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1.再生可能エネルギーの導入促進について
2.子育て支援について(1)学校給食の無償化について
(2)放課後児童クラブの有料化について
3.中小企業支援について
(1)小規模修繕契約希望者登録者制度について
(2)中小企業振興条例について
4.広島県の医療機関再編について
5.旧統一教会について
(藤井とし子議員)
広島市は、今年7月に議会の決議も受け、気候危機非常事態宣言を表明し、地球温暖化対策計画の見直しを今年度中にまとめる計画です。市民と事業者と自治体が一体となって地球温暖化防止対策を進めるためにも、まずは市としてのこれまでの温室効果ガス排出量の削減目標のさらなる引き上げと同時に、省エネと合わせて再生可能エネルギーの本格的な導入促進の具体化が求められています。
現在、再生可能エネルギーの普及にはいくつかの課題があります。大規模な風力発電開発やメガソーラーなどの再生可能エネルギーの開発により、山間地の森林が伐採され、そのために土砂災害の危険性が増したり、景観悪化などの様々な問題も生じています。電源開発による西日本大規模風力発電計画では周辺住民による反対運動も起きています。
しかも地元の合意なく開発される現在の電力供給システムを前提にした場合、電気系統に電力を入れた瞬間に中央(電力の大量消費地)に吸収されます。そして、FITという補助金制度によって中央の資本家が儲かる仕組みとなっています。
改めて、再生可能エネルギーの開発が、自然環境との調和を図りつつ、地域社会の利益につながるようにすすめられる必要性と地域の側に主体的な力が育つ必要があります。地球温暖化防止や地域資源の活用などの観点から再生可能エネルギーが選択され、その利用が環境や地域社会に負の影響を与えないように強める姿勢が、持続可能な社会における事業者に求められます。
(市長)
藤井議員からの御質問にお答えします。「再生可能エネルギーの導入促進について」のうち、「環境配慮とエネルギーの地産地消」についての御質問がございました。
地球温暖化対策は、市民、事業者、行政等の各主体がそれぞれの立場で行うべき責務を果たし、互いに連携協力しながら、日常生活や社会経済活動のあらゆる場面で取組を進めていくことが重要です。
そのためには、市民や事業者の皆さんに、地球温暖化対策が人類の生存基盤を持続可能なものとするために不可欠な取組であるという認識をもっていただくとともに、省エネルギー対策の推進と再生可能エネルギーの導入促進を着実かつ確実に進める取組を、国との役割分担を踏まえ強化していく必要があり、こうした基本認識に基づいて、本年7月に気候非常事態宣言を行ったところです。
こうした中で、地域における安全性の確保、環境との調和、さらには景観への配慮などは、市民や事業者の皆さんが、再生可能エネルギーの導入についての認識を共有し、その導入を着実かつ確実に図っていくうえで重要な課題になると考えています。
また、地産地消については、再生可能エネルギーを確保するに当たって、可能な限り地域の自然や人材等を活用することにより、地域内のヒト・モノ・カネの好循環を促すことにもつなげる必要があると考えています。
現在、改定作業を進めている「広島市地球温暖化対策実行計画」においては、こうした考え方を「人や自然にやさしいエネルギーへのシフト」として、本市の基本的な考え方の一つに掲げ、住宅や市有施設への太陽光発電システムの導入、木質バイオマスの活用等に取り組むことにより、再生可能エネルギーの最大限の導入を図っていきたいと考えています。
今後とも、省エネルギー対策の推進と再生可能エネルギーの導入促進を着実に進め、この豊かな自然を次の世代に引き継いでいけるよう、脱炭素社会の構築に向け取り組んでまいります。
その他の御質問については、関係局長から答弁いたします。
(藤井とし子議員)
こうした点を踏まえ、再生可能エネルギーの導入促進にあたっては、環境への配慮とエネルギーの地産地消を目指すことが重要であると思いますが、再生可能エネルギーの導入促進にあたっての市の見解を伺います。
また、地球温暖化対策には、こうした再生可能エネルギーの導入促進に加え、省エネの推進も必要です。これらの取り組みを合わせることにより、市独自の温室効果ガス排出量の削減目標は、これまでの2030年度30%削減より引き上げるべきだと思いますが、いかかお考えでしょうか。
(環境局長)
先ほど、市長が答弁しましたとおり、本市では、2050年までに温室効果ガス排出量の実質ゼロの実現に向けて、今年度、現行の「広島市地球温暖化対策実行計画」を改定することとしています。
この新しい計画における2030年度の削減目標については、国の「温室効果ガス排出量を2013年度比で46%削減する」という目標を踏まえつつ、2050年までの温室効果ガス排出量実質ゼロを見据え、国の地球温暖化対策計画に位置付けられた対策や本市独自の施策の積み上げ等により、46%以上にするよう検討を進めています。
(藤井とし子議員)
学校給食はかけがえのない役割を果たしていますが、7人に一人の子どもが貧困状態と言われる中、物価高騰も重なり、給食費が子育て世帯の重い負担となっています。こうした中、全国で給食費を無償化を求める願いは急速に広がり、学校給食費を無償とする自治体が増えています。
2017年に文科省がおこなった全国の自治体の学校給食費無償化の実施状況によれば、小学校・中学校とも学校給食の無償化を実施しているのは76自治体であったのが現在は224とこの5年間で3倍に増えています。大阪市や人口規模が比較的大きい自治体でも、コロナ禍や食材を含む物価高騰の影響を受けた子育て世代の支援として給食費無償化への取組が急激に進んでいます。青森市では、今年10月から2023年3月までの半年間、市内すべての小中学校で給食費を無償化します。年間必要な給食費は約10億円で、このうち10月からの半年分約5億円を国の「新型コロナウイルス感染症対応地方創生臨時交付金」で賄います。市は、2023年度以降も継続する方針で、市の自主財源を活用する予定です。
東京都葛飾区は、来年2023年度から小中学校の給食費完全無償化を目指し、約17億円を当初予算案に盛り込むことを発表しました。これまで、就学援助制度や未就学児を含む中学生以下の子どもが3人以上いる世帯は3人目以降を無償として約7億円計上してきました。所得制限を設けない葛飾区における学校給食の無償化は、東京23区で初めてとなります。また、政令市は大阪市がコロナ対策として2020年(令和2年)から2022年まで3年間給食費の無償化をおこないました。約16万人60億円をつぎ込んでいます。すでに、2019年(令和元年)10月から国の幼児教育・保育の無償化により給食費の無償化を進めた自治体もあります。独自に保育料を軽減していた自治体の財政負担が浮いたことがあげられます。兵庫県の明石市は、年間約7億5千万円が浮くため、その一部3億円あまりを活用して2020年から中学校給食費の無償化しました。ところが広島市はこれまで、無償化を求める意見対して、国が給食の食材費は保護者のあ負担とする学校給食法11条と継続的な財政措置が必要だとして背をむけてきました。しかし、給食の食材費については文部科学省として、学校給食法第11条の規定は、1954年(昭和29年)の文部事務次官通達のとおり、給食費の一部を補助することを禁止する意図はないこと。さらに、地方自治体等がその判断によって全額補助することを否定するものではないこと(2018年12月6日参議院文教科学委員会での吉良よし子議員の質問に対する柴山文部科学大臣の答弁で改めて確認されています。このことは承知されているか。11条を根拠に無償化しない理由にするのは認められないと思うが改めて市の見解をお聞きします。
(教育長)
ご指摘のとおり、学校給食法第11条は、学校給食を地方自治体が補助することを禁止する規定ではなく、通達にもあるとおり、学校給食の実施に必要な経費に係る分担の原則を定めたものです。
本市ではこの原則に則り、食材費は、学校給食費として保護者に負担していただいているところです。
(藤井とし子議員)
本市の給食費の無償化は、低所得者に対して就学援助制度により約9億円の公費を投入しているにすぎません。現在、コロナ禍や物価高騰が追い打ちをかける中で教育の無償化が、いま程求められているときはありません。県内では坂町が年度内の給食費を無料にするといいます。広島市は今年から就学援助制度を改悪しており、世界や日本の教育無償化の流れに逆行するものであり、言語同断です。広島市も学校給食費無償化に踏み出すべきです。給食費を完全無償化しようとするとあといくらかかるか。
(教育長)
令和3年度の決算額で試算しますと、学校給食費の総額は約41億9千万円、このうち就学援助制度などによる公費負担額が約9億9千万円であることから、学校給食費を完全無償化するには、この差額の約32億円が必要ということになります。
(藤井とし子議員)
子育て世帯のおかれている現状をどう認識し、給食の無償化についてどのようにお考えかお聞きします。
(教育長)
新型コロナウイルス感染症による影響が長期化し、物価高騰も続いている中、子育て世帯、とりわけ低所得の子育て世帯の状況は厳しいものがあると認識しています。
このため、本市では、国の交付金を活用し、低所得の子育て世帯に対して、生活支援特別給付金の支給を行うなど、その実情を踏まえた生活の支援を行っているところです。
また、学校給食においては、従来から就学援助制度等により一定所得以下の世帯の学校給食費を援助しており、そのほかの世帯についても、咋今の物価高騰下でも学校給食費の負担が増加しないよう措置を講じているところです。
今後とも学校給食の食材費は、学校給食法に規定された経費分担の原則に則り、保護者に負担していただくことを基本としつつ、適宜、必要な支援を行っていきたいと考えており、現時点で学校給食の完全無償化を実施することは考えておりません。
【再質問】
(藤井とし子議員)
子育て支援について、学校給食については、教育長は11条では書いてあるけれども、原則だということで助成はしないと、無償化は考えないという答弁でした。
自治体の判断でやることはできるのではないかと思いますが、そのことについてもう一度お聞きいたします。
(教育長)
学校給食法の規定のご紹介があって、学校給食費の無償化というのは自治体の判断でできるんではないかというご質問だと思います。
先ほど申し上げた通り、学校給食法11条、これは禁止規定ではありません。ただやろうと思えばできる、それはやっているところもあるということも承知しております。ただそこに書いてあるのは、学校給食に関しての経費負担の基本的な原則が書いてございます。
多くの自治体ではこの原則にのっとってやっております。広島市で申し上げれば、例えば今年度、食材費高騰によって給食費のこれ以上の値上げを止めようということで、公費を入れております。これも公費を入れている例に当たろうかと思います。
先ほどご答弁申し上げましたけれども、学校給食については一応学校給食費の受注上の負担の分担の原則、これに則りつつ実情を踏まえて必要な措置を講じていくといった対応をしてまいりたいと考えております。
(藤井とし子議員)
放課後児童クラブの有料化は、2012年に市長が歳出削減のため「事務・事業の見直し」として打ち出した最後の事業です。就学援助受給世帯や非課税世帯は無料としていますが、子ども医療費補助受給世帯やひとり親家庭等医療費補助受給世帯は月額3000円、それ以外の世帯は月額5000円の利用料金を負担することになり、広島市は約3億2000万円の利用料収入が入ると試算されています。
市は、放課後児童クラブに登録している保護者に、「令和5年度から放課後児童クラブが有料になります」というチラシを配布されています。が、チラシ1枚で市の説明責任を果たしたと言えるのでしょうか。広島市の放課後児童クラブは、原爆で焼けた廃墟のなかから復興するため、お母さんたちが子どもを預けて働かざるを得ない環境のもと、子育てしながらも働く必要に迫られた市民たちの協同の力が生んだ事業です。ですから、50年以上にわたり無料で実施されてきたのです。
そのような歴史的背景のある事業を有料化することは大変に大きな見直しであり、最低でも、市内8区で市の主催で説明会を開き、市民に丁寧に説明することが必要です。なぜ、説明会を開かず、チラシだけで済まそうとするのですか。保護者の声に耳を傾けたくないのですか。説明会はいつを開くのですか。
(教育長)
放課後児童クラブのサービスの充実及び利用者負担の導入については、平成30年11月に実施した利用児童の保護者へのアンケート調査結果などを踏まえて案を作成し、市議会にも説明しながら検討を進めてきました。
保護者への説明については、仕事や育児で説明会への参加が難しい人が多いことを踏まえ、市の広報紙やホームページを活用するとともに、市の基本的な考え方や具体的な利用者負担の対象・料金、今後のサービス向上策などを記載したチラシを、指導員から利用児童の全ての保護者に配付し、間合せ等に対応したところです。
また、保護者団体が主催する説明会や懇談会への出席依頼を受け、その都度、職員が出席し、利用者負担等に関する質問に回答するなど、丁寧に対応してきました。
こうしたことから、今後、改めて保護者説明会を開催する予定はありませんが、保護者からの質問や意見等がありましたら、引き続き、丁寧に対応していきたいと考えています。
(藤井とし子議員)
チラシには、有料化の理由が2つ書いてあります。一つは利用者数が増え事業費が増加する。もう一つは平成30年度の利用者アンケート調査で「サービスの維持・向上のためには一定の利用料負担はやむを得ない」と回答した人が7割あったからとしています。まるで保護者が有料を望んでいるかのような文言ですが、このアンケートには「無料のまま」という選択肢はなく、有料化に導く意図的なアンケートを根拠にした有料化は止めるべきです。市の見解をお尋ねします。改めて有料化の理由は何なのかお聞きします。
(教育長)
放課後児童クラブについては、利用者が年々増加し、事業費のさらなる増加が見込まれるとともに、多くの保護者からサービスの向上が求められる中、子育て施策を全体として充実していくに当たっては、市民における公平性確保の観点から受益者の負担能力を考慮した適切な措置を行い、将来にわたって安定的に運用できるようにするという考え方に基づき、保護者ニーズの高いサービス向上策の実施にあわせて、適切な負担軽減措置を組み込んだ受益者負担措置を導入することとしたものです。
(藤井とし子議員)
各地の放課後児童クラブの保護者から、「保護者会費とおやつ代の支払いでも大変なのに、毎月3000円の利用料は払えないとの声が届いています。市民税非課税世帯は無料となっていますが、母子世帯の場合、年収204万円(16万6000円/月)・所得では135万円を超えると課税され3000円の使用料を負担することになります。年間では3万6千円の負担増、所得に占める負担率は2.6%。特に、就学援助制度の基準額を少し超えたために就学援助を受給できない世帯の場合は、放課後指導クラブの利用料は大変に大きな出費となります。
まさに有料化で放課後児童クラブを利用できない子どもが出かねない状況だと思いますが、市はどのように考えておられるのですか。有料化により放課後児童クラブを利用できない子どもを出してはならないと考えますが市の見解をお尋ねします。
一人で自宅で過ごさざるを得ない子どもの安全対策について市はどのようにされるお考えですか。
(教育長)
放課後児童クラブの利用料金の設定に当たっては、経済的理由で利用できない児童が出ることのないよう配慮する必要があると考えています。
このため、本来、運営費の2分の1を利用者負担とする国の考え方によれば、本市では月額8,700円になるところを「就学援助を受けている世帯」については、引き続き無料とし、それ以外の世帯」についても、概ね半分は市費で負担することとした上で、「こども医療費補助受給世帯等」は月額3 000円、その他の世帯は月額5,000円に設定し、政令市の中でも最も低い水準の料金設定としています。
こうしたことから、本市の放課後児童クラブは、有料化後も就労などにより保護者が家庭にいない児童の居場所として機能するものと考えています。
(藤井とし子議員)
無料、3000円、5000円それぞれの利用料金の対象人数は何人ですか。
(教育長)
本日から令和5年度の利用申込みの受付を開始したところであり、料金区分ごとの児童数については、現時点で正確な数字はお答えできませんが、昨年度の数値に基づき機械的に試算してみると、「就学援助を受けている世帯」など引き続き無料となる児童は約3,100人、約23%、「こども医療費補助受給世帯」など3,000円の料金区分に該当する児童は約7,300人、約53%、その他5,000円の料金区分に該当する児童は約3,300人、約24%となります。
(藤井とし子議員)
日本共産党市議団はこれまで、男女別のトイレの整備、耐震性のない児童館の解消を求めてきましたが、保護者からは、有料化の前にやるべきことがあるとの声が届いています。例えば、五日市南ではタイル張りの床に座って宿題をしています。築50年を超えた児童館では手にすいばりが立ちます。男女兼用トイレや和式トイレを使えず、子ども達はトイレを我慢しています。保護者は、耐震性のない施設に行かせることに「地震で壊れるのではないか」と常に不安を抱いています。このような劣悪な施設で子どもたちを過ごさせていることについて市はどのような認識をもっておられるのか。市教委は放課後の実態をご存じなのでしょうか。
放課後児童クラブは市が実施している事業です。市の責任で安全・安心な施設にすることが、有料化の前に最優先で取り組むべきことではないのですか。施設の耐震化、老朽化対策の計画をお聞きします。
(教育長)
児童が放課後児童クラブを安全・安心に使用できるよう、これまでも雨漏りの補修や畳等内装品の取替えなど、施設の補修や必要な備品の購入を進めてきました。議員御指摘のトイレの環境整備については、まずは、今年度、洋式便器が1つしかない12クラブについて、洋式便器の複数化に向けて取り組んでいるところであり、全ての便器の洋式化に向けて順次整備を進めてまいります。
施設の耐震化については、建替えを必要とする3館を除き、既に耐震工事を完了しています。建替えを必要とする3館については、現在、建替え場所の検討等を行っており、出来るだけ早く整備できるよう進めていきたいと考えています。
そのほか、築50年以上の老朽化が著しい児童館10館について大規模修繕を行ってきましたが、そのうち1館については、まだ修繕できていない箇所が残っているため、今後修繕を行うこととしています。
(藤井とし子議員)
無料こそ最大のサービスですが、市のチラシでは、有料化で7つのサービスが向上するとしています。しかし、保護者からは非常に激しい抗議の声が上がっています。例えば、屋外活動を充実させるとして2ケ月に1回程度、公園に外出するとしていますが、野外活動をすれば事故への対応、人数確認をはじめ、複数の指導員が必要です。公園までの交通安全も含めしっかりした危機管理対策、安全対応マニュアルが不可欠です。そのような安全対策はすでに定められているのですか。
(教育長)
放課後児童クラブにおいては、これまでも、運営上の一般的な注意事項を記載した「衛生管理・安全管理マニュアル」に基づき活動を実施してきたところです。
来年度からの屋外活動の充実に伴い、これまで行っていなかった学校外の公園など、放課後児童クラブから離れた場所で活動を行うことも想定されることから、移動時や活動時の見守り体制、けが等の事故発生時の対応等の内容を盛り込んだ、「屋外活動実施マニュアル」を新たに作成することとしており、現在、指導員の意見も聞きながら、作業を進めているところです。
(藤井とし子議員)
また、これまでお休みとしていた第2土曜日を開所するとしています。
第2土曜日開所には指導員の確保が絶対条件ですが、指導員は何人必要になるのですか。今でも54人程度の欠員だと聞いていますが、新たな指導員を確保できるのですか。
(教育長)
今回、第2土曜日を追加して開所することに伴う勤務時間の増加については、有資格の臨時指導員の加配により対応する予定であり、新たに正規指導員を採用する必要はありません。
なお、現在でも正規指導員の欠員が生じたクラブに、有資格の臨時指導員を配置して対応している状況があります。このため、採用試験を2か月に1回程度実施するとともに、様々な広報媒体を活用した広報や、大学のキャリアセンターとの連携などにより、採用試験の応募者を増やすための取組を進めているところです。
(藤井とし子議員)
保護者からは、安全対応マニュアルや指導員の増員もできていないのに、サービス向上、サービス向上と言われても「絵にかいた餅」との批判が出ています。まさに、有料化という「毒」を保護者に飲み込ませるために出来もしないサービスを並べただけではないかと言わねばなりません。
指導員の負担を増やし、子どもの安全を犠牲にしかねないサービス向上策を「売り」にする有料化は止めるべきではないでしょうか。
(教育長)
放課後児童クラブについては、保護者アンケート調査に回答した9割近くがサービス向上を求めたことを踏まえ、保護者ニーズの高いサービスの充実を図ることとしたものであり、必要な臨時指導員の加配や、屋外活動に関するマニュアルの整備など、指導員の負担軽減や児童の安全を十分考慮した上で着実に実施できるよう準備を行っているところです。
また、利用者負担については、先程もお答えしたとおり、子育て施策を全体として充実していくに当たっては、市民における公平性確保の観点から受益者の負担能力を考慮した適切な措置を行うといった考え方に基づき実施するものであり、予定どおり進めていきたいと考えています。
(藤井とし子議員)
コロナ禍や物価高騰で市民生活が大変になるなか、国を挙げて国民生活の負担をいかに減らしていくのかが議論され、全国では給食費の無償化など様々な子育て世帯への支援策が実施されています。広島市でも子育てを応援する市の独自支援策が待たれる時に、逆に、子育て世帯に負担を押し付ける放課後児童クラブの有料化は、市民生活の実体を見ないあまりにも冷たい市政だというべきです。市は今の物価高騰による市民生活の困窮をどのように認識されていますか。コロナ禍と物価高騰のなかで新たな負担を子育て世帯に求めることは非常識だと思われませんか。少なくとも、来年春の実施は延期すべきだと考えますが、市の見解をお聞きします。
(教育長)
先程、学校給食に関する質問の中でお答えしたとおり、物価高騰が続いている中、低所得の子育て世帯の状況は厳しいものがあると認識しています。このため、本市では、国の交付金を活用して、生活支援特別給付金の支給を行うなど、その実情を踏まえた生活の支援を行っているところです。
この度設定する利用料金については、これまでもお答えしたとおり、経済的理由で利用が困難とならないよう、適切な負担軽減措置を講じることで、政令市の中でも最も低い水準の料金設定としているところであり、予定どおり来年4月から実施していきたいと考えています。
【再質問】
(藤井とし子議員)
今自治体の判断で給食費の無償化はできるというふうに言われました。だから私は、この判断をするかどうかにかかっていると思うわけです。当然32億円という財源はとても高額ではありますので、これも大きな理由になるのではないかと思うんですけども、幼児教育の無償化で、これまで市が財政を使ってきた32億円がもう使わなくてよくなったっていうことがあるんです。多くの自治体はそうしたお金も使って導入をしているんです。この32億円がどう使われたのか、これも私たちが何回聞いても説明がありません。高速道路事業や駅周辺再開発には多額な税金がどんどん使われているわけです。
その一方で、今無料の放課後児童クラブを有料化になります。無料で本当によかった、助かってる、っていう人たちにあえてまた負担を求めるというところが、市民は納得できないと私はすごく思うわけです。
広島市は本当に子どもや子育てに冷たいなというのが私は市民の皆さんの感覚だと思うんですね。
兵庫県の明石市も紹介しましたけれども、明石市は子どもを核としたまち作りということで、子育て支援を五つ、五つも全て無料化しているんです。2021年からは子どもの医療費は高校3年生まで無料にし、また保育園の第2子以降の保育料も完全無料化。そして2020年度からは中学校の給食費を無償に、これも決断して、これは所得制限ないんですね。これは中学校でお金がかかるからということで明石市が決断をしたわけです。公共施設の入場料も全て高校まで無料。幼保無償化で、3歳から5歳までも副食費も無料にして、五つの無料化を掲げてやっています。こうした中で、人口がどんどん増えて、子育てしやすい街として選ばれ転入者が増え、今30万人を超えて増加をしているということであります。
ですから、本当に自治体が何を大事にするかということが今、本当に問われていると思います。
義務教育は無償であるべきなのに、国がやらないために、今、子ども1人当たり、教材費給食費に年間合わせて10万円かかっています。そのうえ放課後児童クラブが年間5万円ぐらい必要になるわけです。これは本当に市の姿勢だと思うんです。市民のいのちとくらしを守るために多くの自治体が無償化に取り組み始めています。自治体が判断しています。
そして、賃金は上がらず、コロナ、物価高騰で困っている子どもや保護者を見かねて、何とか臨時交付金などを当てて、頑張っているわけです。 市長はよく国以上のことはやらないと、この間子育て支援などでもよく言われますけれども、自治体がみんなそういうことを言ってたら、国は絶対やろうとしませんし、各自治体が本当にもう頑張ってやっているからこそ、国を動かす力になると思うわけです。
広島市は、困っている市民を厳しいと知っていながらただ見ているだけだということになるのではないですか。あまりに冷たい姿勢だと本当に思います。開発だけは熱心にやられますけれども、福祉の増進という自治体の本来の役割を果たしてないと思います。
もう一度だけ聞きますけれども、新たな負担増を求める放課後児童クラブ、せめて有料化は延期させるべきではないでしょうか。せめて、コロナ禍の物価高騰が落ち着くまでは延期させるべきではないかということをお聞きいたします。
(教育長)
今様々な都市の事例も含めて申されました。当然広島市でも限られた財源の中で、子育て、まち作り、教育、いろんな施策を展開しており、そういう中で、子育て支援については全体として充実していくと。こういった姿勢で行っているということです。それを行っていく際には、先ほどもご答弁申し上げましたけども、市民における公平性の観点から、受益者負担能力を考慮した適切な処置を行うということ、これも前提に置きながら全体としてやっていこうという方向で今進めているところです。
放課後児童クラブについても、こうした考え方に基づいて有料化の案を作成をしてきて、議会にも段階ごとにお諮りをしながら進めてまいりました。その過程で、今回利用料金を設定するにあたっても、少なくともこの利用料金を設定することによって、それが理由で利用が困難にならないようということで、最大限配慮しようということで、先ほど申し上げたような、まず就学援助を無料にしました。この就学援助を無料にしている都市というのは政令市の中でも非常に限られております。それに全体で言いますと国の水準で言えば8700円のところを半分程度に、さらにそこを2段階に分けて、約7割の層についてはさらに軽減して、それから、それ以上の残りの25%程度、5000円という設定をさせていただいております。
そういう意味では最も低い水準の設定ということで、これまでずっと考えながら進めてまいりましたので、この4月から着実に実施をしたいというふうに考えております。
(藤井とし子議員)
長引くコロナ禍と急速な円安が進み、物価や原材料の急激な高騰が中小企業の暮らしや営業を直撃し、都市部を中心にコロナ関連破綻が急増しています。業種別でコロナ禍で営業制限を受けた飲食業やホテル、旅館の宿泊業が破綻の上位を占めています。負債総額別では1000万円以上5000万円未満が最多で、全体の36.7%従業員5未満が56,4%など小規模企業の倒産が増加しています。長引くコロナ禍によって経営体力が限界に達しているところに、この間の急速な円安の進行、物価・原材料の高騰がとどめを刺し、先行きのめども立たず、事業継続断念に追い打いこまれているのが実態です。
そのうえ、国は来年10月からインボイス制度導入を開始する予定です。インボイス制度とはこれまで消費税が非課税だった売り上げ1000万円以下の事業者が課税業者になることを迫られるもので新たな増税です。特に消費税の価格への転嫁など困難な年収200万300万円のフリーランスや零細建設業などにとっては事業が続けられなくなくなりコロナ禍の影響もまだ受けている事業者にとってとどめを刺すもので、全国から中止求める声が上がっています。コロナ危機の長期化の下、最長3年間、実質無利子・無担保で借りられるコロナ融資で今後、本格的な返済が迫られています。そもそもコロナ禍と物価高騰が原因であり、自己責任を問われるものではありません。厳しい環境に置かれている中小企業に対して事業継続支援が必要と思うがどう考えているのかお答えください。
(経済観光局長)
本市では、従来から、市内中小企業者への事業継続に関する支援として、中小企業融資制度による金融支援や、窓口相談による経営支援を行っており、これらの支援に加え、新型コロナウイルス感染症の影響に伴う経済対策として、いわゆる「広島は決して折れない!一丸の矢プロジェクト」や市内中小企業者に対する「広島市販路拡大等チャレンジ応援実行委員会への支援」、飲食業やクリーニング業などの生活衛生関連事業者への応援事業、さらには新型コロナウイルス感染症特別融資等様々な支援を行っているところです。
今後も、コロナ禍や物価高騰の影響の見通しが立たないことから、引き続き、地元経済団体、金融機関、商店街等への聞き取りも行い、本市の経済状況の把握に努めるとともに、国・県の支援策の動向や、財源の確保の状況なども考慮しながら、適切なタイミングで必要な経済対策を検討してまいりたいと考えています。
(藤井とし子議員)
下請け、孫請けの仕事をしている業者からは、「コロナがこんなに長引くとは思っていなかった。いよいよ返済が始まるが払っていけるか不安だ」「とにかく仕事がない、回ってこない」が最も多く聞きます。広島市は、平成17年に小規模修繕希望者登録制度を作って入札業者でなくても、区役所や学校や保育園などの簡単な修繕はこの制度の登録者に発注し、直接小規模事業者の仕事を増やし地域を支える小規模事業者の仕事おこしとして喜ばれてきました。
50万円以下の小規模修繕については学校や児童館などの教育委員会関係の施設多く、令和3年度で全体の工事件数の約60%占めています。ところが小規模修繕希望者登録制度の実績を見ると、平成25年度に件数比で約15%をピークに、ここ数年11から13%程度を推移しています。市全体としてもここ10年の平均で約20%程度となっています。この制度の趣旨を踏まえて、対象工事になる修繕については出来るだけ登録事業者に発注されるよう周知徹底が必要と思うがどのようにされるかお答えください。
(財政局長)
小規模修繕契約希望者登録制度は、小規模事業者の受注機会の確保等を図ることを目的として導入したものであり、本制度の各部局等への周知については、毎年度の予算執行に関する依命通達において「小規模修繕契約希望者登録制度を活用した取組などにより地元中小企業の受注機会の確保に努めること。」としているほか、制度への登録の一斉更新時や追加登録時の機会をとらえ各発注部局に対して制度の活用を促しているところです。
本制度の活用は、地域経済の活性化にも資するものであることから、引き続き、制度の一層の活用が図られるよう、関係部局にしっかり周知していきたいと考えています。
(藤井とし子議員)
中小業者に必要な施策を作るにあたっては当事者の意見や実態を把握することが重要です。 広島県が平成29年に中小企業・小規模企業振興条例を制定し、その条例では、広島県の中小企業・小規模企業は、県内企業数の99パーセント以上を占め、そのうち小規模企業は約8割にも上り、住民生活の向上、地域経済の安定、雇用の創出など、地域を支えるために欠くことのできない存在であると位置づけています。
広島県経済の発展及び、地域の活性化のためには、小規模企業をはじめとする中小企業の振興が不可欠であり、県政の重要課題として位置づけ、施策を総合的に推進していくために作られました。理念条例ではなく、具体的に「県は、中小企業支援団体等から意見を聴取するための会議を定期的に開催し、中小企業・小規模企業の振興に関する施策に反映するよう努める」とされており効果を上げています。
改めて、広島市でも中小企業振興条例を制定し、広島市内の中小企業の振興をはかり地域経済の活性化を進めるべきと思うが見解を伺います。
(経済観光局長)
中小企業振興条例の制定については、中小企業団体をはじめとする経済界の意識の共有と機運の醸成が必要であるとの考え方の下、継続して地元経済団体の意見をお聞きしてきたところですが、最近は令和2年から続く長引くコロナ禍の中、経済団体等からは、企業活動継続や販路拡大のための具体的な支援を望む声が多く、条例制定を求める声は少ない状況です。そこで本市としては、先ほど御答弁したとおり、中小企業者の事業継続などの支援に力を入れて取り組んできたところです。
今後も中小企業の振興について、引き続きコロナ禍の影響等への支援策及び第6次広島市基本計画に基づく中小企業の活性化のための施策に取り組んでいくとともに、中小企業振興条例の制定については、引き続き関係団体の意見をお聞きしながら調査・研究していきたいと考えています。
【再質問】
(藤井とし子議員)
なかなか機運が高まらないとか、事業者などからは、直接支援をとにかくやってほしいという声もあって、条例をつくるということにはなっていないということです。
この間広島市もいろいろ支援をしております。チャレンジ支援とか、また省エネをしたら補助金を出すとか、こういう具体的なのをされていますが、この利用者は一体どれぐらいあるのか。効果があるのか。その点をお聞きいたします。
(経済観光局長)
中小企業支援についてのうちの、中小企業振興条例に関するお尋ねの中で、本市が具体的な支援を進めております販路拡大チャレンジ応援事業と、省エネ対策の二つの事業についての利用者がどれぐらいいるのか、それから効果がどうかということについて、お尋ねでした。
販路拡大チャレンジ応援実行委員会への支援につきましては、令和3年度から2年度にかけて、2度にわたって予算をご承認いただきまして、トータルで約15億円、想定件数が1件あたり100万円を限度としておりますので、トータルで1500件、1500事業者を想定しております。
1回目、2回目、それから今年度は2回に分けて募集しておりますが、いずれにおいても想定していたより大幅に応募がございまして、厳正な審査を行って、ふるいにかけて、対象事業者を決めているということでした。 大変ニーズの大きな事業でございまして、多くの事業者に利用していただいて、販路拡大に努めていただいているという効果があらわれていると考えております。
また、省エネ設備の導入補助率につきましては、これは今回の12月議会補正予算で計上をしておりまして、ご承認いただければ、早速その事業スキームの具体化集めと募集開始に向けた準備に入りたいと思います。
一応700事業者程度を見込んでおります。これについても、類似の中山間地の事業所補助金の申請具合等を見ますと、かなり応募があるのではないかと見込んでおりまして、これは非常に効果が現れやすいというか、よく見える効果が現れますので、多くの事業者に活用されて利用していただけるんじゃないかと見込んでおります。
(藤井とし子議員)
事業の振興条例については、行政が振興していくためなので、事業者が必要か必要でないかというよりは、市の姿勢だと思います。本当に業者の声を反映した政策を作りたいということであれば、私は条例をぜひ検討していただきたいと思います。
(藤井とし子議員)
政府による低医療費政策が招いた、地域による医師の偏在や病院勤務医の不足などを理由に病床転換や削減など、医療再編を目的に都道府県ごとに地域医療計画がつくられ、広島県もつくりましたが、日本では民間病院が多数を占めているために、なかなか進んでいません。業を煮やしたのか、政府は新型コロナ感染拡大で極めて重要な役割を果たした全国の公立病院・公的病院440病院を再編統合する方針を掲げたままです。このような国民の命と健康への責任を無視した方針は撤回するべきですが、11月に広島県が発表した「高度医療・人材育成拠点基本構想」はそのような流れの中で出されてきたものです。
この「基本構想」は本来、勤務医の処遇を抜本的に改善し、医師や看護師を十分に増やすべきですが、そうした取り組みをしないままで、病床のあり方や医師の配置をコントロールしようというものだと受け止めています。その考え方の基本は県内の医療機関の再編・統合という方向で、急性期・高度急性期医療の病床を大きく削減し、回復期病床に変えていこうというものです。
その中で当面、広島都市圏にある8つの病院を再編の対象にあげ、JR病院と県立病院を統合して、東区の二葉の里に新しい高度医療機能を持った1000床規模の病院をつくり、さらに中電病院も新病院に統合する。これだけでも中電病院分の約250床の急性期病床が消滅します。
吉島病院と広島記念病院の統合によってもおそらく200床程度の急性期病床が消滅するのでしょう。吉島病院が引き受けていた感染症に対応する病床がどうなるのかは新型コロナの急激な感染拡大を経験した私たちには重要な問題です。
広島市にとっては、舟入市民病院の小児医療機能を新病院に移すとともに、急性期病床の一部を回復期病床に転換するという方向性が示されていることが重要です。
舟入病院の小児医療機能では、市内の開業医の方々に協力していただいて休日夜間の小児救急医療を担ってきましたが、広い市域の北部でずっと要望が強かった北部地域への休日夜間の小児救急体制はいまだにつくれていません。新病院が年中無休24時間体制の小児の救急医療体制をつくるし成育医療も取り組むとしていて、他県から小児科医を集める展望が開けるという期待があるようですが、それ自体は大事なことだと受け止めています。
ただ、そうした医療を担うためのマンパワーは新病院だけで相当なものが必要だと思いますし、他県から小児科医を集めることができたとしても、これまで要請され続けてきた市北部地域への小児科の休日夜間救急の実現が展望できるかというと、なかなか難しいのではないかと思いますが、どうお考えかお答えください。
(保健医療担当局長)
現在、舟入市民病院が担っている市、北部を含めた地域の休日や夜間の小児救急機能は、新病院が担うことになりますが、今後、医師の働き方改革への対応等により小児科医師等の不足が深刻化するおそれがあることを踏まえると、市北部地域に同様の機能を確保することは困難であると考えています。
(藤井とし子議員)
また、期待されるのは子ども専門の総合病院の機能を持った医療機関になるのかどうかということもあると思いますが、新病院での小児医療機能はどのようなものが考えられているのでしょうか、お答えください。
(保健医療担当局長)
広島県の基本構想では、新病院には、一次救急から三次救急まで、24時間365日体制で対応する小児救命救急センターを設置し、小児集中治療室を含めた高度な救命救急機能を整備するほか、小児心臓血管外科、小児循環器科、脳神経外科など関係診療科が連携し、周産期から続く切れ目のない医療を提供することとされています。
(藤井とし子議員)
無医地区に派遣する医師の確保も目的のように言われていますが、少ない症例も経験できる高度医療を担う新病院で人材を育てるだけで、山間部などの無医地区に医師を派遣できるにようになるとは言えないと考えますが、どのようにお考えかお答えください。
(保健医療担当局長)
広島県の基本構想では、地域の医療提供体制を維持するため、新病院や広島大学等が連携し、医療人材の確保や育成を行うことに加え、人材のマッチングなどの仕組みを整備することとされており、こうしたことにより、無医地区を抱える中山間地域への医師派遣体制が強化されるものと考えています。
(藤井とし子議員)
次に、私たちは新型コロナの急激な感染拡大と、感染症対応の医療がひっ迫したことを経験し、いざというときの感染症対応の医療体制がどうなるのか、コロナの感染患者を引き受けた舟入病院の機能はどうなるのか、強い関心があります。この点で、この「基本構想」では、舟入病院の急性期病床の一部を回復期病床に転換するという方向性が示されていますが、それでいいのでしょうか。
新型コロナの感染拡大で、急激な感染患者の増加に医療体制が追い付かない、そのために高齢者施設で感染者が出たら、医療機関ではなくその施設の中で隔離したために、十分に医療が提供されたとは言えないことがあったなど、必要な医療が受けられない事態が生じていました。現状の広島の医療体制は、こうした感染症の拡大局面には対応しきれず、多くの犠牲者を出してしまう可能性が高い状況にあるのではないでしょうか。つまり、感染症が急拡大したときに、広島では急性期医療の体制が不足しているということだと考えますが、どうお考えかお答えください。
(保健医療担当局長)
新型コロナウイルス感染症の発生初期の段階では、医療がひっ迫する状況が見られたものの、感染状況や変異株の特性に応じて必要となる医療提供体制の構築が逐次順調に行われるようになってからは、急性期の医療体制そのものが不足しているという状況ではなくなっています。
(藤井とし子議員)
今回の新型コロナの前にはSARSやMARSといった感染拡大があったように、新たな感染症が発生してパンデミックを引き起こす可能性は常に存在しています。市民の命と健康に責任を負うべき広島市行政としては、県とも連携して常にそれに備えておくことが必要になっていると考えます。
今回の県の「基本構想」では、新病院でも感染症に対応する高度の機能を備えるといったことが述べられています。しかし、その新病院も、市民病院を含めて他の病院でも、日ごろは通常の患者さんを受け入れ医療を行っています。大規模な感染拡大の局面になったときに、様々な分野の高度医療を担っている新病院が簡単に感染症対応の病棟に転換できるわけもないし、他の病院もそうだと思います。
広島市の市立病院はリハビリテーション病院を除いて、いずれも急性期医療を担い、市民の命を守る使命を担ってきました。中等症や重症の感染した患者を受け入れて必要な医療を行うためには、そのための設備と医師や看護師の体制が必要です。しかし、回復期病棟と急性期病棟では医療体制は2倍の違いがあり、回復期医療を担う体制では、急速な感染拡大が発生したときに直ちに感染症患者を受け入れて必要な治療を行うことが困難です。現状で、急性期医療を担っている病院を、わざわざ医療体制の弱い回復期医療に転換することはいざというときに、市民の期待に応えることができないことになります。
今回の急速な感染拡大の局面で舟入病院が果たした役割りを考えると、軽々しく回復期病床に転換することなどできないと考えますが、市のお考えをお聞かせください。
(保健医療担当局長)
今回の新型コロナウイルス感染症の対応においては、舟入市民病院は、コロナ病床を拡充するとともに、県内において宿泊療養施設を拡充するためのホテルの借上げや、オンライン診療の導入などの措置が講じられることにより、その機能を十分に発揮することができたところです。
この度の県の医療機関の再編計画で示された、舟入市民病院を含めた4病院の急性期病床の一部を回復期病床へ転換することを検討することについて、舟入市民病院から小児医療機能が無くなった場合でも、回復期病床へ転換しても感染症医療機能を十分に発揮できるだけの医療機能を引き続き担っていけるよう検討していくこととしています。
(藤井とし子議員)
旧統一協会について、改めて対応を求めたいと思います。
9月議会で、中森議員の旧統一協会と広島市行政との関わりについての質問への答弁で、広島市としては今後はかかわりを持たないと表明し、市がボランティア団体としてホームページで紹介した旧統一協会の関連団体「世界平和青年学生連合」の紹介記事は削除したと表明しましたが、まだ同じ関連団体の「世界平和女性連合」の紹介記事が残っています。
削除の了解が得られないからとの理由を聞いていますが、よく考えていただきたいのは、国会では、旧統一協会への解散命令を視野に入れた議論が行われるとともに、旧統一協会による被害者の救済が必要だとの認識で与野党が一致し、そのための法案の内容が与野党で議論されていることです。このことは、旧統一協会が国民に被害を与える反社会的団体であるということが我が国の社会で共通認識になったということです。「世界平和女性連合」は旧統一協会の創設者である文鮮明氏とその妻の韓鶴子氏が設立したものであり、その関係性は明らかです。
広島市行政が旧統一協会とは一切のかかわりを持たないということなら、そのことを以て直ちに「世界平和女性連合」の紹介記事を削除するべきです。どうされるのか、答弁を求めます。
(市民局長)
議員御指摘の団体は、国際交流・協力活動を進める団体として、広島平和文化センターの「国際交流ネットワークひろしま」に登録された後、同センターが登録団体として活動を紹介するために、本市が所管する「ひろしま市民活動支援総合情報システム(ひろしま情報a-ネット)」に団体情報を掲載しているもので、本年9月以降、旧統一教会やその関連団体が社会的に大きく問題視されている点を踏まえ、同センターが当該団体に対し、団体情報の削除を要請しているところです。
本市としては、既に掲載されている情報等を一方的に削除するのではなく、話し合いにより当該団体が情報等の削除に応じることが基本であると考えており、引き続き、広島平和文化センターを通じて団体に要請してまいります。
【再質問】
(藤井とし子議員)
旧統一教会については、あくまでも話し合いでまとめていくという答弁でしたけれども、市のホームページに載せている限り、市がお墨付きを与えて宣伝していることと同じだと思うわけです。
この間にも新たな被害者を出す可能性もあるわけです。これに対しては、毅然とした対応をしていただくよう求めておきます。