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日本共産党の吉瀬康平です。党市議団を代表して討論を行います。
反対する議案は、
第1号議案 令和4年度広島市一般会計予算
第8号議案 令和4年度広島市後期高齢者医療事業特別会計予算
第9号議案 令和4年度広島市介護保険事業特別会計予算
第11号議案 令和4年度広島市競輪事業特別会計予算
第15号議案 令和4年度広島市開発事業特別会計予算
第34号議案 広島市勤労青少年ホーム条例の廃止について
第40号議案 広島市公民館条例の一部改正について
第47号議案 広島市と島根県浜田市との連携中枢都市圏形成に係る連携協約の締結に関する協議について
第48号議案 広島市と島根県邑智郡美郷町(おおちぐんみさとちょう)との連携中枢都市圏形成に係る連携協約の締結に関する協議について
第49号議案 広島市と島根県邑智郡邑南町との連携中枢都市圏形成に係る連携協約の締結に関する協議について
第52号議案 広島高速道路公社定款の変更に係る同意について
です。
その他の議案と第1号議案 令和4年度広島市一般会計予算の修正案は賛成です。
反対の理由を述べます。
新年度予算は児童館の遊戯室のエアコン整備や危険空き家の除去に対する補助、人工崖を対象にした住宅防災・減災推進事業など、評価すべき事業も含まれておりますが、大型開発事業優先、効率優先で市民の命と暮らしを守る予算になっていないことが問題です。
黒い雨被爆者の認定指針について、広島高裁による確定判決よりも国の指針・総理談話を優先させ、11疾病がなければ認定されません。県は引き続き高裁判決に沿った対応にするよう国に求めるとしており、当然市も足並みをそろえて求めるのだと思いました。しかし、市が国にこれ以上何も言わないと断言されたことは驚きました。
すべての黒い雨被爆者を救うには、高裁判決を実現させることが必要不可欠です。改めて、被爆都市広島市の役割が問われており、国の指針による事務を進めつつも、国に高裁判決に沿った対応を求めるべきです。
子ども支援は、就学援助の認定基準の引き下げや、放課後児童クラブの有料化を行う中、学校給食では、中学校給食の全員給食でのセンター化と合わせて、今後自校調理を行っている小中学校も大規模民間給食センターへ移行しようとしております。しかし、広島市はこれまで、栄養教諭の配置基準改善を求め、配置校を広げようと言いながら、栄養教諭の配置基準のない民間の給食センターとしてしまうと、配置人数が大きく減ってしまします。これは市の意向と矛盾する方向です。
全国へ誇れる子ども支援を縮小・改悪するのではなく、より多くの子どもたちを支援するため、拡大・改善するべきです。
一方、大型開発には湯水のように予算をつぎ込む姿勢は問題です。
広島高速5号線のトンネル工事は、当初から地元住民や地質学者が地盤沈下の恐れがあると反対の声をあげていたにもかかわらず、強引に工事を進めてきた結果、度重なる工事トラブルのため、現在では本線工事の完成の見通しが立たず、事業費がどれだけ膨れ上がるかわかりません。
現在、住宅団地直下を掘り進めていますが。今後も予想される頻繁なカッターの交換による工事中断は地下水位を低下させ地盤沈下の原因となり、住民の暮らしを一層、脅かすものです。
いつ終わるか見通しもつかず、工事費もどこまで膨らむかわからないこんな無謀な工事は直ちに中止すべきです。
中央図書館と子ども図書館、映像ライブラリーを集約し、エールエールA館へ移転するための予算が計上されています。市は11月に都市活性化対策特別委員会に提案してから、3カ月もたたないうちにこの度の予算に計上しました。
移転に対する市民意見では、大半が移転反対という結果でした。私たち共産党市議団は、この市民の声を代弁し、移転ありきでなく市民の声をしっかり聞き、国際平和文化都市にふさわしい図書館のあるべき姿について、市民としっかり合意をはかる時間が必要だと求めてきました。しかし、予算特別委員会での質疑を通じては、移転ありきで市側が一方的に進めていくという強行姿勢の答弁しかありませんでした。
このように市民の声も議会の意見も聞く耳を持たないやり方にはとても納得できません。移転ありきの予算には賛成できないため、修正案に賛成します。
昨日、予算特別委員会後に総務委員会が開かれ、中央図書館等の移転に係る請願と陳情の審査が行われました。
この際の質疑に対する答弁で、市民局長は「現地建替え、中央公園内での移転建替え、エールエールA館への移転の3つの選択肢について、比較検討の作業を行い、市民、有識者の意見をしっかり聞き、説明をつくし理解を得て結論をだす」と述べられました。この立場こそ、最初に述べられるべきではなかったでしょうか。
そもそも、広島市は20年前に提案された「21世紀広島図書館計画の提言」を出されていますが、実現したのか検証すらされていません。現在、一人当たりの資料費だけで見ても成果を上げている調布市の4分の1以下の84円しかない現状、各区の図書館についても、広い地域に1つしかない等、提言に掲げる「まちの図書館化」には、ほど遠い現状です。
このあと、提出される「付帯決議」もしっかり受け止めていただき、国際平和文化都市として、知の拠点である図書館に対して、中央図書館と子ども図書館だけでなく市全体の図書館のあり方について、市民とともに考え、どう発展させていくか、もっとじっくり議論をするべきです。
第8号議案 令和4年度広島市後期高齢者医療事業特別会計予算と第9号議案 令和4年度広島市介護保険事業特別会計予算の2議案は高齢者の医療介護にかかわる議案です。
高齢者の二人に一人が年金だけで暮らしています。頼みの年金額は新年度から0.4%の引き下げが確定しています。その上、令和2年度に引き上げられた後期高齢者医療保険料に続き介護保険料の引き上げは、一層高齢者の暮らしを圧迫することになります。後期高齢者医療事業特別会計予算では、今年10月から年収200万円以上の方には窓口2割負担も導入されることとなり、とても安心して老後を迎えられる状況にありません。これ以上の保険料や利用料、窓口負担の引き上げには反対します。市として国に対し、介護保険会計と後期高齢者医療に対する国の負担割合を引き上げるよう求めるべきです。
第11号議案 令和4年広島市競輪事業特別会計予算ですが、
日本の法律では,本来違法であるギャンブルの実施を正当化できる状況ではない中で,事業を行うことが自己目的化されている状況だと考えます。
ギャンブル依存症が深刻な問題として強調される中で,あえて公共の名でギャンブルを続ける意味はありません。競輪事業に携わる方々の新たな仕事の確保を急ぎ,廃止に向けて取り組まれるよう求めます。
第15号議案 令和4年度広島市開発事業特別会計予算についてと第52号議案 広島高速道路公社定款の変更に係る同意については、広島駅南口広場の再整備事業や第1号議案で指摘した広島高速5号線などの不要不急な大型開発事業のための事務や現状の高速道路事業には反対です。
第34号議案 広島市勤労青少年ホーム条例の廃止についてと関連する第40号議案 広島市公民館条例の一部改正については、青少年の活動の場は利用者の意見を聞き発展されるべきであり反対です。
第47号議案 広島市と島根県浜田市との連携中枢都市圏形成に係る連携協約の締結に関する協議について
第48号議案 広島市と島根県邑智郡美郷町(おおちぐんみさとちょう)との連携中枢都市圏形成に係る連携協約の締結に関する協議について
第49号議案 広島市と島根県邑智郡邑南町との連携中枢都市圏形成に係る連携協約の締結に関する協議について
以上の3つの議案は、連携中枢都市圏形成に係る連携協約を新たに浜田市市、美郷町、邑南町と締結するものです。
広域都市圏の将来像では、中枢都市である広島市に連携する周辺自治体の行政サービスの補完まで認めています。本来、こうしたことは、県が担うべき役割です。中枢都市が肩代わりしていけば、周辺自治体の自立性が損なわれ、県の役割も縮小し、地域の衰退を加速させていきかねません。自治体同士の連携を否定するものではありませんが、県をなくし、地域を消滅させる道州制の布石となる広域連携には反対です。
以上討論とします。
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