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1.日米地位協定の見直しについて
2.敵基地攻撃能力について
3.黒い雨裁判の高裁判決を受け入れたうえでの新たな被爆者認定指針について
4.中央公園内の施設の再編計画について
①ファミリープールについて
②こども図書館について
③中央図書館について
④青少年センターについて
⑤旧広島市民球場跡地について
(きせ康平議員)
日本共産党の吉瀬康平です。党市議団を代表いたしまして、総括質問を行います。
初めに日米地位協定の見直しについてお聞きしてまいります。
新型コロナウイルス「オミクロン株」による第6波が、またもや市民の命と暮らしを脅かしています。昨年末から全国の在日米軍基地で、新型コロナウイルスの感染が急拡大し、米軍基地がある沖縄県や山口県、岩国基地と隣接する広島市ではこれまでにない速さで感染者数が急増し、1月9日から「まん延防止等重点措置」が発令されました。今回の第6波が、これまでの第5波と違うのは感染由来が米軍だということです。
沖縄県は国立感染症研究所の解析結果をもとに、オミクロン株の感染が昨年12月以降にキャンプ・ハンセンから嘉手納基地、市中感染へと広がった可能性が高いと指摘しています。沖縄県知事は、県民が一丸となって感染防止に取り組む中、米軍基地内で多数の感染者が出たことは「極めて遺憾」であるとし、米軍の対策に「強い疑念を抱かざるを得ない」と批判しています。
山口県の調査では、岩国市内の感染者のうち、岩国基地を利用した従業員や自衛隊関係者が16%、クリスマス時期に米軍関係者の利用が多かった飲食店の従業員や利用者は32%に上り、米軍関係者の影響で感染が拡大したとみています。
広島県知事も「岩国市と関連が疑われる感染例が多い」と述べ、1月4日に米海兵隊岩国航空基地司令官および駐日米国大使館に対し「米軍岩国基地における新型コロナウイルス感染症に係る緊急要請」を行っています。
沖縄県知事が昨年12月に米軍関係者の入国禁止、基地からの外出禁止をアメリカ側に求めるよう岸田首相へ申し入れにもかかわらず、政府は当初「米軍基地由来」の感染だということすら認めませんでした。年明けからようやく米軍由来の感染拡大を認め、林芳正外相が米国務長官との電話会談で外出制限を求め、岩国基地では1月10日から2週間の外出制限がされましたが、あまりにも遅く手遅れです。
日本はコロナの水際対策として米国からの入国を原則禁止にしていますが、昨年9月以来、米軍は米本土から日本に入国する前の検査が免除されていたことが、昨年12月24日の林外相による記者会見で明らかになっています。コロナに感染した米軍関係者がフリーパスで日本に入国できていたのです。まさに、日本の水際対策には大穴が開いていたという事です。検査を米軍まかせにした失政が、感染急拡大の事態を招いた一因となったことはまちがいありません。日米両政府の責任が問われます。
なぜ、こんなことになったのか。米軍には検疫法などの日本の国内法を適用しない、「検疫権が日本にない」という屈辱的な日米地位協定が根本の原因です。日米地位協定の第9条で、米軍は出入国管理に関する国内法の「適用から除外される」と明記され、さらに、1996年3月の日米合同委員会合意で、検疫は米軍が「責任を負う」とし、日本は関与しないことが合意されています。その結果、オミクロン株感染が基地外に広がるという異常事態を招いたのです。
米兵が日本から米本土に戻るときや、日本から韓国やイギリスなど、他国に移動する際には検査が義務付けられているのに、米本土から日本に入国するときには、検査をしなくてよい。これは極めて不平等で歪な協定であり、日本の主権侵害そのものです。
沖縄県をはじめ米軍基地を抱える15都道府県で構成する渉外知事会はこれまでも、基地周辺住民の不安を払拭するため、国内法を適用し、米軍に対しても日本側による検疫を実施する必要があると政府に要請しています。
NATOをはじめ各国の地位協定では検疫に関する規定をきちんと設けています。ドイツでは米軍人・軍属に対する検疫権はドイツ自身にあることが示されています。日本がまともな主権国家なら、せめて、他の国なみに、米軍の治外法権的な特権を認める日米地位協定を抜本的に見直すべきです。とりわけ、感染症の拡大を未然に防ぐ検疫については、日本の国内法が適用できるよう緊急の改定が強く求められると思いますが、市長の見解をお尋ねします。
(市民局長)
日米地位協定は、我が国と米国の安全保障に係る重要な事項についての国家間の取り決めであり、その改定については、国政の場で取り扱われるテーマであると考えております。
しかしながら、今回は、本市を含む県内の新型コロナウイルス感染者の行動履歴に岩国市における感染拡大との関連が強く疑われる感染例が認められたことから、本年1月、県から日米両政府に対して、抜本的な感染防止対策を強化するよう、要請が行われたところです。
本市としても、市民の安全で安心な生活を守るという立場から、これまでも、騒音問題など米軍岩国基地に起因する問題については、広島県や隣接する市町と連携して対応していることを踏まえた上で、今後も対応してまいりたいと考えています。
(きせ康平議員)
次に、敵基地攻撃能力についてお聞きいたします。
岸田首相は所信表明演説で、「敵基地攻撃能力」保有の検討を明言しました。これまでの歴代政権が、他国に攻撃的な脅威を与える兵器の保有は、憲法違反と判断してきた憲法解釈を180度転換するものであり、岸田政権の憲法じゅうりんの姿勢が鮮明になっています。安倍・菅政権でもできなかった戦争につながる新たな危険性が現れてきたと言わねばなりません。
岸田首相は「憲法解釈の変更をするつもりはない」と述べながら、ミサイル技術の進化を理由に「敵基地攻撃能力の保有も含めあらゆる選択肢を排除せず、現実的に進めていく」と表明し、1月7日に開かれた日米両政府の安全保障協議(2プラス2)の共同発表文書では、「ミサイルの脅威に対抗する能力を含め国家防衛に必要なあらゆる選択肢を検討する」と決意表明し、敵基地攻撃能力も含まれると明言しています。
敵基地攻撃能力は、一発のミサイルを撃つ話ではなく相手領域まで乗り込み、レーダーを破壊して他国領域の制空権を確保し、ミサイル発射機を破壊するなど、地下施設を含む基地をしらみつぶしに攻撃するオペレーションだと政府も答弁しています。そんな攻撃を行えば相手の報復を招き、全面戦争に発展することになります。歯止めなき軍拡競争による軍事対軍事のエスカレーションは、偶発的な衝突から戦争という破局的事態をまねきかねない危険な道です。現在、自公政権とその補完勢力は、憲法9条に自衛隊を明記し、国民の人権を制限する「緊急事態条項」を書き加えるなどの憲法改定を強行しようとしていますが、これは名実ともに日本を「戦争する国」に逆戻りさせる企てであり、絶対に許されません。
岸田政権は、台湾海峡をめぐる米国の対中国軍事戦略に追随し、「台湾有事は日本有事」ととらえ、安保法制を発動する可能性にまで言及しています。自衛隊を派兵して軍事的介入を図ろうという動きは、日本に戦火を呼び込む最も危険な道であり、断固拒否すべきです。
米中関係が武力衝突や戦争という最悪の事態に陥らないようにすることは、世界にとっても最重要課題です。「もっとも抑制すべき道」は、軍事対軍事の対立と軍拡競争の悪循環であり、「もっとも推進すべき道」は、どんな国であれ覇権主義は許さないという立場にたち平和的手段による問題解決を図ることだと考えます。
日本共産党は、米中の覇権争いが強まるもとで「どうやって北東アジアを平和と協力の地域にしていくのか」提案しています。東南アジア諸国連合(ASEAN)は、東アジアの平和と協力の機構として強化をしていくために、ASEANに加盟している10カ国に加え、日本や中国、韓国、米国などの8か国によって構成される東アジアサミット(EAS)が毎年首脳会談を開催するなど、一貫した努力を重ねています。その到達点として、2019年のASEAN首脳会議で「ASEANインド太平洋構想(AOIP)」が採択されました。これは、東アジア地域全体を「対抗ではなく対話と協力の地域」にし、ゆくゆくは東アジア規模の友好協力条約(TAC)を目指そうとする壮大な構想です。こうした東南アジアに学び、破局的な戦争につながる軍事的対応の強化ではなく、北東アジアを平和と協力の地域にするため、あらゆる紛争を平和的な話し合いで解決する9条を生かした平和外交にこそ力をそそぐべきです。
憲法の平和主義・立憲主義を破壊し、日本を戦争に巻き込む岸田政権の「敵基地攻撃能力の保持」は、絶対に認められないと考えますが、市民の命と財産を守る自治体の首長として被爆地の市長としてのご見解を伺います。
(市民局長)
現在、政府において「敵基地攻撃能力の保持」について検討が行われていることは承知していますが、我が国の安全保障に係る事案については、国民の多くが納得できるようなものにすべきであり、その視点を踏まえて、本来は、こうした課題は国政の楊でしっかりと議論していただくべきものと考えています。
しかしながら、都市が攻撃対象となれば、市民の平和な生活が脅かされることになります。そうした観点から、自治体の首長で構成する平和首長会議の会長都市として、加盟都市とともに、あらゆる暴力を否定する「平和文化」を振興し、対話を通じた信頼関係をもとに安全を保障し合う理想の社会を追求できる環境づくりに貢献していきたいと考えています。
(きせ康平議員)
次に、黒い雨裁判の高裁判決を受け入れた上での新たな被爆者認定指針についてお聞きいたします。
初めに黒い雨被爆者への対応について市長のお考えを伺います。
広島市と広島県は、黒い雨裁判の高裁判決を受け入れた上で、しかし、その判決に反する11の疾病要件を入れた政府・厚生労働省の新たな認定指針の骨子案に同意しました。
厚労省が示した認定指針骨子案は、国も高裁判決を受け入れたにもかかわらず、「内部被ばくは認められない」とする総理大臣談話をよりどころに、その判決に従わないものとなっています。判決を受け入れておきながら、それでもその判決の内容の全部は認めないという首相の勝手な言い分を上に置く、到底法治国家とは言えない日本の政府の実態をさらけ出しています。一体、何のために被爆者原告たちは、裁判中も次々と亡くなっていく程の病気を押してまで裁判をたたかってきたのでしょうか。そのような筋の通らない政府に、広島市と広島県は屈服させられてしまったわけです。
いったいそれで、広島市長と広島県知事の責任が果たせるのでしょうか。
敗訴した行政側が判決を受け入れ確定したのに、その行政側が受け入れ確定した判決に従わなくてもいいと市長はお考えでしょうか、明確にお答えください。
(保健医療担当局長)
本市は、高裁判決に従い、53名の原告全員に、被爆者健康手帳を交付しました。
原告以外の黒い雨体験者には、黒い雨裁判の高裁判決の効力は及ぶものではなく、国が上告を断念した際に示した総理談話に基づき、救済していくべきものと考えています。
(きせ康平議員)
また、市長は、「限りなく多くの人が救われる設定になっている」から受け入れたと述べておられるようです。厚労省は1万1千人程度の被爆者認定につながると試算しているとのことですが、市長はその試算を実際に確認されたのかどうか、お答えください。
黒い雨被爆者は1万3千人が生存しておられると言われていますが、そうだとすると2千人は切り捨てられることになります。切り捨てられる2千人について、市長はどのようにお考えでしょうか。
申請しても切り捨てられる黒い雨被爆者の方々は、改めて裁判を起こさなければならないことになります。今回の確定判決を得るまでに、原告たちの裁判闘争は6年にもわたりました。被爆から77年も経つのに被爆者たちに、さらに、そんな苦労をさせていいとお考えでしょうか、市長のお考えをお聞かせください。
(保健医療担当局長)
厚生労働省が来年度の予算を確保するために黒い雨体験者を1万1千人としていることについて、本市は国の試算の内容を確認していません。
しかしながら、本市が令和元年度に試算した1万3千人をベースに、令和3年度までの2年間の推定死亡率を考慮して、令和4年度における黒い雨体験者を試算したところ、約1万1千人となりました。
こうしたことを踏まえると、予算は十分に確保されていると考えています。
(きせ康平議員)
高裁の確定判決は、「原爆放射能の影響の可能性」が認められれば被爆者であるとしています。つまり、他の被爆者たちと同じ扱いをせよと指摘しているわけです。厚労省がつくった新たな認定指針骨子案は、この判決に反して、引き続き黒い雨被爆者と他の被爆者の間に差別を持ち込むことになります。こんなことを広島市長が認めてはならないと思いますが、市長はどのようにお考えか、お答えください。
(市長)
吉瀬議員からの御質問にお答えします。「黒い雨裁判の高裁判決を受け入れた上での新たな被爆者認定指針について」のうち、「国が作った新たな認定骨子案」についての御質問がございました。
本市は、高裁判決が出されて以降、黒い雨体験者を被爆者と認定するに当たっては、疾病はあくまで健康管理手当の支給要件であり、手帳交付の要件からは切り離し、黒い雨に遭ったことをもって手帳を交付できるようにすべきであるという立場に立って、国に対して粘り強く訴えてきたところです。
これに対し国は、被爆者援護法が、原子爆弾の放射能による健康被害という他の戦争被害とは異なる特殊の被害に対して援護施策を講じるものであることに鑑みると、放射能による健康被害の特殊性を伺わせる事情を確認する必要があり、疾病要件は不可欠であるとして、指針改正の骨子案において、被爆者健康手帳交付の要件として11種類の障害を伴う一定の疾病を提示しました。また、同時に、疾病要件は必要であるとしつつも、可能な限り多くの方を救済する観点から、白内障の手術歴がある者も、疾病にかかっている者とみなすということも提示しました。
そこで、この提示を子細に検討したところ、白内障の有病率は年齢とともに増加し、白内障の初期の水晶体混濁を含めた有所見率は、70歳代で84%から97%、80歳以上で100%であるという厚生科学研究班の報告書を踏まえるならば、提示内容であっても多くの黒い雨体験者の方々を幅広く救済することができるとの判断に達しました。
また、高齢化が着実に進んでいる中、黒い雨体験者を可能な限り、早急に救済ができるようにするためには、タイミングを失してはならないと考え、国の提案には「反対しない」こととしたところです。
実際の事務を預かる私としては、法律を遵守した上で、多くの方々を一刻も早く救済していきたいと考えています。
その他の御質問については、関係局長から答弁いたします。
(きせ康平議員)
被爆者援護法第2条と行政手続法第5条を読むと、被爆者健康手帳交付の申請を受けた県知事、この場合、広島市民の場合は広島市長が申請を審査・認定し手帳を交付するとし、行政庁、すなわち県知事と広島市長がその審査基準を定めるものとするとなっています。
被爆者の認定を行う権限は県知事と広島市長にあるのであり、その審査基準を定める責務も県知事と広島市長にあると法律は定めているわけです。確定判決に従わない厚生労働省がつくった認定指針骨子に従っていては、広島県知事も広島市長も、法に定められた責任を果たすことにも、内外の被爆者たちの期待にも応えることはできないのではないでしょうか。市長のお考えをお答えください。
(保健医療担当局長)
これまでの例を踏まえると、本市は、今後、審査基準を作成することになると考えられますが、その内容は、国が発出する予定の黒い雨体験者を被爆者として認定するに当たっての通知等が基となります。
被爆者健康手帳交付事務は、法定受託事務であり、国の方針に沿って適切に履行しなければならないことから、本市としては、国が示す指針に基づいて審査基準を策定することが、法に定められた責任を果たすことになると考えています。
(きせ康平議員)
市長は、みずからが受け入れた判決に従い、これまで被爆を認められずに苦しんでこられた被爆者のみなさんを救済するために、県知事とともに、高裁判決に基づいた認定基準で認定及び手帳交付を行うとともに、政府に対して、高裁判決に基づく認定指針骨子に変更するよう要請するべきです。どのようにされるかお答えください。
(保健医療担当局長)
先ほど市長が御答弁しましたとおり、これまで、本市は、今回の高裁判決を踏まえ、疾病要件を手帳交付の要件から切り離し、黒い雨に遭ったことをもって手帳を交付すべきであると、国に対して再三にわたって強く訴えてきました。
こうした本市の粘り強い要請の中で、国から、総理談話に沿って、広島県・市及び長崎県・市に対して、指針改正の骨子の提示があったものと考えています。
(きせ康平議員)
次に、広島市が、新しいサッカー球場とその付帯施設の建設を皮切りに、中央公園全体の諸施設の再編を進めようとしていることについて、伺います。
まず、ファミリープールについて、廃止することも含めて考えているようですが、これは広島市の親子にとって、家族で夏を安い費用で楽しんでもらえる大事な施設です。この施設の意義と今の場所に存在している意義をどのようにお考えか、お答えください。
(都市整備局長)
中央公園ファミリープールは、昭和54年当時、市内に各区スポーツセンターなどのプールが十分に整備されていない中、市民の皆様の健康・体力の増進を図り、心身の健全な発展に寄与するため、子どもからお年寄りまで、幅広い年代の方に安全・快適にご利用いただけるプールとして、多くの方が利用しやすい市内中心部にある中央公園内に設置したものです。
(きせ康平議員)
市のファミリープール廃止の考えが伝わると市民の間で存続を求める声が起きています。中国新聞には、娘も孫も利用したと、子育て世代にとって大事な存在であることが強調される声が載っていました。民間のプールに行くとかなり費用がかかります。安い費用でということが重要で、民間の施設のようなバラエティがなくても十分に楽しまれており、いまの3つのプールでもいいのではないでしょうか。
私も昨年の夏、2歳5歳の娘たちと一緒に利用させていただきました。日差しの影響でプールサイドの通路がやけどするのではと思うほど熱くなるなど、老朽化も踏まえて改修工事は必要ですが、それでも今のファミリープールは保育園でも利用されるなど、子どもたちにとってかけがえのない場所となっています。私たちは、子どもの施設はまとめて今のところに置くべきだと考えます。ファミリープールは廃止せず、年間を通して使える機能とセットで現在の場所に建て替えをするべきだと考えますが、どうされるかお答えください。
(都市整備局長)
ファミリープールは、施設の老朽化等に加え、来場者用の駐車場不足、夏期のみの稼働であることに伴う非効率性などの課題を解消する観点から、他のプールとの役割分担や民間活力の導入の可能性について整理しながら、抜本的な見直しを検討することとしています。
見直し案としては、例えば、50mプールは各区スポーツセンターなどのプールにその役割を委ね、廃止することとし、こどもプールと流水プールの役割は残すことが考えられます。
あるいは、全てのプールを廃止する場合は、例えば、夏期のみ利用が可能な仮設型のレクリエーションプールや大型遊具を設置し、親子連れで四季を通じて様々なアクティビティが楽しめる空間として整備するなどの案が考えられます。
こうした見直しに当たっては、中央公園内に今後整備される周辺施設の供用開始に伴う新たな賑わいや人の流れの変化等を見定めながら検討を深め、市民からの意見を踏まえた上で方針を決定したいと考えています。
(きせ康平議員)
こども図書館を中央図書館に集約する形でエールエールA館に移転しようとしています。
広島市のこども図書館は、原爆で廃墟となった広島の子どもたちのためにと、アメリカのハワード・ベル博士が1500冊の絵本を寄贈したことを受けて、昭和24年に旧浅野図書館の中に設置された児童図書館を経て、子どもの図書館をつくってほしいというアメリカの県人会などからの善意の寄付に応えて、昭和28年に丹下健三氏の設計で今の場所に貝殻の形をした総ガラス張りのこども図書館が誕生したのが始まりです。
その後建て替えていまの形になりましたが、きちんと市の条例で位置づけられたこども図書館は、独立した子どものための図書館としても20万冊の蔵書を有する全国に誇るべき図書館として知られ、子どもたちだけでなく学校や大人への支援も行い、子どもたちの成長に大きな役割を果たしてきました。
今日の、複雑化する社会状況の中で、子どものことを懸命に考える他の様々な取り組みと一緒に、子どものための施設として発展させていくことこそ必要ではないでしょうか。それに反する、中央図書館の一部に集約してしまうような広島市の考え方は、歴史的な意義を無視しているとともに、時代の要請にも逆行しているのではないかと考えます。
広島市としてこども図書館の役割をどう受け止め、どのようにしていこうとしているのか、これまでの取り組みを踏まえてそれを発展させようという考えはないのか、お答えください。
また、今の場所にこども図書館が存在する意義について、お考えをお聞かせください。
(市民局長)
広島市こども図書館は、児童及び生徒の教養の向上及び福祉の増進に資することを目的に設置された子どものための専門図書館であり、中央公園内にあることで、今まで多くの子どもたちが利用してきた施設であると受け止めています。
子どもの読書離れが進む中、こども図書館の果たす役割はますます重要になると考えており、このたび提案させていただいた中央図書館等との機
能集約により、面積を現在の約1,000㎡から約2,000㎡に大幅に拡大することができます。
このことにより、親子で本を読むスペースやボランティア等による読み聞かせのスペースをゆったりとしたものに広げることができます。また、開架図書の冊数を増やすことができるようになり、子どもたちが多様な本に触れることができるようになります。さらに、交通結節点であるエールエールA館に移転することで利便性が高まり、より多くの子どもたちの来館機会を増やすことができます。
このように、このたびの移転改修により、こども図書館の魅力を高め、より一層の機能強化を図ることができると考えています。
(きせ康平議員)
市は親子で読書を楽しむためにこども図書館と中央図書館が離れていることを問題だとしています。
しかし、子どもの興味関心にもとづいて、親と子どもが一緒に、わざわざこども図書館に行って本を楽しむとき、親は子どもが読んでいる本を一緒に楽しむものではないかと思います。その際に、中央図書館が一緒にないことが不都合だということがどれほどあるのだろうかと思いますが、いかがお考えでしょうか。
(市民局長)
こども図書館の利用者からは、「親子で楽しめるように大人向けの本をもっと置いてほしい」など大人と子どもがともに読書を楽しめる環境を望む声や、「子どもの本をこども図書館で借りて、少し離れた中央図書館に自分の本を借りに行くというのは、手間だ」などの声が寄せちれており、家族等で利用する場合に不便となっています。
また、現在のこども図書館は中学生までを対象とした蔵書構成、中央図書館は高校生以上を対象とした蔵書構成となっており、例えば、中学生がこども図書館で書籍を探した後、大人向けの書籍を探す楊合などには、中央図書館に行く必要が生じます。子どもの調べ学習の内容によっては、中央図書館にある資料を必要とすることもあります。
さらに、児童文学研究を行っている方や児童文学を学ぶ学生などにとっては、児童書や児童文学研究に関する専門書はこども図書館で閲覧できますが、例えば、文学全般に関する専門書は中央図書館でないと閲覧することができないため、2つの図書館を行き来することになります。
このほか、「子ども向けの百科事典のほうが簡潔にまとめられていて、大人にとっても、分かりやすいこともある」、「高齢者施設では、昔話の絵本や紙芝居が喜ばれるため、大人向けの本に加え、子ども向けの絵本や紙芝居も借りたい」といった声があるほか、癒しを求め、子ども向けの絵本を借りる大人も増えているなど、大人にも少なからず子ども向けの図書に対するニーズがあります。
このように、施設の利用対象が分かれていることにより不都合が生じており、このたびの中央図書館等との機能集約により、こうした不便さを解消できるものと考えています。
(きせ康平議員)
中央図書館について伺います。来年度予算に、中央図書館とこども図書館、映像文化ライブラリーを統合集約してエールエールA館に移転するための設計予算等が組まれています。
この問題は、広島市が原爆の惨禍から復興し発展していく歴史とともにあった中央図書館やこども図書館を、どう発展させていくのかという広島市にとってたいへん重要な問題ですが、これが議会に報告されたのは昨年11月です。短期間だった市民への意見募集も締め切ったばかりです。
市民がエールエールA館への移転を知ってからまだ3か月しかたっていない、まだ市民的な議論がこれから行われようとしている中で、まるで、議論にフタをするかのように、また、移転は決まったかのように予算をつけるやり方は、問答無用だということでしょうか。聞く耳は持たないということでしょうか。
いま政治の世界では「聞く耳を持つ」ということが大事だと言われていますが、「聞く耳を持つ」とは聞くだけではありません。他の意見を尊重し政策に反映する姿勢を持つということです。市長はこの問題では聞く耳を持つ気がないのかどうか、まずお答えください。
また、先日の都市活性化対策特別委員会の質疑では、必要な事業費の根拠もあやふやでまともな説明ができていませんでした。議会が事業の是非を判断するとき、事業費がどうなるかも重要な要素です。
そんな段階で拙速に事業費の一部の予算が出されているわけですが、いったん予算がついても、その後の議論の結果で計画を撤回することはありうるのかどうか、お答えください。
(市民局長)
本定例会に中央図書館等の再整備に必要となる予算を提案させていただいていますが、これは議会において議論を深めていただくためのものであり、本市としては、中央図書館の再整備を皮切りに、中央公園内の各施設の移転・集約化を着実に進めていきたいと考えています。
(きせ康平議員)
中央図書館は、広島藩最後の藩主であった浅野長勲(ながこと)が私財を投じて設立した浅野図書館が広島市に寄贈され、広島市浅野図書館となったのが淵源であり、今年で設立91周年を迎える、広島市の歴史、原爆からの復興とともに、広島市の文化の拠点として歩んできた図書館です。 その役割も大きく、機能も多彩です。その広島市の文化の拠点の発展を図るどころか、広島駅周辺の賑わいの目玉だと言って、これから老朽化していく商業ビルの一部に押し込めてしまう発想は、文化の拠点などどうでもいいということでしょうか。
南口開発のエールエールA館に移転させようというのは、これから完成する広島駅と一体の駅ビルに経営を脅かされようとしているエールエールA館の経営支援のためであることは、市民にも議会にも見透かされています。最近の中国新聞の投稿にもそういう指摘がありました。「国際平和文化都市」の名が泣くというものです。
歴史ある中央図書館を広島市の文化の拠点としてどう発展させていこうとお考えか、あるいは、そういう考えはないということなのか、お答えください。
(市民局長)
図書館は、市民の学習や調査研究などに資する社会教育や生涯学習の拠点であり、そこを利用する人が、広島の歴史、文化、産業等を学び平和への思いを共有し実践する中で、その思いを更に広めていくきっかけを得ることになるものと考えます。
このような機能をもった拠点施設を新たに交通結節点である広島駅周辺地区に整備することにより、多くの市民や来訪者がそれにふれる機会を確保することになり、楕円形の都心づくりの東の核における文化の拠点になるものと考えています。
(きせ康平議員)
先日の都市活性化対策特別委員会の質疑の中で、8階から10階のフロアを買い取る考えであることが明らかにされました。また、自動車図書館機能は1階だとしましたが、重量のある蔵書の書庫をどこに置くかは明らかになっていません。
移転に必要な費用は、移転先のフロアの買い取りに60億円、建物の改修費に35億円、移転費用1億円を合わせて96億円程度かかるということでした。
他方で現地建て替えの場合の建築費は90億円、仮設の図書館の設置費等で32億円、合わせて122億円程度かかるという数字が出されています。
特別委員会の答弁では、建物の改修に当たっては特に補強等の措置は必要と考えていないということでした。
しかし、建築基準法によると、百貨店等の床に求められる強度に比べて、図書閲覧室に求められる床の強度は2倍となっています。つまり、それだけの重量を想定する必要があるということで、床や梁(はり)の強度を2倍に高める必要と思われます。さらに、8階から10階にそういうものを持って来るということは、そうした重量のものが大規模地震の際に、ビルの一番上の方で揺れても耐えられるように、建物そのものの強度を高める大規模な工事が必要ではないでしょうか。
さらに、移動式の書庫を置く蔵書の書庫の場合はもっと重量があるので、そのフロアは百貨店のフロアに比べて4倍の強度が求められています。
これらの補強を実施すればかなりの費用が想定され、96億円では到底収まらないのではないかと考えます。いったんエールエールA館の使用を止めて工事をする必要があるかもしれませんが、そうした補強をやらなくていいという根拠をお答えください。
(市民局長)
新しい中央図書館については、今後、積載荷重に耐えられるよう具体的なフロアの配置等を考慮したうえで、基本設計・実施設計を行っていくこととしています。
事業費については、96億円の範囲で収まるものと考えています。
(きせ康平議員)
また、現地建て替えの際の仮設の図書館の費用についてですが、中央図書館の機能の内、閲覧スペースは、建て替え中であるということで、各区図書館が代用することは十分考えられます。
蔵書やストックしている資料の収蔵スペースと、市民の求めに応じて、必要な書籍や資料を受け渡すスペースと、自動車図書館としての集配などの作業スペースなどの中央図書館としての最小限の機能を確保できればいいのではないかと思います。それだともっと仮設の施設の経費が少なくなるのではないかと考えます。
この点についてのお考えをお答えください。
(市民局長)
仮に中央図書館を現在地に建替する場合は、再整備期間中も中央図書館は閉鎖せず可能なかぎり現在の機能を維持する必要があることから、再整備期間中に仮施設を設置する必要が生じます。
この場合の仮施設の建設費については、現在の中央図書館と同様の規模を想定しているのではなく、約120万冊を収納できる書庫と、調査・相談等のレファレンス機能のための閲覧室など、必要最低限の機能に絞った規模の施設を想定し試算しています。
なお、各区の図書館も書庫や閲覧スペースは手狭になっており、再整備期間中に中央図書館の機能を部分的にでも代用することは困難です。
(きせ康平議員)
次に、青少年センターをこども文化科学館に併設集約するという考えが出されています。
広島市には学区ごとに児童館が置かれていますが、その利用は小学生までに限られているのが実態です。児童とは高校生までを含んでいますが、中学生や高校生が自主的に活動できる施設はほとんどありません。勤労青少年ホームの廃止を決めているなかで、広島市の青少年が活動する拠点として、青少年センターの役割は一層重要になっているのではないでしょうか。その意味でも集約というのは逆でしょう。市長はどのようにお考えか、お答えください。
青少年センターは、ホールだけで年間の利用がおよそ120件、その他の諸室はおよそ8500件、利用者数は合わせて約24万人。これらは、小学生から20代の若者たちがホール以外は無料で利用できるからこその利用実績であり、これをどのように評価するかはいろいろな考え方があるでしょうが、それらの活動がますます発展していくような方向性が必要ではないかと考えます。
ホールは629人を収容でき、何よりも、広くて設備の整った広い本格的なステージがあり、しかも他の施設にない安い費用で使えるため、青少年の音楽活動をはじめとする文化活動の発表の場として重要な役割を果たしてきました。アマチュア時代の吉田拓郎さんらが、全国の「フォーク村」のさきがけとなった「広島フォーク村」をスタートさせたのが青少年センターだということはよく知られています。
また、ホール以外の集会室や会議室などの特徴は、16ある大小の部屋の内10室にダンスの練習などに欠かせないウォールミラー、壁いっぱいの鏡が設置してあって、ダンスグループによく利用されており、利用登録グループのうち3分の1以上がダンスグループだということです。防音設備のある音楽室も2室あってバンドの練習には欠かせない施設となっています。しかも無料で利用できます。こういう施設は他にありません。
今の青少年センターの特徴的な機能について、青少年の利用が無料であることを含めて、どのようにお考えか、お答えください。
利用する若者たちの日々の練習の成果を発表する場も、青少年センターの主催事業として取り組まれていて、今年の計画では38件の主催事業が計画され実行されてきましたが、こうした取り組みについてどのように評価しておられるか、お答えください。
(教育長)
本市の青少年の広域的・自主的な文化・芸術活動の拠点として目的内は無料で利用できる青少年センターの役割は重要であると認識しており、今後もこうした役割を果たすための機能等を維持する必要があると考えています。
一方で、青少年センターは、昭和41年に開設され、建築後56年が経過し老朽化が著しく進行していることや、ホールや一部諸室の利用が少ないなどの課題を抱えています。
このため、こうした機能等を維持しつつ、こども図書館移転後の空間を活用し、近隣のこども文化科学館と集約・複合化することにより、ホールや諸室の共用化を行うとともに、こども向け体験講座を開催するなど、こどもと青少年との多様な交流機会の拡充を含む、幅広い年齢層の利用促進を目指し、今後、市民局と連携を図りながら、市民意見募集を経て、基本計画策定等の具体的な検討に取り組んでまいります。
(きせ康平議員)
青少年センターは、ホールだけで1千平方メートル余り、全館では4千600平方メートル余りとなっていて、こども図書館のあとへの移設など不可能で、いまの機能を大幅に縮小するということにしかなりません。
しかし、これまでの青少年センターを活用しての青少年の活動を考えれば、その活動がより活発に、その内容も多様な形に発展していくよう考えるべきで、それを支援することこそ必要ではないかと考えます。また、本格的なホールをこども文化科学館の小規模なホールに集約してしまうと、双方の活動に制約が生じるのではないでしょうか。
先日の都市活性化対策特別委員会での答弁では、利用する時間帯にずれがあるので、両方の利用が可能だと言っていましたが、非現実的な発想だと思います。いずれの活動も、その発展を支援する考え方が必要で、更新するなら、それぞれの施設の特徴を生かしより多様な活動ができるようにしていくべきではないかと考えますが、市長のお考えを伺います。
(教育長)
青少年センターのホールの稼働率は平均で29%と低く、諸室の稼働率は、平日の時間別では17時までが35%であるのに対して、17時以降が64%と高くなっており、部屋別では和室や実習室など用途が限られる部屋の稼働率が平均で25%であるのに対して、様々な用途で使用できる部屋は61%と高くなっています。
こうしたことから、集約・複合化の検討に当たっては、こども図書館移転後の空間に、利用が多いダンスや音楽の用途にも対応できる防音機能や鏡を設置した汎用性の高い部屋を確保するとともに、こども文化科学館のホールや、同施設が閉館となる17時以降を中心に諸室を共用化することによって、青少年の多様な活動機会を確保できるよう努めてまいります。
(きせ康平議員)
最後に、以前から旧広島市民球場跡地のあたりに、修学旅行の児童・生徒たちが被爆体験などの話を聞くなどの場所を確保してほしいという被爆者団体からの要望がありました。
これは修学旅行を積極的に誘致してきた広島市として重要なことだと考えますが、どうされるお考えか、お答えください。
以上総括質問といたします。ご清聴ありがとうございました。
(都市整備局長)
被爆者団体が実施している修学旅行生への被爆体験講話については、現在、広島平和記念資料館(東館地下1階)や、国立広島原爆死没者追悼平和祈念館(地下1階)のほか、必要に応じて民間施設なども利用されていると聞いています。
こうした中、旧広島市民球場跡地では、屋根付きイベント広場を整備することとしており、屋根の下の広場では、小規模なイベントが開催できるほか、市民や観光客等の来訪者が日常的にくつろげるオープンスペースとして活用できるよう予定しています。
このため、旧広島市民球場跡地周辺で、こうした会場の確保が求められる場合には、跡地に整備される屋根付き広場を利用いただくことが可能であると考えています。
(きせ康平議員)
まず日米地位協定、敵基地攻撃能力についてはしっかりと言っていただきたいというところです。
黒い雨についてですが、結局はその試算においてしか出ないその料金に出ない方は見捨てるという判断になるんですけれども、市としては全ての方々が救えるんじゃないかという試算だということですが、実際にはそれに当てはまらない方も出てくるはずです。そうした方々にはもう目を向けないということでよろしいかどうかお答えください。
中央公園について、ファミリープールを縮小またはなくして夏限定の施設をということが検討されているとのことですが、50メートルプールもそこだけを利用するわけではなく、それも含めてこそ今の利用人数であるということを指摘させていただきます。あわせて、夏季しか立てないイベント広場になるとしても、他都市の事例を見ますと、1時間で1,000円を超えるような利用料になると、じゃあそれを目的に利用するのかどうかということも不安があります。
保育園も含め幼い子どもたちも、なくなってしまえば使えなくなってしまうので、これからの子どもたちの夏の楽しみがなくなってしまうのではないかというところで、残していくべきです。改善等も含めて検討をすべきだと思いますが、改めてこのことについての見解をうかがいます。
こども図書館についてですが、両方とも利用できないという声があるということと、置いている本の種類にもよるということもいろいろ述べられていますけれども、やはりあそこにこども図書館があるからこその、あの周辺地域は、子どもたちはそこにあるからこそ利用できる人数であって、例えば利便性が良くなっても図書館だけでニーズが、人が増えるのかといえば、おそらく現在よりは下手すると下がってしまうんじゃないかと危惧します。
ほかの施設もあって、近くに公園もあるからこそ帰りに立ち寄れる。そんな施設だからこその人数ではないでしょうか。
そうした中で、先日のアンケートの回答も、先日の答弁でもありましたけれども、200を超える意見が出ている中で、その大半が移転には反対だという声です。更にはこども図書館は残してほしいという声が、回答者全てが残して欲しいという声がある中で、市は今のこども図書館のスペースの2/3程度で読み聞かせスペースを残していくなどという苦肉の策と言えるような対策あげているわけです。
そうではなくて、やはり今の位置にあるからこそ残すべきであるということなので、こども図書館は集約ではなく、まずはそこに残していく、中央図書館においても、必要であればそれぞれに蔵書させていくということで進めていくべきだと思いますが、その点についていただきたいと思います。
中央図書館ですけれども、予算では現地建て替え122億、移転では96億とのことですが、おそらくそれでは収まらないと思います。試算では収まるといいますが、他の事業でもこれまでその金額で収まったことがありません。特に高速5号線であり、南口の開発であり、当初の予算を大きく超えてくるところが今の常なので、そういった意味ではやはりそこの試算をしっかり出すまでには予算にあげるべきではないと思います。
この根拠も明確ではなく、他都市の事例を用いた試算とのことで、施設の耐久性についても明確な答弁ではないと思いますが、改めて答弁をいただきたい。
先日の並川議員の再質問の中で、経過年数での比較の際に、こういう土地を引いた金額も指摘されていましたが、なぜそこだけ外したのか、やはり先ほどの答弁も踏まえて、そこを皮切りにということもありましたけれども、移転ありきでの事業が進んでいると思わざるを得ないんですが、このことについて改めてご説明いただきたいと思います。
最後に修学旅行生の事についてですけど、屋根付き広場を利用できればということはありましたが、そこは使えるということで良かったと思います。大きくて高さのある屋根なので、結構雨が吹き込んでしまうのではないかという指摘もあります。しっかりと話ができるに、中央公園内に別の施設を建てることも含めてちょっと検討いただきたいと思います。
(市民局長)
こども図書館について、今中央公園内にございますけども、中央公園内にあることでの魅力も当然ございます。もちろん広島駅周辺地区に行った移転集約後の魅力もございます。どちらもそれぞれの魅力があると思っておりますけども、利便性という意味で子どもたちに少しでも本を触れる機会を持っていただく、子どもたちが本を読める機会を幅広く提供するという意味では、交通結節である広島駅周辺地区に行くことで、より多くの子どもたちに触れる機会が生まれてくるのではないかと思っております。
またこども図書館・子ども科学館に今の約1/3程度のスペースを残して、子どもに本に触れてもらう機会を残そうとしておりますけども、当然そこにも本を開架図書という形で書庫を置きまして、子どもたちにいろんな多様な本を読んでいただくニーズには応えていきたいというふうに思っております。
それから、中央図書館の積算額、建設工事費、工期の話もございました。こういったことにつきましては、来年度基本設計、実施設計を行ってまいりますので、そういった中できちんと積算をしてまいりたい、具体的に工期も考えてまいりたいというふうに思っております。
それから建設費の比較、96億円と122億円の話がございました。96億の中には土地取得費が入っているという話も先日させていただきまして、この土地の取得は工事とは別物として将来にわたって広島市の貴重な財産となっていくものでありますものですから、現地立て替えと移転建て替えを比較検討する上でのベースを合わせるという意味で、土地取得費を除いて比較することが適切な比較ではないかということで整理をさせていただいたものでございます。
(保険医療担当局長)
黒い雨に関して、被爆者に当てはまらない方についてはどうするのかという質問です。
まだ今申請者が最終的にどれだけいて、認定者がどれくらいになるかもわからない現段階で具体的な答えは控えさせていただきたいと思いますが、本市としましては、可能な限り多くの方々を救済していくという考えのもとで認定事務について力を尽くしていきたいというふうに考えております。
(都市整備局長)
まずファミリープールについての質問にご説明を申し上げます。これからの子どもたちの利用を考えて、利用料金などにも意識をしながら、課題の解決あるいは改善を含めた検討をすべきではないかというご指摘ご質問がございました。
先ほどの言葉にもありましたけれども、中央公園広場について、これからサッカースタジアムも出来ますし、その通りにパークPFI制度を活用した様々な施設ができる予定もございます。周辺施設のこういった供用開始も踏まえながら、先ほど頂いてるご意見も含めて人の流れの変化様々なご意見を踏まえた上での検討をこれから深めていきたいというふうに考えております。
それから、旧広島市民球場跡地の関連で被爆体験の話を聞くを他の施設の検討はできないのかということもございました。
屋根付き広場については、高さが高いので雨の吹き込みが心配だとのご意見もございましたけれども、旧広島市民球場跡地については、広場の周辺に様々な店舗の計画もございます。
そういったところの計画については、現在詳細を詰めているところでございますので、内容あるいは使い勝手等も含めてちょっと今の段階で確定的には申し上げられないんですが、少なくとも屋根付き広場の下では、小規模なイベントが開催できるような形での利用を考えておりますので、少なくともこういったところは使っていただけるんじゃないかということで、ご理解いただきたいと思います。
(きせ康平議員)
黒い雨についてですけれども、出来る限りという話もありましたが、基本的には法を遵守して何ていう言葉もあり、国の指針に沿ってしか基準を定められないという話だとは思います。けれども、申し上げましたように本来であれば市長の責任でそうした基準も決められるものであり、そこが大半を救えるのであれば、そこを救えるような基準にして頂きたいということを思います。それについて改めて答弁をいただきたい。
そうした中で、被爆者について今の制度、骨子案についてもう十分言ってきたからいいんだと先ほどの答弁で受けられました。しかしまだ不十分で、その裁判の判決には到達してないというところで、そこは改めて県と合わせて改善するよう言うべきだと思います。それもお聞かせください。
中央公園の中央図書館ですが、やはり移動の面で建て替えたほうがいいという話がありましたけれども、子どもたちにとって、移動手段があるからこそそこに行くという状況はなかなかないようなことが考えられるのではないでしょうか。また、近くに子どもたちの施設がないことから、本当に図書を読む目的しかそこには行けないという状況だと思います。今の移転ということが本当にそうなのかということを合わせて考えていただきたい。
予算はこれからと言いますが、今の96億円より増えた場合どうされるのか。122億円よりも増えることも考えられます。そうした場合、移設を撤回されるのかどうかお聞かせください。
(保険医療担当局長)
被爆者の認定事務に関してですが、これにつきましては先ほど市長が答弁したとおり、法律を遵守した上で実施していくということに尽きると考えております。
そしてあともう一点、国に対して要請すべきというご質問についてですけども、これも先ほど私が答弁したとおり、今回の国の指針改正の骨子の内容は本市が国に対して粘り強く訴えてきた中で、国において黒い雨体験者を可能な限り救うという考えのもとで、最大限配慮していただいた結果というふうに考えております。
本市としましては、今後国が指針に基づいて黒い雨体験者を可能な限り早急に救済できるよう力を尽くしてきたいとそのように考えています。
(市民局長)
まずこども図書館についてでございますけども、先ほどご答弁申し上げた通り、こども図書館としての本来機能の充実、これをしっかり図っていきたいということはもちろんでございますけども、そうした中で、この度交通結節点である広島駅周辺地区に行くということで提案させていただいております。
こども図書館はやはり子どものための図書館ではございますけども、子どもだけで行くということではなくて、小さいお子さんについては親御さんと一緒に行かれる施設であろうかと思います。そういった意味で、交通結節点にあるということで親子で来られる来館機会は増えるもの、確保できるものと考えております。
中央図書館についての予算あるいはその今後の展開についてのご意見ございましたけども、先ほど申し上げた通り中央図書館の建設等に係る具体的な予算、フロアの配置内容につきましても来年度基本設計実施設計を行う中でしっかりと検討してまいりたいと考えております。
先ほど申し上げた通り、中央公園内の公共施設それぞれこども文化科学館も含めリニューアルの計画等を予定しておりますので、そういったことも含め着実に進めてまいりたいと考えております。