実に取り組むこととしていますので、来年4月から利用料金を導入させていただきたいと考えています。

(中森辰一議員)
 答弁いただきましたけれども、自治体によっては先ほど一番最初に述べた学校給食費の無償ということが、時限的ではあってもこの物価高騰の問題、こういう今の市民負担が増えてきている暮らしが厳しくなってきているという状況を捉えて、実施するところだってあるわけですよ。
 つまり、子育て世帯の負担を軽減しようという一時的ではあってもやろうとしている自治体がどんどん現れてきている、そういう中でなぜ広島市はあえて負担増というのを今のタイミングでやるのかということを私は今聞いたわけですよ。もう一度今のタイミングでいいんだろうかということは市の内部でもですねぜひ検討していただきたいと思います。
 最後に、来年4月から有料化をスタートしようとしているわけですが、これは保護者の理解を十分にあることが必要だと思いますがその点はどうお考えでしょうか。

(放課後対策課長)
 保護者への説明については、仕事や育児で説明会への参加が難しい人が多いことを踏まえ、市の広報誌やホームページを活用するとともに、市の基本的な考え方や具体的な利用者負担の対象料金、今後のサービス向上策などを記載したチラシを指導員から利用児童の数全ての保護者に配布し、問い合わせ等に対応したところです。
 また、保護者団体が主催する説明会や懇談会の出席依頼を受け、その都度職員が出席し、利用者負担等に関する質問に回答するなど丁寧に対応してきました。
 今後も保護者からの質問意見等がありましたら引き続き丁寧に対応していきたいと考えています。

(中森辰一議員)
 丁寧に対応していきたいとおっしゃいました。そうであるなら、市の責任で今回有料化しようと決めたわけですから、行政として保護者の皆さんに集まってもらって、保護者会が開く説明会に行かれるっていうのは当然です。
 本来市で教育委員会で保護者に集まってもらって説明をやる際は、説明会の単位もどういう形でやるのか、あるいは時間帯なども考慮する必要があると思いますけれども。そういうことを考慮した上で、市の責任で説明会を開いて、保護者の納得をいただくという手続きが当然必要なことだと思うんですよ。どうしてそうならんかったんでしょうか。

(放課後対策課長)
 先ほどお答えした通り、放課後児童クラブは仕事や育児で説明会の参加が難しい人が多いことを踏まえ、様々な広報媒体の活用やチラシの配布により周知を行い、その上で問い合わせ等に対応してきたところです。また保護者団体が主催する説明会等にその都度職員が出席し、利用者負担等に関する質問に回答するなど、丁寧に対応してまいりました。そのため今後改めて説明会を開催する予定はありませんが、保護者からの質問や意見等がありましたら引き続き丁寧に対応していきたいと考えています。

(中森辰一議員)
 保育園なんかで事故が起きたりとか、学校でも広島市でも、特別支援学校の送り迎えの車の中に1人取り残されとったというふうな事態もありましたが、そういう問題が起きるたびに特に保育園でも保護者を集めて説明会をしてるわけですよ。放課後児童クラブに子どもを預けている保護者も、保育園の子どもを預けている保護者も、同じように仕事してます。それでも、夜集まってもらったり、いろいろ努力をしてるわけじゃないですか。同じようなことはこれはあなた方にも言えることではないかと思います。どういうふうな状況であれ学校で事故が起こったらちゃんと保護者を集めて説明会をするでしょう。こういう重大な決定、50年以上ずっと無料続けてきたのを大きく転換するにあたって、これは行政の責任できちんと保護者を集めてやる、そういう努力をやるべきじゃなかったかと私は思いますし、これからもぜひやっていただきたいと思います。
 ぜひ保護者の納得を得られるような状況を作ってやるべきだと。このことを最後に強調しておきたいと思います。長いこと時間いただきましてありがとうございました。

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