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第112号議案「広島市市営住宅等条例の一部を改正する条例」について
第119号議案「変更契約の締結について」
付託案件外 1.市営高須住宅の建て替えについて
2.バス便の充実について
3.高速5号線について
(中森辰一議員)
二つについて聞きます。
まず、112号議案の市営住宅条例の一部を改正する条例ですけども、今回の条例改正の趣旨は、パートナーシップ宣誓を行ったペアに対して、法律婚や事実婚、婚約関係の男女に準じた扱いをする、つまり対象範囲を広げるということだと理解しておりますが、それでよろしいですか。
(住宅管理担当課長)
この度の制度改正につきましては、パートナーシップの宣誓をした方を市営住宅の入居者に加えるということですけれども、この宣誓制度の創設に当たりまして、婚姻関係等にある市民に対して行っている行政サービスをパートナーシップ宣誓した者にも適用しようという取組を行うものです。一方又は双方が性的マイノリティであるお二人がこの宣誓制度の対象となり、新たに入居の資格を認めるというものですので、今おっしゃったように範囲を拡大するものです。
(中森辰一議員)
今回の条例改正を考えますと、公営住宅の入居者資格について条例で対象を広げることができるということだと思います。この条例改正は、法が定める枠組みの範囲内なのでできるということなんだと思いますが、そのとおりでよろしいですか。
(住宅管理担当課長)
市営住宅の入居者資格につきましては、今おっしゃられたように、広島市の条例で定めていますけれども、基本的には、公営住宅法による住宅に困窮している方に提供するための制度ですので、その制度の枠組みの中で、条例で適切に入居者資格を定めるという理解をしております。
(中森辰一議員)
この改正自体は、私は当然必要なことで、実施するべきだと思っているんですけれども、対象範囲の拡大のための条例改正を考えるに当たりまして、そもそも、なぜ条例改正が必要なんだろうかという疑問が出てきたわけです。
本来、市営住宅というのは全ての市民に開かれていなければならないと思いますし、住宅に困窮しているという意味の大部分が低所得であるということを予定しているのであるならば、現状では所得制限というのはやむを得ないとは思うんですけれども、今の条例がなぜ、今回のような同性ペアを排除することになっているのかというのがよく分からないんです。どうしてでしょうか。
(住宅管理担当課長)
条例の市営住宅の入居者資格につきましては、単身での入居者資格、複数での入居者資格を定めておりまして、単身の場合は、高齢者あるいは障害者といった方が単身で入れるように条例で定めております。
そして、この度の改正は複数で入る場合の入居者資格でございますけれども、今、制度上は同居親族要件ということで親族に限定しておりまして、本市では、例えば知人同士で市営住宅に入居申込みができるようにした場合は、抽選倍率を引き上げてしまい、住宅に困窮する家族の入居が一層困難になるということから、市営住宅に2人以上で入居する場合には、住宅に関する公的援助の必要性の高い同居親族のある方に限って入居を認める、同居親族要件を設けております。
(中森辰一議員)
今、要するに広島市がやっている入居者資格に関わる条例の内容をおっしゃったんだと思います。
条例では、原則として同居親族がある複数の人が申し込めるということになっております。例外として、60歳以上の単身者であるとか、障害があったりとか、DVの被害を受けているとか、様々な事情が認定される方について単身でも入居申込みができるということになっているわけです。この入居者資格の制限は公営住宅法が大本だと思いますけども、どういう条文によっているんでしょうか。
(住宅管理担当課長)
公営住宅法には、住宅に困窮していることについては要件として定めてありますけれども、同居親族要件については規定されておりません。
(中森辰一議員)
当然のように受け止めてきたものですから、余り考えたことはなかったんですけども、改めて今回、法律を見てみましたら、今おっしゃったんですけれども、公営住宅法第23条に入居者資格というものが書いてあります。この条文には、明らかに住宅に困窮しているということと収入に制限があるということ以外には、入居の条件が定められていないわけです。なぜ、同居する親族があるということを入居者資格にしているのかということについて、先ほど、友人同士でというふうなことがありました。それは一つのペアとして、あるいはトリプルでもいいと思うんですけれども、一つのものとして入居申請すれば、別にこれが競争を引き上げるということには当たらないと思うんです。なぜ、同居親族ということを原則にしているのかということなんですが、これはどうでしょうか。
(住宅管理担当課長)
同居親族要件につきましては、もともとは公営住宅法に規定があった要件でございます。これが法改正により各自治体の条例で定めることにされたものですけれども、私どもとしましては、その時の抽選倍率の状況などを勘案しまして、先ほど申し上げましたような理由から、条例には引き続き同居親族要件を設けたところでございます。
(中森辰一議員)
今、以前と今はというふうなことをおっしゃったんですけども、つまり、この法改正というのは、条例で定めるということになるのかもしれませんが、基本的には収入要件と住宅に困窮しているという要件だけにして、その対象はやっぱり広げていくということだったんだと思うんです。そういう点で言うと、かなり厳しい条件を付けてしまっていると思っていまして、この法律と条例という関係だけを見ますと、こんなに相当に狭い形で制限を付けてしまうというのは、法律の趣旨にそぐわないのではないか。もっと言えば、もしかしたら法律に違反した条例になってしまっているのではないかとも思うんですけども、この点はどうなんでしょうか。
(住宅管理担当課長)
法律に規定されてない要件について条例で定めていることですけれども、法律から同居親族要件が削られたことを、各自治体の判断で要件を定めるようにということでの法改正と理解しておりまして、公営住宅法に規定が無くなったからといって、同居親族要件を法的に設けてはいけないということではなく、各自治体で判断するようにという法改正であると理解しております。
(中森辰一議員)
法の施行令とか規則とかを見ても、そういったようなことはどこにも書いていないわけですので、ここはもっと緩やかにしてもいいのではないか。以前に比べて、例えば単身の方は相当増えています。当然、成人であれば基本的には契約できるわけですから、入居申込みができますけれども、今は単身でも住居に困窮している方が相当いらっしゃって、それは60歳以上に限らないという状況が随分と広がってきているんだと思うんです。ですから、今の社会状況の変化というものも捉えながら、今、あなた方がおっしゃったように、条例で決められるということであるのなら、もう少し今の社会の実態に合ったような形に広げていくということを考えるべきではないかと思っています。今回の条例改正そのものは賛成ですけども、一つ問題提起をさせていただきたいと思いますので、これは是非考えていただきたいと思います。
(中森辰一議員)
もう一つ、第119号議案の変更契約の締結ですけれども、先ほど議論がありました。結局、契約額を増やすだけではなくて、工事期間の延長も3か月ではないということが明らかになったわけです。いずれにしても、当初の調査というのが結局不十分だったということで、今回のような変更契約をしなければならなくなったということになるかと思うんですけども、その点について認識を伺います。
(建設担当課長)
シールド掘削路線は、谷地形を有していることから土質性状が一様ではなく、転石を含む堆積層も想定していたため、あらかじめ通常の2倍の11か所のボーリング調査を実施し、その結果を踏まえ、シールドマシンを製造しております。
しかしながら、掘削が約160メートル進んだ付近より排出された土中から転石が度々確認されるとともに、先端部のビットにおいて予想を超えて摩耗が先行したことが判明したことから、シールドマシンの故障リスクを回避するよう作業を停止いたしました。通常の2倍以上の土質調査を行っており、当初のデータには問題ないと考えております。
(中森辰一議員)
昨日、調査をした結果の地質の状況を示した図も見せていただきましたけど、結構長い距離の間、大変厳しい土質になっているということだと思うんです。そういう点で、実際のボーリング調査の状況も見ながら、やっぱり場合によっては、準備段階でのもっときちんとした調査というものが必要だったのではないかと思うんです。この当初の準備というのが、当然、設計に関わってくるわけですし、工事費用に関わってくるし、地元にはこれだけの期間でやりますということをあらかじめ説明しているわけですから、そういうふうなことにも影響してくることなんだろうと思うんです。
今回は、全体で6億4,000万円の増額になるわけです。これは、元の工事費が21億7,507万円ですから、大体3割も工事費が増額になるということで、相当の見込み違いがあったということになるのかと思います。当然、デルタ地帯ではないわけですから、ボーリング調査をするに当たっても、こういう花こう岩の硬い岩盤があったりなかったりというような、非常に複雑な地形があるんだということも想定しておく。想定されたんでしょうけども、結果的にそれが不十分だったということだろうと思いますので、その点、これからは慎重な準備段階での調査というものが必要なんだろうと思います。
それから、今回の問題が起きた所は、硬い岩質の岩がある所だと思うんですけども、相当な振動が起きる可能性があると思うんです。その点で、例えば周辺の住宅などにそういう影響が及ぶ心配はないのかどうか。
(建設担当課長)
シールド工事におきましては、振動等が発生する場所は主に発進立坑における設備機器のものでありまして、これにおきましては防音ハウスという建屋や低騒音・低振動タイプの機器の採用、特に振動が発生する部分については機器のクッション材等を考慮した上で、振動の低減を図ります。
また、転石等の掘進区間でも振動等があるのですが、これについては、掘削時のシールドマシンの進行速度を遅めたりとか、そういった施工上の工夫をすることによって、できる限り少なくということで対応したいと考えております。
(中森辰一議員)
このシールドマシンの振動と地表での被害という問題については、既に実例が最近起こっておりまして、これは深さが違っていたり、いろいろ条件は違うかもしれませんけれども、東京外環道の地下40メートルの深さでのシールドマシン工事の振動が影響して、地表面の大規模な陥没につながったということが発生していると思うんです。土質の液状化だったというふうなことも言われているんですけども、こういうことをシールドマシンの工事であっても考えながら取り組んでいくことが必要ではないかと思っておりますので、是非、慎重に工事は進めていただきたい。もし、想定よりも振動が大きくなるようであれば、やっぱり地元に説明をするといったことも必要ではないかと思いますので、その点はお願いをしておきたいと思います。
(中森辰一議員)
発言通告を3点行っております。できるだけ効率的にやりたいと思いますので、御協力をお願いします。
最初に、高須市営住宅の建て替えについてということですけれども、西区の高須市営住宅について9月定例会の時にも質問をしたんですが、来年度予算に関わるタイミングでありますので、あえて再度、質問をしておきたいと思います。
高須市営住宅は周辺の住民の皆さんから、今の四階建てを超える高い建物を建てるのは認められないという反対の声がかなり強く出されて、建て替え計画を一旦中止といたしました。一旦中止としましたので、今、高須住宅に住んでおられる人たちは、次の計画ができるまで今の所に住み続ける必要があります。ただ、建て替えをするということで、一時移転する準備をしていた住民もおられて、これからどうなるのかと不安に思っておられるわけです。
そのような中で、高須住宅の住民に対してアンケートをされましたけども、どのようなアンケートをされたのか、どのような結果になったのか、簡単に御説明ください。
(住宅整備課長)
本年11月6日付けで、高須住宅の全入居者61世帯を対象に、当面の間、現在の住宅に住み続けたいか、また、他の市営住宅に移転したいかの意向を確認するためのアンケートを実施したところです。
その結果、現在の住宅に住み続けたい方が36世帯、他の市営住宅に移転したいと希望する方が9世帯となっております。残りの16世帯の方については未回答ですので、引き続き意向の聞き取りを行います。
移転を希望された方に対しては、移転先の空き家の修繕を行いながら、意向に沿った形で丁寧な対応をしていきたいと考えております。
(中森辰一議員)
61世帯のうち36世帯、現状では残りたいという意向だということなんです。そういう点では、かなりと言うか、過半数の方々がそういう思いだということで、残りの16世帯もおおむねそういった割合になるのかもしれないと思っております。
計画が決まるまで今の住宅に住み続けるとされた方は、今のままの生活を続けるということになりますけれども、移転をするというふうに回答された方の場合、この移転の費用というのはどういうふうになるんでしょうか。
(住宅整備課長)
移転費用については、現在お住まいの各住戸の家財の状況も調査させていただいた上で、市から入居者に、広島市市営住宅の整備等に関わる取扱要綱に基づく移転費用をお支払いすることとしております。
(中森辰一議員)
分かりました。
問題は、建て替え計画をいつ検討して、いつまでに結論を出すのかということになります。一旦中止としましたけれども、建て替えを計画していた、建て替えなければならない理由があったわけですから、できるだけ早く検討して結論を出す必要があると思います。
9月議会の答弁で、今の市全体の管理戸数を減らす考えはないということを明らかにされましたので、少なくとも今の高須住宅の戸数は維持をするということになります。今は四階建ての建物が3棟と、二階建てのブロック住宅の2棟が1列に並んでおりまして、4列あるということになっておりますが、これで84戸あります。この戸数を今の敷地で維持できないのかということが考えられると思うんですけれども、今と同じような形で四階建てを4棟、あるいは四階建て3棟と三階建て1棟、あるいは四階建てを3棟と二階建てを1棟ということでも今の戸数を維持できると思いますけども、そのような建て替え計画になり得るんでしょうか。
(住宅整備課長)
建て替え計画の見直しについては、市営住宅の空き家状況の調査分析の後、行うこととしております。
今後の検討においては、地域のまちづくりの動きや都市計画のルール、周辺の建物の将来的な動向を踏まえながら、広島市市営住宅マネジメント計画に定める方針に沿って、市有地の有効利用や最適な利用が図られる観点から、改めて整理していきたいと考えております。
(中森辰一議員)
時期の問題は後から聞きますけれども、今の敷地ですが、電停もすぐ近くにありますし、バスが通る宮島街道も少し歩けばあるわけです。そういう点では、交通の利便性というのは非常に高い立地になっております。ここに住み慣れた人たちの多くは、やっぱり今の所がいいと思っていらっしゃると思います。市営住宅での高齢化が相当進んでいるということを考えますと、交通面で不便な所は問題があるだろうと思うんです。そういうことで、建て替えは今の敷地を基本とすべきではないかと思います。
四階建てを超える高い建物は反対だという地元の皆さんの意向もやっぱり尊重しなければなりませんので、階高は四階建てまでに抑えた上で、最大限、今の敷地で戸数を確保できるように取り組むべきだと思うんですけども、この点について考えをお聞きします。
(住宅政策課長)
本市における市営住宅の更新については、広島市市営住宅マネジメント計画に示すとおり、生活圏が重なる団地同士で一つの団地グループを形成の上、一体的に再編・集約化を図るという考え方の下に行うこととしています。
高須住宅については、一旦中止という状況となっており、改めて現在地での建て替え案と併せ、グループ内の他の団地への集約案等も排除することなく検討していくことになると考えています。
(中森辰一議員)
グループ内の他の団地というのはどこがあるのか、ちょっと言ってもらえますか。
(住宅政策課長)
今、建て替えを進めております南観音住宅と、己斐アパートでございます。
(中森辰一議員)
己斐アパートが一番近いかと思いますが、南観音住宅の方は建て替えを進めております。だから、ここは集約していくというのはなかなか難しいんじゃないかと思うんですが、己斐の方もそんなに広い敷地ではありませんから、そんな簡単なことではなかろうと。ここは高層化の可能性は非常にあるんですけども、敷地そのものは非常に狭い敷地で、今いっぱいいっぱいで四階建てか五階建てになっているかと思うんです。そういう点で、今の敷地というのは必要性が相当高いと考えられるのではないかと思います。
先ほど言いました立地条件のことも考えて、そういう方向で是非お考えいただきたいと思うんですけども、問題は一旦中止した建て替え計画をいつ再スタートさせるかということになります。今回、一旦中止してしまったわけですけども、この建て替えというのはいつ完了する計画だったのでしょうか。
(住宅整備課長)
令和3年度から解体と建て替え工事に着手し、令和5年度には事業を完了する予定の計画としておりました。
(中森辰一議員)
令和5年度には完了すると。計画自体が今の老朽化の状況も考えながら年次計画を立てていたということだと思いますから、それから遠く離れた計画にはなるまいと思います。そういう点で言うと、できるだけ早く新しい計画を立ててスタートできるようにしていく。そして、今の住民と周辺の方にも説明をしていくということが必要なんだろうと思います。できれば、来年度予算にその辺りのことが反映できるような、スピードを持った計画の検討にならないかと思うんですけども、その辺りはどうでしょうか。
(住宅政策課長)
高須住宅については、建て替えを一旦中止することといたしましたが、老朽化が進んでいるということは確かであり、何らかの対応をする必要があるため、先ほど御答弁したとおり、今後は当該敷地での建て替えだけでなく、他の団地への集約なども視野に入れながら、どうあるべきなのかについて方向性を見いだしていきたいと考えています。
一方、周辺住民から、一定数存在する市営住宅の空き家の在り方を疑問視する意見も頂いており、本市としても、空き家の調整を含めて、まずは市営住宅における空き家の考え方について整理したいと考えております。これらの検討には一定程度の時間を要するものと考えており、入居者の方々に対して、引き続き丁寧な対応をしていきたいと考えております。
(中森辰一議員)
空き家の問題は、前回、それから10月の決算特別委員会でも議論をしたところでありますが、少なくとも人口が減っているわけではありませんし、市民の所得状況、格差は広がっていますし、貧困世帯が増えているという実態も実際あると思うので、本来、この市営住宅の需要というのは私は減っているとは思いません。先ほど言いましたように、世帯の多様化といったようなこともあります。そういった状況を考えると、戸数は今のまま維持する。そのことを考えると、空き家はできるだけ早く解消できるような計画を是非立てていただきたい。それを基本にするべきだと思っております。空き家があるから建て替えはしないんだという話にはなるまいと思いますので、その点は申し上げておきます。
いずれにしても、できるだけ早いうちに計画をスタートできるよう、是非、検討を進めていただきたいということを、改めてお願いをしておきます。
(中森辰一議員)
二つ目ですが、バス便のことです。
先ほど、北部のことがありましたけれども、デルタ地域であっても非常に不便になっている所はあります。西区の観音新町から北方向へのバス便なんですけれども、西区の観音新町と広島駅方面を結ぶバス路線で、広島電鉄の3号線というのがありますが、利用客が非常に多いですから、1時間に最大で13便あって、非常に利便性が高い路線です。
一方で、観音新町と同じ所からなんですけども、横川駅を結ぶ路線で、広島電鉄の8号線。これは西区役所とか西区地域福祉センターのすぐ近くを通りますし、西区民文化センターに行くためには一番便利なバス路線ということになります。
ところが、便数が少ない上に、平日は午前10時台から午後3時台まで便がない。特に、日曜と祝日は運行されておりませんので、バス便を使いたい市民にとっては、極めて不便な路線ということになっています。
これは、この8号線の利用客が主に通勤客ということになっていて、それ以外の利用が少ないからということなんだろうと思います。バス便の利用者が少なければ採算は取れませんから、その分は減便になるというのは営利会社としてやむを得ない面があると思うんです。だけども、日中に区役所を利用したいという人にとっては非常に不便ですし、休日に西区民文化センターを利用したい人にとっても、やっぱり非常に不便な状態になっていると思います。この点について、市としてはどのような認識でしょうか。
(公共交通計画担当課長)
8号線の状況についてバス事業者に問い合わせたところ、バス事業者も地域の方から要望を受けており、これに対しては、利用者が採算ベースを大幅に下回っていることや、他の公共交通機関を利用することで代替も可能であることなどから現行の運行になっており、当該路線の運輸需要や運転手の体制を踏まえると、現状では増便を行うのは難しいとお答えしていると聞いております。
こうした状況ではありますが、地域からの御意見なども踏まえ、利用者の利便性向上に向け、バス事業者に働き掛けていきたいと考えております。
(中森辰一議員)
長くこういう状況が続いているわけです。この便に関わる所に用がある人は、仕方がないのでタクシーを使ったりとか、自家用車を利用したりということにならざるを得ませんし、もうバス便がないからと諦めて、そういうふうな利用の仕方をしている方もおられると思います。
ただ、どこでも高齢化が進んでおりまして、観音新町も同様なんです。免許を返上している方も増えていると思いますし、一方で、タクシーは費用がかさむという方も多いと思います。ということで、潜在的にバスの便を利用したい方は、今、だんだん増えてきているんじゃないかと思うんです。実は、そういう声が以前から届いておりますので、こういうふうに取り上げているわけなんですけども、やっぱり何らかの方策を考えていただきたいと思っております。
例えば、観音新町から区役所付近を経由して広島駅方面に行く。今の3号線のう回したルート、別便みたいな便ができないかとか、あるいは観音新町から区役所付近を経由して、更に舟入辺りで電車と同じ江波から横川へのルートと合流して横川方面へ行くといった便を考えられないかというふうなことを考えてみたんですけども、元の8号線を増便するのが一番分かりやすいと思うんです。市として、公共交通の利便性は高めていく必要があるという方向性を持っているわけですけれども、こういった考え方についてはどのようにお考えでしょうか。
(公共交通計画担当課長)
本市では、平成28年12月に地域公共交通計画を策定し、各種機能強化策や利用促進策に取り組んでいるところであり、デルタ市街地においては、できるだけ公共交通空白地が生じないようなサービスを提供し、利便性が高い公共交通ネットワークを形成していきたいと考えているところでございます。
(中森辰一議員)
基本的なそういう方向で、できるだけ改善が図られるようなことを考えていただきたいと思っています。
それでですが、高齢化が進んでいて、公共交通の利便性を高める必要性はどこの地域でも高まっているんだろうと思うんです。現実に、観音新町の人たちから8号線の便数を増やしてほしいという声が上がっているわけですから、地元の町内会などとも相談していただきながら、まずは需要調査、アンケートみたいなことを是非やってみたらどうかと思うんです。それで需要があるということが分かれば、事業者の方も検討する余地が一定程度出てくると思うんですが、その点はどうでしょうか。
(公共交通計画担当課長)
バス事業者に増便してもらうためには、地域が主体となってアンケート調査等を実施し、需要があることをお伝えするなど、地域全体の熱意を示すことも重要であると考えています。地域がそうした取組を行う場合には、市としても助言するなどの必要な支援をしていきたいと考えております。
(中森辰一議員)
市の方でやろうということじゃなくて、地元の方でまずは取り組んでもらいたいと。それは地元にはお伝えしていきたいと思いますが、市としても積極的に取り組んでいただきたいということは申し上げておきたいと思います。
(中森辰一議員)
最後ですが、高速5号線のトンネル建設工事のことです。
いろいろ問題がありましたが、掘削が進められております。これから牛田東地区の住宅地の直下に掛かっていくことになっていると思いますが、このことについて、地元の住民の皆さんが湯崎県知事と面談をされました。いろんな意見や要望をされたということなんですけども、この要望の内容に関わって、幾つか聞いておきたいと思います。
まず、トンネルの掘削工事は坑口からどこまで到達しているのか。それから、牛田東地区の住宅地とあとどれくらいの位置になっているのか、お答えください。
(高速道路整備担当課長)
シールドトンネル工事については、現在、二葉の里側の坑口から463メートルの地点まで掘削が進んでいます。牛田東地区の住宅地直下までは、残り130メートルの位置です。
(中森辰一議員)
あと130メートルだということなんですけども、この牛田東地区の住宅地にはいつ頃到達する予定なんでしょうか。
(高速道路整備担当課長)
公社では、住宅地直下の350メートルとその前後100メートルの550メートル区間については、住宅地区間として昼間施工を行うこととしています。残り130メートルで住宅地区間に到達しますけども、この区間の掘削については、公社において掘削方法や掘進工程等についての検討を行った後、学識経験者等で構成するトンネル施工管理委員会において審議した上で、着手していくこととしています。
(中森辰一議員)
ということは、時期は未定だというふうに理解してよろしいんですか。
(高速道路整備担当課長)
まだ時期の方は確定しておりません。
(中森辰一議員)
さっきの話ではありませんけれども、シールドマシンが壊れてしまったということで、一旦ストップをしました。それで、いろいろ準備をして、修理もしてスタートしました。スタートして、一定の期間を掛けて到達していくということになるんだろうと思いますが、もともとはいつ頃の予定だったんでしょうか。
(高速道路整備担当課長)
これまでは、本年8月頃から牛田東地区の掘削に着手する予定としておりました。
(中森辰一議員)
今、12月ですけれども、まだ未定という状況になっておりますが、463メートルの所まで来たということなんです。坑口から掘削を始めて、今までにシールドマシンのカッターの交換は何回実施されたのでしょうか。
(高速道路整備担当課長)
これまでに26回のカッター交換を実施しております。
(中森辰一議員)
当初計画では、この位置までに何回実施する予定だったのでしょうか。
(高速道路整備担当課長)
当初計画においては、現時点までに3回のカッター交換を計画しておりました。
(中森辰一議員)
3回で済む予定だったんだけれども、実は26回やっていると。それだけ必要性があるということなんだと思いますが、なぜ、想定よりもこんなに頻回の交換が必要になっているのか、それはどうでしょう。
(高速道路整備担当課長)
カッター交換の回数が増加した要因については、今後、施工管理委員会で審議を行うこととしておりますけども、公社からは、岩盤強度が当初の想定より大きく、カッターの摩耗が想定以上に進んだことなどが要因と聞いております。
(中森辰一議員)
工事計画を立てる際に、必要なボーリング調査をして、岩盤の状態を確認して計画を立てたということだと思います。ということは、3回の予定が26回ですから、調査が相当ずさんだったのではないか、こういうふうに考えられるんですけども、どうなんでしょう。
(高速道路整備担当課長)
牛田東地区においては、約50メートル間隔で1本のボーリング調査を行っており、一般的な200メートル間隔に比べ、十分な調査を実施しているものと考えております。
(中森辰一議員)
いや、どれだけの数のボーリング調査をやったかということもありますが、その調査をどう評価したかということが非常に大事なんだと思うんです。これは結局、そういう調査をやったけれども、評価に非常に問題があった。考えていたのはもっと軟らかい岩盤で、硬い岩盤ですけども、もっとスムーズにいく岩盤のはずだったんだけれども、実際にやってみたらとてもそんな状況ではない岩盤だったということになっているわけです。そういう意味で不十分だったんじゃないかということを言っているわけですけども、この点はどうなんでしょうか。
(高速道路整備担当課長)
シールドマシンが損傷した箇所において、水平ボーリング調査とかを行った結果、想定していた岩盤よりも硬い強度の岩盤が出たことは事実でございます。
ただ、牛田東地区においては、一般的な間隔に比べ十分な調査を実施しておりますので、十分な調査をしていると考えております。
(中森辰一議員)
問題は今おっしゃったところなんですけども、工事に先立っての住民への説明会では、牛田東地区の住宅地直下の350メートルに、その前後の100メートルを合わせて、200メートルをプラスするんだというふうにおっしゃいましたけども、少なくともこの住宅地直下はカッター交換をしないので地下水位の低下は起こりませんと、したがって地盤沈下などの問題は発生しないということで住民を安心させる説明をしていたというふうに思うんですけども、この区間でのカッター交換はないと考えておられるんでしょうか。
(高速道路整備担当課長)
公社は、これまで牛田東地区の住民の皆様に対して、住宅地直下についてはカッター交換を極力回避するという説明をしてきています。
しかしながら、これまでのカッター交換の実績を踏まえると、牛田東地区の住宅地直下におけるカッター交換が想定されます。
(中森辰一議員)
463メートルの間にこれまで26回やってきた。この牛田東の住宅地直下の辺りは少なくとももっとスムーズにいくのではないかということをさっき説明しておられましたけれども、カッター交換はもう避けられないということだと思うんです。
住民が組織してやっておられる運動団体には、地質の専門家に加えて、シールドマシンでのトンネル掘削を現場で指揮しておられた、そういう経験を持った方もいらっしゃいまして、非常に専門的なアドバイスもしておられるようなんですけども、県知事との面談の際に、シールドマシンを製作したロビンス社は日本の岩盤掘削の経験がないんじゃないかと。大林組もシールドマシンによるトンネル掘削工事の経験は、その当時はまだなかったんじゃないかと。最近、この両者が組んで山形県の電力会社のトンネルを掘削しているんだけども、今回の5号線と同じように大幅に工期を延長せざるを得ない実態になっているというような指摘もあったようです。
そういう実態だとしますと、こういう事態というのは、メーカーも工事会社の方も、そもそも二葉山トンネルを掘るという、非常に複雑で強度の高い岩盤を掘削するような工事に熟練していないところが組んでやったということではないかと思うんですけども、どのように評価しておられますか。
(高速道路整備担当課長)
先ほど答弁いたしましたとおり、カッター交換の回数の増加は、岩盤強度が当初想定よりも大きく、カッターの摩耗が想定以上に進んだことなどが要因と聞いております。
(中森辰一議員)
その会社の評価まではようせんということなんでしょうけれども、いずれにしても、カッター交換を行う際には切り羽面の高圧の泥水を抜く必要があります。相当な量を抜くわけですから、その度に地下水位の低下を引き起こすんじゃないかと心配をされているわけです。住民の意見によると、これまでのカッター交換によって地下水位が十七、八メートルも低下していると。住宅地でこういう事態が起きると、相当な地盤沈下につながるんじゃないかというふうに心配をしておられるわけですけども、この点はどうなんでしょうか。
(高速道路整備担当課長)
地下水位が低下した場合は地表面沈下につながるおそれがあることから、現在、公社において、カッター交換時の地下水位の低下を抑制する対策工の検討を進めており、今後、施工管理委員会において審議することにしています。
(中森辰一議員)
そうすると、地盤沈下を引き起こす心配が否定できないということになっていると思うんです。先ほど言われましたように、地下水位が低下をすると地表面沈下の可能性が出てくるということだと思いますけども、こういった事態が仮に起きた場合には、その被害補償というのはどういうふうになされるんでしょうか。
(高速道路整備担当課長)
万が一、トンネル工事に起因して建物等に不具合が発生した場合には、通常の公共工事と同様に、建物調査を実施の上、損傷等を修復するために必要とされる費用を補償することとしています。
また、高速5号線シールドトンネル工事では、地表面沈下を不安に思われている住民の皆様の御要望に可能な限りお応えするため、万が一の場合の対応として、一定以上の沈下があった場合、通常の事業損失補償に代えて、希望される方の土地の買収及び建物等の補償を行う仕組みを構築しております。
(中森辰一議員)
当然、それに備えて、このトンネル掘削を行う前に、被害を受けると想定される区域の住民の土地、家屋の事前調査をする必要があると思うんですけども、そういうものは十分に行われたんでしょうか。
(高速道路整備担当課長)
公社では、トンネル掘削による影響が万が一、家屋に及んだ場合に備え、トンネル直上も含め、通常設定される範囲より十分に広い範囲の家屋調査を行っています。
(中森辰一議員)
十分に広いとおっしゃったんですが、どういう範囲なんでしょうか。
(高速道路整備担当課長)
家屋調査の範囲については、一般的にトンネル掘削の影響範囲はトンネルの両側面から45度の範囲内とされておりますけども、高速5号線のシールドトンネル工事については、この45度の範囲に加え、団地造成前の地形の尾根線内側までの範囲にある家屋も対象に家屋調査範囲を設定しております。
(中森辰一議員)
通常よりも広めにやっているんだとおっしゃったんですが、それでも、住民の側からもっと調査が要るんじゃないかという指摘もされているんですけども、それは御存じですか。
(高速道路整備担当課長)
委員の御指摘は、牛田東一丁目の住民の方から出されている要望の件だと思っておりますが、認識しております。
(中森辰一議員)
そういう声が上がっている以上は、不安に応えるためにも、そういう所の調査もやっておいた方がいいんじゃないかと思うんですけども、その点はどうでしょうか。
(高速道路整備担当課)
先ほど御答弁しましたとおり、高速5号線のシールドトンネル工事の家屋調査範囲については、通常設定される範囲より十分に広い範囲で調査を行っております。公社としては、この範囲を超えての影響は考えにくいと考えておりまして、調査を実施する必要はないと聞いております。
(中森辰一議員)
調査を行うのに相当に費用が掛かるんですか。
(高速道路整備担当課長)
費用については、現在行っている家屋調査範囲の部分と同様になるのではないかと考えております。
(中森辰一議員)
調査をするだけならそんなに大きな費用が掛かるとは思わないんですけども、やっぱり住民に対する誠実さという点で、そういった不安の声に最大限応えていくという姿勢が必要ではないかと思いますので、この点は是非、御検討いただきたいと思います。
それから、頻回のカッター交換が必要だということになりますと、想定より硬い岩盤、亀裂のある岩盤が多いということじゃないかと思うんです。そうなりますと、一定の振動というのはあるんじゃないかと考えられると思います。それで、この振動ということについて、現状ではどういうふうに評価しておられるんでしょうか。
(高速道路整備担当課長)
振動については、工事の事前段階において予測をしておりまして、環境基準である60デシベルの範囲内に収まると予測しております。
(中森辰一議員)
環境基準はそうかもしれませんけれども、これは地表面にどういう振動が伝わっていくかということで出されたのかと思います。先ほど、議案の審議の時にちょっと触れましたけども、東京外環道では、地下40メートルでのシールドマシンで掘削していた直上の大規模な陥没事故というものが発生しております。予想に反して硬い岩石があって、計画以上の振動が発生したということが、大規模地震の際のような液状化を引き起こして陥没事故につながったというふうにも聞いているわけです。そういうところからまた新たな不安が出てきておりまして、牛田東地区は、急斜面に大規模盛土で造成した所など、非常にぜい弱な地盤が多いそうです。二葉山トンネルの場合は、掘削する深さが東京外環道よりも浅いだけに、同じような事態がより起きやすいんじゃないかというふうな懸念もされております。住民の皆さんは、そういったような事態が起きないとの確証が得られるまで工事は見合わせていただきたいというふうに訴えていらっしゃるわけですけども、この点についてはどうなんでしょうか。
(高速道路整備担当課長)
東京外環道については、陥没と工事の因果関係は不明なものの、工事を一旦中止し、現在、NEXCO東日本等において、有識者委員会で審議しながら原因の究明が進められていますけども、高速5号線とは工法や地質が異なっております。
高速5号線については、地域住民の皆様へ掘削方法などの説明を行った上で、万全な計測管理体制の下、掘削を行うこととしています。
(中森辰一議員)
いずれにしても、そういった不安をきちんと拭うような努力というのは、是非していただきたいと思います。
もう一点ですけども、今回のトンネル建設では、道路下の大きな空間が避難路として活用されないことになっております。当然、円形のトンネルが掘られるわけですけども、道路は相当上の方を使うんです。下の方は空間ができるんですけども、それを活用しない。30メートルの立坑を造って避難路にするということになっておるんですが、煙が充満するトンネルの中を移動して立坑がある所まで行く。そして、今度は30メートルも避難階段、恐らくらせん階段になるのかと思うんですが、狭い30メートルもの避難階段を順番に上がっていくというようなことになります。
一方で、煙がない道路下の広い空間というのを利用してもらう方が安全じゃないかと普通に思うんですけども、なぜ立坑にこだわるんでしょうか。
(高速道路整備担当課長)
高速5号線トンネルの避難通路については、設置を義務付けられているものではありませんが、緊急時の利用者の安全性をより高めるため、トンネル中央付近で地表面までの経路が短い位置に避難口を設ける計画としております。公社では、この避難口の設置により、トンネル両側の坑口と併せ、トンネル外への避難出口を3か所確保できることから、道路下の空間を利用して2か所の両側坑口に避難誘導する方式よりも、トンネル外への避難距離の短縮が図られると考えています。
(中森辰一議員)
30メートルも上がらないといけないわけです。これは、実際にやってみると大変なことじゃないかと思うんです。どっちにしたって1か所しか造らないわけですから、距離はありますけども、広い空間を一斉に避難していくことができる方が、私はより大勢の人が避難しやすいんじゃないかと思います。
こういったいろんな意見があるんですけども、やっぱりいろんな選択をしていくというのが本当に納得を得られているかというと、なかなかそうはなっていないんじゃないかと思います。立坑を造るということに関しては、ぜい弱な地盤に地下水位が下がるようなトンネル建設をしている。それに更に立坑を造ることで、一層、地盤を不安定化させてしまうんじゃないかといったような意見も出されております。
いずれにしても、地元の方々は何にもなければ一番いいわけです。別に被害補償が欲しいわけでもありません。何にもなくて、今までどおり住めるような状態になっているということを一番願っておられるわけです。こういうことについて、不安があるからいろいろ意見を出してきておられます。そういうことに対して、より丁寧な説明をして、この不安にきちんと応えていく努力をしていくことが必要だと思います。
私たちは高速道路建設自体に反対なんですけれども、こういった様々な不安、問題が現実に発生しているわけです。そういったことの責任というのは、ひとえに工事を推進する側にあるわけですから、そこはよく自覚をしていただいて、丁寧に説明をして、納得の上で工事を進められるように要請をしておきます。